JPS6251109B2 - - Google Patents

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JPS6251109B2
JPS6251109B2 JP11299680A JP11299680A JPS6251109B2 JP S6251109 B2 JPS6251109 B2 JP S6251109B2 JP 11299680 A JP11299680 A JP 11299680A JP 11299680 A JP11299680 A JP 11299680A JP S6251109 B2 JPS6251109 B2 JP S6251109B2
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lactamase
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JP11299680A
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Tatsuo Ito
Takashi Shomura
Michio Kojima
Norio Ezaki
Masaji Sezaki
Tomizo Niwa
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Priority to CH5331/81A priority patent/CH650785A5/fr
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  • Compounds Of Unknown Constitution (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規抗生物質の製法に関する。 更に詳しく述べれば、放線菌を培養して得られ
る新抗生物質SF−2103A物質の製法に関するも
のである。 本発明者らは、既知抗生物質の耐性菌を含む
種々のグラム陰性菌及びグラム陽性菌に抗菌活性
を有する新規かつ有用な抗生物質を探策した結
果、ストレプトミセス属に属する放線菌を栄養培
地中で培養させることによつて、新抗生物質SF
−2103A物質が生産されることを見出し、SF−
2103A物質を単離してその理化学的、生化学的性
状を確定することによつて本発明を完成させた。 本発明に使用されるSF−2103A物質生産菌の
一例としては、紀伊半島勝浦の土壤より新たに分
離された一放線菌SF−2103株がある。この土壤
より菌の分離に当つては、下記の方法が用いられ
た。すなわち、採取した土壤4gを100ml容三角
フラスコ中の滅菌水40mlに懸濁し、ロータリーシ
エーカー上で10分間撹拌したのち、15分間静置
し、その上澄土壤懸濁液4mlを取り滅菌水で1万
倍に稀釈する。この稀釈液0.5mlをペトリ皿に入
れ予じめ滅菌し45〜50℃に保温された下記の分離
用寒天培地20mlとよく混合し固化した。 このペトリ皿を28℃、10日間培養し、寒天培地
上に生育してきたSF−2103株のコロニーをイー
スト・スターチ寒天(酵母エキス0.2%、可溶性
デンプン1.0%、寒天2.0%、PH7.0)のスラントに
釣菌した。なお分離用寒天培地の組成は、酵母エ
キス0.05%、可溶性デンプン0.25%、寒天2.0%、
水道水(PH7.0)を用いた。SF−2103株の菌学的
性状は下記の通りである。 形態的性質 気菌糸および胞子の形成はスターチ寒天、オ
ートミール寒天、イースト麦芽寒天等の培地上
で認められる。 気菌糸の分枝は単純分枝で、車軸分枝は認め
られず、気菌糸の先端にはほぼ直線的に胞子が
連鎖する。 菌核、胞子のうなどの特殊構造は認められな
い。電子顕微鏡での観察による胞子の表面は平
滑型であり、胞子の型は長円形ないし卵形で、
