JPH09302001A - 微小架橋セルロース粒子及びその製造方法 - Google Patents

微小架橋セルロース粒子及びその製造方法

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JPH09302001A
JPH09302001A JP8125098A JP12509896A JPH09302001A JP H09302001 A JPH09302001 A JP H09302001A JP 8125098 A JP8125098 A JP 8125098A JP 12509896 A JP12509896 A JP 12509896A JP H09302001 A JPH09302001 A JP H09302001A
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cellulose
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JP8125098A
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Yoshihei Meiwa
善平 明和
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度のスラリーが得られ、粉末の状態やペ
ーストの状態でも取り出すことが可能な微小架橋セルロ
ース粒子を提供すること、並びに該微小架橋セルロース
粒子を、通常の微粒化装置を用いた場合においても、強
大なエネルギー及び解重合処理等の工程を必要とせず、
極めて簡略で、容易に且つ安価に製造する方法を提供す
ること。 【解決手段】 本発明の微小架橋セルロース粒子は、セ
ルロース繊維から形成され、該セルロース繊維が架橋剤
により架橋されており、且つ微粒化されていることを特
徴とする。また、本発明の微小架橋セルロース粒子の製
造方法は、セルロース繊維を架橋剤により架橋させた
後、微粒化させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微小架橋セルロー
ス粒子及びその製造方法、詳しくは、高濃度のスラリー
が得られ、粉末の状態やペーストの状態でも取り出すこ
とが可能な微小架橋セルロース粒子、並びに、該微小架
橋セルロース粒子を、通常の微粒化装置を用いた場合に
おいても、強大なエネルギー及び解重合処理等の工程を
必要とせず、極めて簡略で、容易に且つ安価に製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、セルロース繊維等のセルロース系素材を微粒化した
微小セルロース乃至微粒化セルロース及びそれらの製造
方法が数多く提案されている。
【0003】セルロース繊維等を微粒化する従来技術と
しては、例えば、特公平6−11793号公報の〔従来
の技術〕の欄に詳しく記載されており、その一部とし
て、下記 (1)〜 (3)に示すことが記載されている。 (1)木材パルプ繊維をそのままで乾式ボールミルで極限
まで粉砕することを試みたが、16時間にわたる粉砕操
作にもかかわらず得られたものの平均粒径は12μm以
下にはならなかった。 (2)良く知られた微粒化されたセルロース系素材とし
て、微結晶セルロースがあり、これは、木材パルプある
いはコットンリンターのようなセルロース原料の非晶部
分を鉱酸で加水分解して崩壊させて得た、主として結晶
子の集合体からなる粉体であるが、その粉径は一般に1
5〜40μmの粒子である。 (3)特公昭62−30220号公報に開示されてある、
微結晶セルロース懸濁液を高圧用均質化装置で処理して
得たセルロースがあり、ここで云う高圧均質化処理と
は、懸濁液を少なくとも200kg/cm2 の圧力差で
小径オリフィス中を高速度、高剪断力で通過させ、次に
これを衝突させて急速に減速させることにより、短時間
に強大なエネルギーを加える操作を繰り返し行う処理を
指す。この処理により安定かつ高粘性の懸濁液が得られ
ると記載されているが、一体どの程度まで微粒化されて
いるかについては言及されていない。
【0004】また、最も微粒化した例としては、上記の
特公平6−11793号公報に開示されてある平均粒径
0.3〜6μmの微粒化セルロース系素材の懸濁液及び
その製造方法がある。
【0005】上述した微小セルロース乃至微粒化セルロ
ースを得る技術としては、何れも強大なエネルギーを必
要とするか、又は前処理工程としてセルロース系素材に
解重合処理、即ち、酸加水分解、アルカリ酸化分解、酵
素分解、スチームエクスプロージョン分解、水蒸気蒸煮
の処理を必要とし、工程的にも高価なものであった。ま
