JP5904491B2 - 生物燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は生物燃料電池に関する。
近来における地球温暖化防止という環境対策の観点から、炭酸ガスを発生しない燃料電池が注目されている。この燃料電池として代表的なものは、所謂水素燃料電池と呼ばれるものである。しかし、水素燃料電池は、水素ガスや天然ガスなどの可燃性ガスを燃料(プロトン源)として用いなければならないという欠点がある。一方、燃料電池には、バイオマスをプロトン源とする生物燃料電池がある。生物燃料電池は、可燃性ガスを使用しないという利点がある。また、生物燃料電池は、炭酸ガスの発生を伴うものの、植物由来のバイオマスの使用により、炭酸ガスの正味の増大を伴わない。さらに、生物燃料電池は、有機物資源の再利用という観点から、現在注目されており、種々の生物燃料電池が提案されている。
その一例として、特許文献1が挙げられる。
特許文献1の生物燃料電池では、負極を備えた負極室(燃料極室)と、正極を備えた正極室(酸素極室)とがプロトン透過膜(隔膜)で仕切られている。負極室には、バイオマスを代謝分解する酵素などの生物触媒とともに、電子メディエータが存在している。一方、正極室には、例えば多価金属イオン(例えばFe3+)を含む電解液が充填されており、酸素が吹き込まれる。
このような生物燃料電池において、負極室では、生物触媒によるバイオマスの分解により電子が生じる。この電子は電子メディエータによって負極に伝達される。負極に達した電子は、外部回路で仕事をした後に、正極に到達する。正極に到達した電子は、正極室中の高い価数の多価金属イオンを還元し、低い価数の多価金属イオンを生成する(Fe3+→Fe2+)。また、負極室では、生物触媒によるバイオマスの分解によりプロトンが生じる。このプロトンは、プロトン透過膜を透過して正極室に導入され、正極において低い価数の金属イオンとともに酸素によって酸化される。これにより、水が生成すると同時に、低い価数の金属イオンが元の価数の高い金属イオンに戻る。これらの一連の反応は、例えば下記式:
<負極室> C12+6HO → 6CO+24H+24e
<正極室> e+Fe3+ → Fe2+
4H+4Fe2++O → 2HO+4Fe3+
で表される。このような電極反応が連続的に行われることにより、電流が発生して発電が行われることとなる。
特開2007−287542号公報
このような生物燃料電池の燃料として、パルプ及びSAP(Super Absorbent Polymer、超吸収性高分子)を含む使用済み紙オムツを使用することができる。この場合、生物触媒によって分解されやすいように使用済み紙オムツは細かく破砕された破砕物の状態で使用される。ところが、この破砕物には、パルプ及びSAPだけでなく、プラスチックフィルムのように生物触媒により分解されないものも含まれている。このため、プラスチックフィルム等が負極の表面に付着すると、負極に電子を伝達するのが困難となり、発電効率が低下するおそれがある。分解が不十分なパルプ及びSAPが負極に付着した場合も同様な問題が生じうる。
したがって、本発明の目的は、使用済み紙オムツを燃料として使用した場合に、発電効率が低下することを防ぐことができる生物燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明によれば、
使用済みの紙オムツの破砕物を再利用して発電する生物燃料電池であって、
正極、負極、及びこれら正極及び負極を電気的に接続する外部回路と、
前記正極が配置された正極領域と、
前記負極が配置された負極領域と、
前記正極領域及び前記負極領域との間に配置されたプロトン透過膜と、
を備え、
前記負極領域に前記破砕物と共に生物触媒が収容される、
生物燃料電池において、
前記負極領域がメッシュにより電極領域と破砕物領域とに分離され、
前記電極領域内に前記負極が収容され、破砕物領域内に前記破砕物が収容される、
生物燃料電池が提供される。
さらに、前記プロトン透過膜は、カチオン交換膜と、前記カチオン交換膜の負極領域側面のみに形成されたアニオン交換層とを含む複合カチオン交換膜から構成されると好ましい。負極領域において生成されたプロトンが選択的に正極へ移動することができるからである。
さらに、前記負極領域に電子メディエータが収容されると好ましい。電子メディエータが、負極領域において生成された電子を負極へ運ぶからである。
さらに、前記負極はモール状に編み込まれたカーボン繊維から形成されていると好ましい。負極をモール状に形成することにより負極の表面積をより増大させることができ、負極をカーボンから形成することにより電子伝達効率が高められるからである。
