JPS6246692Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はエレベータの制御装置の改良に関する
もので、特にエレベータの自動再床合せ運転時の
安全性向上を目的とするものである。

エレベータ特に高揚程のエレベータにおいて
は、エレベータが下層階に停止中乗客が乗降する
ことにより、エレベータ乗かごを懸吊しているロ
ープに伸縮が生じ、着床位置が正規の位置より大
幅にずれることがある。

一般にこのような問題の生じる可能性のあるエ
レベータにおいては、例えば着床位置が正規の位
置より20〜30mm以上ずれた場合には、扉を開けた
状態のままで超低速で自動的に床合わせを行なう
自動再床合せ運転制御装置が備えつけられてい
る。

ところで、上記の自動再床合せ運転は扉を開け
たままの状態で行なわれる為、万一自動再床合せ
運転制御装置に異常が生じ、例えば自動再床合せ
運転速度が過大となつたような場合には、乗降中
の乗客に不意の衝撃を与え、最悪の場合には乗客
の転倒等の事故の発生する危険性を有している。
従来は制御装置内に各種の異常検出装置、安全装
置を備えて、上記の問題点の解決を計つていた
が、異常運転の発生を完全に回避できるまでには
到つていない。

本考案は、上記の問題点を解決するためになさ
れたもので、乗客の乗降中（扉に設けられた光電
装置等で検出）は上記安全の為、又かご呼び或い
は乗場呼びのある場合には、安全の為と更に運転
効率向上のため自動再床合せ運転を禁止するもの
である。

以下図面に基づき本考案の一実施例を説明す
る。

第１図は本考案の一実施例を示し、図におい
て、＋，−は制御用電源母線、１ａはかごの扉に設
けられた光電装置の光束が乗客等により遮られた
時付勢されるリレー（図示しない）の常開接点、
２は復旧遅延リレー、２ａはリレー２の常閉接
点、３ａ，４ａはそれぞれかご呼び及び乗場呼び
のある時に付勢されるリレー（図示しない）の常
閉接点、５はリレー、５ａはリレー５の常開接
点、６は周知の自動再床合せ運転制御回路を表わ
す。以下、第１図の回路動作を説明すると、エレ
ベータが階床に停止中で乗客が乗降中は、扉に設
けられた光電装置によりそれを検出し、リレー接
点１ａが閉成し、リレー接点１ａの閉成によりリ
レー２が付勢される。ここでリレー２は復旧遅延
リレーのため、乗客の乗降に多少のとぎれがあ
り、短時間リレー接点１ａが開放されてもリレー
２は所定の時間付勢の状態を保つよう構成されて
いる。リレー２が付勢することによりリレー接点
２ａは開放されリレー５は消勢される。これによ
りリレー接点５ａが開放されることにより自動再
床合せ運転制御回路６が電源より開放されるた
め、自動再床合せ運転は禁止される。一方、かご
呼び或いは乗場呼びがある場合には、自動再床合
せ運転を行なうより呼びへの応答を優先させて運
転効率の向上を計るほうがよく、従つてかご呼び
或いは乗場呼びのある場合には、リレー接点２ａ
或いは３ａが開放されることによりリレー５が消
勢、リレー接点５ａが開放されて自動再床合せ運
転制御回路６が電源より開放される。

第２図は本考案の他の実施例を示し、車椅子用
エレベータ等で正確な着床精度が要求される場
合、かご操作盤或いは乗場かご呼び操作盤に設け
られた再床合せ釦を操作することにより前記実施
例で述べた自動再床合せ運転禁止を解除するよう
構成した回路を示し、図中７はかご操作盤或いは
乗場かご呼び操作盤に設けられた再床合せ釦、８
ａは自動再床合せ運転制御回路６内に設けられた
着床誤差検出リレー（図示しない）の常開接点
で、着床誤差が検出されたとき閉成する。９はリ
レー、９ａ，９ｂはリレー９の常開接点で第１図
と同一のものは同一符号で示している。本実施例
の動作は、第１図での実施例と同様、光電装置が
動作している時及びかご呼び或いは乗場呼びのあ
る場合には自動再床合せ運転が禁止されるが、車
椅子利用者等がかご操作盤或いは乗場かご呼び操
作盤に設けられた再床合せ釦７を操作し、かつ着
床誤差のある場合には、再床合せ釦７、リレー接
点８ａが閉成することによりリレー９が付勢して
リレー接点９ａにより自己保持し、リレー接点９
ｂの閉成により自動再床合せ運転制御回路６が電
源に接続されるため光電装置動作、かご呼び、乗
場呼びの有無にかかわりなく自動再床合せ運転が
行なわれる。尚リレー９の自己保持は、自動再床
合せ運転により着床誤差が解消し、リレー接点８
ａが開放されることにより解消する。又、再床合
せ釦７の操作或いは光電装置動作、かご呼び、乗
場呼びのいずれもが存在しない時の自動再床合せ
運転は一旦扉を閉めた後行なえば一層安全性が向
上する。

以上説明したように、エレベータへの乗客の乗
降中、或いはかご呼び、乗場呼びのある場合には
自動再床合せを禁止することにより、安全性並び
に運転効率を向上させることが可能となる。

なお上記の実施例において乗降中の乗客の検出
は光電装置により行なつているが、これに限らず
電磁波や超音波或いはかご荷重の変化等を利用し
て検出するものであつてもよいことは言うまでも
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す回路図、第２
図は本考案の他の実施例を示す回路図である。 １ａ〜５ａ，８ａ，９ａ，９ｂ……リレーの接
点、２……復旧遅延リレー、５，９……リレー、
６……自動再床合せ運転制御回路、７……再床合
せ釦。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エレベータの着床位置に所定量以上の誤差が生
   じた時自動的に着床誤差を修正する自動再床合せ
   運転制御回路を有するものにおいて、乗降中の乗
   客、エレベータかご呼び、乗場呼びのいずれかの
   有無を検出する回路を備え、該検出回路の動作に
   より前記自動再床合せ運転制御回路の動作を禁止
   するよう構成したことを特徴とするエレベータの
   制御装置。