JPH0744914Y2 - 真空破壊弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［利用分野］ 本考案は真空破壊弁、特に、シャワー付風呂釜のシャワ
ー回路の出口（シャワーホース接続部に用いる真空破壊
弁に関するものであり、真空破壊機能を確実にするた
め、通常状態においてシャワーホース接続部を大気側に
開放させるものである。

［従来技術及びその問題点］ 従来の真空破壊弁は、第４図のように、シャワーホース
接続部（１）に大気に開放する弁座口を設けて、この弁
座口に球弁を対接させるとともにこの球弁をバネにより
常時閉弁方向に付勢させたものである。

この従来のものでは、シャワーホース（２）内が負圧状
態になると、この時の圧力差により球弁が開弁して、シ
ャワーホース（２）内が大気側に連通し、このシャワー
ホース（２）内の湯やその下流側の湯の逆流が防止でき
る。従って、シャワーホース（２）の先端に接続したシ
ャワーヘッドが浴槽内に投入された状態においても、こ
の浴槽内の湯が上流側の水道に逆流する不都合が防止で
きる。

ところが、この従来のものでは、逆流防止効果が不十分
であるという問題があった。

これは、シャワーホース接続部（１）から大気への連通
部に挿入される球弁が常時閉弁状態に置かれるからであ
り、この球弁の開弁不良が生じると、逆流を完全には防
止できないこととなるからである。

［技術的課題］ 本考案は、『給湯器の出湯回路に設けたシャワーホース
接続部（１）に設ける真空破壊弁』において、シャワー
ホース（２）からの逆流を確実に防止できるようにする
ため、通常時には、シャワーホース（２）側の回路が大
気に開放されているようにすることをその技術的課題と
する。

［手段］ 上記技術的課題を解決する為に講じた本考案の技術的手
段は、『シャワーホース接続部（１）の上流側に大気側
に開放する開口部（11）を設け、この開口部（11）の下
方に上流側回路に連通させた上下方向の弁室流路（12）
を連設すると共にこの弁室流路（12）内に弁ユニット
（３）を一定ストローク上下移動自在に内蔵し、この弁
ユニット（３）を、開口部（11）に対向する弁体（31）
と、この弁体（31）から下方に突出させた弁軸（32）
と、この弁軸（32）の下端部に保持され且小孔（35）
（35）を上下方向に貫通形成した絞り弁（33）とから構
成し、前記絞り弁（33）を弁ユニット（３）の自重によ
り弁室流路（12）の下端の弁座（13）に対接させ、シャ
ワーホース接続部（１）を弁室流路（12）の中程に連通
させ、これらシャワーホース接続部（１）と弁室流路
（12）との間の流路には、弁室流路（12）側の端部に設
けた弁座口（42）を下流側から開閉する球弁（43）を収
容した』ことである。

［作用］ 上記技術的手段は次のように作用する。

給湯器の出湯口に弁室流路（12）の上流側が接続され
て、さらに、その弁室流路（12）の中程に分岐させたシ
ャワーホース接続部（１）にシャワーホース（２）が接
続されて使用されたこととなるが、この使用状態におい
て、シャワーホース（２）側への給湯回路が遮断されて
いるときには、弁室流路（12）内には水流がなく、弁ユ
ニット（３）は、弁室流路（12）内で最降下位置にあ
り、弁軸（32）の下端部に設けた絞り弁（33）がこの弁
ユニット（３）の自重によって弁室流路（12）の下端の
弁座（13）に対接している。

次いで、シャワーホース（２）側の給湯回路が開放され
ると、弁室流路（12）内には、温水の流れが生じる。こ
の流れによって、弁ユニット（３）の全体が、下流側
（上方）に移動せしめられて弁体（31）は開口部（11）
を閉塞する。とくに、この弁ユニット（３）には、弁体
（31）の下端部に絞り弁（33）を具備させてあることか
ら、この絞り弁（33）にも前記流れによる推力が付与さ
れることから、前記開口部（11）が弁体（31）によって
確実に閉塞される。

