JPH0332815Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車体に固定された一対のブラケツトに
シヤフトの両端部を挿通支持し、このシヤフトに
コントロールパイプを摺動自在に外挿し、コント
ロールパイプに取り付けられたコントロールレバ
ーを操作することにより、変速操作を行う自動車
用変速操作装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、キヤブオーバ型車におけるフロアチエン
ジ方式の変速操作装置として、実公昭52−37380
号公報に記載のものが知られている。この変速操
作装置は、車体に固定された一対のブラケツトに
シヤフトの両端部を挿通支持し、このシヤフトに
対してブツシユを介在させてコントロールパイプ
を嵌挿し、シヤフトに一端を枢着したチエンジレ
バーをコントロールパイプを通して外部に突出さ
せたものである。そして、チエンジレバーにより
コントロールパイプを回転方向および軸方向に操
作することにより、コントロールパイプに固定し
たコントロールロツドを介して変速機を遠隔操作
するようになつている。

この変速操作装置の場合には、コントロールパ
イプで覆われたチエンジレバーの一端部がシヤフ
トに枢着されているため、組付が難しく、しかも
シヤフトがチエンジレバーのシフト操作につれて
回転するため、ガタが生じやすい欠点がある。そ
のため、チエンジレバーをシヤフトに枢着せずに
コントロールパイプに溶接等によつて連結固定
し、組付を簡素化するとともに、ガタを少なくし
た変速操作装置も提案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕 ところが、上記いずれの変速操作装置の場合
も、シヤフトをブラケツトの挿通孔に単に挿通し
てあるに過ぎないため、シヤフトと挿通孔との間
のガタにより、コントロールパイプ操作時に異音
が生じたり、操作の感触が悪くなる欠点がある。

そのため、一方または両方のブラケツトの挿通
孔の周辺部に板ばねを取り付け、この板ばねをシ
ヤフトの外周面に圧接させることにより、シヤフ
トのガタを解消したものもあるが、これでは板ば
ね及び取付ネジ等の部品数が増え、しかも板ばね
を取り付けるための組付工数を必要とするため、
コスト高になる欠点があつた。

本考案はかかる従来の問題点に鑑みてなされた
もので、その目的は、部品数や組付工数を増やす
ことなく、シヤフトを安定かつ簡単に固定支持で
きる自動車用変速操作装置を提供することにあ
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、車体に
設けられた一対のブラケツトと、これらブラケツ
トの挿通孔に両端が支持されたシヤフトと、該シ
ヤフトに回転方向および軸方向に移動自在に外挿
されたコントロールパイプと、コントロールパイ
プに取り付けられた変速操作用コントロールレバ
ーとを備えた自動車用変速操作装置において、上
記一方のブラケツトは、その挿通孔を設けた片部
がシヤフトの軸線と垂直な方向に対して傾いた状
態で車体に固定され、上記片部に形成された挿通
孔内縁がシヤフトの外周面に食い込んで圧着して
おり、他方のブラケツトは車体に対してボルト等
の締結具によつて着脱可能に取り付けられ、かつ
その着脱方向はシヤフトの軸線と垂直な方向であ
ることを特徴とする。

〔作用〕

シヤフトをブラケツト７，１０に取り付けるに
は、まずブラケツト７を車体から取り外した状態
あるいは緩めた状態とし、シヤフトの両端部を両
方のブラケツト７，１０の挿通孔に挿通する。こ
の時、傾斜したブラケツト１０の片部に対してシ
ヤフトはほぼ垂直状態にあるため、シヤフトは挿
通孔に円滑に挿通される。つぎに、ブラケツト７
を車体に対して締付具で締め付けると、締付にし
たがつてシヤフトは傾斜したブラケツト１０の片
部に対し垂直方向から徐々に傾き、このブラケツ
ト１０の挿通孔内縁がシヤフトの外周面に食い込
んで圧着する。このようにして、シヤフトは両方
のブラケツトに安定に固定される。

なお、本考案ではブラケツト１０を予め車体に
固定しておき、ブラケツト７を車体に対してボル
ト等の締結具によつて着脱可能とし、かつその着
脱方向をシヤフトの軸線と垂直な方向としたの
で、シヤフトを両ブラケツト７，１０に取り付け
る際、シヤフトをブラケツト１０の挿通孔に円滑
に挿入でき、しかもブラケツト７を締結するとと
もに自動的にブラケツト１０の挿通孔がシヤフト
に圧着するので、作業性がよく、しかもシヤフト
の他の部位に傷付きを生じることがない。