大きさは0.7〜0.8×1.0〜1.5ミクロンであり、
通常10個以上連鎖する。 各種培地上の生育状態 SF−2103株の各種培地上での生育状態は次
表に示すとおりである。培養は28℃、観察は14
〜21日培養後に行なつた。色の記載の( )内
に示す標準はコンテイナー・コーポレーシヨ
ン・オブ・アメリカ社製のカラー・ハーモニ
ー・マニユアルを用いた。 なおスターチ寒天、オートミール寒天および
イースト麦芽寒天培地上の気菌糸の淡いピンク
色の着色は継代による胞子形成能の低下に伴つ
て消失しやすい。また気菌糸は培養が一定時間
以上進行するとともに溶菌し消失する傾向が強
い。
【表】
【表】 生理的性質 (1) 生育温度範囲:スターチ寒天において15℃
〜42℃の温度範囲で生育し、25℃〜35℃で良
好に生育する。 (2) ゼラチンの液化:陽性 (3) スターチの加水分解:陽性 (4) 脱脂乳の凝固:陰性 脱脂乳のペプトン化:陽性 (5) 硝酸塩の還元:陰性 (6) 耐塩性:3%NaCl添加培地で生育するが
5%では生育しない。 (7) メラニン様色素の生成:陰性 炭素源の利用性(プリードハム・ゴツトリブ
寒天培地28℃) (1) 利用する糖:D−グルコース、L−ラムノ
ース、D−マンニトール、L−アラビノー
ス、シユークロース、D−フラクトース、D
−キシロース (2) 利用しない糖:ラフイノース、I−イノシ
トール 細胞壁組成 ベツカー(Becker)らの方法〔アプライ
ド・マイクロバイオロジー(Applied
Microbiology)13巻、236頁、1965年〕により
分析した結果、細胞壁組成成分中のジアミノピ
メリン酸はLL型であつた。 以上の性状を要約すると、SF−2103株はスト
レプトミセス属に所属し、気菌糸先端は直線型で
胞子表面構造は平滑である。 成熟した気菌糸の色調はトレスナー及びバツク
ス〔H.D.Tresner and E.J.Backus:アプライ
ド・マイクロバイオロジー(Applied
Microbiology)11巻、335頁、1963年〕のいわゆ
る“レツド(Red)”シリーズに属し、裏面の生
育色調は淡いベージユ色となる。メラニン様色素
の生成は認められない。 これらの分類学的諸性状をストレプトミセス属
の既知菌種の性状と比較し、SF−2103株の種の
同定を行つた。 既知菌種の中でSF−2103株と一致する菌種は
見い出せないが比較的近似する種としてストレプ
トミセス・アルボルビダス(Streptomyces
alborubidus)〔インターナシヨナル・ジヤーナ
ル・オブ・システマテイツク・バクテリオロジー
(International Journal of Systematic
Bacteriology)22巻、271−273頁1972年〕があ
る。 そこで、その標準株ISPNo.5465とSF−2103株を
ならべて直接比較してみた。その結果、両者は、
気菌糸色調および糖の利用性で比較的よく一致し
ていたが、各種寒天培地上での生育状態において
明瞭に異なつていた。即ち、シユークロース硝酸
寒天培地、およびグルコース・アスパラギン寒天
培地上での生育が、ストレプトミセス・アルボル
ビダスは良好で気菌糸の着生もさかんであるが、
SF−2103株の両培地上での生育は極めて微弱で
気菌糸の着生も認められなかつた。また逆にオー
トミール寒天培地上で、SF−2103株はよく生育
し、気菌糸も着生するが、ストレプトミセス・ア
ルボルビダスの生育は微弱であつた。さらにスト
レプトミセス・アルボルビダスの気菌糸先端は、
わん曲状のものがしばしば観察され、一方、SF
−2103株では常に直線状であり、両者は一致しな
い。 その他、既知菌種において気菌糸色調レツド・
シリーズ、気菌糸形態直線型、胞子表面平滑型の
性状を示し、SF−2103株と一致するものはなか
つた。 以上より、SF−2103株は、これまで報告され
