JPS6239946Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はエンジンから駆動系への動力の伝達
を断続する車両のクラツチ操作装置に関するもの
である。

（従来技術） 従来のこの種の装置としては、例えば第４図に
示すように、クラツチペダルａのケーブル連結部
に、締付部材ｂ、脱落防止用スプリングｃおよび
調整スプリングｄからなる自動調整機構ｅが設け
られ、クラツチペダルａの踏込みに応じて、該ク
ラツチペダルａとクラツチケーブルｆとの間の連
結が上記締付部材ｂにより断続されて、クラツチ
ペダルａの遊びが自動的に調整されるように構成
されたものがある（例えば、実開昭51−77728号
公報参照）。なお、ｇはクラツチペダルａの復帰
スプリングである。

しかしながら、このような構造では、クラツチ
ペダルａとクラツチケーブルｆとの連結時におい
て、エンジンの振動が自動調整機構ｅを介してク
ラツチペダルａに伝達され、操作フイーリングが
悪くなるという問題があつた。

（考案の目的） 本考案はかかる従来の問題点に鑑みてなされた
ものであつて、自動調整機構におけるクラツチケ
ーブルとの結合部材として弾性を有するラバー部
材を使用することにより、エンジンの振動のクラ
ツチペダルへの伝達が防止されて、操作フイーリ
ングの良好な車両のクラツチ操作装置を提供する
ことを目的とする。

（考案の構成） 本考案のクラツチ操作装置は、クラツチペダル
の踏力をケーブルを介してクラツチレリーズフオ
ークに伝達し、クラツチを断続操作するものであ
つて、クラツチペダルの踏込みに応じて該クラツ
チペダルとクラツチレリーズフオークとの間の連
結を断続する自動調整機構が設けられ、この自動
調整機構は、互いに摺動自在に嵌合された２つの
キヤツプ部材により容積可変に構成された容器
と、この容器内に内装されたラバー部材とからな
り、該ラバー部材およびキヤツプ部材の中心孔内
にクラツチペダルとクラツチレリーズフオークと
のいずれか一方に連結されたクラツチケーブルが
挿通され、該クラツチケーブルは両キヤツプ部材
のいずれか一方に係合され、他方のキヤツプ部材
はクラツチペダルとクラツチレリーズフオークと
の残りの一方に係合されているものである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

本考案に係るクラツチ操作装置を第１図に示
し、該クラツチ操作装置１はクラツチペダル２、
自動調整機構３、クラツチレリーズフオーク４な
どからなり、クラツチペダル２は車室内のダツシ
ユパネル５に取付けたブラケツト６に揺動可能に
枢支され、復帰スプリング（図示省略）により常
時復帰方向へ弾発付勢されている。該クラツチペ
ダル２にはクラツチケーブル７の一端が連結さ
れ、該クラツチケーブル７の他端はエンジンルー
ム内の上記クラツチレリーズフオーク４に自動調
整機構３により断続可能に連結されており、クラ
ツチレリーズフオーク４はミツシヨンケース８内
に設けられたレリーズ軸受（図示省略）に連係さ
れている。

自動調整機構３はクラツチペダル２の遊びを自
動的に調整するためのもので、第２図および第３
図に示すように、クラツチレリーズフオーク４の
ケーブル連結部４ａに設けられた弾性体９および
該弾性体９を弾性変形させる圧縮スプリング１０
などからなる。

弾性体９は容積可変の容器１１および該容器１
１内に内装された弾性を有するラバー部材１２か
らなる。容器１１は断面が略コ字形状を有する大
径のキヤツプ部材１３および小径のキヤツプ部材
１４からなり、該小径のキヤツプ部材１４は先端
部分が大径のキヤツプ部材１３内に摺動自在に嵌
合されているとともに、後端がケーブル連結部４
ａに対応して彎曲形状とされている。ラバー部材
１２は小径のキヤツプ部材１４の内径に対応して
形成されるとともに、先端部１２ａが大径のキヤ
ツプ部材１３の内径に対応して形成されている。
また、ラバー部材１２の中心孔１５は、ケーブル
連結部４ａおよびキヤツプ部材１４，１３にそれ
ぞれ穿設された挿通孔１６および中心孔１７，１
８に対応して形成され、これらの挿通孔１６およ
び中心孔１７，１５，１８には、クラツチケーブ
ル７の端部、つまり、連結部材１９によりクラツ
チケーブル７に連結されたネジ部材２０が遊嵌状
に挿通されている。

上記ネジ部材２０のネジ部２０ａには調整ナツ
ト２１が螺合され、該調整ナツト２１と容器１１
との間には、圧縮スプリング１０が弾発的に介装
されている。すなわち、圧縮スプリング１０の小
径端部１０ａは容器１１の大径のキヤツプ部材１
３に当接され、一方、大径端部１０ｂはスプリン
グシート２２を介して調整ナツト２１に当接され
て、容器１１がクラツチケーブル７の長手方向に
弾発付勢されている。なお、圧縮スプリング１０
はクラツチカバーのダイアフラムスプリング（図
示省略）と前述のレリーズ軸受とを常態（クラツ
チペダル２を踏込まない状態）において軽く押付
けるように、調整ナツト２１で微調整される。

