JPS637185B2 - - Google Patents

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JPS637185B2
JPS637185B2 JP55157631A JP15763180A JPS637185B2 JP S637185 B2 JPS637185 B2 JP S637185B2 JP 55157631 A JP55157631 A JP 55157631A JP 15763180 A JP15763180 A JP 15763180A JP S637185 B2 JPS637185 B2 JP S637185B2
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JP55157631A
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Tatsuo Ito
Takashi Shomura
Michio Kojima
Norio Ezaki
Masaji Sezaki
Tomizo Niwa
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Meiji Seika Kaisha Ltd
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
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Publication date
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Priority to FR8115867A priority patent/FR2488895A1/fr
Priority to CH5331/81A priority patent/CH650785A5/fr
Priority to ES504813A priority patent/ES504813A0/es
Priority to DE3132786A priority patent/DE3132786C2/de
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  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Compounds Of Unknown Constitution (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規抗生物質、SF2103A物質及びそ
の塩並びにその製造法に関する。 本発明者らは、既知抗生物質の耐性菌を含む
種々のグラム陰性菌及びグラム陽性菌に抗菌活性
を有する新規かつ有用な抗生物質を探索した結
果、ストレプトミセス属に属する放線菌を栄養培
地中で培養させることによつて、新抗生物質SF
−2103A物質が生産されることを見出し、SF−
2103A物質を単離してその理化学的、生化学的性
状を確定することによつて本発明を完成させた。 すなわち、第1の本発明によると、次の構造式 を有する新抗生物質SF−2103A物質およびその
塩類が提供される。 また、第2の本発明によると、ストレプトミセ
ス属に属するSF−2103A物質生産菌を栄養培地
中で培養し、その培養物から新抗生物質SF−
2103A物質又はその塩を採取することを特徴とす
る、新抗生物質SF−2103A物質又はその塩の製
造法が提供される。 本発明に使用されるSF−2103A物質生産菌の
一例としては、紀伊半島勝浦の土壌より新たに分
離された一放線菌SF−2103株がある。この土壌
より菌の分離に当つては、下記の方法が用いられ
た。すなわち、採取した土壌4gを100ml容三角
フラスコ中の滅菌水40mlに懸濁し、ロータリーシ
エーカー上で10分間撹拌したのち、15分間静置
し、その上澄土壌懸濁液4mlを取り滅菌水で1万
倍に希釈する。この希釈液0.5mlをペトリ皿に入
れ予じめ滅菌し45〜50℃に保温された下記の分離
