JPS6235639Y2

JPS6235639Y2 -

Info

Publication number: JPS6235639Y2
Application number: JP1980049526U
Authority: JP
Priority date: 1980-04-11
Filing date: 1980-04-11
Publication date: 1987-09-10
Also published as: JPS56150664U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、車輛のステアリング装置に関し、機
構的に簡単かつコンパクトにすると共に、前輪の
切れ角を大にすることを目的とする。

トラクタ等の車輛におけるステアリング装置
は、車体の中央部に操向ギヤーケースを配置し、
この操向ギヤーケースにピツトマンアームを前後
揺動自在に設け、左右の各前輪のナツクルアーム
をタイロツドで連結すると共に、その一方のナツ
クルアームとピツトマンアームとをドラグリンク
で連結する形態が採用されている。しかし、この
種のステアリング装置では、車体の側方にドラグ
リンクが前後方向に配置されているため、前輪と
ドラグリンクとの接触を避ける必要から前輪の切
れ角が大きく制限される欠点があつた。またピツ
トマンアーム、ドラグリンク等の作動空間を確保
する必要から、これらを車体に接近して設けるに
も自ずと制約があり、機構的な大型化は避けられ
なかつた。

そこで、ピツトマンアーム、ドラグリンクを不
要として構造の簡素化、コンパクト化を図り、前
輪切れ角の制限をなくしたものが実公昭53−
24744号公報に図示されている。これは、横方向
に摺動自在な操向部材を有する操向ギヤケースを
前輪軸に設け、操向部材の両端を各前輪のナツク
ルアームに連動連結し、操向ギヤケースの入力軸
と、車体の上方かつ幅方向中央位置のハンドルと
を連動連結する連結軸の前部を操向ギヤケースに
対し後部斜め上方から前下がり状に傾斜させたも
のである。

ところが、上記公報に開示されたものでは、ハ
ンドル及び操向ギヤケースが共に車体の幅方向中
央に位置されている。そのため、ハンドルと操向
ギヤケースとの連結軸は車体を貫通するものとな
つている。よつて、車体に連結軸の通孔を開設す
る工数が必要となる。また、車体内部装置と連結
軸との干渉防止を図る必要があるが、スペース的
に制限された車体内部においては設計的に困難を
要する。

本考案は上記問題点を解決することを目的と
し、その特徴とするところは、横方向に摺動自在
な操向部材を有する操向ギヤケースを前車軸に設
け、操向部材の両端を各前輪のナツクルアームに
連動連結し、操向ギヤケースの入力軸と、車体の
上方方かつ幅方向中央位置のハンドルとを連動連
結する連結軸の前部を操向ギヤケースに対し後部
斜め上方から前下がり状に傾斜させた車輌のステ
アリング装置において、前記操向ギヤケースが車
体の外側方に位置され、連結軸はハンドルから車
体外側方に向かう後端側と、車体の外側方位置で
車体外側面に沿う前端側とに分割形成されると共
に、自在接手により車体１外側方位置で連結され
ている点にある。

以下、図示の実施例について本考案を詳述する
と、第１図及び第２図において、１はトラクタ車
体で、前車軸フレーム２、エンジン３、ミツシヨ
ンケース４等を剛結合して成り、その前車軸フレ
ーム２には前輪駆動機構を有する前車軸５がセン
ター軸を介して揺動自在に支架され、その前車軸
５の両端にキングピン６等を介して前輪７が操向
可能に設けられている。８は燃料タンクで、エン
ジン３の後方でトラクタ車体１上に搭載され、ま
たこの燃料タンク８の底部側には前方の斜め外方
に向けて切欠部９が設けられている。１０はエン
ジン３、燃料タンク８等を覆うボンネツトであ
る。１１は操向ギヤーケースで、第３図にも示す
ようにトラクタ車体１の外側方位置で前車軸５に
取付台１２を介して取付けられている。操向ギヤ
ーケース１１は後部斜め上方に突出する入力軸１
３と、横方向に摺動自在な操作部材１４とを有
し、その両者は操向ギヤーケース１１内でラツク
ピニオン機構、ウオームギヤー機構等を介して運
動せしめられる。操作部材１４の両端には球継手
１５を介してタイロツド１６が連結され、その各
タイロツド１６はキングピン６等と一体の各ナツ
クルアーム１７に連結されている。１８はトラク
タ車体１の上方でかつ前後及び横方向の中央部に
配置されたハンドルで、ハンドル軸１９、ハンド
ル筒２０等を介して取付台２１に横軸２２廻りに
前後方向にチルト動作可能に支持さており、その
チルト位置はチルトレバー２３により任意に調整
可能である。２４はハンドル軸１９と入力軸１３
とを連動連結する連結軸であり、この連結軸２４
は後端側の後部軸２５と前端側の中間軸２６及び
前部軸２７とに分割されている。