又、弁室流路（12）とシャワーホース接続部（１）との
間の流路に収容した球弁（43）は、前記流れの水圧によ
り開弁状態となる。従って、出湯口からの湯は、開口部
（11）から漏れることなく、シャワーホース（２）から
その下流側に流れることとなる。

この使用状態において、何らかの事情により弁ユニット
（３）の上流側が負圧状態になると、弁ユニット（３）
には水圧以外の閉弁力が作用していないから、また、弁
室流路（12）の下端には絞り弁（33）が位置するだけで
あるから、開口部（11）を閉塞していた弁体（31）が開
弁すると共に前記絞り弁（33）が弁座（13）に対接する
が、この絞り弁（33）には小孔（35）（35）があること
から、これら小孔（35）（35）を介して弁室流路（12）
が上流側回路と連通することとなる。これにより前記上
流側回路が小孔（35）（35）、弁室流路（12）、及び、
開口部（11）を介して大気側に連通する。

又、前記負圧により球弁（43）が弁座口（42）に対接し
てこれを閉弁する。これらにより、シャワーホース
（２）及びその下流側の前記球弁（43）までの湯等の逆
流が防止される。

［効果］ 本考案は上記構成であるから、次の特有の効果を有す
る。

弁ユニット（３）の上流側が負圧状態になると、弁ユニ
ット（３）には、水圧以外の閉弁力が作用していないこ
とから、弁体（31）が速やかに開弁する。従って、大気
側への開口部を閉塞する弁体が常時閉弁方向に付勢され
るものに比べて、上流側回路の負圧力による逆流を防止
する効果が優れたものとなる。更に、前記負圧状態にな
ると、球弁（43）も閉弁するから、前記逆流防止効果が
より一層確実となる。

また、シャワーを使用していないときには、弁室流路
（12）が常時大気側に開放されているから、この状態に
おける逆流防止効果も確実である。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を第１図から第３図に基づいて説
明する。

この実施例のものは、浴槽に接するように配設される、
所謂、シャワー付の風呂釜に実施したものであり、器体
（Ａ）の上面にシャワーホース接続部（１）が設けられ
る。このシャワーホース接続部（１）は、弁室流路（1
2）を具備する主体（４）の胴部にネジ筒（41）を連接
したもので、このネジ筒（41）にシャワーホース（２）
が袋ナットを用いて螺合接続される。

上記主体（４）の下端部は、器体（Ａ）の上面に固定さ
れるとともに、この主体（４）内に形成される流路の上
流端は出湯管（５）の下流端に接続され、器体（Ａ）内
の弁室流路（12）が直立するような姿勢で固定される。

次に、弁室流路（12）の上流端は、絞り弁（33）が対接
する弁座（13）となっており、この弁座（13）より上方
の弁室流路（12）の長さは、弁ユニット（３）の全長よ
りも長く設定されている。また、弁ユニット（３）は、
弁軸（32）の上端に固定した弁体（31）と、弁軸（32）
の下端に摺動自在に外嵌させた絞り弁（33）と、これら
弁体（31）と絞り弁（33）の間に介装したバネ（34）と
から構成され、弁軸（32）の下端には、ストッパーが設
けられていることから、初期状態においては、弁体（3
1）と絞り弁（33）の間隔が一定となる。そして、絞り
弁（33）が弁座（13）に当接した状態においては、弁体
（31）と絞り弁（33）の中間にネジ筒（41）の上流端が
開口する。この開口は、弁座口（42）となっており、こ
の弁座口（42）に対接する球弁（43）が、ネジ筒（41）
内に収容されている。この弁座口（42）は、逆止弁とし
て機能するもので、第１図，第３図に示すように、ネジ
筒（41）内の下辺部には、上流方向に向って降下する斜
辺部（44）を具備するリブ（45）が設けられている。従
って、ネジ筒（41）内に流れが無い状態では、前記球弁
（43）は弁座口（42）を閉塞する。