さらに、前記メッシュの目数が30〜200メッシュであると好ましい。負極への電子の到達を妨げることなく、負極の表面にプラスチックフィルム等が付着するのを抑制できるからである。
さらに、前記破砕物が5×5mm〜10×10mmの四角形状であると好ましい。破砕物のサイズがこれよりも大きいと分解するのに時間がかかってしまい、破砕物のサイズがこれよりも小さいと破砕するのにより大きな力を要してしまうからである。
さらに、前記破砕物領域に前記破砕物を供給する破砕物供給器をさらに備えると好ましい。発電に伴い消費される破砕物を補給でき、連続的に発電できるからである。
さらに、前記破砕器は、前記外部回路から供給される電力によって駆動されると好ましい。外部からの電力を必要とせず、または低減できるからである。
さらに、生物触媒を前記負極領域に供給する触媒供給器をさらに備えると好ましい。生物触媒を負極領域に補給でき、連続的に発電できるからである。
さらに、電子メディエータを前記負極領域に供給する電子メディエータ供給器をさらに備えると好ましい。電子メディエータを負極領域に補給でき、連続的に発電できるからである。
さらに、前記破砕物領域が前記負極領域の中央部に形成され、前記電極領域が負極領域の周辺部に形成されると好ましい。破砕物領域がその全周にわたって電極領域に接するので、発電効率が高められるからである。
さらに、前記電極領域が前記負極領域の中央部に形成され、前記破砕物領域が負極領域の周辺部に形成されると好ましい。電極領域がその全周にわたって破砕物領域に接するので、発電効率が高められるからである。
さらに、前記破砕物領域内に攪拌器をさらに備えると好ましい。負極室内の生物触媒と破砕物とを攪拌することによって破砕物の分解を促進することができるからである。
さらに、前記正極が白金電極、銅電極、鉄電極、金電極又はチタン電極であると好ましい。発電効率が高められるからである。
さらに、前記正極領域が大気であると好ましい。正極領域に酸素を供給する装置が必要なくなるからである。
本発明により、使用済み紙オムツを燃料として使用した場合に、発電効率が低下することを防ぐことができる。
第一の実施形態の生物燃料電池の概略図。 負極の部分斜視図。 第二の実施形態の生物燃料電池の概略図。 第三の実施形態の生物燃料電池の概略図。
本発明は上述の図面を参照しつつより詳細に記載される。なお、図面は、本発明の理解を容易にすると共に図面の記載を簡略化するために、実際の構成要素の大きさ、縮尺、形状と同一に描かれていない場合があることに留意されたい。
(第一の実施形態)
これより、図1を参照して、第一の実施形態の生物燃料電池1について説明する。この生物燃料電池1では、燃料として、使用済みの紙オムツ、より具体的には紙オムツの吸収体に含まれるパルプ(セルロース)が使用される。
図1を参照すると、生物燃料電池1は、有底筒形状の負極室3を備える。負極室3の内部には負極領域5が画定される。
生物燃料電池1はさらに、負極室3の外部に画定された正極領域7を備える。
負極室3の例えば一側面、すなわち負極領域5と正極領域7との間には、プロトンを負極領域5から正極領域7に選択的に透過させるプロトン交換膜9が設けられる。
負極領域5内には全体的に筒形状をなしている負極11が設けられている。第一の実施形態では、負極11は、図2に示されるようなモール状に編み込まれたカーボン繊維から形成されている。
再び図1を参照すると、第一の実施形態の負極領域5内には、筒形状のメッシュ13がさらに設けられる。このメッシュ13によって、負極領域5は、負極領域5の周辺部に位置する電極領域15と負極領域5の中央部に位置する破砕物領域17とに、流体が流通可能に分離される。上述の負極11はこの電極室15内に収容される。
第一の実施形態では、メッシュ13の目数は100メッシュである。
負極領域5内、すなわち電極領域15及び破砕物領域17内には、馴養汚泥19が収容される。馴養汚泥19には、パルプを分解するための生物触媒と、電子伝達剤である電子メディエータとが含まれる。一方、破砕物領域17内には使用済みの紙オムツの破砕物21が収容される。
一方、正極領域7は大気から構成される。
正極領域7内には板状の正極23が配置される。第一の実施形態では、正極23は正極領域7内においてプロトン交換膜9に当接される。
また、第一の実施形態では、正極23は白金から形成される。別の実施形態では、正極23は例えば、銅、鉄、金又はチタンから形成される。
