JPS6245949Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば、トラクターなどの作業機に
おいて、エンジンのアクセルを足踏にて操作する
ために設けられたフートペダルに関し、詳しく
は、間隔をあけて並設された２個のブラケツトの
夫々にバカ穴を形成し、前記両バカ穴に亘つて、
エンジンのアクセル操作部との連継具が連結され
る枢支軸を抜け出し不能に貫通させるとともに、
前記枢支軸に足踏部を一体連結し、前記ブラケツ
トのうちの一つと前記枢支軸とにこの枢支軸に外
嵌された戻しバネの両端が固定されている作業機
のフートペダル構造に関する。

この種作業機のフートペダル構造は、２個のブ
ラケツトのバカ穴に亘つて枢支軸を抜け出し不能
に貫通させることで枢支軸を両持ち状に枢支し、
ベアリングなどの高価な軸受構造を用いなくと
も、枢支軸を確実に枢支することができる利点が
あるが、従来、第４図に示されるように、一つの
ブラケツト７と枢支軸１１とに、この枢支軸１１
に外嵌された戻しバネ１５の両端を固定し、両ブ
ラケツト７，８と枢支軸１１に連設される部材１
３，１６との直接的な接当によつて、枢支軸１１
の軸芯方向への位置ずれを阻止するものであつた
ため、両ブラケツト７，８と前記部材１３，１６
との相対位置に狂いが生じると枢支軸１１が軸芯
方向にガタつき易く、組付けに精度を要するとと
もに、戻しバネ１５を付したブラケツト７側を瞬
間中心として機体の振動などにより、枢支軸１１
が振動し、他方のブラケツト８のバカ穴１０の内
面に、この枢支軸１１が繰返し衝突し、騒音を発
したり、バカ穴１０を変形させたりする欠点が有
つた。

そこでこのような欠点を解決する手段として、
例えば実開昭55−134331号公報に記載されている
ように、枢支軸にバネを巻き付け、このバネの両
端をブラケツトに固定して、枢支軸を常にバカ穴
の内周側に押し付け、枢支軸のガタ付きを抑制す
る手段が提案されている。

しかし、かかる手段では、枢支軸が常にバカ穴
の内周面に押し付けられていることから、枢支軸
並びにブラケツトが摩耗変形し易く、耐久性に欠
ける欠点があるだけでなく、足踏み操作時に大き
な操作力を要し、その上、枢支軸とブラケツトと
の摩擦にもかかわらずペダルが元の位置に確実に
復帰するように、バネ定数の大きい戻しバネを使
用する必要のある欠点があつた。

本考案は、上記実情に鑑みて為されたものであ
つて、ブラケツトと枢支軸との枢支構造を改良す
ることにより、組付け作業が簡単に行えるもので
ありながら枢支軸のガタつきが生じにくい作業機
のフートペダル構造を提供することを目的とす
る。

上記目的を達成するための本考案の特徴構成
は、冒記した作業機のフートペダル構造におい
て、前記枢支軸が前記両バカ穴に亘つて軸芯方向
に移動可能に貫通されるとともに、前記枢支軸に
外嵌された圧縮コイルスプリングの両端が、
各々、前記ブラケツトのうちの一つと前記枢支軸
に形成された係止部とに係止され、かつ、この圧
縮コイルスプリングが戻しバネ作用をも兼ねしめ
られている点にあり、かかる構成から次の作用効
果を奏する。

即ち、圧縮コイルスプリングで枢支軸を軸芯方
向に常時付勢することによつて、両ブラケツトと
枢支軸との軸芯方向への相対位置ずれが阻止され
ることから、仮りに、両ブラケツトと枢支軸との
軸芯方向相対位置に狂いが生じても、その狂いを
圧縮コイルスプリングの伸長によつて吸収する状
態で、枢支軸の軸芯方向への位置ずれが阻止され
る。

従つて、組付けに高い精度を要することなく、
簡単な組付け作業で、枢支軸の軸芯方向へのガタ
つきを阻止する状態で組付けることができる。

そして、戻しバネが固定されている方のブラケ
ツトを瞬間中心とする枢支軸の振動は、前記圧縮
コイルスプリングの弾性曲げ変形により阻止又は
緩和され、ブラケツトのバカ穴の内面に枢支軸が
衝突することを回避し得る。

つまり、枢支軸の軸芯方向に付勢する圧縮コイ
ルスプリングを介して、枢支軸をバカ穴の内周面
に振動衝突しにくい状態で保持し、騒音の発生や
バカ穴の変形を阻止し得るものであるから、枢支
軸並びにブラケツトが摩耗変形しにくいととも
に、足踏み操作時の操作力も実開昭55−134331号
公報に記載されている従来のフートペダル構造の
ように無駄に増大させる必要がない。

