JPS6243724Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は木工用等刃物の研磨砥石（ダイヤモン
ドホイール）の保持装置に関するものである。

近時主として木工用等刃物の研磨砥石（以下単
に砥石とする。）として安価なベークライト製の
砥石が重宝されている。このベークライト製の砥
石の構造は、一般に中心部がアルミニウムで、そ
の外郭輪部がベークライト部材で形成されてお
り、かつベークライト部材の周縁内面に環状の砥
石体が付着されている。このような構成であるか
ら研磨作業中に刃物の押圧等でベークライト部材
が歪み、砥石のにげのため研磨面の均一性が確持
されないと共に、その修正に余分の手間がかかり
作業性が悪いこと。このようなことからその使用
分野が自から限定され、安価なベークライト製の
砥石が十分に活用されていないのが現況である。
このような問題点は、本出願人も日常の研磨作業
でよく経験するところである。

そこで本出願人は創意工夫を施し、ベークライ
ト製の砥石の利用分野の拡大を意図し、ここにほ
とんど歪みがでなく、しかもその砥石の取付がき
わめて簡易にできる木工用等刃物の砥石の保持装
置を提供するものである。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

先ず第１図に略示する通常の研磨機について述
べると、１はフレーム、２は皿状のテーブル、３
は砥石台ベースで、基盤４上を左右に摺動する。
５は砥石台で、この砥石台５にはその側面にこれ
と直交する先上り状の砥石担持部材６が装設され
ており、この砥石担持部材６には軸受７等を介し
て砥石軸８が軸承されている。そしてこの砥石軸
８は砥石台５に装備するモータ９の駆動により回
転する。１１は木工用刃物の取付台ベースで、１
２はその取付台である。

そこで本考案は、鉄、アルミニウム等の鋼材よ
りなる取付孔１３を有する皿状のスペーサ１４を
形成し、その径寸法を後述するベークライト製砥
石より小さくする。断面形状は望ましくは第２図
に示すように中心部に水平基板部１４ａを設け、
この基板部１４ａから先端に向つて薄肉となる外
郭輪部１４ｂとで構成され、この外郭輪部１４ｂ
が僅かの角度で傾斜している形状がよい。また第
３図に示すように外郭輪部１４ｂを同一肉厚とす
ることもできる。１５は公知のベークライト製の
傘状の砥石で、中心部にアルミニウムよりなる水
平基板部１５ａを設け、この基板部１５ａから先
端に向つて薄肉となるベークライトの外郭輪部１
５ｂとで構成され、この外郭輪部１５ｂが僅かの
角度で傾斜しており、かつ外郭輪部１５ｂの周縁
内面には環状の砥石体１６が付着されている。そ
してこの砥石１５には取付孔１７が開設されてい
る。前述のように構成したスペーサ１４を用いて
ベークライト製の砥石１５を取付けるには、先ず
砥石軸８の先端細径部８ａにスペーサ１４を嵌挿
し、ついで砥石１５を嵌挿する。この状態におい
てスペーサ１４と砥石１５との間に締付け祐度Ａ
が形成されるようにする（第２図イの状態）。そ
して細径部８ａの螺孔に締付具１８を螺着すれ
ば、前述の締付け祐度Ａがなくなり、スペーサ１
４の内側（砥石１５を取付ける側）に砥石１５の
略全体を弾性変形させ圧着状に重畳させる。した
がつて、両者が重畳一体化され、ベークライト製
の砥石１５を使用したときにこのベークライト部
分の変形ひいては砥石１５の略全体の変形を防止
できる。これによつて砥石軸８にスペーサ１４を
介して砥石１５が取付けられる（第２図ロの状
態）。尚、先端細径部８ａの軸長がスペーサ１４
及び砥石１５の両基板部１４ａ，１５ａ肉厚より
長いときはワツシヤー等の補助部材を使用する。

本考案は以上詳述したように、砥石軸の細径部
に締付け祐度を有するように皿状のスペーサと傘
状の砥石とを嵌挿し、締付具をもつて前述祐度を
なくしかつスペーサの内側にベークライト製の砥
石を弾性変形させ圧着状に重畳一体化する保持装
置としたので、ベークライト製砥石がその研磨作
業中に歪むことをほぼ完全に防止できる効果があ
り、砥石のにげがなくなり仕上研磨面の均一性が
達成され品質の向上が期待できるし、均一性の達
成によりその修正作業をなくすことができ作業の
簡略化が可能となる。これによつて安価なこの種
ベークライト製砥石の活用範囲を大いに拡大でき
る効果があり、経済上、合理化の面で誠に意義深
いものである。また、強度的に弱いベークライト
製砥石のベークライトの外郭輪部と、前記スペー
サとの間に締付け祐度を設けるとともに、この砥
石の略全体の弾性変形を介して強度を有するスペ
ーサに、この砥石の略全体を圧着状に重畳一体化
させて砥石の補強をする構成であるので、詳述の
如くベークライト製の砥石の略全体の補強となる
効果があるし、砥石が砥石軸の先端細径部に確実
かつ安定的に略均一な締付け力をもつて軸承され
る効果とともに、砥石がぶれることがなく、その
反りを極めて小さくすることができる。更に、ス
ペーサの径寸法を砥石のそれより小さくしたの
で、研磨作業の邪魔とならず、鋸刃の研磨にも使
用できる汎用性がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を示し、第１図は研磨
機に装着した状態を略示的に示した正面図、第２
図イは保持過程を示す断面図、同ロは保持状態を
示す断面図、第３図はスペーサの他の一例を示す
断面図である。 ６……砥石担持部材、７……軸受、８……砥石
軸、８ａ……細径部、１２……取付台、１４……
スペーサ、１４ａ……基板部、１４ｂ……外郭輪
部、１５……砥石、１５ａ……基板部、１５ｂ…
…外郭輪部、１６……砥石体、１８……締付具、
Ａ……締付け祐度。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 研磨機の砥石台に装設した砥石担持部材に回
   転自在に軸承した砥石軸の先端細径部に、傘状
   のベークライト製の研磨砥石の外径よりやや小
   径でかつ水平基板部となる中心部及びこの水平
   基板部より順次肉薄となる外郭輪部とで構成し
   た鋼材でなる皿状のスペーサを嵌挿し、ついで
   前記研磨砥石を嵌挿し、かつスペーサと研磨砥
   石との間に締付け祐度を形成し、この締付け祐
   度をなくすように細径部の先端より締付具を圧
   着し、前記スペーサに研磨砥石の略全体を弾性
   変形させるとともに、この略全体をスペーサに
   重畳一体化することを特徴とする木工用等刃物
   の研磨砥石の保持装置。 皿状のスペーサの寸法が研磨砥石の研磨体を
   除いた内径寸法と略同一である実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の木工用等刃物の研磨砥石
   の保持装置。