JP6352022B2 - キチン又はキトサンのナノファイバー - Google Patents
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Description
i)機械的撹拌処理、
ii)超音波処理、
iii)50MPa以上の高圧処理、及び
iv)2mm以下の空隙を通過させる処理
からなる群より選ばれる少なくとも一種の処理を行う工程を含むキチン又はキトサンナノファイバーの製造方法。
前記i)〜iv)からなる群より選ばれる少なくとも一種の処理を行った後、得られた混合物にさらにプロトン性極性溶媒(B)を添加し、前記含窒素化合物のプロトン性極性溶液(A)及びプロトン性極性溶媒(B)の混合物における濃度が10重量%未満となるまで希釈する、前記項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
項16. 前記項14に記載の分散体を噴霧乾燥して得られる、粒径(D50)が20μm以下の粒子。
i)機械的撹拌処理、
ii)超音波処理、
iii)50MPa以上の高圧処理、及び
iv)2mm以下の空隙を通過させる処理
からなる群より選ばれる少なくとも一種の処理を行う工程を含む。本発明において、含窒素化合物の水酸化物のプロトン性極性溶液(A)とは、含窒素化合物の水酸化物をプロトン性極性溶媒に溶解した混合物である。
キチン及びキトサンはN−アセチル−D−グルコサミン及びD−グルコサミンを基本構造とする化合物である。N-アセチル基の置換度が大きいものがキチン、N−アセチル基の置換度が小さいものがキトサンと言われるが、通常キチンでも脱アセチル化された構造が存在し、また、キトサンでもアセチル化された構造が0.1〜30%残っているものが大半である。キチン及びキトサンにおけるN−アセチル基の置換度は、キチン又はキトサンにおける構成単位(N−アセチル−D−グルコサミン及びD−グルコサミン)中のN−アセチル−D−グルコサミンの割合で表される。また、キトサンの脱アセチル化度は、構成単位中のD−グルコサミンの割合で表された値である。
本発明の方法では、キチン又はキトサンをプロトン性極性溶媒を媒体とする溶液に分散させ、前記処理を行う。プロトン性極性溶媒としては、水、アルコール(メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)を挙げることができ、好ましくは水である。
含窒素化合物の水酸化物は、4級アンモニウムの水酸化物;又はピリジニウム類・イミダゾリウム類・トリアゾリウム類・テトラゾリウム類、ピロリウム類を含む含窒素複素芳香環カチオンの水酸化物が挙げられ、4級アンモニウムの水酸化物が好ましい。
本発明における処理方法は
i)機械的撹拌、
ii)超音波処理、
iii)50MPa以上の高圧処理、及び
iv)2mm以下の空隙を通過させる処理
から選択される少なくとも1つ、又はこれらを組み合わせて行うことができる。
本発明の方法により得られるキチン又はキトサンのナノファイバーは長く、アスペクト比が大きい。例えば、得られるナノファイバーの太さは好ましくは100nm以下である。長さは好ましくは1μm以上である。アスペクト比は好ましくは20以上である。ナノファイバーの長さ、太さ、アスペクト比は電子顕微鏡観察(SEM、TEM等)により測定することができる。
キチン(シグマ−アルドリッチ社製;エビ殻由来、シグマC7170、パウダー状) 0.1gにテトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液 5gを加え、撹拌を行った。その後、水 5gを加え、400Wの超音波分散装置で1分処理を行った。さらに水 100gを加え、撹拌、400Wの超音波分散装置で超音波分散3分を行い、濾過、洗浄を行った。
キチン(東京化成工業株式会社製;C0072、3mm程度のフレーク状)(図2) 0.1gにテトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液 10gを加え、撹拌を行った。400Wの超音波分散装置で1分処理を行った。さらに水 100gを加え、撹拌、400Wの超音波分散装置で超音波分散3分を行い、濾過、洗浄を行った。
キチン(和光純薬株式会社製;038-13635)を使用し、実施例2と同様に試験を行った。
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液 5gをテトラエチルアンモニウムヒドロキシド20%水溶液 10gに変え、実施例1と同様に実験を行った。