たストレプトミセス属のいかなる種とも異なる新
菌種と判断し、ストレプトミセス・スルフオノフ
アツシエンス(Streptomyces sulfonofaciens)
SF−2103と命名した。なお本菌株は工業技術院
微生物工業技術研究所に寄託されている(微工研
菌寄第5636号、微工研条寄第5号)。 SF−2103株は他のストレプトミセス属の菌株
の場合にみられるように、その性状が変化しやす
く、例えば紫外線、エツクス線、放射線、薬品等
を用いる人工的変異手段で変異しうるものであ
り、いずれの変異株であつてもSF−2103A物質
の生産能を有する菌株はすべて本発明の方法に使
用することができる。 本発明の方法では、前記菌株を通常の微生物が
利用しうる栄養物を含有する培地で培養する。栄
養源としては、従来放線菌の培養に利用されてい
る公知のものが使用できる。 例えば炭素源として、グルコース、グリセロー
ル、澱粉、デキストリン、水あめ、糖密、大豆油
等を使用しうる。又窒素源として大豆粉、小麦胚
芽、綿実かす、肉エキス、ペプトン、酵母エキ
ス、コーンステイープリカー、硫安、硝酸ソーダ
等を使用しうる。その他必要に応じて炭酸カルシ
ウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸
ナトリウム、塩化コバルト、硫酸第一鉄、燐酸塩
等の無機塩類を添加する他、菌の発育を助け、
SF−2103A物質の生産を助長、促進する有機及
び無機物を適当に添加することができる。また必
要により消泡剤を添加することも可能である。 培養法としては、一般抗生物質生産の公知の方
法と同じく、好気的条件下での液体培養法、特に
深部培養法が最も適している。培養に適当な温度
は20℃〜35℃であるが、多くの場合23℃〜30℃の
範囲で培養することが好ましい。 SF−2103A物質の培養生産は使用する培地や
培養方法によつても異なるが、振盪培養法あるい
は培養タンクを用いる深部培養法では通常1〜10
日の間でその蓄積が最高に達する。 SF−2103A物質の検定方法は本物質が抗菌性
物質であり、グラム陽性並びに陰性細菌に対し抗
菌活性を有するので、一般の抗生物質に用いられ
るごとく適当な検定菌を用いるバイオアツセイに
よつて抗菌活性を測定し、その定量を実施するこ
とができる。本物質は抗菌活性以外に強力なβ−
ラクタマーゼ阻害活性を有する特徴的な性質を持
つているので、本発明者らが考案した以下に述べ
るβ−ラクタマーゼ阻害活性検定法を用いると極
めて鋭敏に精度良く定量することができる。即ち
β−ラクタマーゼとしてはプロテウス・ブルガリ
ス(Proteus vulgaris)M−8243の生産する菌体
内β−ラクタマーゼを用いる。その調製方法であ
るが、本菌を培地として2%極東ブイヨン溶液
(殺菌前PH7)に接種して、32℃で培養する。培
養開始時と培養開始2時間後および4時間後に、
それぞれβ−ラクタマーゼ誘導物質としてベンジ
ルペニシリンカリウム塩を250μg/mlの濃度に
なるように添加して培養を続け、培養開始7〜8
時間後に培養を止め、遠心分離にて集菌する。得
られた湿潤菌体を菌体量の2倍量のPH7.0、0.1M
燐酸緩衝液に懸濁し、細胞破砕機(例えばフレン
チプレス)で細胞を破砕し、遠心分離
(10000rpm、10分)で沈澱する細胞破片を除去す
る。得られた上澄液を5℃でPH7.0、0.1M燐酸緩
衝液で一晩透析し、透析内液をβ−ラクタマーゼ
粗酵素液として得る。このようにして得られる酵
素液のβ−ラクタマーゼ活性は、後述するサージ
エントの改良方法で酵素活性を測定し、通常5000
〜6000単位(μ/ml)を有する。次に上述の方法
で得られたβ−ラクタマーゼを用い検定用平板を
調製するのであるが、2.3%ニユートリエント・
アガー(デイフコ社製)溶液をオートクレープ殺
菌し、45℃に冷却した後その250mlに、予めシー
