JPS6236590B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は現金自動支払機や金融機関の窓口に使
用される紙幣放出機等の紙葉類放出装置に関し、
特に異なつた種類の紙葉類を放出することができ
る紙葉類放出装置に関するものである。

〔従来技術とその問題点〕

（従来の技術） 従来紙葉類放出装置においては１台で多種類の
紙葉を放出する放出装置が要求されている。例え
ば金融機関等に設置される紙幣放出機は多種類の
紙幣を放出する必要がある。このような紙幣放出
機としては、第１の方式として各金種の紙幣を保
持する複数の紙幣カートリツジを紙幣放出機の特
定の位置に夫々装着し、所望の金種の紙幣をその
位置に対応した紙幣カートリツジから放出するよ
うにした紙幣放出装置が知られている。

又カートリツジの装着位置を誤つて異なつた金
種の紙幣を放出しないように、第２の方式として
所定の装填位置にはそれに対応した金種のカート
リツジしか装填することができないような形状の
カートリツジとした紙幣放出機が知られている。

更に実公昭54−40063号に示されているよう
に、紙幣カートリツジに突起を設け、その突起の
位置を金種毎に異ならせて紙幣放出機の本体側で
その突起の位置を判別して、カートリツジに収納
されている紙幣の金種を判断するようにした第３
の方式による紙幣放出装置も提案されている。

（発明が解決しようとする問題点） このような従来の第１の方式による紙幣放出装
置では、ある紙幣カートリツジを誤つて他の金種
のカートリツジ装着部に装着した場合には、誤つ
た金種の放出が起こることになる。従つて係員は
カートリツジの装着時には注意を払つて所定の位
置に装着する必要があつた。又金種毎にカートリ
ツジの装着位置が定まつているため、任意の金種
のカートリツジを組合わせて紙幣放出機に装着す
ることができないという不便があつた。

又第２の方式による紙幣放出装置では、所定金
種のカートリツジは装着位置が定められているた
め誤つた金種の紙幣を放出する恐れはないが、金
種毎にカートリツジ自体の形状を変える必要があ
りカートリツジの価格が上昇するという問題点が
あつた。そして第１，第２の方式では、特定種類
の金種が多数放出される場合にもその金種を放出
すべきカートリツジ装着数はあらかじめ決まつて
いるため、その種類の金種のカートリツジを多数
本体に装着することができず、紙幣切れ等がしば
しば起こることがあるという問題点があつた。

又第３の方式による紙幣放出装置もカートリツ
ジの金種に合わせて突起の位置を変える必要があ
り、第２の方式の紙幣放出装置と同様にカートリ
ツジの価格が上昇するという問題点があつた。又
カートリツジ相互の互換性がないという欠点もあ
つた。

（技術的課題） 本発明はこのような従来の紙幣放出機等の欠点
を解消することを目的とするものであつて、任意
の種類の紙葉の束を装填したカートリツジをその
紙葉の種類に留意することなく紙葉類放出装置本
体に装着できるようにすることを技術的課題とす
る。

〔発明の構成と効果〕

（問題点を解決するための手段） 本発明による紙葉類放出装置は、本体に装着さ
れその内部に所望の種類の紙葉を複数枚装填した
カートリツジと、カートリツジより紙葉を繰出す
紙葉繰出手段と、紙葉繰出手段によつて繰出され
た紙葉を放出口へ搬送する放出搬送路、及び該放
出搬送路の途中で分岐して繰出された紙葉を回収
する回収搬送路を形成する紙葉搬送手段と、放出
搬送路と回収搬送路との分岐点に設けられ、搬送
される紙葉を振分ける振分手段と、放出搬送路の
振分手段の前に設けられ、放出搬送路を通過する
紙葉の種類を判別する判別手段と、カートリツジ
に対応してその内部の紙葉の種類を記憶する記憶
手段と、アイドル時以前の準備段階において紙葉
繰出手段，紙葉搬送手段及び振分手段を駆動し、
カートリツジより繰出した紙葉を判別手段を介し
て放出搬送路を通過させ、振分手段を介して回収
搬送路を通過させて紙葉を回収すると共に、判別
手段によつて判別された紙葉の種類を記憶手段に
記憶させる準備制御手段と、アイドル時に紙葉の
放出指令を受けて記憶手段の記憶内容に基づいて
対応する種類の紙葉を収納したカートリツジの有
無を判断すると共に、該カートリツジがあれば紙
葉繰出手段及び紙葉搬送手段を駆動して放出搬送
路を通つて紙葉を放出口へ放出する放出制御手段
と、を具備することを特徴とするものである。