第一の実施形態の生物燃料電池1はさらに外部回路30を備える。外部回路30は、負極11と電気的に接続された負極側電線31と、正極23と電気的に接続された正極側電線33と、負極側電線31と正極側電線33と電気的に接続された電子制御回路35と、電子制御回路35と電気的に接続されかつ蓄電することができるバッテリ37とを含む。電子制御回路35はバッテリ37への蓄電作用を制御する。
第一の実施形態の生物燃料電池1はさらに、使用済みの紙オムツの破砕物21を生成する破砕器40を例えば負極室3の上方に備える。ここで使用されている破砕器40は、1対の破砕刃41を備える公知の二軸破砕器である。破砕器40の入口には、上方に向け開口する紙オムツ導入ホッパ43が設けられ、破砕器40の出口には、負極領域5、特に破砕物領域17に連通する破砕物投入配管45が設けられる。
この破砕器40は、第一の実施形態では手回し式となっている。破砕器40は、手回しハンドル47、第一の減速機49及び第二の減速機51を介して手回しハンドル47に連結された駆動プーリ53、駆動ベルト55を介して駆動プーリ53に連結された従動プーリ57を備える。従動プーリ57は1対の破砕刃41に連結される。
負極領域5の破砕物領域17に破砕物21を供給すべきときには、使用済みの紙オムツが紙オムツ導入ホッパ43に投入され、手回しハンドル47が回転される。その結果、動力が第一の減速機49、第二の減速機51、駆動プーリ53、駆動ベルト55及び従動プーリ57介して、破砕器40内の1対の破砕刃41に伝達される。これにより、使用済み紙オムツが破砕され、破砕物21が生成される。生成された破砕物21は次いで、破砕物投入配管45を介し落下して、破砕物領域17に導入される。
破砕物21は種々の形及び種々の大きさにすることができる。第一の実施形態では破砕物21は約5mm×5mmの四角形状をなしている。
第一の実施形態の生物燃料電池1はさらに馴養汚泥供給器60を備える。馴養汚泥供給器60は、馴養汚泥投入ホッパ61、馴養汚泥投入ホッパ61の出口を負極領域5に接続する馴養汚泥投入配管63、及び馴養汚泥投入配管63内に配置された馴養汚泥19投入バルブ45を備える。馴養汚泥投入バルブ65は通常は閉鎖されている。馴養汚泥19、すなわち生物触媒及び電子メディエータを負極領域5内に供給すべきときには、馴養汚泥19が馴養汚泥投入ホッパ61に投入され、馴養汚泥投入バルブ65が開放される。その結果、馴養汚泥19が馴養汚泥投入配管63を介して負極領域5内に供給される。
なお、第一の実施形態では、上述したように、馴養汚泥19に生物触媒及び電子メディエータが含まれている。したがって、上述の馴養汚泥供給器60は生物触媒供給器及び電子メディエータ供給器として作用する。
第一の実施形態の生物燃料電池1はさらに破砕物領域17内に配置された攪拌器70を備える。攪拌器70は、攪拌軸71と攪拌翼73とを備える。第一の実施形態では、攪拌器70はさらに、破砕器40と共通の手回しハンドル47と、第一の減速機49を介して手回しハンドル47に連結された駆動プーリ75と、駆動ベルト77を介して駆動プーリ75に連結された従動プーリ79とを備える。従動プーリ79は攪拌軸71に連結される。
攪拌器70を作動すべきときには、手回しハンドル47が回転される。その結果、攪拌翼73が回転され、破砕物領域17内の破砕物21及び馴養汚泥19が攪拌される。
生物燃料電池1はさらに、残留物浄化装置91と、破砕物領域17の底部と残留物浄化装置91の入口とを互いに接続する残留物排出配管93と、残留物排出配管93内に設置されている残留物排出バルブ95と、残留物浄化装置91の出口に接続された排出管97とを備える。残留物排出バルブ95は通常閉鎖されている。残留物排出バルブ95が開放されると、破砕物領域17内の残留物が、残留物排出配管93を介し残留物浄化装置91に導入され、浄化される。浄化された残留物は排出管97を介して残留物浄化装置91から排出される。残留物には、馴養汚泥19のほか、紙オムツのうちプラスチックフィルムや糸ゴムのように分解されない材料が含まれる。別の実施形態では残留物は破砕物領域17の上部開口から取り出される。取り出された残留物は浄化槽又は焼却炉により処理される。
第一の実施形態の生物燃料電池1はさらに、負極領域5の電極領域15の底部に接続された液体排出配管101と、電極領域15内に位置する液体排出配管101の入口を覆うメッシュ103と、液体排出配管101内に設置された液体バルブ105とを備える。液体バルブ105は通常閉鎖されている。液体バルブ105が開放されると、負極領域5内の液体、例えば廃液が負極領域5外に排出される。排出された液体は、例えばトイレや浄化槽によって処理される。液体排出配管101は、別の実施形態では、負極領域5の破砕物領域17の底部に接続される。
