JP3033800B2 - サスペンション組付方法とその組付治具 - Google Patents

サスペンション組付方法とその組付治具

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JP3033800B2
JP3033800B2 JP4300277A JP30027792A JP3033800B2 JP 3033800 B2 JP3033800 B2 JP 3033800B2 JP 4300277 A JP4300277 A JP 4300277A JP 30027792 A JP30027792 A JP 30027792A JP 3033800 B2 JP3033800 B2 JP 3033800B2
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一也 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、実車状態に対応する荷
重でサスペンションをボディに組付ける自動車のサスペ
ンション組付方法とその組付治具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術としては特開昭63
−141881号公報に記載のように、自動車のエンジ
ンをサスペンションメンバ上に搭載し、ロアアームとフ
ロントアクスルを介してボディに組付けるサスペンショ
ン組立方法において、前記フロントアクスルの一端を前
記ボディに組付けた後に、前記サスペンションメンバと
前記ロアアームとの組立品上に前記エンジンを搭載し、
次に前記ボディに前記サスペンションメンバを固定し、
最後に前記フロントアクスルの他端を前記ロアアームに
固定するようにしたサスペンション組立方法が知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、エン
ジン搭載前にフロントアクスルをボディに組付けるよう
にしたので、サスペンションの組立が容易になり、エン
ジン搭載の作業性を向上させることが出来るものの、ダ
ンパユニットに1G(重力)の荷重が掛かった状態、即
ち実車状態に対応する荷重でサスペンションが、ボディ
に組付けられるかどうか確実でないという問題点を有し
ていた。
【0004】本発明は、従来の技術が有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、サスペンションの組付けが容易に出来ると共
に、ダンパユニットに1G(重力)の荷重が掛かった状
態、即ち実車状態に対応する荷重でサスペンションを、
確実にボディに組付けることが出来るサスペンション組
付方法とその組付治具を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく請
求項1のサスペンション組立方法は、ダンパフォークと
ロアアームに治具をセットし、前記ダンパフォークとロ
アアームとの間に所定角度を持たせて固定し、一方ボデ
ィにアッパアームとコイルスプリングを取付けたダンパ
ユニットを組付け、前記ダンパフォークを上昇させるこ
とによって前記ダンパユニットを前記ダンパフォークに
挿着し、次に所定のクリアランスを生じた前記アッパア
ームと前記ロアアーム側に組付けたナックルとを前記ク
リアランスがなくなるように固定するものである。
【0006】また、請求項2のサスペンション組立治具
は、ダンパフォークの開口部に挿入する挿入部と、ロア
アームのボディ側端部近傍を上方から挟持するように当
接する当接部と、両端に挿入部と当接部を配設してダン
パフォークとロアアームとの間に所定角度を持たせて組
付けるためのアームとから構成するものである。
【0007】
【作用】ダンパユニットに1G(重力)の荷重が掛かっ
た状態でサスペンションが、ボディに組付けられる。ま
た、ダンパフォークとロアアームとが所定角度を持って
組付けられる。
【0008】
【実施例】以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。図1乃至図5は請求項1のサスペンション組
付方法を示し、図1はアッパアームのボディへの組付方
法を示す斜視図、図2はアッパアームのボディへの組付
状態を示す断面図、図3は請求項2のサスペンション組
付治具を用いてダンパフォークとロアアームに所定角度
を持たせて組付けた状態を示す側面図、図4は同じく斜
視図、図5はフロントサスペンションがボディに組付け
られる直前の分解斜視図、図6は請求項2のサスペンシ
ョン組付治具の平面図、図7は同じく側面図、図8はダ
ンパユニットとダンパフォークの結合部の正面図、図9
はダンパユニットとダンパフォークの結合部の側面図で
ある。
【0009】コイルスプリングを用いたダブルウィッシ
ュボーン式独立懸架方式を採用しているフロントサスペ
ンションの組付方法について説明する。フロントサスペ
ンションの主な構成部品は、図5に示すようにダンパユ
ニット1、コイルスプリング2、ダンパフォーク3、ナ
ックル4、アッパアーム5、ロアアーム6、ラジアスロ
ッド7、スタビライザ8等である。
【0010】先ず、図1と図2に示すようにアッパアー
ム5のボルト部5aをボディ11の取付孔11aにブッ
シュ10介して挿入し、ナット5cで締付ける。ボルト
部5aとボディ11の取付孔11aとの嵌合の際に、ボ
ルト部5aの凸部5dと取付孔11aの凹部11bによ
り廻り止め構造が形成される。
【0011】次に、ダンパユニット1をコイルスプリン