ド培養したバチルス・ズブチリスATCC6633の種
母0.5mlおよび前述のβ−ラクタマーゼ溶液を125
単位量加えて混合し、250mm×320mmの平板に流し
込み固化する。検定に当つてはペーパー・デイス
ク(径8mm)に予めセフアロチン・ナトリウム塩
の50μg/mlの50%アセトン水溶液を20μ付し
たものに、被検液20μを付し風乾したペーパー
デイスクを検定シヤーレに置き、37℃で15〜17時
間保つとSF−2103A物質の濃度に応じ阻止円が
現われる。この検定方法において、SF−2103A
物質の濃度0.03μg/ml〜1.0μg/mlの範囲で
濃度の対数と阻止円直径がグラフ上直線関係を示
し、精度良く定量できる。 SF−2103A物質は主として培養液中に蓄積
される。培養液中のSF−2103A物質は、後記す
る理化学性状を有するのでその性状に従つて抽
出、精製することが可能であり、以下に示す方法
が効率的である。すなわち、有効成分を含む培養
物から固形分を去し、液を活性炭に吸着さ
せ、50%アセトン水で溶出させる。有効成分を含
む画分を濃縮しアセトンを留去後ベンジルジメチ
ルセチルアンモニウムクロライドあるいはベンジ
ルジメチルテトラデシルアンモニウムクロライド
のような第四級アンモニウム塩を含むハロゲノア
ルカン例えばジクロルメタンで有効成分を抽出
後、ヨウ化ソーダを含む水で再抽出し凍結乾燥し
てSF−2103A物質の粗製物を得る。さらに精製
するにはDEAE−セフアデツクスA−25、QAE
−セフアデツクスA−25、DEAE−セルロース、
ダウエツクス1×2のような陰イオン交換担体を
用いたクロマトグラフイーをくりかえすことによ
りSF−2103A物質を得ることができる。このほ
か、バイオゲルP−2のようなゲル過剤、アン
バーライトXADのような多孔性樹脂あるいはセ
ルロースカラム等を適宜使用することにより精製
が可能である。かくして得られたSF−2103A物
質の粉末を各種の溶剤系での薄層クロマトグラフ
イー並びにその他の分析手段(例えば高圧紙電
気泳動や高速液体クロマトグラフイー)を用いて
検討したところ、いずれの分析手法においても単
一であることが認められた。SF−2103A物質は
以下に示すごとく室温以上の高温及び酸、アルカ
リ性では極度に不安定なため、培養液から単離す
るに当つては溶液中のPHが酸又はアルカリ性にな
らないよう細心の注意をはらい、溶液操作はすべ
て低温でかつ迅速に行なうことが肝要である。 また、SF−2103A物質は酸性では極めて不安
定なため遊離酸の形で単離することは実質的に困
難である。このためSF−2103A物質は最終的に
中性水溶液を凍結乾燥することによつて淡黄色な
いし白色無定形粉末状の塩として得られる。その
純度は培養力価により左右されることがある。塩
の種類は精製に使用される陽イオンによつて規定
され、例えばDEAE−セフアデツクスA−25のク
ロマトグラフイーで食塩水を溶離液として用いれ
ばナトリウム塩として得られる。ナトリウム塩以
外の医薬的に受容可能な塩としてカリウムのごと
きアルカリ金属塩、カルシウムのごときアルカリ
土類金属塩、アルミニウム、アンモニウム塩等の
無機塩、もしくは置換アンモニウム塩等の有機塩
を上記ナトリウム塩と同様な方法で調製すること
ができる。また、ナトリウム塩から他の塩への変
換はダウエツクス50Wのような陽イオン交換樹脂
をあらかじめ交換する陽イオンで置換した後、ナ
トリウム塩の水溶液を通過させることによつても
可能である。 次に、これまでに得られた最純品と思われる
SF−2103A物質のナトリウム塩の理化学的性状
について述べる。但し、凍結乾燥粉末として得ら
れるため水または他の不純物が含まれることもあ
りうる。 新抗生物質SF−2103A物質およびその塩類の
性状は次の通りである。こゝではそのナトリウム
