JP3111366B2 - 定量止水栓 - Google Patents

定量止水栓

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JP3111366B2
JP3111366B2 JP04227702A JP22770292A JP3111366B2 JP 3111366 B2 JP3111366 B2 JP 3111366B2 JP 04227702 A JP04227702 A JP 04227702A JP 22770292 A JP22770292 A JP 22770292A JP 3111366 B2 JP3111366 B2 JP 3111366B2
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正義 大澤
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正義 大澤
大沢 富士夫
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は浴槽その他の大容量の水
槽に、上水道から予め設定した一定量の水や湯を供給し
た後、自動的に閉じる定量止水栓に関する。
【0002】
【従来の技術】従来図1記載のように、弁座1とこれに
対向する垂直のシリンダ2との間に給水口3を接続して
なる弁筐4と、該シリンダ2に昇降自在に嵌装したピス
トン状の主弁体5と、該主弁体上方のシリンダ室6と給
水口3との間を常時接続する小オリフイス7と、該小オ
リフイスより弁口面積の大きいバイパス弁8を介して上
流側端末がシリンダ室6に接続され、又下流側端末が弁
座1からの排出水流によつて真空吸引されるバイパス9
と、該バイパスの途中にその流量を積算するように設け
た翼車型水量計10と、弁筐の排水口11からの排出水
量に応じた設定水量をバイパス9に流すように、バイパ
ス弁8を翼車型水量計に連動して制御する制御機構とを
設け、且つ主弁体による弁座の閉塞時に、該弁座内腔に
嵌り込む円錐状突起を該主弁体の下端に取付けた定量止
水栓は、実開平3−127873号公報に開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような定量止水栓
では、翼車型水量計の減速比の増大によつて翼車12の
回転抵抗が大きくなるのに対し、定量止水栓のコンパク
ト化上、小オリフイス7のオリフイス面積は増大できな
いため、給水口3への供給水圧が低くなると、バイパス
を流れる翼車駆動流量が不足して、翼車を回転できなく
なる。
【0004】又主弁体による弁座の開放時に排出口11
からの吐出流量を大きくせねばならない関係上、弁座閉
塞時のウオータハンマ防止手段を弁座側に設けることが
できないため、該弁座内腔に嵌り込み可能な円錐状突起
を主弁体の下端に取付けているが、これでは給水口3へ
の供給水圧が高くなると、主弁体が弁座を開き始めた際
に、該弁座とこれに嵌り込んでいる円錐状突起との間を
通る流れの速度が増大して、該円錐状突起の下方に真空
領域を生じるため、主弁体を開くことができなくなる。
【0005】このため従来技術では、定量止水栓への給
水圧の許容変動範囲が非常に狭くなつて、給水圧の高低
差が大きい各家庭では使用し得なかつたが、本発明は定
量止水栓のコンパクト性を損なうことなくして、上記両
問題を一挙に解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はピストン状の主
弁体の底板中央に、該底板の上下を連通可能な流路を穿
設した弁棒を昇降自在に挿通して、該弁棒の上下端に、
その流路を該底板で開閉可能な弁棒昇降範囲限定用のフ
ランジを固着してなる逆止弁を、略一定な僅少の力で常
時閉鎖賦勢させて設けて、主弁体による弁座の閉塞時に
逆止弁の下部フランジが該弁座の内腔に僅少の間隙をお
いて嵌り込むように構成すると共に、弁座内腔に嵌り込
んだ逆止弁の下部フランジより下方において、バイパス
弁の弁口より内径の大きい内鍔を弁座内壁に一体に設け
て、該下部フランジが弁座より上方に出た時に、該逆止
弁を押上げ開放する圧力を該弁座上方に発生するように
構成したことを特徴とするものである。
【0007】
【実施例】図2は主弁体5の底板5aの中央に取付ける
逆止弁13の一実施例を示し、上端を密閉した円筒状の
弁棒14の下端には下部フランジ15が一体に設けら
れ、又該円筒状弁棒14の頂部には、これに植設したボ
ルト16に円形上部フランジ17がナット18で着脱可
能に固定されており、円筒状弁棒14の上部外周に穿設