次いで、第一の実施形態の生物燃料電池1の発電作用を説明する。
破砕物領域17において、破砕物21に含まれるパルプが生物触媒によって分解され、すなわち酸化される。その結果、電子とプロトンとが生成される。
生成された電子は、電子メディエータによって負極11まで運ばれる。この場合、電子メディエータはセルロース細胞の内部から外部へ電子を奪取する。電子メディエータはその電子吸引性ゆえに、電子を奪うことで酸化型から還元型へ変換し、電子を細胞外へ運ぶ。細胞内部に比べ、通常細胞外では酸化度が高いため、還元型の電子メディエータは、負極11へ電子を渡すことによって酸化型へ戻る。次いで、電子メディエータは再び電子収奪を行う。
あるいは、電子は単独で負極11に到達する。
負極11に到達した電子は、外部回路30を介し、正極23に到達する。
一方、プロトンはプロトン交換膜9を選択的に透過して正極23へ移動する。
次いで、正極23では、電子とプロトンと大気中の酸素が受動的に反応して以下のように水を生成する。
6O+24H+24e → 12H
以上の作用が繰り返し行われることによって、生物燃料電池1により発電することができる。第一の実施形態では、発電された電力はバッテリ37に充電される。
第一の実施形態の生物燃料電池1は次のようにして作動される。
まず、馴養汚泥投入バルブ65が開放されて馴養汚泥投入配管63から馴養汚泥19が負極領域5内に導入される。次いで、使用済み紙オムツが使用済み紙オムツ導入ホッパ43に導入され、手回しハンドル47が回転されて破砕器40が作動される。その結果、破砕物投入配管45から破砕物21が破砕物領域17に導入される。
この場合、攪拌器70が作動されているので、破砕物21と馴養汚泥19とが良好に混合され、生物触媒によるパルプの分解が促進される。また、破砕物21が破砕物領域17に導入された後も、攪拌器70を継続的に作動させることにより、生物触媒によるパルプの分解が促進される。
この際に、メッシュ13が電極領域15を破砕物領域17から分離している。その結果、破砕物21が破砕物領域17に留まって電極領域15に移動せず、破砕物21が負極11に表面に付着することが防がれる。それにより、負極領域5内の電子が負極11に到達する確率を増加させることができ、ひいては発電効率を高めることができる。
なお、部分的に分解されたパルプ部分がメッシュ13を通過して破砕物領域17から電極領域15に達する可能性もある。しかし、このパルプ部分は寸法がかなり小さいので、発電効率に影響をほとんど与えない。また、電極領域15にも馴養汚泥19は存在しており、電極領域15においてもパルプの分解が行われる。
また、第一の実施形態では、電極領域15は負極領域5の周辺部に位置し、破砕物領域17は負極領域5の中央部に位置する。その結果、電極領域15がその全周にわたって破砕物領域17に接するので、電子が負極11に到達する確率を増加させることができ、発電効率が高められる。
なお、第一の実施形態では前述したようにメッシュ13の目数は100メッシュである。しかしながら、発電効率を考慮すると、メッシュ13の目数は30〜200メッシュの範囲であることが好ましい。メッシュ13の目数が30メッシュ未満であると、メッシュ間隔が大きすぎてしまい、十分に分解していない又は分解されない破砕物21の部分がメッシュ13を通過し、負極11の表面に付着して、発電効率が低下してしまう場合があるからである。その一方で、メッシュ13の目数が200メッシュよりも多いと、メッシュ間隔が小さくなりすぎてしまい、メッシュが分解したパルプによって目詰まりを起こし、負極11への電子の到達を妨げるおそれがあるからである。
第一の実施形態の生物燃料電池1では、負極領域5での分解が進むと、破砕物21のパルプ部分の量及び活性な生物触媒の量が減少してくる。そこで、破砕器40から破砕物21が負極領域5に補充される。また、馴養汚泥供給器60から生物触媒及び電子メディエータを含む馴養汚泥19が補充される。このようにすることによって、生物燃料電池1を連続的に発電させることができ、有利である。
第一の実施形態では、上述したように、負極11はモール状に編み込まれたカーボン繊維から形成されている。このような形状にすることで、平坦な表面を有する電極に比べて負極11の表面積を増加させることができる。それにより、負極11の表面に電子を到達させる確率を増加させ、ひいては発電効率を高めることができる。
しかしながら、負極11の形状はモール形状に限定されない。別の実施形態では、負極11はメッシュ状、格子状等の任意の構造をとる。素材に関しても、カーボン繊維のみに限定されるものではない。別の実施形態では、負極11は、鉄、ニッケル、白金、チタン/白金、カーボンステンレススチールなどから形成される。
