JPS6240282Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば、追焚き等の浴湯加熱を効率
良く行なえるように浴湯中に噴出させる蒸気混入
高温水などを生成するもので、詳しくは水加熱用
の熱交換器の給水入口に、この給水入口よりも高
い位置を経由する管路部分を備えた給水管路を接
続し、前記管路部分の途中箇所に、給水管路上手
側に連なる一次側ポートと、給水管路下手側に連
なる二次側ポートと、大気側に連なる大気側ポー
トと、前記給水管路内の圧力が低下して負圧にな
るにともなつて、前記二次側ポートと前記大気側
ポートとを連通して、前記二次側ポートから前記
一次側ポートへの逆流を阻止する弁体とを備えた
真空破壊弁を直列に接続するとともに、前記真空
破壊弁を器具ケーシング内に内装してある給湯器
具に関する。

冒記した給湯器具は、例えば浴湯中への給湯作
用時において不測の断水等により給水管路内圧が
給湯管路内圧よりも極端に低くなつて負圧に陥つ
た際に、汚染された浴湯水が負圧によつて吸引さ
れ、熱交換器を介して給水管路側、つまり、上水
道側に逆流することを防止するにあたり、浴湯水
の給水管路から外部への流出を招かないように、
熱交換器の給水入口にこの給水入口よりも高い位
置を経由する管路部分を備えた給水管路を接続
し、浴湯水が負圧によつて吸引される際に生じる
サイフオン現象を利用して、前記管路部分に接続
した真空破壊弁の大気側ポートを介して前記管路
部分を大気に連通させ、サイフオン現象を解除し
て逆流を防止するように構成したものであり、真
空破壊弁を熱交換器よりも上手側の給水管路部分
に設けることにより、真空破壊弁を通過する流体
が加熱前の低温水であることから、この弁に対す
る特別な耐高温対策を不要化できるとともに、熱
交換器の給水出口に接続した給湯管路における圧
力損失が少ない状態で給湯作用が行える等の利点
を有するが、このものにおいて例えば、給湯操作
を短時間のうちに繰り返しオン・オフとすると
か、真空破壊弁の入口圧が0.1Kg／cm²以下の異常
な低圧になるとか、その他、大気側ポートの弁座
と弁体との間にごみなどの夾雑物を噛込んだ場合
に生じる大気側ポートからの漏水の処理方法とし
て従来から次のような問題があつた。

第１に、真空破壊弁に漏水処理のための特別な
手段を講じないと、既述の如き現象に起因して生
じた大気側ポートからの漏水がそれの量いかんに
拘わらず器具内の各種構成部材、部品にふりかか
り、またその一部が器具ケーシング内に溜まり、
その結果、早期腐食、或いは電気部品の故障など
を招く欠点がある。

第２に第４図で示すように真空破壊弁０３の大
気側ポート０３ｃに直接、漏水排水用のチユーブ
０６を接続する処理方法もあるが、これによる場
合も、漏水量の多少に拘わらずその全量をチユー
ブ０６を通じて集中排水するので、特に多量漏水
の場合を考えて専用の処理設備を要する、或いは
そのような処理設備がある所でしか設置使用する
ことができない難点がある。

本考案は、以上の実情に鑑み、前記真空破壊弁
に対する簡単な構成付加をもつて、漏水処理を合
理的に行なえるようにする点に目的を有する。

上記目的を達成するための本考案の特徴構成
は、冒記した給湯器具において、前記真空破壊弁
の大気側ポートに、排出流路を接続したオーバー
フロー口を備えたタンクを接続し、前記タンクに
貯溜される大気側ポートからの漏水を、給湯作用
停止時に前記真空破壊弁を通して前記熱交換器側
に排出させるように構成してある点にあり、かか
る構成から次の作用効果を奏する。

即ち、タンクに貯溜できる程度の少量の漏水は
熱交換器側に排出され、タンクに貯溜しきれない
程度の多量の漏水は、そのオーバーフロー口に接
続させた排出流路を介して器具外所定位置に排出
させて、他の箇所からの水漏れとは区別した状態
で処理することができる。

といつた作用が得られ、これにより、 器具内部材や部品の漏水による腐食、故障が
少なく、全体として耐久性が向上する、 少量漏水の場合は外部への排水の要が全くな
い、 比較的多量の漏水の場合でも、特定位置から
の排水により真空破壊弁に異常があることを早
く察知させ得て、例えば給湯作用を中断するな
ど漏水量が膨大なものにならないうちに適切な
対応策を採ることが容易である、 排出流路を接続したタンクを付加するのみの
極く簡単な構成付加をもつて漏水処理を上述
〜の如く合理的に行なえる、 といつた実用効果を奏するに至つた。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述する
と、第１図で示すようにガスバーナ７、フインチ
ユーブ式の水加熱用熱交換器１を備え、これらを
器具ケーシング５内に収納配置するとともに、前
記熱交換器１への給水管路２で前記熱交換器１に
近い管路部分１ａをほぼ逆Ｕ字形でその頂上部が
前記熱交換器１の最上位部分よりも高く位置する
状態の屈曲管路に形成し、この屈曲管路部分１ａ
に真空破壊弁３を、これが器具ケーシング５内に
納まる状態にかつ弁体３ａが上下スライド自在な
状態で介在させて、蒸気を含む高温水を生成可能
な給湯器具Ａを構成する。この給湯器具Ａの熱交
換器１出口と浴槽８に側壁貫通状態で付設した噴
出器９とを給湯管路１０を介して連絡すること
で、熱交換器１での加熱作用により生成される蒸
気を含む高温水を管路１０、噴出器９を介して浴
湯中に噴出させて追焚き等の浴湯加熱を行なうべ
く構成してある。