した4個の通孔19が該弁棒内腔と協同して主弁体5の
底板5aの上下を連通可能な流路を形成する。20は円
筒状弁棒14の上端外周に設けた面取り部と上部フラン
ジ17との間に形成されるV溝に嵌装したOリング、2
1は主弁体の底板5aにパツキン抑え22で取付けたパ
ツキンを示す。
【0008】逆止弁13は、その浮力に抗する重力作用
によつて常時閉鎖賦勢され、図1及び図2に示すように
主弁体5が弁座1を閉塞している時には、該逆止弁の下
部フランジ15が弁座の内腔に僅少の間隙Cをおいて嵌
り込み、該下部フランジ15より下方に位置する内鍔2
3が弁座1の内壁に一体に設けられ、該内鍔23の下側
には排水口11の周壁との間に、バイパス9の下流側端
末に接続した円形空隙24を同心に設けて、弁座1より
の噴出水流によりバイパス9の下流側端末に真空を発生
するようにしている。
【0009】翼車型水量計10は、従来同様にバイパス
9の流れにより図3の矢印方向に駆動される翼車12の
回転が、多重減速歯車装置と摩擦継手(図示せず)とを
順次介して排水量の設定軸25に減速伝達されて、該設
定軸25を図3の矢印方向に回転させるように構成し、
又バイパス弁の制御機構は、図1記載の弁口8aを閉塞
するようにバイパス弁8を常時押圧する圧縮ばね26
と、上端をバイパス弁8の首部に係合させたレバー27
とを含み、該レバー27は弁筐4に枢着28して、該レ
バー27の下端を、設定軸25に固着したバイパス弁開
放用の円形カム29と、該設定軸に回動自在に支承させ
たバイパス弁閉塞用の円形カム30とに同時に当接係合
させて、円形カム29に植設したピン31を円形カム3
0に同心に穿設した円弧状長孔32に係合させている。
【0010】このため図1のバイパス弁8の閉鎖状態に
おいて、前記摩擦継手をスリップさせながら設定軸25
を同図の矢印方向に所要排水量設定角度だけ回動させれ
ば、その回動し始めにピン31が円弧状長孔32の他端
に当接するまでカム29が静止しているカム30に対し
反時計方向に回動して、カム29の外周カム面がレバー
27をバイパス弁8の開放位置に回動し、次いでカム3
0がピン31を介してカム29と同方向に回動して、該
カムの切欠30aが所要の排水量規制位置に達し、バイ
パス弁8の開放により翼車12が駆動される。
【0011】こうして翼車12が前記摩擦継手を介して
設定軸25を図3の矢印方向に減速駆動すれば、その初
期にカム29のピン31が静止しているカム30の円弧
状長孔32に沿い同図の位置まで逆戻りした後は、カム
29,30が一体となつて矢印方向(時計方向)に回転
して、カム30の切欠30aがレバー27の下端に対向
すれば、バイパス弁8が圧縮ばね26の弾力によつて弁
口8aを閉じ、翼車12を停止させることは従前同様で
ある。
【0012】バイパス弁8を閉じた図1の状態において
は、主として小オリフイス7からシリンダ室6内に伝達
される給水口3の水圧と弁座1の内腔の圧力との差によ
つて逆止弁13が閉状態に維持され、又主弁体5はその
上下の給水圧作用面積の差によつて弁座1を閉塞してい
る。
【0013】この状態から設定軸25を所要排水量設定
角だけ回動してバイパス弁8を開くと、小オリフイス7
より弁口8aの流路面積が大きく、しかもバイパス9の
下流側端末は真空に維持されているから、シリンダ室6
からバイパスに排出される流量は、小オリフイスから該
シリンダ室に流入する流量より大きく、従つて主弁体5
の上下にこれを押し上げる圧力差を生じて、該主弁体は
開き始めるが、逆止弁13は、その下端が弁座1の内腔
より上方に出るまでの間は、下部フランジ15の上下の
圧力差によつて閉状態に維持される。又給水圧が高くて
も逆止弁の下部フランジ15と弁座内壁の間隙Cを通る
際のエネルギ消費によつて、該逆止弁下方に生ずる真空
度は低いから、主弁体5が開かなくなる恐れはない。
【0014】主弁体5の開放に伴い逆止弁13が弁座1
より上方に出て、弁口8aより内径の大きい内鍔23に
よつて該弁座上方に逆止弁の押上げ開放用圧力を発生す
ると、逆止弁が開くから、給水口3に略一様な圧力で順
次供給される水流は、弁座1内を通る主流と、小オリフ
イス7及び逆止弁13よりシリンダ室6,弁口8aを順
次経てバイパス9を通る小流量のバイパス流とに分流さ
れるが、該バイパス流の下流側端末と主流の下流側端末
との接続部の圧力は略等しくなるから、該バイパス流と
主流との流量比は、バイパス流によつて翼車型水量計を
駆動しても略一定であり、給水口3への給水圧が低くて
も、弁座内腔に内鍔23を設けることにより増加した逆