塩が下記の性状を有する。 (1) 物質の色と形状:水溶液の凍結乾燥により淡
黄色ないし白色粉末として得られる。 (2) 元素分析値:五酸化燐上、室温で27時間真空
乾燥した試料について測定した結果は次の通り
である。 C、23.62;H、2.44;N、3.00;S、
13.81;Na、14.97(原子吸光分析による) (3) 推定分子式:C9H8NO10S2Na3・2H2O (4) 紫外部吸収スペクトル:水溶液中での極大吸
収は266〜268nm(E1cn=126)及び230nm
(E1cn=118)に存在する。またこの水溶液に
ヒドロキシルアミン塩酸塩を0.01Mになるよう
添加するとき、その極大吸収は消失する。 (5) 赤外部吸収スペクトル:臭化ナトリウム錠剤
で測定した赤外吸収スペクトルは実質的に第1
図に代表される通りである。 (6) 核磁気共鳴スペクトル:重水中で外部基準に
テトラメチルシランを使用して測定した100M
Hz核磁気共鳴スペクトルは実質的に第2図に代
表される通りである。 (7) 薄層クロマトグラフイー: (a) セルロース薄層(CelluloseF254、メルク
社製)を用い、下記の各展開溶媒系にて5℃
で展開するとき、下記のRf値を示す。n−
ブタノール:iso−プロパノール:水=7:
7:6 Rf値、0.30 70%n−プロパノール Rf値、0.52 70%エタノール Rf値、0.62 80%アセトニトリル Rf値、0.37 (6) DEAE−セルローズ(Polygram CEL
300DEAE、マーチエリー・ナーゲル社製)を
用い、0.1M塩化ナトリウムを含有するPH7.2、
0.02M燐酸緩衝液にて5℃で展開するとき、対
照としてMC696−SY2−A物質〔本物質はザ・
ジヤーナル・オブ・アンテイバイオテイクス
(The Journal of Antibiotics)第30巻、770頁
(1970年)に記載され、MM4550物質(ザ・ジ
ヤーナル・オブ・アンテイバイオテイクス
(The Journal of Antibiotics)第32巻、295
頁、1979年に記載されている)と同一である〕
を用いる時、そのRf値が0.31に対し、本物質の
Rf値は0.14を示す。 (8) 高圧紙電気泳動:高圧紙電気泳動装置
(サーバント・インスツルメント社製、高圧電
源HV5000A、泳動槽モデルLT48A)を用い、
東洋紙No.51(東洋紙社製)、紙巾15cm上
で下記の緩衝液を用い、定電圧2800Vで15分泳
動を実施するとき、対照物質としてのMC696
−SY2−A(得開昭54−14594号公報)が陽極
側に9.3cm移動するのに対し、本物質は15.3cm
陽極側に移動する。 緩衝液:ピリジン200mlと酢酸8mlを全容量
3になるよう精製水に溶解したもので、この
時のPHは6.4であつた。 (9) 高速液体クロマトグラフイー:本物質を下記
の条件下で高速液体クロマトグラフイーを実施
するとき、その保持時間は、対照のSF−2050
物質(特開昭54−109901号公報)が4分30秒で
あり、MC696−SY2−A(前出)が5分40秒で
あり、またSF−2050B物質(特開昭54−122203
号公報)が12分であるとき、ほぼ20分である。 条件:高速液体クロマトグラフイー装置はウ
オータース社製ALC/GPC、244型、カラムは
ZIPAX SAX(デユポン社製、内径7.9mm、長さ
50cm)を用い、溶出液はPH7.2、0.05M燐酸緩
衝液に硝酸ナトリウムを0.05Mになるよう溶解
したものを用い、流速は3ml/分で、紫外部吸
収検出波長は313nmおよび254nmを用い室温
で実施した。 (10) 溶解性:水に易溶、メタノールに可溶、酢酸
エチル、クロロホルム、ベンゼンなどの溶媒に
は不溶である。 (11) 呈色反応:レミユ−試薬には陽性、エールリ
ツヒ試薬には陽性であり、ニンヒドリン試薬に