キチン(シグマ−アルドリッチ社製;エビ殻由来、シグマC7170、パウダー状) 0.1gにテトラブチルアンモニウムヒドロキシド40%水溶液 5gを加え、撹拌を行った。その後、水 5gを加え、400Wの超音波分散装置で1分処理を行った。ここで酢酸をpH6になるまで加え、撹拌、400Wの超音波分散装置で超音波分散3分を行い、濾過および漏斗上で減圧濾過をしながらろ液がpH7になるまで洗浄を行った。
キチン(甲陽ケミカル製) 0.2gにテトラエチルアンモニウムヒドロキシド35%水溶液 20gを加え、撹拌を行った後、400Wの超音波分散装置で1分間処理を行った。さらに水 60gを加え、撹拌を行った後、同様に400Wの超音波分散装置で1分間処理を行った。この時点でpHは13.5であった。
キトサン(和光純薬株式会社製 キトサン500; 脱アセチル化度 80%以上) 1gにテトラメチルアンモニウムヒドロキシド25%水溶液 10gを加え、12時間撹拌を行った。
キチン(シグマ−アルドリッチ社製;エビ殻由来、シグマC7170、パウダー状) 0.1gに水 10gを加え、撹拌を行い、400Wの超音波分散装置で1分間処理を行った。さらに水 100gを加え、撹拌、400Wの超音波分散装置で超音波分散3分を行い、濾過、洗浄を行った。
キチン(東京化成工業株式会社製;C0072、3mm程度のフレーク状)(図2) 0.1gに水 10gを加え、撹拌を行い、400Wの超音波分散装置で1分間処理を行った。さらに水 100gを加え、撹拌、400Wの超音波分散装置で超音波分散3分を行い、濾過、洗浄を行った。
キトサン(和光純薬株式会社製 キトサン500; 脱アセチル化度 80%以上) 0.1gに酢酸25%水溶液 1gと水 20gを加え撹拌を行ったところ、均一に溶解し、透明溶液が得られた。
Claims (12)
- キチン又はキトサン、及び含窒素化合物の水酸化物のプロトン性極性溶液(A)を含む混合物に対して、
i)機械的撹拌処理、
ii)超音波処理、
iii)50MPa以上の高圧処理、及び
iv)2mm以下の空隙を通過させる処理
からなる群より選ばれる少なくとも一種の処理を行う工程を含むキチン又はキトサンナノファイバーの製造方法。 - 前記含窒素化合物の水酸化物が、4級アンモニウム水酸化物である、請求項1に記載の製造方法。
- 前記4級アンモニウム水酸化物がテトラメチルアンモニウム水酸化物、テトラエチルアンモニウム水酸化物、テトラプロピルアンモニウム水酸化物、テトラブチルアンモニウム水酸化物、ベンジルトリメチルアンモニウム水酸化物、フェニルトリメチルアンモニウム水酸化物、及びアルキルトリメチルアンモニウム水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載の方法。
- 前記含窒素化合物のプロトン性極性溶液(A)における濃度が、1重量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記含窒素化合物のプロトン性極性溶液(A)における濃度が、10重量%以上であり、
前記i)〜iv)からなる群より選ばれる少なくとも一種の処理を行った後、得られた混合物にさらにプロトン性極性溶媒(B)を添加し、前記含窒素化合物のプロトン性極性溶液(A)及びプロトン性極性溶媒(B)の混合物における濃度が10重量%未満となるまで希釈する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。 - 前記プロトン性極性溶媒(B)が水である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記i)〜iv)からなる群より選ばれる少なくとも一種の処理の後、pHが1〜9となるように混合物に酸を添加する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
- 前記酸が有機酸である請求項7に記載の方法。
- 前記有機酸が炭素数6以下のカルボン酸、ジカルボン酸又はヒドロキシカルボン酸である、請求項8に記載の方法。
- 前記有機酸が酢酸、プロピオン酸、ギ酸、グリコール酸、乳酸、しゅう酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、及びアスコルビン酸から選択される少なくとも1種を含む、請求項8又は9に記載の方法。
- 前記キチン又はキトサンのN-アセチル基の置換度が80%以上である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記キチン又はキトサンが、粒径100μm以上の粒子を50重量%以上含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
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