JPS6249697B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、インライン型カラー受像管に装着す
るのに最適な偏向ヨーク装置に関する。

一般に偏向コイルによる磁界はその前後端部
分、すなわちスクリーン側およびネツク部側にお
いてバレル型傾向の磁界分布となる。

垂直偏向コイルの前部（スクリーン側）の磁界
がバレル型傾向となると画面にサイドピンクツシ
ヨン歪を与える。

サイドピンクツシヨン歪を補正するのは、従来
は補正回路を設け偏向電流を変化させることによ
つて改善していたが、最近トロイダル型の垂直偏
向コイルを分割してコアに巻回し、偏向コイルの
巻線分布をコアの前後端部で変化させることによ
つてサイドピンクツシヨン歪を補正するサイドピ
ンレス偏向ヨーク装置が開発された。

しかしながら、上記のサイドピンレス偏向ヨー
ク装置は、コアに巻回するトロイダルコイルを分
割し、コアの前後端部で巻線分布を変化させなけ
ればならないため巻回作業が複雑で作業能率が悪
いという不都合がある。

このため、偏向ヨーク装置の前部（スクリーン
側）に磁界受け部と磁界形成部とを有する磁界補
正手段を取り付けることによつて、垂直偏向コイ
ルの巻線分布を特別なものとすることなく偏向ヨ
ーク装置の前部の磁界分布を均一な磁界分布と
し、サイドピンクツシヨン歪を補正する、いわゆ
るアーム式偏向ヨーク装置が最近開発され実用さ
れつつある。

本発明はアーム式偏向ヨーク装置を構成するの
に最適な構造を提供することを目的とするもの
で、磁界補正手段の磁界受け部の形状を少なくと
もその一部がコアの巻線を巻回していない部分の
外周に添う様に形成することによつて能率を改善
することを特徴とするものである。

以下、本発明を図面の実施例を用いて詳細に説
明する。

第１図は、本発明を実施した偏向ヨーク装置１
を示す側面図で、第２図は同装置の後面図であ
る。

図中、２は、内側に一対の水平偏向コイル（図
示せず）を配置するコイルボビンで、その前後端
部に形成された拡大部２ａ，２ｂにクラ型に巻回
された水平偏向コイルのフレンジ部が収容され
る。前記コイルボビン２の外面には垂直偏向コイ
ル４がトロイダルに巻回されたコア３が配置され
ている。前記コア３はボビン２の外周に形成され
たコア押え２ｃによつて所定の位置に保持されて
いる。偏向ヨーク装置１の前部には、磁性体から
なる一対の磁界補正手段５が垂直偏向軸Ｙ−
Y′に対して対称に取付けられている。磁界補正
手段５は、硅素鋼板などの透磁率が大きく、ヒス
テリシス特性の良い材料によつて形成され、第３
図に詳細に示す様に、磁界受け部５ａと磁界形成
部５ｂとを有している。磁界受け部５ａは、垂直
偏向コイルおよびコアからの漏洩磁界を受け入れ
誘導する作用をなすもので、この必要から垂直偏
向コイルを巻回したコアの前端近傍に添つて配置
されている。また前記磁界形成部５ｂは磁界受け
部５ａによつて受け入れ誘導された磁界によつて
所定の位置に補正磁界を形成する作用をなすもの
で、この必要から水平偏向軸Ｘ−X′に対して対
称な位置に一対形成されている。

本発明は、前記磁界補正手段５の磁界受け部５
ａの形状を、少くともその一部がコアの垂直偏向
コイルを巻回しない部分の外周に添う様に形成す
るものである。

前記実施例装置においては、磁界受け部５ａの
巻線４に近接して配置される部分５a″を曲率R₂
の曲面に、またコアの巻線の巻回されていない部
分に近接して配置される部分５a′を曲率R₁の曲面
に形成して部分５a″と部分５a′とで曲率を変化さ
せるとともに部分５a″の曲率R₂を部分５a′の曲率
R₁よりも大きく形成してある。

磁界受け部５ａの形状を前記の如く形成するこ
とによつて、磁界受け部を単に平面状に形成して
配置した場合に比較して、磁界受け部をコアある
いは巻線に極めて密接した状態で配置することが
可能となる。したがつて、磁界補正手段とコアあ
るいは巻線間に介在する不所望なエアギヤツプは
極めて小さいものとなり、この部分の磁気抵抗は
比躍的に減少する。このため、前記のエアギヤツ
プが原因する損失は少くなり、磁界補正手段は極
めて能率の良いものになり、その結果感度が向上
し補正手段として使用できる範囲が極めて広くな
る。

なお、前記磁界補正手段５は第４図に詳細に示
す様に一体に形成した取付用舌片５ｃをこれに対
応してボビンの所定の位置に形成した収容部２ｄ
に嵌合収容することにより偏向ヨーク装置１に取
付けられ、しかる後接着剤で固定される。

そして、偏向ヨーク装置１は通常の装置と同様
受像管のネツク部に装着され最適な位置に調整さ
れた後、コイルボビン２に形成した締付部２ｅを
締付ネジ等の締付手段（図示せず）で締付けるこ
とにより取付固定される。この場合、前傾を防止
するために偏向ヨーク装置の前部を適当な支持手
段で支持するのが普通であるが、支持手段は本願
発明と直接関係しないので説明は省略する。

なお、上記実施例装置においては、磁界補正手
段の磁界受け部の形状をコイルに近接する部分と
コアに近接する部分とで変化させた場合であつた
が、本発明はこれに限定されるものではなく、要
は磁界受け部の形状を少くともその一部がコアの
外周面に添う様な形状にすることによりその目的
とする作用効果を達成できるものである。

本発明の偏向ヨーク装置は上記の如きものであ
るから、極めて簡単な構成により効率が良いアー
ム式の偏向ヨーク装置が構成でき、この種の装置
に適用することにより極めて有益な実用上の効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施した偏向ヨーク装置の一
例を示す側面図、第２図は同背面図、第３図は第
１図、第２図に示した偏向ヨーク装置における磁
界補正手段の詳細に示す斜視図、第４図は磁界補
正手段を偏向ヨーク装置に取付けた状態の詳細を
示す説明図である。 図中、２はコイルボビン、３はコア、４は垂直
偏向コイル、５は磁界補正手段、５ａは磁界受け
部、５ｂは磁界形成部を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ クラ型の水平偏向コイルと、該コイルを内側
   に配置するコイルボビンと、該コイルボビンの外
   面に配置されるコアと、該コアに巻回される垂直
   偏向コイルとからなり、前記コアおよび垂直偏向
   コイルの近傍に配置されて漏洩磁界を受け入れる
   磁界受け部と該磁界受け部より受け入れた磁界に
   よつて補正磁界を形成する磁界形成部とを有する
   磁界補正手段によりサイドピンクツシヨン歪を補
   正する様になした偏向ヨーク装置において、前記
   磁界補正手段の磁界受け部の形状を少なくともそ
   の一部が前記コアの巻線を巻回しない部分の外周
   に添う様に形成したことを特徴とする偏向ヨーク
   装置。 ２ 磁界受け部の巻線に近接して配置される部分
   を曲率R₂の曲面となし、コアの巻線を巻回しな
   い部分に配置される部分を曲率R₁の曲面となす
   とともに曲率R₂を曲率R₁よりも大きくなる様に
   構成した特許請求の範囲第１項に記載の偏向ヨー
   ク装置。