は陰性である。 SF−2103A物質は抗菌活性並びに特徴的と云
えるβ−ラクタマーゼ阻害活性を有し、その結果
β−ラクタマーゼを産生する耐性病原菌に対し無
効であるペニシリン系及びセフアロスポリン系抗
生物質と混合して用いることにより相乗的に抗菌
作用を発揮する。以下にそれらの実験例を示す。 SF−2103A物質の抗菌活性をペーパーデイス
ク法で測定した結果は次の通りである。
【表】 又、SF−2103A物質はサージエントの方法
(M.G.Sargent:Journal of Bacteriology、95
1493(1968))に従つて測定すると、β−ラクタ
マーゼ阻害活性を有することが判明した。即ち試
薬として、 A液:ペニシリナーゼ(米国、カルビオケム社
製)をPH7.0、0.1Mリン酸緩衝液にて溶解し、
下記の測定条件下で測定し、490nmの吸光度
が約0.5を与える活性になるよう稀釈する。 B液:1.3%ペニシリンGカリウム塩の水溶液 C液:PH7.0、0.1Mリン酸緩衝液 D液:ヨード・酢酸緩衝液、サージエントの方法
に従い調製する。 測定操作として、試験管にB液0.5mlとC液2
mlを合せ30℃に予め5分保ち、A液0.5mlを加え
30℃で30分反応させた後、D液5mlを加え、10分
後490nmにおける吸光度を測定する。ブランク
試験としては活性測定と同じであるが、A液のみ
をD液を加えた直後に添加し、以下同様に操作す
る。阻害力測定試験としては、そのブランク試験
も上記と全く同様に操作するが阻害物質をC液で
適当に稀釈した液をC液として用いる。 上記測定法によりSF−2103A物質のペニシリ
ナーゼ活性を50%阻害するに要する濃度を求め
た。同様にして他のβ−ラクタマーゼとして前述
のプロテウス・ブルガリスM−8243の産生する酵
素並びにシトロバクター・フロインデイM−8244
の産生する酵素(両者共、前述の調勢方法で調製
される)について上記のA液のペニシリナーゼの
代りにそれぞれのβ−ラクタマーゼを用い、B液
のペニシリンGカリウム塩の代りにセフアロチン
ナトリウム塩を用いて、同様に測定操作を行ない
下記の結果を得た。ここでサージエントの方法で
のβ−ラクタマーゼ活性1単位とは本測定法の条
件下で60分に1マイクロモル(1μmole)のペ
ニシリンGカリウム塩又はセフアロチンナトリウ
ム塩を分解する酵素量であると規定される。
【表】
【表】 素
βラクタマーゼ産生菌株に対するSF−2103A
物質のβラクタマーゼ阻害剤としての作用をアン
ピシリン、カルベニシリン、セフアロチン、セフ
アロリジンについて調べた。βラクタマーゼ産生
菌株としてはプロテウスブルガリス(広範囲セフ
アロポリナーゼ産生)、プロテウス・レトゲニー
(典型的セフアロスポリナーゼ産生)及、シトロ
バクターフロインデイー(典型的セフアロスポリ
ナーゼ産生)を使用し、これらを接種した検定用
寒天平板を常法通り作成し、βラクタム抗生物質
を径8mmのペーパーデイスクに各々アンピシリン
10μg、カルベニシリン2μg、セフアロチン2
μg及びセフアロリジン5μgになるように付
し、さらに各々に1μg、0.2μg及び0.04μg
のSF−2103A物質を付した。 βラクタマーゼ産生菌株の寒天平板上にこれら
のペーパーデイスクを置き、37℃にて16時間培養
して阻止円の有無を調べた。その結果は次表に示
すごとく、SF−2103A物質を欠くペーパーデイ
スクでは阻止円が認められず、βラクタム抗生物
質に相加的にSF−2103A物質を付したペーパー
デイスクでは濃度に依存して阻止円が認められ
る。これはSF−2103A物質が検定菌株の産生す
るβラクタマーゼを阻害して、その結果βラクタ
ム抗生物質が作用し、抗菌活性が発現したことを
示している。なお、SF−2103A物質は検定菌株
に対して最高濃度(1μg)でも阻止円は示さな
い。 このようにSF−2103A物質はそのものの抗菌
