JPS6230222B2 - - Google Patents

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JPS6230222B2
JPS6230222B2 JP19654282A JP19654282A JPS6230222B2 JP S6230222 B2 JPS6230222 B2 JP S6230222B2 JP 19654282 A JP19654282 A JP 19654282A JP 19654282 A JP19654282 A JP 19654282A JP S6230222 B2 JPS6230222 B2 JP S6230222B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
suspension
chitin
stable
homogenizer
gel
Prior art date
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Expired
Application number
JP19654282A
Other languages
English (en)
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JPS5986640A (ja
Inventor
Hiroshi Yokota
Yoshiaki Okumura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP19654282A priority Critical patent/JPS5986640A/ja
Publication of JPS5986640A publication Critical patent/JPS5986640A/ja
Publication of JPS6230222B2 publication Critical patent/JPS6230222B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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  • Cosmetics (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は安定なキチンの水懸濁液およびその製
造方法に関するものである。 キチンは天然に多量に存在し、またセルロース
等と同様にリニユーアブル資源として注目される
ものである。すなわち、キチンはエビ、オキア
ミ、カニ等の甲殻類、カブトムシなどの昆虫類、
菌類の細胞壁等に構造多糖として存在しており、
自然界では広く且つ多量に生成している。しかし
ながら、これまでその資源としての利用は殆んど
なされておらず、廃棄の対象となつているのみと
いつても過言ではない。キチンの利用としては、
紙・繊維への添加剤、写真製品添加剤、医薬品、
化粧品あるいは抗腫瘍剤などが提案されているが
そのためには有効に利用し得るような形態にする
必要がある。 キチンは化学構造的にはN−アセチル−D−グ
ルコサミンのβ−1・4結合による多糖類である
が薬品に対して極めて安定なため、これの溶剤へ
の溶解あるいは誘導体化には複雑な処理をする
か、特殊な薬品を使用しなければならず、いまだ
工業的に利用し得るような段階には達していな
い。 しかし、キチンはそのままでも微粒状あるいは
懸濁状にすると利用の可能性がある。微粒状ある
いは懸濁状にするための提案はいくつかあるが、
製法が繁雑であつたり、薬品の作用が激しすぎて
分子崩壊を伴なつたり、また懸濁液の安定性が悪
く短時間で固液分離してしまうといつた欠点を持
つものが殆んどであり、いまだ実用化されたもの
はない。 キチンはセルロースなどよりもさらに機械的粉
砕は困難であり、凍結粉砕を行なつても粒径200
μmが限度である。キチンを濃硫酸や濃塩酸に溶
解させ、溶液を水中に投じてキチンを微粒状に析
出させる試みもあるが、いづれも分子崩壊(グル
コシド結合の切断、部分的脱アセチル化)をきた
したり、部分的に硫酸化されたりして、もはや純
度の高いキチンとはいい難いものになつてしまう
(特公昭51−6720など)。 キチンを酸で処理することによつて得られる、
いわゆる微結晶キチン(USP3847897(1974)、