用寒天培地20mlとよく混合し固化した。 このペトリ皿を28℃、10日間培養し、寒天培地
上に生育してきたSF−2103株のコロニーをイー
スト・スターチ寒天(酵母エキス0.2%、可溶性
デンプン1.0%、寒天2.0%、PH7.0)のスラントに
釣菌した。なお分離用寒天培地の組成は、酵母エ
キス0.05%、可溶性デンプン0.25%、寒天2.0%、
水道水(PH7.0)を用いた。SF−2103株の菌学的
性状は下記の通りである。 形態的性質 気菌糸および胞子の形成はスターチ寒天、オ
ートミール寒天、イースト麦芽寒天等の培地上
で認められる。 気菌糸の分枝は単純分枝で、車軸分枝は認め
られず、気菌糸の先端にはほぼ直線的に胞子が
連鎖する。 菌核、胞子のうなどの特殊構造は認められな
い。 電子顕微鏡での観察による胞子の表面は平滑
型であり、胞子の型は長円形ないし卵形で、大
きさは0.7〜0.8×1.0〜1.5ミクロンであり、通
常10個以上連鎖する。 各種培地上の生育状態 SF−2103株の各種培地上での生育状態は次
表に示すとおりである。培養は28℃、観察は14
〜21日培養後に行なつた。色の記載の( )内
に示す標準はコンテイナー・コーポレーシヨ
ン・オブ・アメリカ社製のカラー・ハーモニ
ー・マニユアルを用いた。 なおスターチ寒天、オートミール寒天および
イースト麦芽寒天培地上の気菌糸の淡いピンク
色の着色は継代による胞子形成能の低下に伴つ
て消失しやすい。また気菌糸は培養が一定時間
以上進行するとともに溶菌し消失する傾向が強
い。
【表】 生理的性質 (1) 生育温度範囲:スターチ寒天において15℃
〜42℃の温度範囲で生育し、25℃〜35℃で良
好に生育する。 (2) ゼラチンの液化:陽性 (3) スターチの加水分解:陽性 (4) 脱脂乳の凝固:陰性 脱脂乳のペプトン化:陽性 (5) 硝酸塩の還元:陰性 (6) 耐塩性:3%NaCl添加培地で生育するが
5%では生育しない。 (7) メラニン様色素の生成:陰性 炭素源の利用性(プリードハム・ゴツトリブ
寒天培地28℃) (1) 利用する糖:D−グルコース、L−ラムノ
ース、D−マンニトール、L−アラビノー
ス、シユークロース、D−フラクトース、D
−キシロース (2) 利用しない糖:ラフイノース、I−イノシ
トール 細胞壁組成 ベツカー(Becker)らの方法〔アプライ
ド・マイクロバイオロジー(Applied
Microbiology)13巻、236頁、1965年〕により
分析した結果、細胞壁組成成分中のジアミノピ
メリン酸はLL型であつた。 以上の性状を要約すると、SF−2103株はスト
レプトミセス属に所属し、気菌糸先端は直線型で
胞子表面構造は平滑である。 成熟した気菌糸の色調はトレスナー及びバツク
ス〔H.D.Tresner and E.J.Backus:アプライ
ド・マイクロバイオロジー(Applied
Microbiology)11巻、335頁、1963年〕のいわゆ
る“レツド(Red)”シリーズに属し、裏面の生
育色調は淡いベージユ色となる。メラニン様色素
の生成は認められない。 これらの分類学的諸性状をストレプトミセス属
の既知菌種の性状と比較し、SF−2103株の種の
同定を行つた。 既知菌種の中でSF−2103株と一致する菌種は
見い出せないが比較的近似する種としてストレプ
トミセス・アルボルビダス(Streptomyces
alborubidus)〔インターナシヨナル・ジヤーナ
ル・オブ・システマテイツク・バクテリオロジー
(International Journal of Systematic
Bacteriology)22巻、271−273頁1972年〕があ
る。 そこで、その標準株ISP No.5465とSF−2103
株をならべて直接比較してみた。その結果、両者
は、気菌糸色調および糖の利用性で比較的よく一
致していたが、各種寒天培地上での生育状態にお
いて明瞭に異なつていた。即ち、シユークロース
硝酸寒天培地、およびグルコース・アスパラギン
寒天培地上での生育が、ストレプトミセス・アル
ボルビダスは良好で気菌糸の着生もさかんである