プロトン交換膜9は、カチオン交換膜の負極領域5側の面にアニオン交換層を設けたものである。このプロトン交換膜9の形成に使用されるカチオン交換膜は、特に限定されず、公知のカチオン交換膜であってよい。カチオン交換膜として、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、硫酸エステル基、チオール基、重金属との間にキレート構造を作り得るような活性基等のイオン交換基を有するカチオン交換膜を使用することができる。また、カチオン交換膜は、重合型、縮合型、均一型、不均一型など、製造方法に由来するカチオン交換膜の種類、型式等は、如何なるものであってもよい。さらに、補強のために使用する補強材の有無や、イオン交換基が結合する樹脂の材質(通常、炭化水素系樹脂またはフッ素系樹脂が使用されている。)も特に制限されない。しかしながら、寸法安定性や電気的性能などの観点から、オレフィン系樹脂やスチレン系樹脂を主ポリマーとして、これにスルホン酸基などのカチオン交換基が導入された炭化水素系のカチオン交換膜が、プロトン交換膜9として好適である。
また、このカチオン交換膜は、通常、0.1[meq/g dry membrane]以上、特に0.5〜3[meq/g dry membrane]のカチオン交換容量を有するものであればよい。カチオン交換膜の厚さは特に制限されないが、一般的には0.01〜5.0mm程度であるのが好ましい。さらに、カチオン交換膜は、含水の状態で使用されるものであってもよいし、無水の状態で使用されるものであってもよい。しかしながら、通常は含水の状態で使用されるのが好ましい。膜中のカチオン交換基は、水素型でも塩型でもよく、さらには、塩類、酸、塩基、その他の物質が膜中に含まれていてもよい。
上記のようなカチオン交換膜の片面へのアニオン交換層の形成には、以下の公知の方法が何ら制限されることなく用いられる。例えば、
− 特公昭46−23607号公報や特公昭47−3081号公報などに記載された、分子量の大きい、陽イオンとなり得る物質を膜表面に吸着させ、アニオン交換層を形成する方法、
− 特開昭56−50933号公報などに記載された、特定した一般式で示される2個以上の第4級アンモニウム塩基と1個又は2個のビニルベンジル基とを有するビニル化合物又はビニル化合物の重合体をカチオン交換膜の表面に存在させる方法、
− 特公昭38−16633号公報に記載された、アニオン交換膜となるべき糊状物質を塗布し、これに放射線照射して強固に密着させてアニオン交換層を形成する方法、
− 特公昭32−3962号公報記載に記載された、カチオン交換膜とアニオン交換膜とを、ポリエチレンイミン−エピクロルヒドリンの混合物で張り合わせて硬化接着する方法、
− 特公昭34−3961号公報記載のカチオン交換膜とアニオン交換膜とをイオン交換性接着剤で接着させる方法、
− 特公昭35−14531号公報記載の、カチオン交換膜とアニオン交換膜とのその接合しようとする面に、微粉の強塩基性のアニオンまたは強酸性のカチオン交換樹脂と熱可塑性電気絶縁性樹脂溶液とのペースト状混合物を塗布して圧着させる方法、
− 特開昭53−37190号公報記載の、イオン交換膜の表面に反対電荷を有するイオン交換樹脂の分散系と母体重合体との混合物を沈着させる方法、
− 米国特許3562139号明細書記載の、ポリエチレンフィルムにスチレン、ジビニルベンゼンを含浸重合したシート状物をステンレス製の枠にはさみつけ、一方の側をスルホン化させた後、シートを取り外して残りの部分にクロルメチル化次いでアミノ化処理する方法、
などが挙げられる。
また、カチオン交換膜の片面に溶媒に溶解したアニオン交換基を有する高分子体溶液又は該高分子体の前駆体溶液を流延、塗布又は噴霧してアニオン交換層を形成する方法なども可能である。
上記のようにしてカチオン交換膜上に形成されるアニオン交換層は、カチオン交換膜のプロトン透過性を損なわない程度の特性を有しているべきであり、例えば、その厚さは、通常、0.01〜100μm程度であるのが好ましい。さらに、アニオン交換層のアニオン交換容量は0.001〜0.4[meq/g dry membrane]程度であるのが好ましい。
次いで、片面にアニオン交換層を備えたカチオン交換膜である、第一の実施形態のプロトン交換膜9の作用について説明する。