（作用） 本発明では動作を開始すると準備制御を行い、
紙葉繰出手段を駆動して本体に装着されているカ
ートリツジから紙葉を繰出し、繰出された紙葉の
種類を判別手段によつて判別し、判別した紙葉の
種類を記憶手段に与えることによつて記憶手段内
に紙葉の種類を記憶する記憶領域を形成してい
る。そして以後紙葉を放出する場合には記憶手段
内の記憶内容に基づいて所望の紙葉を放出するよ
うにしている。

（効果） (a) 本体にカートリツジを装着する際にカートリ
ツジに入つている紙葉の種類に留意することな
くカートリツジを装着しても、紙葉類放出装置
本体内でカートリツジの紙葉の種類を判別して
記憶するので、以後それに基づいて正しい種類
の紙葉を放出することができる。

(b) カートリツジの紙葉を任意の組合せで装着す
ることができる。即ちある種の紙葉が多数必要
な場合にはその種類の紙葉が装填されたカート
リツジを複数としてもよく、夫々異なる種類の
紙葉を有するカートリツジを本体に装着しても
よい。従つて放出する紙葉の種類や量に応じた
紙葉を保持することができ、紙葉切れの起きる
回数も少なくなり使用効率を高めることができ
る。

(c) 又紙葉の種類毎にカートリツジの形状等を異
ならせる必要がないのでカートリツジが標準化
され、製造が容易でカートリツジの価格を低下
させることができる。

〔実施例の説明〕

（実施例の構成） 以下本発明の構成を実施例につき図面を参照し
つつ説明する。第１図は本発明の一実施例による
紙幣放出機の要部側面図である。本図において紙
幣放出機内に４つのカートリツジ１，２，３，４
及び回収箱５が夫々図示しないレールに案内され
て装着される。以下カートリツジ１〜４の同一部
分についてはカートリツジ１についてのみ説明を
加える。カートリツジ１には所望の金種の紙幣１
ａが押さえ板１ｂと繰出しローラ１ｃ間に装填さ
れる。押さえ板１ｂはバネ（図示せず）によつて
常に紙幣１ａを繰出しローラ１ｃ側に押圧してい
る。繰出しローラ１ｃは対向する固定ローラ１ｄ
と微小間隔を隔てて設けられ、矢印で示す方向に
回転することによつて紙幣１ａを１枚づつ繰り出
すものである。固定ローラ１ｄは矢印方向にだけ
回転できるように保持され、数枚の紙幣が同時に
繰り出されるのを防止する。紙幣１ａの減少に伴
つて押さえ板１ｂは図示した矢印方向に移動する
ため、その摺動範囲の適当な位置にマイクロスイ
ツチ等の検知部を設け札切れ予報センサ１ｅ、札
切れセンサ１ｆとしている。各カートリツジ１，
２，３，４の繰出しローラ１ｃ，２ｃ，３ｃ，４
ｃの外部には各カートリツジから紙幣の送出しを
検知するための送出しセンサＳ１，Ｓ２，Ｓ３，
Ｓ４が設けられ、紙幣の通過経路に沿つて通過セ
ンサＳ６，Ｓ７，Ｓ８，Ｓ９，Ｓ１０が設けられ
る。通過センサＳ７の後には金種判別部１０が設
けられる。これは例えば光学的又は磁気的手段に
より放出する金種を判別するものであつて判別手
段を構成している。尚紙幣は係員がカートリツジ
に装填するため、金種判別部１０は紙幣の真偽を
判定する必要はなく単に紙幣の種類が判別できる
ものであれば足りる。金種判別部１０を出た後、
紙幣は厚さ検知部１１に導かれる。厚さ検知部１
１は紙幣の厚さを検知するものであつて、二枚重
なつて送られてきた紙幣をチエツクする。又一時
保持部１２は同時に放出すべき紙幣が全て搬出手
段より送られてくるまで紙幣を一旦保持するもの
であつて、全ての紙幣搬送が終了すれば保持して
いた全紙幣を放出口１３より放出する。通過セン
サＳ６，Ｓ７，Ｓ８，Ｓ９，Ｓ１０及びＳ１１を
通る経路は放出搬送路を形成しており、セパレー
タ１４により振分けられて回収箱５に至る経路は
回収搬送路を形成している。Ｓ１１は放出セン
サ、Ｓ１２は保持センサである。搬送不良の紙
幣、又は搬送機構に巻き込まれてつまつた紙幣，
及び回収すべき紙幣は振分手段であるセパレータ
１４により振分けられて回収センサＳ５を通つて
回収箱５に回収される。１５はカバーセンサであ
つて各カートリツジ１〜４、及び回収箱５を着脱
する際に開閉するカバーの状態を検知するもので
ある。