前記真空破壊弁３は、第３図に示すように、給
水管路２の上手側に連通接続される一次側ポート
３ａと、給水管路２の下手側に連通接続される二
次側ポート３ｂと、大気側に連通される大気側ポ
ート３ｃとを形成した弁ケース３ｄに、一次側ポ
ート３ａと大気側ポート３ｃとに亘る筒体３ｅを
装着し、この筒体３ｅに、軸部材３ｆに一体固着
されて大気側ポート３ｃを変速可能な大気側弁３
ｇと、前記軸部材３ｆに対して軸芯方向へ摺動自
在に外嵌されて一次側ポート３ａを閉塞可能な一
次側弁３ｈと、これら大気側弁３ｇと一次側弁３
ｈとの間に装着される圧縮スプリング３ｉとから
成る弁体３ｊを内装して構成され、通常の給湯作
用時には、一次側弁３ｈが水圧によつて圧縮スプ
リング３ｉの付勢力に抗して押し上げられ、一次
側ポート３ａと二次側ポート３ｂとが前記筒体３
ｅに形成した孔３ｋ……を介して連通され、給水
管路２内の圧力が低下したときには、一次側弁３
ｈが吸引されて一次側ポート３ａを閉塞するとと
もに、大気側弁３ｇも吸引されて、圧縮スプリン
グ３ｉの付勢力に抗して押し下げられ、二次側ポ
ート３ｂと大気側ポート３ｃとが前記孔３ｋ……
を介して連通され、給水管路２内の圧力が低下す
るにともなつて現出されるサイフオン現象を確実
に解除して、熱交換器１側から給水管路２への浴
湯水の逆流を防止している。

上記のものにおいて、前記真空破壊弁３の大気
側ポート３ｃに、第２図及び第３図で明示の如
く、この大気側ポート３ｃからの漏水を貯溜可能
な、少容量でかつ例えばABS樹脂など耐熱耐蝕
樹脂製のタンク４を接続し、このタンク４のオー
バーフロー口４ａと前記器具ケーシング５を構成
する前板５Ａと、裏板５Ｂのうち、前板５Ａの底
面に形成の排水孔５ａとを排出流路の一例として
のチユーブ６を介して連通接続したものである。

尚、対象器具としては、上例のように蒸気を含
む高温水を生成し、これを浴湯中に噴出するもの
であつても、蒸気を生成する給蒸器具であつて
も、要は真空破壊弁を必要とするものであれば何
に適用しても良い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は使用例を示す概略縦断面図、第２図は
要部の縦断面図、第３図は要部の拡大縦断面図、
第４図は従来例を示す要部の拡大縦断面図であ
る。 １……熱交換器、２……給水管路、３……真空
破壊弁、４……タンク、４ａ……オーバーフロー
口、５……器具ケーシング、１ａ……管路部分、
３ａ……一次側ポート、３ｂ……二次側ポート、
３ｃ……大気側ポート、３ｊ……弁体、６……排
出流路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水加熱用の熱交換器１の給水入口に、この給水
   入口よりも高い位置を経由する管路部分１ａを備
   えた給水管路２を接続し、前記管路部分１ａの途
   中箇所に、給水管路上手側に連なる一次側ポート
   ３ａと、給水管路下手側に連なる二次側ポート３
   ｂと、大気側に連なる大気側ポート３ｃと、前記
   給水管路２内の圧力が低下して負圧になるにとも
   なつて、前記二次側ポート３ｂと前記大気側ポー
   ト３ｃとを連通して、前記二次側ポート３ｂから
   前記一次側ポート３ａへの逆流を阻止する弁体３
   ｊとを備えた真空破壊弁３を直列に接続するとと
   もに、前記真空破壊弁３を器具ケーシング５内に
   内装してある給湯器具において、前記真空破壊弁
   ３の大気側ポート３ｃに、排出流路６を接続した
   オーバーフロー口４ａを備えたタンク４を接続
   し、前記タンク４に貯溜される大気側ポート３ｃ
   からの漏水を、給湯作用停止時に前記真空破壊弁
   ３を通して前記熱交換器１側に排出させるように
   構成してあることを特徴とする給湯器具。