力の他に、βラクタム系抗生物質と相乗的に作用
して抗菌力を発揮することは明確である。
【表】 このようにSF−2103A物質は種々のグラム陽
性菌及び陰性菌に対して活性であるばかりでな
く、β−ラクタマーゼ産生の耐性菌にも有効な価
値ある抗生物質であり、人間及び家蓄動物の医薬
として、又食品保存や医療器具の殺菌剤として利
用できる。SF−2103A物質は単独での使用の
外、他の抗生物質、特にβ−ラクタム抗生物質と
の併用が効果的である。 又、以上述べた理化学的、生物学的性状を有す
るSF−2103A物質は文献上該当するものがな
く、従つて本物質の新規性は明らかである。 以下に本発明の実施例を示すが、これらは単な
る例示であつて何んら本発明を限定するものでは
ない。 実施例 1 500ml容三角フラスコ100本にグルコース1%、
澱粉1%、大豆2%、綿実粕0.5%、硫酸ナトリ
ウム0.2%、炭酸カルシウム0.2%、塩化コバルト
0.0001%を含有する液体培地をPH7に調製し、80
mlずつ分注して綿栓を施し、120℃、10分加圧滅
菌し、あらかじめグルコース1%、澱粉1%、大
豆粉0.2%、ペプトン0.5%、酵母エキス0.3%、肉
エキス0.2%、炭酸カルシウム0.2%を含有する前
培養地で十分生育させたSF−2103株(微工研条
寄第5号)の種母培養物を1.5%ずつ植菌した。
28℃で3日間振盪培養し、SF−2103A物質3.5μ
g/mlを含有する培養液7を得た。 実施例 2 500ml容三角フラスコ3本にグルコース1%、
可溶性澱粉1%、大豆粉0.2%、ペプトン0.5%、
酵母エキス0.3%、肉エキス0.2%及び炭酸カルシ
ウム0.2%からなる培地(滅菌前PH7.0)80mlを分
注綿栓し、オートクレーブ殺菌(120℃、15分)
後、SF−2103株(微工研条寄第5号)を一白金
耳づつ植菌し、28℃で2日間振振盪培養する。次
に5容三角フラスコ3本に上記培地をそれぞれ
600mlずつ仕込み、綿栓を施しオートクレーブ殺
菌し、上記に得られた培養物を種母として1本に
対し1本(全量)を接種する。28℃に2日間振盪
培養すると十分に生育が見られる。次に300容
培養タンク(丸菱社製)に水飴2.0%、大豆粉1.2
%、小麦胚芽1.2%、大豆油0.3%、硫酸ナトリウ
ム0.02%硫酸第一鉄0.0005%塩化コバルト0.00005
%及び炭酸カルシウム0.1%から成る生産培地
(滅菌前PH7.0)200を調製し、120℃、30分加圧
殺菌する。冷却後上記に得られた培養物(5三
角フラスコ3本分)を植菌し、28℃で通気撹拌培
養を行なう。この間の回転数は始め100rpmで行
ない、40時間後に回転数を150rpmに上げる。通
気量は全培地養期間を通じ200/分で行なつ
た。68時間で培養を終了し、この時得られた培養
液はSF−2103A物質の生産が4.1μg/mlに達し
た。 実施例 3 (i) 実施例2と同様操作して300培養タンク3
基を運転し、SF−2103株(微工研条寄5号)
の培養過450を得た。このときSF−2103A
物質の平均単位は2.1μg/mlであつた。 (ii) SF−2103A物質の採取は次のように行つ
た。すなわち、上記のように得られた培養液
425を6規定塩酸でPH5.0に調整した後、活性
炭素(和光純薬製)12.7Kgを加えて撹拌槽にて
30分間撹拌し、有効成分を吸着させる。活性炭
を別し、50の水で洗浄後、50%アセトン水
100を加え、5規定苛性ソーダ溶液でPH8.0に
調整し、30分間撹拌して、有効成分を溶離す
る。活性炭を分別除去後、この溶出溶液100
を減圧下でアセトンを留去し、45に濃縮す
る。0.2%(w/v)のベンジルジメチルセチ
ルアンモニウムクロライドを含有するジクロル
メタン30をこの濃縮液に加えて撹拌し、有効
成分を抽出する。この抽出液に1%(w/v)
のヨウ化ナトリウムを含有する水溶液4を加