後部軸２５は燃料タンク８の切欠部９に沿つ
て、前下がり状でかつ前端側が車体１の外側方に
位置するように傾斜して設けられると共に、支持
具２８により軸心廻りに回動自在に支持されてい
る。この後部軸２５の後端は横軸２２に対応する
位置で十字接手によりハンドル軸１９の下端部に
連結されている。また該後部軸２５の前端は十字
接手２９を介して中間軸２６に連結され、これに
よりハンドル１９から車体１外側方向に向かうも
のとされている。中間軸２６はエンジン３の外側
方において排気集合管３０と始動装置３１との間
に前後方向に配されて車体１外側面に沿つてお
り、該中間軸２６は中間部で支持具３２により軸
心廻りに回動自在に支持されている。この中間軸
２６の前端には十字接手３３を介して前部軸２７
が連結されている。前部軸２７は操向ギヤケース
１１に対し後部斜め上方から前下がり状に配置さ
れると共に、中間部で支持具３４により軸心廻り
に回動自在に支持されており、この前部軸２７は
前端部で自在接手３５を介して入力軸１３に連動
連結されている。これにより、前部軸２７は車体
１外側方位置で車体１外側面に沿うものとされて
いる。なお自在接手３５は屈折自在であると共
に、入力軸１３に軸心方向に摺動自在に連結さ
れ、その摺動により前車軸５の上下揺動を許容す
る。支持具２８はミツシヨンケース４、支持具３
２はエンジン３、支持具３４は前車軸フレーム２
に夫々固定されている。なお十字接手２９，３３
は蛇腹状の保護カバー３６，３７により覆われて
いる。

上記構成において、ハンドル１８を左右方向に
操作すれば、ハンドル軸１９、連結軸２４等を介
して入力軸１３が正逆回動し、操向ギヤーケース
１１の操作部材１４が横方向に摺動し、第３図の
仮想線のようにタイロツド１６、ナツクルアーム
１７を介して前輪７をキングピン６廻りに夫々回
動させ、前輪７を操向動作させることができる。

本考案によれば、前車軸に取付けられる操向ギ
ヤケースが車体の外側方に位置され、車体の上方
かつ幅方向中央のハンドルと操向ギヤケースとの
連結軸が、ハンドルから車体外側方に向かう後端
側と、車体の外側方位置で車体外側面に沿う前端
側とに分割形成されると共に、自在接手により車
体１外側方位置で連結されている。これにより、
連結軸を車体に貫通させることなく、ステアリン
グ装置の構造の簡素化、コンパクト化が図れ、ま
た、前輪切れ角の制限をなくすことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部
破断側面図、第２図は概略平面図、第３図は要部
の拡大平面図である。１……トラクタ車体、５……前車軸、７……前
輪、１１……操向ギヤーケース、１３……入力
軸、１４……操向部材、１６……タイロツド、１
８……ハンドル、１９……ハンドル軸、２４……
連結軸、２５……後部軸、２６……中間軸、２７
……前部軸。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

横方向に摺動自在な操向部材を有する操向ギヤ
ケースを前車軸に設け、操向部材の両端を各前輪
のナツクルアームに連動連結し、操向ギヤケース
の入力軸と、車体の上方かつ幅方向中央位置のハ
ンドルとを連動連結する連結軸の前部を操向ギヤ
ケースに対し後部斜め上方から前下がり状に傾斜
させた車輌のステアリング装置において、前記操
向ギヤケースが車体の外側方に位置され、連結軸
はハンドルから車体外側方に向かう後端側と、車
体の外側方位置で車体外側面に沿う前端側とに分
割形成されると共に、自在接手により車体１外側
方位置で連結されていることを特徴とする車輌の
ステアリング装置。