止弁13の流量がバイパスの流量不足を補うため、翼車
12が止まる恐れはない。
【0015】こうして排水口11の排水量が設定値に達
して前述のようにバイパス弁8が図3の状態から弁口8
aを閉じると、該弁口が急に閉じられるため、シリンダ
室6に逆止弁13より流れ込む水流の慣性によつて該シ
リンダ室の内圧が上昇するのと、該逆止弁の自重閉鎖作
用とによつて、逆止弁13が図4に示すように閉じるか
ら、主弁体5は小オリフイス7からシリンダ室6への流
入水圧で下降する。
【0016】主弁体が下降して、逆止弁下端の下部フラ
ンジ15が弁座1の入口を略塞ぐと、該弁座内に流入し
ていた水が急に止められて、その部分の圧力が急上昇し
ようとするが、この圧力上昇用の運動エネルギは下部フ
ランジ15の外周面と弁座内壁との間の僅少の間隙Cか
ら下方に水が噴出することによつて消費されるから、給
水源が上水道程度であれば、ウオーターハンマ現象を生
じる恐れなくして主弁体5が弁座1の入口を密閉する。
【0017】尚図示実施例においては、給水口3への供
給水圧が非常に低い場合に主弁体5による弁座1の閉塞
をより確実にするため、該主弁体を常時押下げ賦勢する
弱い圧縮ばね33をシリンダ室6内に取付けているが、
該圧縮ばね33は必ずしも必要ではない。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、弁座より
著しく少ないバイパスの流量を積算して、これに比例す
る排水口からの流出水量を設定値に規制しようとする従
来型定量止水栓の主弁体に逆止弁を取付け、且つ弁座内
壁に内鍔を設けるだけで、給水口への供給水圧が低い場
合に、翼車駆動流量が不足して翼車型水量計が作動しな
くなる恐れを無くすることができるのみならず、該供給
水圧が高い場合における主弁体の不開放現象やウオータ
ーハンマ現象の発生を確実に防止することができ、定量
止水栓のコンパクト性を損なう恐れ無くして、供給水圧
の高低差が大きい各家庭で確実に定量止水機能を達成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】弁座の閉鎖時における本発明−実施例の縦断正
面図である。
【図2】図1の要部の拡大図である。
【図3】弁座開放時における要部の縦断正面図である。
【図4】バイパス弁閉鎖直後の作用説明図である。
【符号の説明】
1 弁座 2 シリンダ 3 給水口 5 ピストン状の主弁体 7 小オリフイス 8 バイパス弁 9 バイパス 11 排水口 12 翼車 13 逆止弁 14 弁棒 15 下部フランジ 17 上部フランジ 19 通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 21/00 - 21/20 F16K 47/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁座とこれに対向する垂直のシリンダと
    の間に給水口を接続した弁筐と、該シリンダに昇降自在
    に嵌装したピストン状の主弁体と、該主弁体上方のシリ
    ンダ室と給水口との間を常時接続する小オリフイスと、
    該小オリフイスより弁口面積の大きいバイパス弁を介し
    て上流側端末がシリンダ室に接続され、又下流側端末が
    弁座からの排出水流によつて真空吸引されるバイパス
    と、該バイパスの途中にその流量を積算するように設け
    た翼車型水量計と、弁筐の排水口からの排出水量に応じ
    た設定水量をバイパスに流すように、バイパス弁を翼車
    型水量計に連動して制御する制御機構とを備える定量止
    水栓において、ピストン状の主弁体の底板中央に、該底
    板の上下を連通可能な流路を穿設した弁棒を昇降自在に
    挿通して、該弁棒の上下端に、その流路を該底板で開閉
    可能な弁棒昇降範囲限定用のフランジを固着してなる逆
    止弁を、略一定な僅少の力で常時閉鎖賦勢させて設け
    て、主弁体による弁座の閉塞時に逆止弁の下部フランジ
    が該弁座の内腔に僅少の間隙をおいて嵌り込むように構
    成すると共に、弁座内腔に嵌り込んだ逆止弁の下部フラ
    ンジより下方において、バイパス弁の弁口より内径の大
    きい内鍔を弁座内壁に一体に設けて、該下部フランジが
    弁座より上方に出た時に、該逆止弁を押上げ開放する圧
    力を該弁座上方に発生するように構成したことを特徴と
    する定量止水栓。
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