え、有効成分を水層に転溶する。この水層を予
めPH7.4の燐酸緩衝液で緩衝化したDEAE−セ
フアデツクスA−25(フアルマシア社製)1.5
の塔にかけ有効成分を吸着させる。20mM燐
酸緩衝液(PH7.4)に溶解した0.1Mの食塩水15
で予洗し、さらに同緩衝液に溶解した0.2M
食塩水で有効成分を溶離する。100mlずつ分画
し、フラクシヨン108から132までに活性フラク
シヨンが得られる。この活性フラクシヨン24
を活性炭240mlの塔にかけ、有効成分を吸着さ
せる。この塔を400mlの水で洗浄後、50%アセ
トン溶液1で有効成分を溶出させる。この溶
出液を減圧下で濃縮し、濃縮液を凍結乾燥する
とSF−2103A物質の粗粉末が709mg(純度約12
%)得られた。 (iii) (ii)で得られたSF−2103A物質の粗粉末600mg
を20mlの水に溶解し、予めPH7.4の燐酸緩衝液
で緩衝化したDEAE−セフアデツクスA−25の
100mlの塔にかけ、有効成分を吸着させる。20
mMリン酸緩衝液(PH7.4)に溶解した0.1Mの
食塩水500mlで予洗し、さらに同緩衝液で溶解
した0.2M食塩水で有効成分を溶離する。 28mlずつ分画し、フラクシヨン48から78まで
を合併し、活性炭90mlの塔にかけ、有効成分を
吸着させる。 この活性炭200mlの水で洗浄後、50%アセト
ン水500mlで有効成分を溶出させる。この溶出
液を減圧下で濃縮し、凍結乾燥するとSF−
2103A物質のナトリウム塩が淡黄色粉末として
58mg(純度約60%)得られた。次いでこの粉末
58mgを2mlの水に溶解させ、ダイヤイオンHP
−20AG(三菱化成製)200mlの塔にかけ、水で
展開すると、10ml分画でフラクシヨン11〜15に
有効物質が溶出されている。 この活性フラクシヨンを合併し、減圧下で濃
縮し、凍結乾燥するとSF−2103A物質のナト
リウム塩が白色粉末として28mg(純度約80%)
得られた。 (vi) (iii)で得られた白色粉末22mgを1mlの水に溶解
し、バイオゲルP−2(バイオラツド社製)60
mlの塔にかけ、水で展開し、3mlのフラクシヨ
ンを取り、フラクシヨン12から16を集め、減圧
下で濃縮し、凍結乾燥してSF−2103A物質の
ナトリウム塩11mgを得た。この試料の純度は90
%以上と推定された。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はそれぞれSF−2103A物質
(Na塩)の赤外吸収スペクトル及び核磁気共鳴ス
ペクトルを示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ストレプトミセス属に属するSF−2103A物
    質生産菌を栄養培地中で培養し、その培養物から
    新抗生物質SF−2103A物質又はその塩を採取す
    ることを特徴とする新抗生物質SF−2103A物質
    又はその塩の製造法。 2 SF−2103A物質生産菌がストレプトミセ
    ス・エスピーSF−2103株である特許請求の範囲
    第1項記載の製造法。
JP11299680A 1980-08-19 1980-08-19 Shinkoseibutsushitsusf 2103abutsushitsunoseizoho Granted JPS5736989A (ja)

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CA000383946A CA1163220A (en) 1980-08-19 1981-08-14 Antibiotic sf-2103a substance and process for production thereof
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