が、SF−2103株の両培地上での生育は極めて微
弱で気菌糸の着生も認められなかつた。また逆に
オートミール寒天培地上で、SF−2103株はよく
生育し、気菌糸も着生するが、ストレプトミセ
ス・アルボルビダスの生育は微弱であつた。さら
にストレプトミセス・アルボルビダスの気菌糸先
端は、わん曲状のものがしばしば観察され、一
方、SF−2103株では常に直線状であり、両者は
一致しない。 その他、既知菌種において気菌糸色調レツド・
シリーズ、気菌糸形態直線型、胞子表面平滑型の
性状を示し、SF−2103株と一致するものはなか
つた。 以上より、SF−2103株は、これまで報告され
たストレプトミセス属のいかなる種とも異なる新
菌種と判断し、ストレプトミセス・スルフオノフ
アツシエンス(Streptomyces sulfonofaciens)
SF−2103と命名した。なお本菌株は工業技術院
微生物工業技術研究所に寄託されている(微工研
菌寄第5636号、微工研条寄第5号) SF−2103株は他のストレプトミセス属の菌株
の場合にみられるように、その性状が変化しやす
く、例えば紫外線、エツクス線、放射線、薬品等
を用いる人工的変異手段で変異しうるものであ
り、いずれの変異株であつてもSF−2103A物質
の生産能を有する菌株はすべて本発明の方法に使
用することができる。 本発明の方法では、前記菌株を通常の微生物が
利用しうる栄養物を含有する培地で培養する。栄
養源としては、従来放線菌の培養に利用されてい
る公知のものが使用できる。 例えば炭素源として、グルコース、グリセロー
ル、澱粉、デキストリン、水あめ、糖蜜、大豆油
等を使用しうる。又窒素源として大豆粉、小麦胚
芽、綿実かす、肉エキス、ペプトン、酵母エキ
ス、コーンステイープリカー、硫安、硝酸ナトリ
ウム等を使用しうる。その他必要に応じて炭酸カ
ルシウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、
硫酸ナトリウム、塩化コバルト、硫酸第一鉄、燐
酸塩等の無機塩類を添加する他、菌の発育を助
け、SF−2103A物質の生産を助長、促進する有
機及び無機物を適当に添加することができる。ま
た必要により消泡剤を添加することも可能であ
る。 培養法としては、一般抗生物質生産の公知の方
法と同じく、好気的条件下での液体培養法、特に
深部培養法が最も適している。培養に適当な温度
は20℃〜35℃であるが、多くの場合23℃〜30℃の
範囲で培養することが好ましい。 SF−2103A物質の培養生産は使用する培地や
培養方法によつても異なるが、振盪培養法あるい
は培養タンクを用いる深部培養法では通常1〜10
日の間でその蓄積が最高に達する。 SF−2103A物質の検定方法は本物質が抗菌性
物質であり、グラム陽性並びに陰性細菌に対し抗
菌活性を有するので、一般の抗生物質に用いられ
るごとく適当な検定菌を用いるバイオアツセイに
よつて抗菌活性を測定し、その定量を実施するこ
とができる。本物質は抗菌活性以外に強力なβ−
ラクタマーゼ阻害活性を有する特徴的な性質を持
つているので、本発明者らが考案した以下に述べ
るβ−ラクタマーゼ阻害活性検定法を用いると極
めて鋭敏に精度良く定量することができる。即ち
β−ラクタマーゼとしてはプロテウス・ブルガリ
ス(Proteus vulgaris)M−8243の生産する菌体
内β−ラクタマーゼを用いる。その調製方法であ
るが、本菌を培地として2%極東ブイヨン溶液
(殺菌前PH7)に接種して、32℃で培養する。培
養開始時と培養開始2時間後および4時間後に、
それぞれβ−ラクタマーゼ誘導物質としてベンジ
ルペニシリンカリウム塩を250μg/mlの濃度に
なるように添加して培養を続け、培養開始7〜8
時間後に培養を止め、遠心分離にて集菌する。得
られた湿潤菌体を菌体量の2倍量のPH7.0、0.1M
燐酸緩衝液に懸濁し、細胞破砕機(例えばフレン
チプレス)で細胞を破砕し、遠心分離
(10000rpm、10分)で沈澱する細胞破片を除去す
る。得られた上澄液を5℃でPH7.0、0.1M燐酸緩
衝液で一晩透析し、透析内液をβ−ラクタマーゼ