グ2に挿入した状態でボディ11に仮締めする。この仮
締めは、後のダンパユニット1とダンパフォーク3との
位置決めセットに際して自由度を持たせておくためであ
る。
【0012】更に、ロアアーム6の一端をボディ11に
取付け、同時にラジアスロッド7等もボディ11に取付
ける。次に、図3と図4に示すようにロアアーム6と、
ボルト13を介してロアアーム6に仮組付けしたダンパ
フォーク3に治具12をセットした後に、ボルト13を
締付けて固定する。
【0013】治具12は、図6と図7に示すようにダン
パフォーク3の開口部3aに挿入する挿入部12aと、
ロアアーム6のボディ11側の端部近傍6aを上方から
挟持するように当接する当接部12bと、両端に挿入部
12aと当接部12bを配設してダンパフォーク3とロ
アアーム6との間に所定角度αを持たせて組付けるため
のアーム12cとから構成されている。
【0014】従って、治具12の挿入部12aをダンパ
フォーク3の開口部3aに挿入すると共に、治具12の
当接部12bをロアアーム6のボディ11側の端部近傍
6aに上方から挟持するように当接して治具12をセッ
トすれば、治具12のアーム12cによってボルト13
を介して組付けられたダンパフォーク3とロアアーム6
との間に所定角度αが形成される。
【0015】次に、治具12をダンパフォーク3とロア
アーム6から外す。この時、アッパアーム5の締付ボル
ト5bの先端とナックル4の締付孔4aとの間には、所
定のクリアランスが生じる。
【0016】そこで、エンジンやサブフレームと共にダ
ンパフォーク3とロアアーム6とナックル4などから成
る組付部品を台車(不図示)にて上昇させ、ダンパユニ
ット1をダンパフォーク3の開口部3a内に挿入して、
アッパアーム5の締付ボルト5bをナックル4の締付孔
4aに嵌合させ、前記クリアランスがなくなった状態で
締付ボルト5bにナット(不図示)を締付ける。
【0017】また、ダンパユニット1とダンパフォーク
3の結合部には、図8に示すようにダンパユニット1の
凹部1aとダンパフォーク3のボルト孔3bとを締付ボ
ルト(不図示)が挿入できるように位置決めすること
で、抜け止め且つ締付け位置決め構造が形成され、図9
に示すようにダンパユニット1の突出部1bをダンパフ
ォーク3の溝部3cに嵌合することで、回転方向位置決
め構造が形成される。
【0018】以上のような手順でフロントサスペンショ
ンを組付けると、ダンパユニット1に1G(重力)の荷
重が掛かった状態でサスペンションが、ボディ11に組
付けられる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように請求項1のサスペン
ション組付方法によれば、サスペンションの組付けが容
易に出来ると共に、ダンパユニットに1G(重力)の荷
重が掛かった状態、即ち実車状態に対応する荷重でサス
ペンションを、確実にボディに組付けることが出来る.
【0020】また、請求項2のサスペンション組付治具
によれば、容易にダンパフォークとロアアームの間に所
定角度を持たせて組付けることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】アッパアームのボディへの組付状態を示す分解
斜視図
【図2】アッパアームのボディへの組付状態を示す断面
【図3】請求項2のサスペンション組付治具を用いてダ
ンパフォークとロアアームに所定角度を持たせた組付状
態を示す側面図
【図4】請求項2のサスペンション組付治具を用いてダ
ンパフォークとロアアームに所定角度を持たせた組付状
態を示す斜視図
【図5】フロントサスペンションがボディに組付けられ
る直前の分解斜視図
【図6】請求項2のサスペンション組付治具の平面図
【図7】請求項2のサスペンション組付治具の側面図
【図8】ダンパユニットとダンパフォークの結合部の正
面図
【図9】ダンパユニットとダンパフォークの結合部の側
面図
【符号の説明】
1…ダンパユニット、2…コイルスプリング、3…ダン
パフォーク、3a…ダンパフォークの開口部、4…ナッ
クル、5…アッパアーム、6…ロアアーム、6a…ロア
アームのボディ側の端部近傍、11…ボディ、12…サ
スペンション組付治具、12a…挿入部、12b…当接
部、12c…アーム、α…ダンパフォークとロアアーム
の組付時の所定角度。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダンパフォークとロアアームに治具をセ
    ットし、前記ダンパフォークとロアアームとの間に所定
    角度を持たせて固定し、一方ボディにアッパアームとコ
    イルスプリングを取付けたダンパユニットを組付け、前
    記ダンパフォークを上昇させることによって前記ダンパ
    ユニットを前記ダンパフォークに挿着し、次に所定のク
    リアランスを生じた前記アッパアームと前記ロアアーム
    側に組付けたナックルとを前記クリアランスがなくなる
    ように固定することを特徴とするサスペンション組付方
    法。
  2. 【請求項2】 ダンパフォークの開口部に挿入する挿入
    部と、ロアアームのボディ側の端部近傍を上方から挟持
    するように当接する当接部と、両端に挿入部と当接部を
    配設してダンパフォークとロアアームとの間に所定角度
    を持たせて組付けるためのアームとから構成することを
    特徴とするサスペンション組付治具。
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