JPH0532344Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は自動車等に使用されるシフトレバー装
置に関する。

（従来の技術） 従来この種のシフトレバー装置としては、シフ
トレバーの基部に一体的に形成した球状部が軸受
手段により回転自在に支持され、この軸受手段に
サポートロツドの後端が装着されている。このサ
ポートロツドの前端はゴム状弾性体を介してトラ
ンスミツシヨンに連結されている。

（考案が解決しようとする課題） 上記のようにサポートロツドはゴム状弾性体を
介してトランスミツシヨンに取付けられており、
これによりトランスミツシヨンからサポートロツ
ドを介してシフトレバーに伝達される振動を低減
させている。このシフトレバーの振動レベルは、
ゴム状弾性体をバネ定数の小さい材質で形成する
ことによつて向上する。しかし、この場合、ゴム
状弾性体の剛性が弱くなり、シフトレバー操作時
に違和感が発生し、乗員に不快感を与えるという
問題があつた。

本考案は、ゴム状弾性体の剛性を低下させるこ
となくシフトレバーの振動特性を向上させること
ができるシフトレバー装置を提供することにあ
る。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案はシフトレ
バーをサポートロツド及び連結手段を介してトラ
ンスミツシヨンに弾性的に連結してなるシフトレ
バー装置であつて、前記サポートロツドは、その
一端が前記シフトレバー側に接続され、その他端
が前記連結手段に接続されており、前記連結手段
は、前記サポートロツドの他端に接続された筒状
のボス部と、このボス部内に挿入された円筒状の
ゴム状弾性体と、このゴム状弾性体内に挿入さ
れ、かつ前記トランスミツシヨン側に接続された
取付軸とを備えており、前記ゴム状弾性体は、こ
のゴム状弾性体の軸線を挟んで対向する外周面の
一部に各々カツト面を有しているとともに、回転
防止手段によつて前記取付軸回りの回転が防止さ
れていることを特徴とするものである。

（作用） 上記の構成によれば、ゴム状弾性体に形成され
たカツト面によりカツト面を形成したゴム状弾性
体の部分のバネ定数が低下し、シフトレバーの振
動特性を向上させることができる。従つて例えば
カツト面を上下に設ければ上下方向の振動を減衰
させることができる。またカツト面は部分的に設
けられており、ゴム状弾性体の剛性が低下するこ
とがないのでシフトレバー操作時違和感が発生す
ることなく、乗員はシフトレバー操作を快的に行
なうことができる。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す実施例に基いて説明
する。

第１図乃至第３図は本考案の第１実施例に係り
第１図はシフトレバー装置の斜視説明図、第２図
は第１図の−矢視縦断面説明図、第３図は第
１図の−矢視横断面説明図である。

シフトレバー１は、基部に一体的に球状部１ａ
が形成されており、この球状部１ａは軸受け手段
２により回転自在に支持されている。この軸受け
手段２は、車両のフロアに固定されているもの
で、サポートロツド５の一端が枢支されている。
このサポートロツド５の他端は、トランスミツシ
ヨン６のハウジング６ａに連結手段８により枢支
されている。またシフトレバー１の途中部位にコ
ントロールロツド１０の一端が連結されている。
このコントロールロツド１０の他端はトランスミ
ツシヨン６のシフト手段（図示せず）に連結さ
れ、ギヤの噛み合わせの切替えを行なうように構
成されている。

連結手段８は、サポートロツド５の他端に溶接
されたパイプ状のボス部１１と、このボス部１１
の内周面に圧入されたゴム状弾性体１２と、後述
する取付軸としての取付けボルト１５とを備えて
いる。このゴム状弾性体１２は円筒状で、外周面
に周方向に沿つて山形状の多条突起部例えば３条
の突起部１２ａ，１２ｂ，１２ｄが形成されてお
り、両端面にフランジ部１２ｅが形成されてい
る。またゴム状弾性体１２の軸線を挟んで上下に
対向する中央の突起部１２ｂには軸線に沿つて平
行な１組のカツト面１２ｆ，１２ｇが形成されて
いる。さらにフランジ部１２ｅには、ボス部１１
側に突出する凸部１２ｈが形成されており、この
凸部１２ｈはボス部１１の両端面に形成されて切
欠き部１１ａに嵌入するようになつている。そし
て、これらの切欠き部１１ａ及び凸部１２ｈは、
ゴム状弾性体１２が後述する取付けボルト１５回
りに回転するのを防止する回転防止手段になつて
いる。

そして、トランスミツシヨン６のハウジング６
ａにサポートロツド５の他端をゴム状弾性体１２
を介して連結するに際しては、まず、ボス部１１
の内周面にカラー１３の外周面に圧入されたゴム
状弾性体１２を押し込んで凸部１２ｈをボス部１
１の切欠き部１１ａに嵌入させ、かつフランジ部
１２ｅによりボス部１１の両端面を挟持させる。
この状態でカツト面１２ｆ，１２ｇは第２図に示
すように上下に対向する位置に配置されている。
続いて、カラー１３の内周面をハウジング６ａに
取付けた取付けボルト１５に挿入し、この取付け
ボルト１５に座板１６およびばね座金１８を介し
てナツト１９を締付ける。これによつてサポート
ロツド５の他端はトランスミツシヨン６のハウジ
ング６ａに連結される。