しかも、この圧縮コイルスプリングの両端を
各々ブラケツトと枢支軸に形成した係止部とに係
止してあるから、戻しバネに兼用することができ
るとともに、本来備えられている戻しバネをバネ
定数の小さい小型のもので構成することができる
点でも有利である。

次に、本考案の実施例を説明する。

本実施例は、第１図に示されるトラクターにお
けるフートペダル構造を例にして示し、前後車輪
１，２、運転席４、エンジン３、ステツプ５、ミ
ツシヨンケース６等を有している。

前記ステツプ５には第２図、第３図に示すよう
にして次のフートペダル構造が設けられている。

ステツプ５の下面には、下方に向かつて第１、
第２ブラケツト７，８が突設されていて、この両
ブラケツト７，８には、夫々、相対向する位置に
バカ穴９，１０が貫設されてある。そして、この
バカ穴９，１０には枢支軸１１が軸芯方向に移動
可能に貫通され、第２ブラケツト８側の端部には
足踏部１２が固定されている。又、この枢支軸１
１には他端にはアーム１３の基端が固着され、こ
のアーム１３の遊端には、前記エンジン３のアク
セル操作部（図外）に一端が連設された連継具と
してのレリーズワイヤ１４の他端が連結されてい
る。

そして、このアーム１３と第１ブラケツト７と
の間の枢支軸１１には戻しバネ１５が外嵌され、
その両端が前記アーム１３と前記第１ブラケツト
７とに係合連結されているとともに、前記第２ブ
ラケツト８と前記枢支軸１１に一体形成された係
止部としてのツバ１６との間には、この枢支軸１
１の外径と略等しい内径を有する圧縮コイルスプ
リング１７が外嵌され、その両端が各々前記ツバ
１６と前記第２ブラケツト８とに係止されてい
る。

そして、圧縮コイルスプリング１７の付勢力に
よつて振動衝突が生じにくい状態で枢支軸１１が
保持されるとともに、前記足踏部１２から足を離
すと、これが前記戻しバネ１５と圧縮コイルスプ
リング１７との反発力で上動してアクセル操作部
を減速側に操作するようになつている。

上記実施例において次の１つ又は複数の組合わ
せにより構成、対象を変更することも本考案の技
術的範囲内において可能である。

前記第２ブラケツト８とツバ１６との関係位
置を図示のものとは逆にすること。この際第２
ブラケツト８に当接される別のツバ１６を必要
とする。

前記戻しバネ１５と、圧縮コイルスプリング
１７との配置を逆にすること。

前記アーム１３が枢支軸１１の中間部又は、
足踏部１２と同側に固定されていること、この
とき、戻しバネ１５の一端は枢支軸１１と直接
固定されていても良い。

トラクターに限らず、その他一般にこの種フ
ートペダル構造が用いられる運搬車や農用車輪
あるいはその他の作業機械に応用すること。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る作業機のフートペダル構造
の実施例を示し、第１図はトラクターの全体側面
図、第２図は要部の平面図、第３図はスプリング
の取付構造を示す拡大正面図である。第４図は従
来例を示す縦断正面図である。 ３……エンジン、７，８……ブラケツト、９，
１０……バカ穴、１１……枢支軸、１２……足踏
部、１４……連継具、１５……戻しバネ、１７…
…圧縮コイルスプリング、１６……係止部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 間隔をあけて並設された２個のブラケツト７，
   ８の夫々にバカ穴９，１０を形成し、前記両バカ
   穴９，１０に亘つて、エンジン３のアクセル操作
   部との連継具１４が連結される枢支軸１１を抜け
   出し不能に貫通させるとともに、前記枢支軸１１
   に足踏部１２を一体連結し、前記ブラケツト７，
   ８のうちの一つと前記枢支軸１１とにこの枢支軸
   １１に外嵌された戻しバネ１５の両端が固定され
   ている作業機のフートペダル構造において、前記
   枢支軸１１が前記両バカ穴９，１０に亘つて軸芯
   方向に移動可能に貫通されるとともに、前記枢支
   軸１１に外嵌された圧縮コイルスプリング１７の
   両端が、各々、前記ブラケツト７，８のうちの一
   つと前記枢支軸１１に形成された係止部１６とに
   係止され、かつ、この圧縮コイルスプリング１７
   が戻しバネ作用をも兼ねしめられていることを特
   徴とする作業機のフートペダル構造。