以上に詳記した実施例のものでは、給湯回路が遮断状態
にあるときには、球弁（43）が弁座口（42）を閉塞し、
絞り弁（33）は弁座（13）に当接するとともに弁体（3
1）は開口部（11）から離反した状態にある。前記絞り
弁（33）には、小孔（35），（35）が貫通していること
から、シャワーホース（２）側の回路が上流端で閉塞さ
れた状態にあるとともに、給湯回路の給湯栓と弁室流路
（12）までの回路は、開口部（11）及び小孔（35）、
（35）を介して大気側に連通している。

そして、上記給湯栓が開放されると、弁室流路（12）内
に水流が生じて、このときの水圧により、第２図のよう
に、弁ユニット（３）が全体的に持ち上げられて弁体
（31）が、開口部（11）を閉塞するとともに、絞り弁
（33）は、バネ（34）の付勢力に抗して下流側に移動せ
しめられて、弁座口（42）が弁室流路（12）内と直接連
通するようになり、同時に球弁（43）が開弁して、シャ
ワーホース（２）からその下流側に給湯されることとな
る。

その後、給湯が停止されると、弁ユニット（３）及び球
弁（43）は、その自重により、初期位置に復帰し、弁座
口（42）が閉塞されるとともに、開口部（11）が開放さ
れ、さらに絞り弁（33）が弁座（13）に当接することと
なる。

なお、この実施例では、前記動作の円滑さを確保するた
め、弁室流路（12）内には、ガイド筒（６）を挿入して
あり、開口部（11）及び絞り弁（33）がこのガイド筒
（６）内を摺動するようになっている。即ち、開口部
（11）および絞り弁（33）の外径とガイド筒（６）の内
径との間の間隙を極僅かに設定してある。また、弁室流
路（12）における弁座口（42）の上方を大径部として、
ガイド筒（６）の外周域に空隙（14）が形成されるよう
にしてあり、ガイド筒（６）に形成した第１孔部（6
1），（61）及び第２孔部（62），（62）を介してガイ
ド筒（６）内と空隙（14）とが連通せしめられている。
この構成により、弁座（13）および弁体（31）には、給
湯回路を流れる湯の圧力がロス無く作用することとな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の要部の説明図，第２図は湯を使
用している状態の各部の説明図，第３図はＸ−Ｘ断面
図，第４図は従来例の断面図であり、図中、 （１）……シャワーホース接続部 （11）……開口部 （12）……弁室流路 （３）……弁ユニット （31）……弁体 （32）……弁軸 （33）……絞り弁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】給湯器の出湯回路に設けたシャワーホース
   接続部（１）に設ける真空破壊弁において、シャワーホ
   ース接続部（１）の上流側に大気側に開放する開口部
   （11）を設け、この開口部（11）の下方に上流側回路に
   連通させた上下方向の弁室流路（12）を連設すると共に
   この弁室流路（12）内に弁ユニット（３）を一定ストロ
   ーク上下移動自在に内蔵し、この弁ユニット（３）を、
   開口部（11）に対向する弁体（31）と、この弁体（31）
   から下方に突出させた弁軸（32）と、この弁軸（32）の
   下端部に保持され且小孔（35）（35）を上下方向に貫通
   形成した絞り弁（33）とから構成し、前記絞り弁（33）
   を弁ユニット（３）の自重により弁室流路（12）の下端
   の弁座（13）に対接させ、シャワーホース接続部（１）
   を弁室流路（12）の中程に連通させ、これらシャワーホ
   ース接続部（１）と弁室流路（12）との間の流路には、
   弁室流路（12）側の端部に設けた弁座口（42）を下流側
   から開閉する球弁（43）を収容した真空破壊弁。