た、得られた微小セルロース乃至微粒化セルロースは、
架橋構造を持っていないものであった。
【0006】一方、特公平7−62041号公報には、
微小架橋セルローズ粒子およびその製造法が開示されて
いる。該公報に開示された微小架橋セルローズ粒子の製
造法は、(1)(A)セルローズザンテートとそれ以外
の第1の水溶性高分子化合物のアルカリ性高分子水溶液
を準備し、(B)上記アルカリ性高分子水溶液とアニオ
ン性又は非イオン性の第2の水溶性高分子化合物とを混
合して該アルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を生成
せしめ、(C)上記分散液を加熱するかあるいは上記分
散液をセルローズザンテートの凝固剤と混合することに
より、(D)セルローズザンテートをセルローズ換算で
5〜60重量%含有する凝固ビスコースを準備し、
(2)上記凝固ビスコース微粒子を酸で中和したのち架
橋反応に付し次いで、(3)(i)生成した架橋セルロ
ーズ微粒子を母液から分離するか、(ii)工程(i)に
引き続いて脱硫、酸洗い、水洗あるいはメタノール洗浄
に付すか、又は(iii) 工程(i)若しくは工程(ii)に
引き続いて熱処理に付す、ことを特徴とする微小架橋セ
ルローズ粒子を製造する方法であるが、この方法におい
ても、上述の従来技術と同様に、アルカリ処理等の前処
理工程を必要としている。また、該公報に開示された上
記微小架橋セルローズ粒子は、その表面全体に架橋構造
が配されていると予想されるものであった。
【0007】また、上述した微小セルロース乃至微粒化
セルロースは、何れも、高濃度のスラリーが得られず、
粉末の状態やペーストの状態で取り出すことが困難な場
合もあった。
【0008】従って、本発明の目的は、高濃度のスラリ
ーが得られ、粉末の状態やペーストの状態でも取り出す
ことが可能な微小架橋セルロース粒子を提供すること、
並びに該微小架橋セルロース粒子を、通常の微粒化装置
を用いた場合においても、強大なエネルギー及び解重合
処理等の工程を必要とせず、極めて簡略で、容易に且つ
安価に製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
した結果、セルロース繊維を架橋剤を用いて架橋させた
後、微粒化させることにより、上記目的を達成し得るこ
とを知見した。
【0010】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、セルロース繊維から形成され、該セルロース繊維が
架橋剤により架橋されており、且つ微粒化されているこ
とを特徴とする微小架橋セルロース粒子を提供するもの
である。
【0011】また、本発明は、上記微小架橋セルロース
粒子の好ましい製造方法として、セルロース繊維を架橋
剤により架橋させた後、微粒化させることを特徴とする
微小架橋セルロース粒子の製造方法を提供するものであ
る。
【0012】本発明の微小架橋セルロース粒子は、その
一部分が架橋された構造を有することにより、高濃度の
スラリーが得られる他、乾式法及び湿式法の何れの微粒
化手段によっても得られることから、粉末の状態やペー
ストの状態でも取り出すことが可能である。また、本発
明の微小架橋セルロース粒子は、含水した状態において
も膨潤が抑制され、寸法安定性に優れたものである。ま
た、本発明の微小架橋セルロース粒子の製造方法によれ
ば、予め架橋を施すことによりセルロース繊維が剛直化
し、これにより微粒化に際し、通常の微粒化装置を用い
た場合においても、強大なエネルギーが必要でなく、ま
た解重合処理等の工程を必要とせず、極めて簡略で、容
易に且つ安価に微小架橋セルロース粒子を得ることがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、先ず本発明の微小架橋セル
ロース粒子について詳細に説明する。本発明に用いられ
るセルロース繊維とは、該セルロース繊維を含有する素
材を表すものであり、例えば、木材パルプ、リンターパ
ルプ、竹パルプ、バカスパルプ等に脱リグニン処理を施
した精製パルプ及び、コットン繊維、コットンリンタ
ー、麻繊維等の天然セルロース繊維又はそれらに脱リグ
ニン処理を施した精製天然繊維及び、レーヨンやキュプ
ラ等の再生セルロース繊維及び、マーセル化パルプ及
び、穀物又は果実由来の植物繊維及び、木材や稲ワラに
代表されるようなリグノセルロース繊維等が挙げられ、
中でも木材パルプに脱リグニン処理を施した精製パルプ
が好ましく用いられる。これらのセルロース繊維は、そ
れぞれ単独で使用しても良く2種以上混合して使用して
も良い。
【0014】本発明に用いられる架橋剤としては、例え
