JPS6231229Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本考案は主軸ヘツドに結合するアタツチメント
のクランプ装置を備えた工作機械に関するもので
ある。

＜従来技術＞ マシニングセンタ等の主軸ヘツドに、この主軸
ヘツドに軸承されている回転主軸の軸線と直交
し、この主軸の回転によつて駆動される主軸を持
つたアタツチメントを取付けるためにはアタツチ
メントクランプ装置を必要とする。従来のアタツ
チメントクランプ装置は、アタツチメントをひつ
かける爪を備えたクランプ軸と、このクランプ軸
を進退させる進退駆動装置と、前記爪をアタツチ
メントに係合する位置と係合解脱位置に移動させ
るためのクランプ軸の回転駆動装置を主軸とは別
個に設けていた。従つて、構成が複雑となりコス
ト高となつている問題があつた。

＜考案の目的＞ 本考案はクランプ軸の進退駆動装置を主軸ヘツ
ド内に装備し、クランプ軸の回転を主軸ヘツドの
主軸の回転を利用して作動するようにし、構成の
簡素化とコスト低減を図つたことを目的とするも
のである。

＜考案の構成＞ 本考案は回転駆動される主軸を軸承した主軸ヘ
ツド側に、前記主軸と平行な軸線で複数のクラン
プ軸を軸動及び回転可能に軸承し、このクランプ
軸の先端に前記主軸ヘツドに結合されるアタツチ
メントを把持するクランプ爪を設け、前記主軸に
歯車を固着すると共に、クランプ軸に前記歯車と
噛合及び噛合解除可能な歯車を固着し、前記複数
のクランプ軸を進退させる進退駆動装置を主軸の
軸線に沿つた主軸ヘツド内に設けて成るアタツチ
メントクランプ装置を備えた工作機械を提供する
ものである。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。
第１図において、１はマシニングセンタ等の主軸
ヘツドであり、図においては鉛直軸線方向に主軸
２が回転自在に軸承されている。この主軸２の上
端は図略の回転駆動装置と連繋している。３は前
記主軸ヘツド１に結合されるアタツチメントであ
る。このアタツチメント３には前記主軸２の先端
の工具装着部にテーパ装着されるテーパ軸頭４を
有する中間軸５と、前記主軸２と直交する水平軸
線のスピンドル６とが回転自在に軸承されてお
り、中間軸５とスピンドル６とはケーシング内で
ベベルギヤによつて回転伝達されている。ソピン
ドル６の一端部には、前記主軸２の工具装着部と
直角方向に工具を着脱可能に装着する工具装着部
が形成されている。また、アタツチメント３の主
軸ヘツド１への結合部は前記中間軸５を中心とす
る同心円の円筒体３ａであり、この円筒体３ａの
上縁端の内周には後述するクランプ爪９の係合面
７が形成されている。

前記主軸ヘツド１に結合されるアタツチメント
３のクランプ装置の構成は次の通りである。すな
わち、主軸ヘツド１に主軸２と平行な軸線で主軸
２を中心とする円周線上に複数のクランプ軸８を
軸動及び回転可能に軸承する。このクランプ軸８
の先端には前記アタツチメント３の円筒体３ａに
形成された係合面７に係脱するクランプ爪９が設
けられている。また、クランプ軸８は、ばね１０
によつて常にクランプ方向の後退方向に弾機付勢
されている。さらに、主軸ヘツド１内には前記ク
ランプ軸８をアンクランプ方向の前進方向に軸動
させる進退駆動装置１３が設けられている。この
進退駆動装置１３は、例えば図示のように、主軸
２の外周に、主軸ヘツド１に固定したシリンダ１
４を設け、このシリンダ１４内を主軸２の軸線方
向に進退移動するピストン１５と一体のフランジ
１６を形成した構成であり、このフランジ１６に
前記クランプ軸８の後端を結合させる。

さらに、主軸２には大径の歯車１１が固着さ
れ、クランプ軸８には前記歯車１１に噛合及び噛
合解除可能な小径の歯車１２を固着した構成であ
る。

尚、図中の符号１７ａ，１７ｂはカービツクカ
ツプリングであり、一方のカービツクカツプリン
グ１７ａは主軸ヘツド１側に固設され、他方のカ
ービツクカツプリング１７ｂはアタツチメント３
側に固設されていて、主軸ヘツド１とアタツチメ
ント３との位相決めを行うものである。

