JPS6237532Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、焼肉兼用スキ焼鍋に関する。

＜従来の技術＞ 従来は、焼肉とスキ焼とは夫々別個に独立した
専用の用具によつて行つていた。

即ち焼肉用には平板状の焼肉板を用い、又、ス
キ焼用には縁の高い盆状の焼鍋や、平底のフライ
パンなど種々の鍋類が使用されていた。

従つてこのような平板状の焼肉板や、スキ焼鍋
は何れも底面即ち熱を受ける面の材料の肉厚が中
央部から周縁部に亘つて総て均一肉厚で形成され
ていたので熱の利用効率が悪く、それに平板状の
焼肉板で焼肉をした場合には、肉汁や、ダシ汁が
高温の板面にそのまま溜り、これが徐々に焼けて
煙を出し、部屋全体に油煙を漂わせ、極端な場合
には雰囲気を損ねることもあり、そればかりでな
く焼肉料理が度び重なると部屋内にある置物、調
理器、家具及び室内壁面等が油煙によつて汚れた
りすることが多かつた。

また焼肉板とスキ焼鍋とが別個であつたから収
納時に棚や、その他収納部で場所を取るなどの欠
点があつた。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 本考案は１個の用具によつて２種類の調理に使
い分けられ嵩低く収納できるようにすると共に、
何れの調理においても熱効率が良く、しかも、焼
肉調理時に油煙の出ない焼肉兼用スキ焼鍋の提供
を図る。

＜問題点を解決する為の手段＞ 片面に中高面とその周縁に汁溜溝とを形成した
焼肉部と、その裏面に形成したスキ焼用の凹曲面
とからなる。

＜作 用＞ 焼肉部を使用する場合は焼肉面が中高となつて
いるので調理中に発生した肉汁は周縁に設けた汁
溜溝内に流れ込み、しかもこの時加熱面が凹曲面
であることから中央部へ熱気が集中して最も高い
温度となるにも拘らず、この部分には汁がないか
ら焦げ付きによる油煙が発生しない。又凹曲面を
使いスキ焼料理をする場合は加熱面が前回と反対
になり、炎或は熱風流は加熱面に沿つて外方に流
れ、外周凸縁によつて包囲される。従つて焼鍋の
材料の厚みが周縁に向つて徐々に厚くなつている
が、一旦温度が高まると熱の保存が良い為にスキ
焼が非常に効率良く行なわれる。

＜実施例＞ 以下本考案について図例により詳細に説明す
る。焼鍋６は、アルミニウム或はアルミニウム合
金などのような軽金属或は鉄などの重金属等で鋳
造によつて成形される。そしてその構成は、片面
に緩やかな曲線によつて中高面１を形成すると共
に周囲に汁溜溝３を設け、更に該汁溜溝３の周側
に前記中高面１の最も高い部分と略々同高か或は
これより稍高い凸縁２を形成して焼肉部Ａとす
る。

更にまた該焼肉部Ａの裏側には前記中高面１の
曲率により大きな凹曲面４を形成し、その周囲に
中高面１の外径より稍広径の段部５を設けてスキ
焼部Ｂとするものである。

そして上記焼肉部Ａとスキ焼部Ｂからなる焼鍋
６の外側に適宜形状の把手８，８を付設し、前記
段部５と中高面１の外周肩部に共通使用できる外
径の蓋体７を着用可能にしている。

尚、上記焼鍋６の形状は円形又は小判形、楕円
の何れでも良い。

そこで焼肉用とし使用するには、第２図に示す
ように中高面１上に肉などを載せ、その下側に熱
源例えばガスの炎を当て加熱することにより、炎
は矢印のように凹曲面４に当り内方へ流れると共
に、中央部の肉厚を薄くしているので熱の通りが
良く、中央部が充分に加熱される。

そして調理中に発生するダシ汁や肉汁は中高面
１の傾斜によつて周囲へ流れ落ち、汁溜溝３によ
つて受けられる。

こうして肉汁は、中高面に滞ることなく流れ去
り、しかも周辺寄り程温度が低い為に途中で焦げ
付かずしかも油煙を出したり、汁溜溝３から水蒸
気が出たりしない。

また該焼鍋６を上、下反転して第３図のように
凹曲面４を上にして、内部に肉や、野菜類を水と
共に入れ、中高面１を熱源にて加熱することによ
りスキ焼用として使用できる。

この場合にはガスの炎は、中高面１に沿つて矢
印のように外方に流れるが凸縁２によつて囲まれ
ている為に、内側に籠り熱気が直接逃げないか
ら、周辺寄りの肉厚が厚くても一旦温度が高まれ
ば熱保存の状態が良いので全体としての温度分布
が均一化してさめにくく、熱の有効利用ができ
る。

このように中高面１と、凹曲面４のなす肉厚を
外周寄りに徐々に厚くしたことによりその両面を
２通りの調理に最も理想的な形で使い分けが可能
となる。

＜効 果＞ 本考案は、上記のように構成され、１個の焼鍋
によつて焼肉と、スキ焼の２通りの調理ができ、
収納時にも場所を取らない。

又焼肉をする場合、調理中に生じた肉汁やダシ
汁は周囲へ流れ落ちるようにしているので調理中
に肉汁やダシ汁が焦げて油煙を発生しない。

更にスキ焼をする場合には熱気は周辺に流れ、
凸縁によつて囲まれて外部へ直接流出しないから
熱保存が良く、調理器を充分暖かい状態で保つこ
とができ、しかも熱の有効利用ができるなど多く
の優れた効果を有す実用価値の高い考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案焼鍋の要部切欠斜視図、第２
図は、同上焼鍋の焼肉用としての使用例を示す縦
断面図、第３図は同上焼鍋のスキ焼用としての使
用例を示す縦断面図。 １……中高面、２……凸縁、３……汁溜溝、４
……凹曲面、Ａ……焼肉部、Ｂ……スキ焼部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 片側に緩やかな中高面を有し、該中高面の外周
   に形成した浅底の汁溜溝を介して該中高面の頂部
   の高さと同高又はそれ以上の高さを有する凸縁を
   突設して焼肉部を形成すると共に該中高面の反対
   側にスキ焼用の凹曲面を形成して中央部から外周
   に向かつて徐々に厚肉に構成したことを特徴とす
   る焼肉兼用スキ焼鍋。