USP4059457(1977)もあるが、これも塩酸を使
う場合は部分的に脱アセチル化したり、またリン
酸を使う場合は少量のリンが結合する等の問題が
ある。 本発明者らは鋭意研究の結果、化学薬剤を使う
ことなく、機械的作用のみにより安定な微粒子状
キチン懸濁液を調製し得ることを見い出し、本発
明に到つたのである。 以下本発明について更に詳細に説明する。 本発明の製法は次の2つの工程から成り立つて
いる。すなわち、(1)キチンの懸濁液を小径オリフ
イスを通過させて、その懸濁液に少なくとも200
Kg/cm2の圧力差で高速度を与え、次にこれを衝突
により急速に減速させることにより剪断作用を行
なわせる工程、(2)第1の工程を繰返し行なうこと
で前記キチン懸濁液が静置しても固液分離しない
安定な懸濁液となるようにする工程とからなる。 本発明の実施に好適な装置は乳製品製造業者な
どで広く使われているエマルジヨンおよび分散体
製造用の高圧用均質化装置である。この種の均質
化装置とその作動機構についてはよく知られてお
り、例えばChemical Engineering 13(5)86−92
(1974)にも記載されている。 均質化装置については図面を参照してその概要
を説明する。この種装置では低粘性懸濁液にエネ
ルギーを加えて狭い場所から高速で流出させるよ
うになつている。この装置の心臓部は高圧ポンプ
の放出端に装着されている均質化装置の弁装置と
弁座装置である。第1図に代表的な弁装置を示し
てある。弁装置1に懸濁液を矢印で示すように流
入させる。この液の流入場所では懸濁液は高圧下
にあるが、低速度の状態である。この液が弁4と
弁座2間の狭い間隙に形成された小径オリフイス
3中に進入するにつれ圧力の作動により、その速
度は200m/秒まで急速に加速される。オリフイ
ス3の入口側と出口側との間で圧力は降下する。
懸濁液が弁4と弁座2の間から出てくるときにオ
リフイスを取り囲んでいる衝突リング5に衝突
し、その高速度は減速される。 本発明の実施に際しては、カニ、エビ等より精
製したキチンを水湿のまま、あるいは一旦乾燥し
た後、最長部分が1〜2mm程度の小片に粉砕した
ものを原料に用いる。これを水に分散させ懸濁液
とするが、そのキチン分散量は重量百分率で最大
10%であり、好ましくは約1〜5%の範囲であ
る。 この懸濁液を前記均質化装置に導入して少なく
とも200Kg/cm2、好ましくは350〜560Kg/cm2の圧
力を加える。その後、この懸濁液を均質化装置を
何回も通過させ、安定なキチンの懸濁液を得る。
懸濁液の温度は、それが均質化装置内を通過する
につれ上昇する。均質化装置通過の際の圧力の降
下と温度上昇の相互作用が本発明による安定なキ
チン懸濁液を生成させるのに必要であると考えら
れる。 本発明によつて得られるキチンの水懸濁液は叩
解パルプの水懸濁液に類似した物性を有しており
高度の水保持性と水中の懸濁安定性がある。製造
に際して均質化装置の通過回数を少なくすれば、
抄紙法により紙状シートとすることができるし、
通過回数を多くすれば流延法によりフイルム状シ
ートとすることが可能である。 以下に実施例によりさらに詳細に説明するが、
実施例中に示すキチン懸濁液の諸特性の定義、測
定法等をまとめて記す。 (1) 安定量;キチンのゲル状懸濁液を水で稀釈し
て0.5wt%の分散液を調製する。これを100mlの
メスシリンダーに入れ、室温で1時間放置した
後に生ずる透明な上澄液量をAmlとしたとき安
定量は100−Aで定義される値である。 (2) 水保持力値;キチンのゲル状懸濁液試料を
200メツシユの金網カゴに入れ、これを遠心効
果1000の遠心力で10分間処理し脱水する。その
後、試料をとり出して、その重さ(W1g)を
測定する。次に、この試料を105℃で恒量にな
るまで乾燥し、その重さ(W2g)を測定す
る。 水保持力値(WRV)は次の式で算出され
る。 WRV(%)W−W/W×100 実施例 1 市販のキチン粉末(共和油脂(株))40gを水
2に分散させ、2wt%のキチン懸濁液を調製し
た。これをGaulin均質化装置(15M−8TA)に常
温(約25℃)で仕込み560Kg/cm2の圧力で5回通
過させた。懸濁液は通過回数が増すにつれ粘稠な
ゲル状になつてくる。 5回通過終了時点で液温は51℃となり、安定な
ゲル状キチン懸濁液が得られた。これの安定量お
よび水保持力値を測定したところ、それぞれ100