次に第２図のブロツク図を参照しつつこの紙幣
放出機の構成について説明する。各種センサＳ１
〜Ｓ１２、１ｅ〜４ｅ，１ｆ〜４ｆの出力は読取
回路２０を介して準備制御手段及び放出制御手段
を構成する演算処理装置（以下CPUという）２
１に送られる。紙幣放出機のパネル面に設けられ
る各種スイツチ２２の信号は係員パネル制御回路
２３を介してCPU２１に与えられる。紙幣放出
機には伝送制御回路２４を介して外部より紙幣放
出機に指令を与えるターミナルコントローラ２
５、及びキーボードとデイスプレイ手段を有し金
額等種々のデータを紙幣放出機に与える操作盤２
６が接続されている。

CPU２１はリードオンリメモリ（以下ROMと
いう）２７に記憶されている演算処理手順に従つ
て、記憶手段であるランダムアクセスメモリ（以
下RAMという）２８に一時保持されている種
類，数量の紙幣を放出すべくモータ駆動回路２９
を介して搬送系のモータ３０，フアン３１を駆動
制御し、クラツチ駆動回路３２を介してクラツチ
３３を駆動し、各ローラの回転を制御する。そし
て各カートリツジ１〜４内の繰出しローラ１ｃ〜
4c，固定ローラ１ｄ〜４ｄは紙葉繰出手段を構成
しており、モータ駆動回路２９，モータ３０，ク
ラツチ駆動回路３２及びクラツチ３３はカートリ
ツジ１〜４の紙葉を放出搬送路及び回収搬送路に
沿つて搬送する紙葉搬送手段を形成している。こ
こでRAM２８には図示するように金種判別部１
０より与えられる金種データを記憶する記憶領域
であるカートリツジテーブル２８ａが設けられ
る。ここではカートリツジ１に五百円札、カート
リツジ２に千円札、カートリツジ３に五千円札、
カートリツジ４に一万円札が装填されていること
を示すデータが記憶されている。

（動作） 次にフローチヤートを参照しつつ本実施例の紙
幣放出機の動作を説明する。引出線を用いて示す
番号はCPU２１の動作ステツプを示すものであ
る。第３図は電源が投入された後アイドル状態に
至るまでの準備段階での動作を示すフローチヤー
トである。本図において、電源投入後サムチエツ
ク等CPU２１のチエツク及び各センサのチエツ
クが行われ（ステツプ４０〜４３）、正常であれ
ばステツプ４４において各カートリツジ１〜４の
有無がチエツクされる。各カートリツジが装着さ
れている場合にはステツプ４５においてクラツチ
等の初期化が行われる。もしステツプ４１，４３
でエラーがあればステツプ４６でターミナルコン
トローラ２５に紙幣放出機の動作停止を知らせ、
続けて係員パネルの表示器又は操作盤２６にエラ
ーコードを表示して動作を停止する（ステツプ４
７）。又カートリツジが挿入されていなければそ
の旨のエラーコード表示を行い（ステツプ４
８）、カートリツジの装着を待つ。ステツプ４５
の初期化の後続いて係員パネル等に設けられた図
示しない試し出しスイツチの押圧を待ち（ステツ
プ４９）、押圧があればカートリツジ１より順に
紙幣放出が行われる。ステツプ５０はカートリツ
ジ１に装填されている紙幣を１枚放出するステツ
プを示しており、放出された紙幣は通過センサＳ
７を介して金種判別部１０に導かれる。搬送中に
紙幣のつまり等のエラーがあればステツプ４６，
４７に飛び動作を停止し、異常がなければステツ
プ５２においてRAM２８のカートリツジテーブ
ル２８ａに金種判別部１０によつて判定された金
種を記憶する。このとき放出した紙幣はセパレー
タ１４を駆動することによつて回収箱５に回収す
る。カートリツジ１の金種判定が完了すればひき
続いてカートリツジ２，３，４の金種を同様に
夫々ステツプ５３〜５５、５６〜５８、５９〜６
１において判定し、カートリツジテーブル２８ａ
を完成させる。こうしてCPU２１は準備制御手
段としての動作を終了する。