粗酵素液として得る。このようにして得られる酵
素液のβ−ラクタマーゼ活性は、後述するサージ
エントの改良方法で酵素活性を測定し、通常5000
〜6000単位(μ/ml)を有する。次に上述の方法
で得られたβ−ラクタマーゼを用い検定用平板を
調製するのであるが、2.3%ニユートリエント・
アガー(デイフコ社製)溶液をオートクレーブ殺
菌し、45℃に冷却した後その250mlに、予めシー
ド培養したバチルス・ズブチリスATCC6633の種
母0.5mlおよび前述のβ−ラクタマーゼ溶液を125
単位量加えて混合し、250mm×320mmの平板に流し
込み固化する。検定に当つてはペーパー・デイス
ク(径8mm)に予めセフアロチン・ナトリウム塩
の50μg/mlの50%アセトン水溶液を20μ付し
たものに、被検液20μを付し風乾したペーパー
デイスクを検定シヤーレに置き、37℃で15〜17時
間保つとSF−2103A物質の濃度に応じ阻止円が
現われる。この検定方法において、SF−2103A
物質の濃度0.03μg/ml〜1μg/mlの範囲で濃度
の対数と阻止円直径がグラフ上直線関係を示し、
精度良く定量できる。 SF−2103A物質は主として培養液中に蓄積
される。培養液中のSF−2103A物質は、後記す
る理化学性状を有するのでその性状に従つて抽
出、精製することが可能であり、以下に示す方法
が効率的である。すなわち、有効成分を含む培養
物から固形分を去し、液を活性炭に吸着さ
せ、50%アセトン水で溶出させる。有効成分を含
む画分を濃縮しアセトンを留去後ベンジルジメチ
ルセチルアンモニウムクロライドあるいはベンジ
ルジメチルテトラデシルアンモニウムクロライド
のような第四級アンモニウム塩を含むハロゲノア
ルカン例えばジクロルメタンで有効成分を抽出
後、ヨウ化ナトリウムを含む水で再抽出し凍結乾
燥してSF−2103A物質の粗製物を得る。さらに
精製するにはDEAE−セフアデツクスA−25、
QAE−セフアデツクスA−25、DEAE−セルロ
ース、ダウエツクス1×2のような陰イオン交換
担体を用いたクロマトグラフイーをくりかえすこ
とによりSF−2103A物質を得ることができる。
このほか、バイオゲルP−2のようなゲル過
剤、アンバーライトXADのような多孔性樹脂あ
るいはセルロースカラム等を適宜使用することに
より精製が可能である。かくして得られたSF−
2103A物質の粉末を各種の溶剤系での薄層クロマ
トグラフイー並びにその他の分析手段(例えば高
圧紙電気泳動や高速液体クロマトグラフイー)
を用いて検討したところ、いずれの分析手法にお
いても単一であることが認められた。SF−
2103A物質は以下に示すごとく室温以上の高温及
び酸、アルカリ性では極度に不安定なため、培養
液から単離するに当つては溶液中のPHが酸又はア
ルカリ性にならないよう細心の注意をはらい、溶
液操作はすべて低温でかつ迅速に行なうことが肝
要である。 また、SF−2103A物質は酸性では極めて不安
定なため遊離酸の形で単離することは実質的に困
難である。このためSF−2103A物質は最終的に
中性水溶液を凍結乾燥することによつて淡黄色な
いし白色無定形粉末状の塩として得られる。その
純度は倍養力価により左右されることがある。塩
の種類は精製に使用される陽イオンによつて規定
され、例えばDEAE−セフアデツクスA−25のク
ロマトグラフイーで食塩水を溶離液として用いれ
ばナトリウム塩として得られる。ナトリウム塩以
外の医薬的に受容可能な塩としてカリウムのごと
きアルカリ金属塩、カルシウムのごときアルカリ
土類金属塩、アルミニウム、アンモニウム塩等の
無機塩、もしくは置換アンモニウム塩等の有機塩
を上記ナトリウム塩と同様な方法で調製すること
ができる。また、ナトリウム塩から他の塩への変
換はダウエツクス50Wのような陽イオン交換樹脂
をあらかじめ交換する陽イオンで置換した後、ナ
トリウム塩の水溶液を通過させることによつても
可能である。 次に、これまでに得られた最純品と思われる
SF−2103A物質のナトリウム塩の理化学的性状
について述べる。但し、凍結乾燥粉末として得ら
れるため水または他の不純物が含まれることもあ