上記のように構成されたシフトレバー装置にお
いては、サポートロツド５の他端がゴム状弾性体
１２を介してトランスミツシヨン６のハウジング
６ａに連結されており、トランスミツシヨン６か
らシフトレバー１に伝達される振動をゴム状弾性
体１２により減衰させることができる。特に上記
振動は上下方向が他の方向より大きいものである
が、本考案に係るゴム状弾性体１２は上下に対向
する部分にカツト面１２ｆ，１２ｇが形成されて
おり、この部分におけるバネ定数が小さく設定さ
れているので、上下方向における振動を大幅に減
衰させることができる。しかも、ゴム状弾性体１
２は、その凸部１２ｈがボス部１１の切欠き部１
１ａに嵌入されているので、カツト面１２ｆ，１
２ｇの位置がずれることはない。

第４図乃至第６図は本考案の第２実施例に係
り、サポートロツド５の他端がトランスミツシヨ
ン６に設けられたブラケツト２０に取付けられて
いる。そして、サポートロツド５のボス部１１お
よびカラー１３を圧入したゴム状弾性体１２はブ
ラケツト２０内に収容されており、ゴム状弾性体
１２に形成された凸部１２ｋがブラケツト２０に
形成された凹部２０ａに嵌入するように設定され
ている。そして、これらの凹部２０ａ及び凸部１
２ｋは、ゴム状弾性体１２が後述する取付軸とし
てのピン２１回りに回転するのを防止する回転防
止手段になつている。またゴム状弾性体１２はブ
ラケツト２０の一側面からカラー１３に挿入され
た頭付きのピン２１をブラケツト２０の他端面に
おいてかしめることによつてブラケツト２０内に
支持される。また第２実施例ではゴム状弾性体１
２に６条の突起部が形成されており、カツト面１
２ｆ，１２ｈは両端の突起部１２ａ，１２ｄを残
して他の４条の突起部を第１実施例と同一の状態
でカツトし形成されている。

その他の構成および作用は第１実施例に示すも
のと同様である。

［考案の効果］ 上述のとおり、本考案によれば、ゴム状弾性体
はこのゴム状弾性体の軸線を挟んで対向する外周
面の一部に各々カツト面を有しているから、この
カツト面のある方向のバネ定数を小さくすること
ができる。しかも、カツト面を設けているだけで
あるから、極めて安価にバネ定数の低減を図るこ
とができる。また、回転防止手段によつて、ゴム
状弾性体が回転するのを防止することができるか
ら、トランスミツシヨンで発生する一定の方向の
振動を、常に安定的に減衰することができる。さ
らに、カツト面は部分的に設けることで、ゴム状
弾性体の剛性が十分保たれているので、シフトレ
バーを確実に保持することができる。

したがつて、極めて安価に、かつ安定的にシフ
トレバーにおける振動を防止することができると
ともに、防振のためにシフトレバーの保持力が弱
くなつて操作性が悪化するという不具合を防止す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の第１実施例に係
り、第１図はシフトレバー装置の斜視説明図、第
２図は第１図の−矢視縦断面説明図、第３図
ａは第１図の−矢視横断面説明図、第３図ｂ
は同上外観説明図、第４図乃至第６図は本考案の
第２実施例に係り、第４図は連結手段部における
正面説明図、第５図は第４図の−矢視縦断面
説明図、第６図は第４図の−矢視横断面説明
図である。 １……シフトレバー、１ａ……球状部、２……
軸受手段、５……サポートロツド、６……トラン
スミツシヨン、１１ａ……切欠き部、１２……ゴ
ム状弾性体、１２ｆ，１２ｇ……カツト面、１２
ｈ，１２ｋ……凸部、１５……取付けボルト（ピ
ン）、２０ａ……凹部、２１……ピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シフトレバーをサポートロツド及び連結手段を
   介してトランスミツシヨンに弾性的に連結してな
   るシフトレバー装置であつて、 前記サポートロツドは、その一端が前記シフト
   レバー側に接続され、その他端が前記連結手段に
   接続されており、 前記連結手段は、前記サポートロツドの他端に
   接続された筒状のボス部と、このボス部内に挿入
   された円筒状のゴム状弾性体と、このゴム状弾性
   体内に挿入され、かつ前記トランスミツシヨン側
   に接続された取付軸とを備えており、 前記ゴム状弾性体は、このゴム状弾性体の軸線
   を挟んで対向する外周面の一部に各々カツト面を
   有しているとともに、回転防止手段によつて前記
   取付軸回りの回転が防止されていることを特徴と
   するシフトレバー装置。