および580%の値を得た。 実施例 2〜4 均質化装置通過回数と生成物の特性の関連を把
握するための実験を行なつた。実施例1と全く同
様な実験を行ない、通過回数だけを10、15、20回
と変化させた。得られたゲル状キチン懸濁液の特
性は第1表に示す如くであつた。
【表】 また、これらゲル状キチン懸濁液はいづれもチ
クントロピー性を示す。 第2図に実施例4で得られたゲル状懸濁液のず
り速度〜ずり応力関係曲線を示す。 実施例 5 均質化装置通過時の懸濁液温度の影響をみるた
めの実験を行なつた。実施例1と同じように市販
のキチン(共和油脂(株))40gを水2に分散
させた懸濁液を調製し、これを80℃に加熱した。
これを均質化装置に仕込み560Kg/cm2の圧力で5
回通過させた。懸濁液は通過回数と共に粘性を増
し、ゲル状になつてくる。5回通過終了時点で液
温は85℃であり、安定なゲル状キチン懸濁液が得
られた。これの安定量および水保持力値を測定し
たところ、それぞれ100および760%の値を得た。
この結果から、懸濁液スラリーを予め加熱してお
くことで同じ水保持力値を得るのに、より少ない
通過回数ですむことが確認された。 比較例 1 本発明による安定なキチン懸濁液と微結晶キチ
ンから得られる懸濁液とを比較するための実験を
行なつた。 市販のキチン(共和油脂(株))1Kgを0.5%塩
酸水溶液70に分散させ、これをグラスライニン
グした加圧釜に仕込んだ。これを約130℃(1.5〜
2.0Kg/cm2G)で1時間加水分解処理し、冷却し
た後、塩酸をアンモニア水溶液で中和した。次い
で塩素イオンが検出されなくなるまで水洗を繰り
返し、デイスクリフアイナーで磨砕した後、噴霧
乾燥機で乾燥し、微粒状の微結晶キチンを得た。
この微結晶キチンを用い日本薬局方記載の「結晶
セルロース」の項に基いて0.5wt%の水懸濁液を
調整し、安定量を測定したところ6であつた。ま
た上記局方に基き25wt%のゲル状懸濁液を調製
し、水保持力値を測定したところ145%であつ
た。 実施例 6 本発明によるキチン懸濁液は紙力増強剤として
利用できる。 実施例4で得られたキチンのゲル状懸濁液をキ
チン固形分換算で抄紙用パルプの0.5、1、2、
3wt%添加して混合機中でよく混合分散させた。
これをJIS P8209−1961に従い手すき抄紙機によ
り抄紙した。得られたシートの特性試験結果を第
2表に示す。
【表】 (注) 抄紙用パルプは晒クラフトパルプ
を用いた。
この結果から、本発明によるキチン懸濁液は紙
力増強剤として顕著な効果を有することがわか
る。 実施例 7 実施例4で得られたキチン懸濁液をポリエチレ
ン板上に流延し、室温で乾燥した。半透明の平滑
な厚さ約25μmのシートが得られた。 鉛筆、インク、墨などで筆記可能であり、トレ
ーシング用紙として利用し、鮮明な複写物が得ら
れた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施するのに適用され
る均質化装置の概略断面図及びその要部拡大図で
ある。 1……弁装置、2……弁座、3……小径オリフ
イス、4……弁、5……衝突リング。 第2図は本発明によるキチン懸濁液のずり速度
とずり応力の関係を示した図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水保持力値が200%以上であり、0.5重量%の
    懸濁液を1時間放置した後の安定量が50以上であ
    ることを特徴とするキチン懸濁液。 2 粉末状キチンの懸濁液を小径オリフイスを通
    過させて、その懸濁液に少なくとも200Kg/cm2
    圧力差で高速度を与え、次にこれを衝突させて急
    速に減速させることにより剪断作用を行なわせる
    工程と、前記工程を繰り返して前記キチンの懸濁
    液が実質的に安定な懸濁液となるようにする工程
    とから成るキチン懸濁液の製造方法。
JP19654282A 1982-11-09 1982-11-09 キチン懸濁液およびその製造方法 Granted JPS5986640A (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61210015A (ja) * 1985-03-15 1986-09-18 Shiseido Co Ltd 粉末または顆粒状皮膚外用剤
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