りうる。 新抗生物質SF−2103A物質およびその塩類の
性状は次の通りである。こゝではそのナトリウム
塩が下記の性状を有する。 (1) 物質の色と形状:凍結乾燥により白色粉末と
して得られる。 (2) 融点:明瞭な融点を示さず、168℃で褐変し、
発泡分解する。 (3) 比旋光度:〔α〕20 D−16.3(e1、水)。 (4) 元素分析および分子式:五酸化燐上、室温で
27時間真空乾燥した試料について測定した結果
は次の通りである。 C9H8NO10S2Na3・2H2Oとして、計算値(%) 実測値(%) C 23.53 23.62 H 2.61 2.44 N 3.05 3.00 O 41.83 (42.16)(差) S 13.94 13.81 Na 15.03 14.97(原子吸光分析)による 分子量は元素分析値及び核磁気共鳴スペクト
ルより約450と推定される。 (5) 紫外部吸収スペクトル(第1図): PH7.2、0.02Mリン酸緩衝液中での極大吸収
は266〜7nm(E1%cm=126)および230nm
(E1%cm=118)に存在する。 (6) 赤外部吸収スペクトル: 臭化カリウム錠剤中で測定した赤外部吸収ス
ペクトルは第2図に示す通りである。 (7) 核磁気共鳴スペクトル: 重水中で外部基準にテトラメチルシランを使
用して測定した100MHz核磁気共鳴スペクトル
は第3図に示す通り、δ1.55(d、3H)、δ2.99
(dd、1H)、δ3.44(dd、1H)、δ3.94(dd、1H)、
δ4.48(m、1H)及びδ4.94(m、1H)のシグナ
ルを認める。 (8) 薄層クロマトグラフイー: (a) セルロース薄層(Cellulose F254、メルク
社製)を用い、下記の各展開溶媒系にて5℃
で展開するとき、下記のRf値を示す。 n−ブタノール:iso−プロパノール:水=
7:7:6 Rf値、0.30 70%n−プロパノール Rf値、0.52 70%エタノール Rf値、0.62 80%アセトニトリル Rf値、0.37 (9) DEAE−セルロース(Polygram
CEL300DEAE、マーチエリー・ナーゲル社製)
を用い、0.1M塩化ナトリウムを含有するPH
7.2、0.02M燐酸緩衝液にて5℃で展開すると
き、対照としてMC696−SY2−A物質〔本物
質はザ・ジヤーナル・オブ・アンテイバイオテ
イクス(The Journal of Antibiotics)、第30
巻、770頁(1970年)に記載され、MM4550物
質(ザ・ジヤーナル・オブ・アンテイバイオテ
イクス、第32巻、295頁(1979年)に記載され
ている)と同一である〕を用いる時、そのRf
値が0.31に対し、本物質のRf値は0.14を示す。 (10) 高圧紙電気泳動:高圧紙電気泳動装置
(サーバント・インスツルメント社製、高圧電
源HV500A、泳動槽モデルLT48A)を用い、
東洋紙No.51(東洋紙社製)、紙巾15cm上
で下記の緩衝液を用い、定電圧2800Vで15分泳
動を実施するとき、対照物質としてのMC696
−SY2−A(特開昭54−14594号公報)が陽極側
に9.3cm移動するのに対し、本物質は15.3cm陽
極側に移動する。 緩衝液:ピリジン200mlと酢酸8mlを全容量
3になるよう精製水に溶解したもので、この
時のPHは6.4であつた。 (11) 高送液体クロマトグラフイー:本物質を下記
の条件下で高速液体クロマトグラフイーを実施
するとき、その保持時間は、対照のSF−2050
物質(特開昭54−109901号公報)が4分30秒で
あり、MC696−SY2−A(前出)が5分40秒で
あり、またSF−2050B物質(特開昭54−
122203号公報)が12分であるとき、ほぼ20分で
ある。 条件:高速液体クロマトグラフイー装置はウ
オータース社製ALC/GPC、244型、カラムは
ZIPAX SAX(デユポン社製、内径7.9mm、長さ
50cm)を用い、溶出液はPH7.2、0.05M燐酸緩
衝液に硝酸ナトリウムを0.05Mになるよう溶解
したものを用い、流速は3ml/分で、紫外部吸
収検出波長は313nmおよび254nmを用い室温