例えば、デュポン社製のナフィオン(登録商標)のようなフッ素樹脂系のカチオン交換膜から構成されるプロトン透過膜は、電子メディエータを含まない液に対しては優れたプロトン透過性を示すものの、電子メディエータを含む液に対してはそのプロトン透過性が大きく低下してしまう。一方、第一の実施形態のプロトン交換膜は、電子メディエータが含まない液に対しては、上記フッ素樹脂系のプロトン交換膜よりもやや劣ったプロトン透過性を示す。しかしながら、電子メディエータを含む液に対しては、上記のフッ素樹脂系のカチオン交換膜からなるプロトン交換膜と比較すると優れたプロトン透過性を示す。
第一の実施形態のプロトン交換膜が、特に電子メディエータを含む液に対して優れた液透過性を示す理由は、明確に解明されたわけではないが、次のように推定されている。
すなわち、生物燃料電池1の負極領域5に使用される電子メディエータは疎水性の高い物質であり、フッ素樹脂系の樹脂などのカチオン交換膜に対しては高い吸着性を示す。このために膜表面に電子メディエータが吸着され、この結果、電子メディエータを含んでいる液に対してのプロトン透過性は低いものとなってしまう。一方、第一の実施形態のプロトン交換膜では、カチオン交換膜の表面にアニオン交換層が形成されているため、このアニオン交換層によって電子メディエータの吸着が抑制され、電子メディエータの吸着によるプロトン透過性の低下を有効に回避でき、優れたプロトン透過性を維持することが可能になるものと思われる。
また、第一の実施形態のプロトン交換膜9において、アニオン交換層は、カチオン交換膜の片方の面にのみ形成され、このアニオン交換層が負極領域5に面するように配置されることが重要である。アニオン交換層をカチオン交換膜の両面に設けてしまうと、正極領域7側に面するアニオン交換層が、単にプロトン透過性を低下させる働きしかしないからである。すなわち、アニオン交換層が電子メディエータの吸着を防止する機能を有しているため、このアニオン交換層が負極領域5に面するように配置されるが、このようなアニオン交換層はアニオンを交換するものであり、プロトンに対しては、その電気的反発力によって透過を抑止するからである。アニオン交換層を一方の面にのみ形成したプロトン交換膜であっても、アニオン交換層が正極領域7に面するようにカチオン交換膜を配置してしまうと、上記と全く同様、カチオン透過性が低下してしまう。
第一の実施形態では、上記のような片面にアニオン交換層を備えたカチオン交換膜を生物燃料電池のプロトン交換膜として使用することにより、プロトンを有効に透過させて安定した電極反応を行い、長期間にわたって安定的に発電を行うことができる。
また、第一の実施形態における破砕物21のサイズは5mm×5mmである。しかしながら、5mm×5mm〜10mm×10mmの四角形状にするのが好ましい。10mm×10mmよりも大きくなると、負極領域5内で破砕物21が分散するまでの時間が多くかかってしまう。その一方で、5mm×5mmよりも小さくしてしまうと、破砕するために大きな力を必要となってしまう。特に第一の実施形態では動力が手回式ハンドル47によるので、力の弱い利用者(例えば女性)の場合には、容易に手回しすることが困難となってしまう。
また、第一の実施形態で用いる馴養汚泥19は、混合微生物集団を含む汚泥である。この混合微生物集団には、セルロース分解菌のような生物触媒が含まれる。この馴養汚泥19は、セルロース・ペクチンなど高分子分解活性があり、また自己凝集性が高い。微生物と浄化水の沈降分離を示す沈降係数であるSV30は20〜40%程度であり、馴養汚泥19は、ハンゼヌラ属(Hansenula)、クルイベロミセス属(Kluybaromyces)、カンジダ属(Candida)、トリコスポロン属(Trichosporon)、ピキア属(Pichia)、ヤロウイア属(Yarrowia)、デバリオミセス属(Debaryomyces)などの野生酵母と、その他通常の活性汚泥に含まれる好気性細菌との複合系である。第一の実施形態で使用する馴養汚泥19は、カルボキシメチルセルロースを炭素源に3年以上馴養培養し、粉砕パルプでも2年以上馴養してきているため、セルロース分解活性の高い混合微生物汚泥である。
しかしながら、馴養汚泥19は上述したような汚泥に限らず、使い捨て紙オムツのパルプ等で作成された部分の分解をする生物触媒を含むものであればどのようなものでもよい。パルプの本体であるセルロースの分解酵素を生成する微生物群には、例えば、ゴルフ場などで発生する刈り芝の分解処理用に市販されている出光興産社のイデコンポ(登録商標)や、一般生ゴミの分解処理用に市販されている片岡物産社の片岡菌(バイオコア(商標))などがあり、これらを使用することができる。
上述したように、電子メディエータは電子の奪取及び移動の際に、酸化型と還元型との間で変化する。したがって、適切な電子吸引性(あるいは酸化還元電位)を有する電子メディエータを選べば、この電子の収奪及び移動が効率よく進む。