しかして、クラツチペダル２を踏込むと、クラ
ツチケーブル７が矢符Ａ方向へストロークし始
め、先ず圧縮スプリング１０がクラツチケーブル
７の長手方向に圧縮される。そして、圧縮スプリ
ング１０が圧縮されてその弾発力が所定値以上に
なると、この弾発力によりキヤツプ部材１３，１
４が相対的に摺動して、容器１１の容積が減小す
る。これによりラバー部材１２が弾発的に圧縮さ
れ、中心孔１５が収縮してネジ部材２０のネジ部
２０ａに密着状に結合し、クラツチレリーズフオ
ーク４とクラツチケーブル７が連結される（第３
図参照）。さらに、クラツチケーブル７がストロ
ークすると、クラツチレリーズフオーク４は矢符
Ａ方向へ回動してクラツチ（図示省略）が切れ
る。なお、エンジンの振動はラバー部材１２の防
振作用によりここで遮断されるため、クラツチケ
ーブル７を介してクラツチペダル２へ伝達される
ことがない。

逆に、クラツチペダル２の踏込みを解除する
と、該クラツチペダル２は復帰スプリングにより
常態に復帰し、上述と逆の動作によりクラツチは
接続される。

また、上記クラツチのクラツチデイスク（図示
省略）が摩耗して前述のレリーズ軸受が後退して
も、常態において、クラツチレリーズフオーク４
が第２図に２点鎖線で示す位置まで回動して、弾
性体９とねじ部材２０との結合位置がずれ、これ
により、クラツチペダル２の遊びが自動調整され
る。

なお、上述の実施例においては、自動調整機構
３がクラツチレリーズフオーク４のケーブル連結
部４ａに設けられているが、このほか、第４図の
従来例のようにクラツチペダル２のケーブル連結
部２ａ、あるいはクラツチケーブル７の途中個所
に設けることもでき、要するに、クラツチペダル
２とクラツチレリーズフオーク４とのいずれか一
方に連結されたクラツチケーブル７が両キヤツプ
部材１３，１４のいずれか一方に係合され、他方
のキヤツプ部材がクラツチペダル２とクラツチレ
リーズフオーク４との残りの一方に係合される構
造とすれば良い。また、ネジ部材２０における弾
性体９との結合部分に結合用凹凸部などを特別に
設けも良い。

（考案の効果） 以上詳述したように、本考案は容積可変の容器
と該容器内に内装されたラバー部材を有する自動
調整機構を備えているから、クラツチデイスクが
摩耗しても、クラツチペダルの遊びが自動的に調
整されて、定期的に遊びの調整を行なう必要がな
く、しかも、クラツチペダルとクラツチレリーズ
フオークとの連結時において、エンジンからの振
動は上記ラバー部材の防振作用により遮断されて
クラツチペダルへ伝達されず、良好な操作フイー
リングを保証する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の実施態様を例示
し、第１図はクラツチ操作装置を示す概略図、第
２図は自動調整機構のクラツチ接続状態を示す正
面断面図、第３図はクラツチ解放状態を示す同正
面断面図、第４図は従来のクラツチ操作装置の自
動調整機構を示す正面断面図である。 ２……クラツチペダル、３……自動調整機構、
４……クラツチレリーズフオーク、７……クラツ
チケーブル、１０……圧縮スプリング、１１……
容器、１２……ラバー部材、１３……キヤツプ部
材（大径）、１４……キヤツプ部材（小径）、１５
……中心孔、１７……中心孔（キヤツプ部材）、
１８……中心孔（キヤツプ部材）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クラツチペダルの踏力をケーブルを介してクラ
   ツチレリーズフオークに伝達し、クラツチを断続
   操作するクラツチ操作装置であつて、クラツチペ
   ダルの踏込みに応じて該クラツチペダルとクラツ
   チレリーズフオークとの間の連結を断続する自動
   調整機構が設けられ、この自動調整機構は、互い
   に摺動自在に嵌合された２つのキヤツプ部材によ
   り容積可変に構成された容器と、この容器内に内
   装されたラバー部材とから成り、該ラバー部材お
   よびキヤツプ部材の中心孔内にクラツチペダルと
   クラツチレリーズフオークとのいずれか一方に連
   結されたクラツチケーブルが挿通され、該クラツ
   チケーブルは両キヤツプ部材のいずれか一方に係
   合され、他方のキヤツプ部材は、クラツチペダル
   とクラツチレリーズフオークとの残りの一方に係
   合されていることを特徴とする車両のクラツチ操
   作装置。