で実施した。 (12) 溶解性:水に易溶、メタノールに可溶、酢酸
エチル、クロロホルム、ベンゼンなどの溶媒に
は不溶である。 (13) 呈色反応:レミユー試薬には陽性、エール
リツヒ試薬には陽性であり、ニンヒドリン試薬
には陰性である。 以上の物理化学的性状より本物質(三ナトリウ
ム塩として)は下記の構造式を有する。 SF−2103A物質は抗菌活性並びに特徴的と云
えるβ−ラクタマーゼ阻害活性を有し、その結果
β−ラクタマーゼを産生する耐性病原菌に対し無
効であるペニシリン系及びセフアロスポリン系抗
生物質と混合して用いることにより相乗的に抗菌
作用を発揮する。以下にそれらの実験例を示す。 SF−2103A物質ナトリウム塩の抗菌活性を、
日本化学療法学会推薦の標準法〔ケモテラピー
(Chemotherapy)、22巻、1126〜1128頁(1974
年)〕に従い、寒天希釈法で測定した結果は次表
の通りである。
【表】 培地はハート・インヒユージヨン・アガー(栄
研化学社製)を使用した。 又、SF−2103A物質はサージエントの方法
(M.G.Sargent:Journal of Bacteriology、95
1493(1968))に従つて測定すると、β−ラクタマ
ーゼ阻害活性を有することが判明した。即ち試薬
として、 A液:ペニシリナーゼ(米国、カルビオケム社
製)をPH7.0、0.1Mリン酸緩衝液にて溶解し、下
記の測定条件下で測定し、490nmの吸光度が約
0.5を与える活性になるよう希釈する。 B液:1.3%ペニシリンGカリウム塩の水溶液 C液:PH7.0、0.1Mリン酸緩衝液 D液:ヨード・酢酸緩衝液、サージエントの方
法に従い調製する。 測定操作として、試験管にB液0.5mlとC液2
mlを合せ30℃に予め5分保ち、A液0.5mlを加え
30℃で30分反応させた後、D液5mlを加え、10分
後490nmにおける吸光度を測定する。ブランク
試験としては活性測定と同じであるが、A液のみ
をD液を加えた直後に添加し、以下同様に操作す
る。阻害力測定試験としては、そのブランク試験
も上記と全く同様に操作するが阻害物質をC液で
適当に希釈した液をC液として用いる。 上記測定法によりSF−2103A物質のペニシリ
ナーゼ活性を50%阻害するに要する濃度を求め
た。同様にして他のβ−ラクタマーゼとして前述
のプロテウス・ブルガリスM−8243の産生する酵
素並びにシトロバクター・フロインデイM−8244
の産生する酵素(両者共、前述の調製方法で調製
される)について上記のA液のペニシリナーゼの
代りにそれぞれのβ−ラクタマーゼを用い、B液
のペニシリンGカリウム塩の代りにセフアロチン
ナトリウム塩を用いて、同様に測定操作を行ない
下記の結果を得た。ここでサージエントの方法で
のβ−ラクタマーゼ活性1単位とは本測定法の条
件下で60分に1マイクロモル(1μmole)のペニ
シリンGカリウム塩又はセフアロチンナトリウム
塩を分解する酵素量であると規定される。
【表】
【表】 酵素

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の構造式 を有する新抗生物質SF−2103A物質およびその
    塩類。 2 三ナトリウム塩である特許請求の範囲第1項
    記載のSF−2103A物質の塩。 3 ストレプトミセス属に属するSF−2103A物
    質生産菌を栄養培地中で培養し、その培養物から
    新抗生物質SF−2103A物質又はその塩を採取す
    ることを特徴とする新抗生物質SF−2103A物質
    又はその塩の製造法。 4 SF−2103A物質生産菌がストレプトミセ
    ス・エスピーSF−2103株である特許請求の範囲
    第3項記載の製造法。
JP55157631A 1980-08-19 1980-11-11 New antibiotic sf-2103a substance and its preparation Granted JPS5781498A (en)

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