第４図はカートリツジテーブル２８ａが完成し
た後における紙幣放出機の放出動作を示すフロー
チヤートである。カートリツジテーブル２８ａを
完成させた後CPU２１は放出制御手段として動
作し、続けてステツプ６２で紙幣放出機の各セン
サ等のチエツク及び紙幣切れチエツクを行い、ス
テツプ６４でターミナルコントローラ２５より出
金指令が送られてきたかどうかをチエツクし、以
後金額データが送られるまでステツプ６２〜６５
を繰返す。（この状態をアイドル状態という。）金
額データが送られてきた場合はRAM２８に一旦
記憶し金額データと紙幣放出機のカートリツジテ
ーブル２８ａより紙幣の放出が可能かどうかをチ
エツクする（ステツプ６６）。放出が不可能であ
れば、ステツプ６８においてターミナルコントロ
ーラ２５に取引の不可を知らせてステツプ６２に
飛び、アイドル状態に戻る。放出が可能ならステ
ツプ６９において指定された金額を放出する。こ
のとき指定された金種の紙幣を１枚づつカートリ
ツジ１〜４より取出して金種判別部１０，厚さ検
知部１１を介して一時保持部１２に保持し、紙幣
の取出しが完了すれば保持していた全紙幣を放出
口１３より放出する。紙幣の繰出し、搬送エラー
や二枚重なつて搬送された場合には、第３図のス
テツプ４６に飛びターミナルコントローラ２５に
紙幣放出機の動作停止を知らせて動作を停止す
る。紙幣が正しく放出された場合にはステツプ７
１においてターミナルコントローラ２５に放出終
了を知らせる。

一方カートリツジ１〜４を取出して紙幣を補充
したり入れ替える場合には、本体のカートリツジ
装着部の任意の位置にカートリツジを装着する。
そうして再び電源を投入してCPU２１を準備制
御手段として準備制御動作をさせれば、RAM２
８のカートリツジテーブル２８ａが書き換えられ
以後同様の動作を繰り返す。

尚本実施例では紙幣放出機を一例として説明し
たが、紙幣に限らず複写機等種々の紙葉類等の放
出装置に適用することが可能である。

又本実施例では複数の紙幣カートリツジを用い
て構成される紙幣放出機について説明している
が、１つのカートリツジを用いてそのカートリツ
ジに保持する紙幣の種類を異ならせて夫々異なる
金種の紙幣放出機として用いることも可能であ
る。

更に本実施例では各カートリツジの紙幣の種類
を記憶するカートリツジテーブルを紙幣放出機本
体のRAMに設けたが、ターミナルコントローラ
等外部の機器に設けてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例による紙幣放出機の
要部側面図、第２図はこの実施例の紙幣放出機の
電機的構成を示すブロツク図、第３図及び第４図
はこの紙幣放出機の動作を示すフローチヤートで
ある。 １〜４……カートリツジ、１ａ〜４ａ……紙
幣、１ｃ〜４ｃ……繰出しローラ、１ｄ〜１ｄ…
…固定ローラ、Ｓ１〜Ｓ１２……センサ、１０…
…金種判別部、２１……CPU、２５……ターミ
ナルコントローラ、２８……RAM、２８ａ……
カートリツジテーブル、２９……モータ駆動回
路、３０……モータ、３２……クラツチ駆動回
路、３３……クラツチ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 本体に装着されその内部に所望の種類の紙葉
   を複数枚装填したカートリツジと、 前記カートリツジより紙葉を繰出す紙葉繰出手
   段と、 前記紙葉繰出手段によつて繰出された紙葉を放
   出口へ搬送する放出搬送路、及び該放出搬送路の
   途中で分岐して繰出された紙葉を回収する回収搬
   送路を形成する紙葉搬送手段と、 前記放出搬送路と前記回収搬送路との分岐点に
   設けられ、搬送される紙葉を振分ける振分手段
   と、 前記放出搬送路の前記振分手段の前に設けら
   れ、前記放出搬送路を通過する紙葉の種類を判別
   する判別手段と、 前記カートリツジに対応してその内部の紙葉の
   種類を記憶する記憶手段と、 アイドル時以前の準備段階において前記紙葉繰
   出手段，前記紙葉搬送手段及び前記振分手段を駆
   動し、前記カートリツジより繰出した紙葉を前記
   判別手段を介して前記放出搬送路を通過させ、前
   記振分手段を介して前記回収搬送路を通過させて
   紙葉を回収すると共に、前記判別手段によつて判
   別された紙葉の種類を前記記憶手段に記憶させる
   準備制御手段と、 前記アイドル時に紙葉の放出指令を受けて前記
   記憶手段の記憶内容に基づいて対応する種類の紙
   葉を収納したカートリツジの有無を判断すると共
   に、該カートリツジがあれば前記紙葉繰出手段及
   び前記紙葉搬送手段を駆動して前記放出搬送路を
   通つて紙葉を前記放出口へ放出する放出制御手段
   と、を具備することを特徴とする紙葉類放出装
   置。 ２ 前記カートリツジに装填される紙葉は紙幣で
   あり、前記判別手段は紙幣の金種を判別する判別
   手段であることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の紙葉類放出装置。 ３ 前記カートリツジは本体内に複数装着されて
   おり、前記記憶手段は前記各カートリツジの紙葉
   の種類を本体内の装填位置に対応させて記憶する
   記憶領域を有するものであることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の紙葉類放出装置。