〔実施例〕

第１図、第２図は本考案にかかる変速操作装置
の一例を示し、１はシヤフト、２はシヤフト１に
ブツシユ３を介して摺動自在に外挿されたコント
ロールパイプ、４はコントロールパイプ２に溶接
等で固定されたコントロールレバー、５はコント
ロールパイプ２に溶接等で固定された連結杆、６
は一端部が連結杆５に連結されたコントロールロ
ツド６であり、このコントロールロツド６の他端
部は図示しない変速機に連結されている。上記コ
ントロールパイプ２は、コントロールレバー４を
セレクト操作およびシフト操作することによりシ
ヤフト１に対し軸方向および回転方向に摺動し、
変速機を遠隔操作可能となつている。

上記シヤフト１の両端はブラケツト７，１０に
より固定支持されている。すなわち、一方のブラ
ケツト７は略Ｕ字形に形成され、その中央部が図
示しない車体フレームに固定された固定具８にボ
ルト９にて着脱可能に取り付けられている。そし
て、ほぼ平行な両端部に一対の挿通孔７ａが形成
されている。他方のブラケツト１０は略Ｌ字形に
形成され、その挿通孔１０ａを備えた片部１０ｂ
は車体フレームＦに固定される固定片部１０ｃに
対して垂直位置より若干ブラケツト７側へ傾斜し
ている。なお、挿通孔１０ａは片部１０ｂに対し
て垂直方向に穿孔されている。

これらブラケツト７，１０にシヤフト１を取り
付けるには、まずボルト９を緩めて一方のブラケ
ツト７を固定具８に対し若干上方向に浮かせた状
態にしておく（第１図二点鎖線で示す）。そして、
第２図一点鎖線のようにシヤフト１の一端を傾斜
したブラケツト１０の挿通孔１０ａに対して垂直
方向に挿通するとともに、シヤフト１の他端をブ
ラケツト７の挿通孔７ａに挿通する。このとき、
シヤフト１は両ブラケツト７，１０の挿通孔７
ａ，１０ａに円滑に挿通される。その後、ボルト
９を締め付けることにより、シヤフト１は第２図
一点鎖線の状態から実線の状態へと回動せられ、
シヤフト１の外周面がブラケツト１０の挿通孔１
０ａの内縁に食い込んで圧着する。これにより、
シヤフト１の両端はブラケツト７，１０によりガ
タツキなく安定に支持される。なお、ブラケツト
１０がシヤフト１より高強度の場合には、シヤフ
ト１が塑性変形し、逆の場合にはブラケツト１０
が塑性変形する。また、ほぼ同等の強度の場合に
は双方が塑性変形し、圧着保持される。

なお、本考案において、車体にボルト９等で取
り付けられるブラケツト７は、実施例のようにＵ
字形状に限らず、Ｌ字形等いかなるものでもよ
い。

〔考案の効果〕

以上の説明で明らかなように、本考案によれば
一方のブラケツトの片部をシヤフトの軸線と垂直
な方向に対して傾けることにより、片部に形成さ
れた挿通孔内縁をシヤフトの外周面に食い込ませ
て圧着させたので、板ばね等の別部品を全く使用
せずに、シヤフトをブラケツトに安定に固定支持
できる。また、他方のブラケツトは車体に対して
ボルト等の締結具によつて着脱可能に取り付けら
れ、かつその着脱方向はシヤフトの軸線と垂直な
方向であるため、このブラケツトを車体から取り
外した状態あるいは緩めた状態でシヤフトを両ブ
ラケツトに挿通すれば、円滑に挿通でき、この状
態で他方のブラケツトを車体へ締め付ければ、シ
ヤフトは傾斜したブラケツトの挿通孔に自動的に
圧着する。そのため、シヤフトを圧着状態で摺動
させる必要がなく、取り付け作業性が良好となる
とともに、シヤフトの他の部位に傷付きを生じな
いという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる変速操作装置の全体構
成を示す断面図、第２図はその一部拡大図であ
る。 １……シヤフト、２……コントロールパイプ、
４……コントロールレバー、７，１０……ブラケ
ツト、７ａ，１０ａ……挿通孔、１０ｂ……片
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体に設けられた一対のブラケツト７，１０
   と、これらブラケツト７，１０の挿通孔７ａ，１
   ０ａに両端が支持されたシヤフト１と、該シヤフ
   ト１に回転方向および軸方向に移動自在に外挿さ
   れたコントロールパイプ２と、コントロールパイ
   プ２に取り付けられた変速操作用コントロールレ
   バー４とを備えた自動車用変速操作装置におい
   て、 上記一方のブラケツト１０は、その挿通孔１０
   ａを設けた片部１０ｂがシヤフト１の軸線と垂直
   な方向に対して傾いた状態で車体Ｆに固定され、
   上記片部１０ｂに形成された挿通孔１０ａ内縁が
   シヤフト１の外周面に食い込んで圧着しており、
   他方のブラケツト７は車体に対してボルト等の締
   結具９によつて着脱可能に取り付けられ、かつそ
   の着脱方向はシヤフト１の軸線と垂直な方向であ
   ることを特徴とする自動車用変速操作装置。