第一の実施形態において、電子メディエータには、比較的溶解度が高く、安価なメチレンブルーなどの酸化還元試薬が用いられる。メチレンブルーは、無酸素条件下では生分解性がないことや、酸化還元電位が−21mVであるため、生物触媒の電子伝達系からの電子収奪に適しているなどの利点がある。
電子メディエータとしては、その他にも種々のものが知られている。別の実施形態では、電子メディエータとして例えばニュートラルレッドなどが使用される。
しかしながら、電子メディエータを使用しなくとも、パルプが分解されるときに発生した電子が直接負極11に到達すれば発電することができる。さらに近年、生物触媒自らが電子メディエータ作用を持つ物質を分泌することが知られるようになった。また、細胞壁に電子伝達系たんぱく質を露出させて、電極へ直接電子を放出する電子生成菌の存在が分かってきた。したがって、別の実施形態では、負極領域5に電子メディエータが存在していない。
なお、正極23において、破砕物21から生成した電子とプロトンとが分子状酸素と反応することから、この反応は好気反応ととらえることができる。通常の好気反応では微生物細胞膜を通して必要量の酸素を与えるために、十分な爆気と攪拌が必要となる。しかしながら、第一の実施形態の生物燃料電池1においては、正極23が大気中に露出されているので、簡単な構成でもって酸素還元反応を進めることができる。
別の実施形態では、前述した特許文献1の生物燃料電池と同様に、多価金属イオンを含む電解液が充填された正極領域7が設けられる。
(第二の実施形態)
次いで、図3を参照して、第二の実施形態の生物燃料電池1について説明する。なお、第二の実施形態については、第一の実施形態との差異点のみを説明する。
図3を参照すると、第二の実施形態では第一の実施形態とは違って、負極領域5内に、有底の筒形状のメッシュ13が設けられる。このメッシュ13によって、負極領域5は、負極領域5の中央部に位置する電極領域15と負極領域5の周辺部に位置する破砕物領域17とに分離される。この構成により、電極領域15がその底部及び全周にわたって破砕物領域17に接するので、発電効率が高められ、有利である。
負極領域5内には全体的に棒形状をした負極11が配置される。
第二の実施形態では、攪拌器70は、負極領域5の底部に設置されている。この攪拌器70は、破砕器40とは独立した、第二の手回しハンドル81と、減速機83を介して第二の手回しハンドル81に連結された駆動プーリ75と、駆動ベルト77を介して駆動プーリ75に連結された従動プーリ79とを備える。従動プーリ79は攪拌軸71に連結される。第二の手回しハンドル81が回転されると、攪拌軸71が回転されて攪拌翼73が回転され、破砕物領域17に導入されている破砕物21の分解が促進される。
第二実施形態の生物燃料電池1のその他の構成要素及び作用については、第一の実施形態と同じである。
(第三の実施形態)
次いで、図4を参照して、第三の実施形態の生物燃料電池1について説明する。なお、第三の実施形態については、第二の実施形態との差異点のみを説明する。
第三の実施形態の生物燃料電池1では、駆動プーリ53に連結された電気モータ59が設けられる。この電気モータ59には、この生物燃料電池1で得られた電力が電子制御回路35を介して供給される。こうすることで、外部からの電力を必要とせず、または低減できるので有利である。
別の実施形態では、攪拌器70を駆動する電気モータが設けられ、この電気モータ59は生物燃料電池1で得られた電力を利用して作動される。
これまで述べてきた本発明による実施形態では、使用済み紙オムツに含まれるパルプを生物燃料電池の燃料として用いている。しかしながら、使用済み紙オムツには例えば主成分がポリアクリル酸であるSAP(超吸収性高分子)が含まれている。SAPはパルプと同様に生物触媒によって分解することができるので、本発明による実施形態の生物燃料電池の燃料として使用することができる。この場合、汚泥には、SAPを分解するのに適した生物触媒が含まれる。
ところで、従来の使用済み紙オムツの再利用法として、使用済み紙オムツを微生物発酵分解させて、乾燥、殺菌して固形燃料化し、これを燃焼させることにより熱エネルギとして回収し、再利用する方法がある。しかしながら、使用済み紙オムツは屎尿などの水分を含んでいることから、乾燥させるまでに多大な熱エネルギが必要となる。さらに、最終生成物が固形燃料であり、燃焼による再利用のため、COが発生する上に、サーマルリサイクルであるので利用用途が限定されるという課題があった。
