JPS6246934Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は油圧緩衝器の上部取付部構造の改良に
関する。

車両の懸架装置を構成する油圧緩衝器におい
て、ピストンロツドの上端は車体側に、シリンダ
の下端は車輪側に夫々連結されている。

ところで、上記ピストンロツドの車体側への取
付部は、該ピストンロツドに挿通するジヨイント
カラーで位置決めされる上下２枚の受座間に挾持
されるラバーブツシユを介してマウント支持され
ている しかしながら、従来は上記ジヨイントカラー、
受座及びラバーブツシユがピストンロツドに固定
されることなく移動自在に挿通されていたため、
ピストンロツド上部の車体への組付性が悪いとい
う問題があつた。

本考案は斯かる問題を有効に解決すべく成され
たもので、その目的とする処は、油圧緩衝器上部
の車体への組付作業性を改善することができる油
圧緩衝器の上部取付部構造を提供するにある。

斯かる目的を達成すべく本考案は、ピストンロ
ツド上端部に挿通するジヨイントカラーで位置決
めされる上下２枚の受座間にラバーブツシユを挾
持して成る油圧緩衝器の上部取付部構造におい
て、前記ジヨイントカラーを前記ピストンロツド
との間に軸方向隙間を設けて加締め、該カラーを
ピストンロツドに固定したことをその要旨とす
る。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。

第１図は本考案に係る取付部構造を有して成る
油圧緩衝器上部の破断側面図、第２図は同分解破
断側面図、第３図は第２図Ａ部の拡大詳細図であ
る。

第１図に示す油圧緩衝器１において２はシリン
ダであり、該シリンダ２の内部には上方よりピス
トンロツド３が挿通しており、該ピストンロツド
３のシリンダ２内に臨む下端にはシリンダ２内周
に上下摺動に嵌合する不図示のピストンが結着さ
れている。又シリンダ２の中間部には図示の如く
スプリングシート４が嵌着されており、該シリン
ダ２内には作動油が封入されている。

一方、上記ピストンロツド３の上部には図示の
如く受座５が挿通されており、該受座５の外周に
は円筒状のアウターケース６の上端が嵌着されて
いる。そして、このアウターケース６の内部で、
且つ前記受座５の下面側にはストツパラバー７が
設けられている。

又ピストンロツド３の前記受座５の上方の部分
にはジヨイントカラー８が挿通しており、該カラ
ー８の外周には上下２枚のリング状ラバーブツシ
ユ９，１０が挿通嵌合している。そして、ジヨイ
ントカラー８の上端部は第３図に詳細に示す如く
ピストンロツド３に設けられた凹部３ａに軸方向
隙間ΔＳを設けて加締められており、これにより
該カラー８はピストンロツド３に固定されてい
る。

更にピストンロツド３の上端部にはもう一方の
受座１１が挿通しており、該受座１１は前記ジヨ
イントカラー８の上端に当接し、ピストンロツド
３の上端部に螺合するナツト１２にて締付固定さ
れている。

而してピストンロツド３の上部は以下の如くし
て車体に組み付けられる。

即ち、第２図に示す如くピストンロツド３の上
端部に受座５、ジヨイントカラー８及びラバーブ
ツシユ１０を挿通固定し、他のラバーブツシユ
９、受座１１及びナツト１２を取外した状態で該
ピストンロツド３の上端部を車体側のマウントベ
ース部に穿設された取付孔（図示せず）に挿通
し、その後該取付孔から上方へ突出するピストン
ロツド３の上端部にラバーブツシユ９及び受座１
１を挿通し、最後にナツト１２を締め付ければ、
ピストンロツド３の上部は車体側に組み付けられ
る。

以上において、ヒストンロツド３の上部は受座
５、ラバーブツシユ１０及びジヨイントカラー８
を組み付けた状態で車体のマウントベース部の取
付孔に挿通するようにしたため、これら部品がピ
ストンロツド３から脱落することがなく、従つて
組付作業性が著しく改善される。

又ジヨイントカラー８はこれの軸方向に隙間Δ
Ｓを設けて加締めたため、ピストンロツド３に対
して隙間ΔＳ分だけ上下に移動でき、これにより
ナツト１２の締め付けによる軸力がジヨイントカ
ラー８のカシメ部に規制されることなくピストン
ロツド３の上部はガタつき等なく適正にマウント
支持される。

以上の説明で明らかな如く本考案によれば、ピ
ストンロツド上端部に挿通するジヨイントカラー
で位置決めされる上下２枚の受座間にラバーブツ
シユを挾持して成る油圧緩衝器の上部取付部構造
において、前記ジヨイントカラーを前記ピストン
ロツドとの間に軸方向隙間を設けて加締め、該カ
ラーをピストンロツドに固定したため、油圧緩衝
器上部の車体への組付作業性が著しく改善され
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は本考案に係る取付部構造を有して成る油圧
緩衝器上部の破断側面図、第２図は同分解破断側
視図、第３図は第２図Ａ部の拡大詳細図である。 尚図面中１は油圧緩衝器、２はシリンダ、３は
ピストンロツド、５，１１は受座、８はジヨイン
トカラー、９，１１はラバーブツシユ、１２はナ
ツトである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ピストンロツド上端部に挿通するジヨイントカ
   ラーで位置決めされる上下２枚の受座間にラバー
   ブツシユを挾持して成る油圧緩衝器の上部取付部
   構造において、前記ジヨイントカラーを前記ピス
   トンロツドとの間に軸方向隙間を設けて加締め、
   該カラーをピストンロツドに固定したことを特徴
   とする油圧緩衝器の上部取付部構造。