１８ａ，１８ｂは噛み合い歯形であり、一方の
噛み合い歯形１８ａはアタツチメント３の円筒体
３ａ側に形成され、他方の噛み合い歯形１８ｂは
中間軸５に設けられている被装着部材４に形成さ
れていて、中間軸５と同心円である。

前記中間軸５はアタツチメント３に回転自在に
軸承され、スピンドル６に回転を伝達する。ま
た、中間軸５の上端に設けられている被装着部材
４は中間軸５に対し軸線方向に移動可能であり、
かつ回転方向は中間軸５と係合して設けられてい
る。

従つて、第１図で示すアタツチメント３を主軸
ヘツド１にクランプした状態では噛み合い歯形１
８ａ，１８ｂの噛み合いが外れており、主軸２の
回転が中間軸５を介してスピンドル６に伝達され
る。

また、アタツチメント３の割り出し回転を行う
ときは、アタツチメント３をアンクランプ状態と
する。これによりアタツチメント３は被装着部材
４を主軸２側に残して下降動し、カービツクカツ
プリング１７ａ，１７ｂが外れて噛み合い歯形１
８ａ，１８ｂが噛合し、アタツチメント３は噛み
合い歯形１８ａ，１８ｂを介して被装着部材４に
支持される。

この状態で主軸２を回転することによりアタツ
チメント３は割り出し回転する。このアタツチメ
ント３の割り出し回転を90゜毎に割り出しする場
合、前記大径の歯車１１と小径の歯車１２の歯数
比を１：４にすれば、90゜割り出し時にはクラン
プ軸８が１回転することになり、クランプ爪９は
アタツチメント３の円筒体３ａに形成された係合
面７に係合する位置にアタツチメント３の割り出
し回転と同期して位置される。

次に本考案によるアタツチメント３のクランプ
動作について説明する。

アタツチメント３を結合していないときにはピ
ストン１５は後退端に位置し、クランプ軸８はば
ね１０の弾機力によつて後退移動している。そし
て、クランプ軸８上の歯車１２は主軸２上の歯車
１１より噛合を外しており、クランプ爪９は第２
図の鎖線で示すように90゜内方に旋回位置してい
る。

アタツチメント３を主軸ヘツド１に結合する場
合は、ピストン１５を前進端に作動する。これに
よつてクランプ軸８はばね１０の弾機力に抗して
前進移動し、クランプ軸８上の歯車１２は主軸２
上の歯車１１に噛合する。この状態でアタツチメ
ント３の円筒体３ａを主軸ヘツド１の動きを利用
して主軸ヘツド１の前端に結合することにより中
間軸５のテーパ軸頭４は主軸２の工具装着部に装
着され主軸２と中間軸５とが一体結合される。

次いで、主軸２を所要角度回転し歯車１１，１
２によつてクランプ軸８を回転させ、クランプ爪
９を90゜外方に旋回動する。然る後にピストン１
５を後退端に移動することにより、クランプ軸８
はばね１０の弾機力によつて後退移動し、歯車１
２は歯車１１より噛合を外すと共に、クランプ爪
９は円筒体３ａの係合面７に係合し、アタツチメ
ント３を主軸ヘツド１側に引き付けてクランプす
るのである。尚歯車１１から噛合を外したクラン
プ軸８上の歯車１２は回り止めされる。

＜効 果＞ 以上のように本考案では、主軸ヘツドに結合す
るアタツチメントに対し係脱するクランプ爪の回
転を主軸ヘツドの主軸の回転を利用するものであ
るから、クランプ軸の回転駆動装置が削減され、
主軸ヘツド側に設けられるアタツチメントクラン
プ装置の構成が簡素化し、コストの低減が得られ
る等の利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の断面図、第２図は第１図−
線断面図である。 １……主軸ヘツド、２……主軸、３……アタツ
チメント、７……係合面、８……クランプ軸、９
……クランプ爪、１０……ばね、１１，１２……
歯車、１３……進退駆動装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転駆動される主軸を軸承したマシニングセン
   タ等の主軸ヘツド側に、前記主軸と平行な軸線で
   複数のクランプ軸を軸動及び回転可能に軸承し、
   このクランプ軸の先端に前記主軸ヘツドに結合さ
   れるアタツチメントを把持するクランプ爪を設
   け、前記主軸に歯車を固着すると共に、前記複数
   のクランプ軸に前記歯車と噛合及び噛合解除可能
   な歯車を固着し、前記複数のクランプ軸を進退さ
   せる進退駆動装置を設けたことを特徴とするアタ
   ツチメントクランプ装置を備えた工作機械。