しかしながら、本発明による実施形態の生物燃料電池では、生物触媒による生分解で固形物量を軽減化することができる。また、生物触媒の活動環境を確保するために室温(20〜40度)になる程度の温度管理でよい。さらには最も汎用性の高いエネルギ資源である電力を生成することにより一般家庭等でも特別な装置なしで利用できる。本発明による実施形態はこれらの点で、上述の再利用法よりも優れている。
なお、本明細書、図面及び特許請求の範囲から当業者によって理解されることのできるような全ての特徴は、これらの特徴が特定の他の特徴に関連してのみ組み合わされて説明されたとしても、それらの特徴が明確に除外されない限り、又は技術的な態様が不可能な若しくは意味のない組み合わせにならない限りにおいて、独立して、またさらに、ここで開示された他の特徴又は特徴の複数の群と任意に組み合わせて、結合されることができるものとする。
1 生物燃料電池
3 負極室
5 負極領域
7 正極領域
9 プロトン交換膜
11 負極
13 メッシュ
15 電極領域
17 破砕物領域
19 馴養汚泥(生物触媒)
21 破砕物
23 正極
30 外部回路

Claims (16)

  1. 使用済みの紙オムツの破砕物を再利用して発電する生物燃料電池であって、
    正極、負極、及びこれら正極及び負極を電気的に接続する外部回路と、
    前記正極が配置された正極領域と、
    前記負極が配置された負極領域と、
    前記正極領域及び前記負極領域との間に配置されたプロトン透過膜と、
    を備え、
    前記負極領域に前記破砕物と共に生物触媒が収容される、
    生物燃料電池において、
    前記負極領域がメッシュにより電極領域と破砕物領域とに分離され、
    前記電極領域内に前記負極が収容され、破砕物領域内に前記破砕物が収容される、
    生物燃料電池。
  2. 前記プロトン透過膜は、カチオン交換膜と、前記カチオン交換膜の負極領域側面のみに形成されたアニオン交換層とを含む複合カチオン交換膜から構成される、
    請求項1に記載の生物燃料電池。
  3. 前記負極領域に電子メディエータが収容される、
    請求項1又は請求項2に記載の生物燃料電池。
  4. 前記負極はモール状に編み込まれたカーボン繊維から形成されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の生物燃料電池。
  5. 前記メッシュの目数が30〜200メッシュである、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の生物燃料電池。
  6. 前記破砕物が5×5mm〜10×10mmの四角形状である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の生物燃料電池。
  7. 前記破砕物領域に前記破砕物を供給する破砕物供給器をさらに備えた、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の生物燃料電池。
  8. 前記破砕物供給器は使用済みオムツを破砕する破砕器をさらに備えた、
    請求項7に記載の生物燃料電池。
  9. 前記破砕器は、前記外部回路から供給される電力によって駆動される、
    請求項8に記載の生物燃料電池。
  10. 生物触媒を前記負極領域に供給する触媒供給器をさらに備えた、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の生物燃料電池。
  11. 電子メディエータを前記負極領域に供給する電子メディエータ供給器をさらに備えた、
    請求項3〜10のいずれか1項に記載の生物燃料電池。
  12. 前記破砕物領域が前記負極領域の中央部に形成され、前記電極領域が負極領域の周辺部に形成される、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の生物燃料電池。
  13. 前記電極領域が前記負極領域の中央部に形成され、前記破砕物領域が負極領域の周辺部に形成される、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の生物燃料電池。
  14. 前記破砕物領域内に攪拌器をさらに備えた、
    請求項1〜13のいずれか1項に記載の生物燃料電池。
  15. 前記正極が白金電極、銅電極、鉄電極、金電極又はチタン電極である、
    請求項1〜14のいずれか1項に記載の生物燃料電池。
  16. 前記正極領域が大気である、
    請求項1〜15のいずれか1項に記載の生物燃料電池。
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