ば、グリオキザール、ジアルデヒドでんぷん、ポリアク
ロレイン等のアルデヒド類、N−メチロール尿素、N−
メチロールメラミン、トリメチロールメラミン等のメチ
ロール化合物、ジビニルスルホン等の活性化ビニル化合
物、エピクロルヒドリン、ジクロルヒドリン等のエポキ
シ化合物、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、
フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アスパ
ラギン酸、グルタル酸、トリカルバリル酸、ブタンテト
ラカルボン酸、ポリマレイン酸、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸−マレイン酸共重合物等のポリカルボン酸、
ジイソシアネート化合物等が挙げられ、中でもポリカル
ボン酸は、ホルマリンの発生や有害なガスの発生が伴わ
ないこと等から好ましく用いられる。
【0015】上記架橋剤の使用量は、上記セルロース繊
維100重量部に対して、好ましくは0.1〜200重
量部、更に好ましくは0.5〜100重量部である。該
架橋剤の使用量が0.1重量部未満の場合には、架橋効
果が発現せず、微粒化に必要なエネルギーが多大なもの
となり、一方200重量部を超えても、セルロース繊維
の架橋部分は増すことなく、架橋剤が未反応のまま残
り、該架橋剤の除去等が必要となり有益ではない。
【0016】また、上記の架橋剤の使用量をコントロー
ルすることにより、微粒化に要する労力のコントロール
が可能となるばかりでなく、得られる微小架橋セルロー
ス粒子の懸濁液における粘度や膨潤度などの物性のコン
トロールも可能となる。
【0017】また、本発明においては、上記セルロース
繊維の上記架橋剤による架橋反応を円滑に進める目的
で、該架橋剤の種類に応じ適宜架橋反応触媒が用いられ
る。該架橋反応触媒としては、例えば、架橋剤としてポ
リカルボン酸を使用する場合には、リン酸、次亜リン酸
ソーダ、リン酸二水素カリウム、リン酸ソーダ等のリン
酸化合物、硫酸、塩酸等の無機酸、炭酸ソーダ、酢酸ソ
ーダ、チタン化合物等が挙げられ、また、架橋剤として
エポキシ化合物を使用する場合には、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の塩基性化合物、1級アミン、2
級アミン、3級アミン等のアミン類、四級アンモニウム
塩、イミダゾール化合物、アルコール類や水等が挙げら
れる。
【0018】上記架橋反応触媒の使用量は、上記架橋剤
100重量部に対して、好ましくは1〜100重量部で
ある。
【0019】本発明において、上記セルロース繊維を上
記架橋剤により架橋させる方法としては、特に制限され
ないが、例えば、特開昭63−54160号公報に記載
されている方法等が挙げられる。具体的には、パルプシ
ートを予め解繊して繊維状パルプとし、架橋剤水溶液を
含浸後、脱水し、高温で乾燥して架橋させる乾式橋かけ
による方法、上記の解繊された繊維状パルプを架橋剤水
溶液中で架橋させる水溶液橋かけによる方法、及び上記
の解繊された繊維状パルプが膨潤するには不十分な水量
の架橋剤水溶液と接触させることにより架橋させる非水
性溶液橋かけによる方法等が挙げられる。この他、パル
プシートに架橋剤水溶液を噴霧した後、高温で架橋させ
る方法や、含水状態のパルプシートにガス状の架橋剤を
吹き込んだ後、加熱し架橋させる方法等も挙げられる。
【0020】本発明の微小架橋セルロース粒子は、上記
架橋剤により架橋された上記セルロース繊維(セルロー
ス繊維架橋体)を微粒化させることにより得られるもの
であり、その一部が架橋された構造を有するものであ
る。
【0021】本発明の微小架橋セルロース粒子は、その
平均粒径(積算体積50%)が300μm以下、好まし
くは200μm以下であることが望ましい。上記平均粒
径が300μmを超えると、微粒子の特徴である流動特
性やチキソトロピー性、増粘特性、分散特性等の性能が
発揮されにくく好ましくない。なお、本発明において、
平均粒径(積算体積50%、単位μm)とは、レーザー
回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910(登)
〔(登)は登録商標を示す。以下同じ。〕〔(株)堀場
製作所製〕を使用して測定した値のことをいう。
【0022】また、本発明の微小架橋セルロース粒子
は、その粒子形状が棒状、繊維状、塊状等の粒状であ
り、不定形のものが含まれていてもよい。
【0023】次に、本発明の微小架橋セルロース粒子の
製造方法について詳細に説明する。本発明の製造方法
は、上述した本発明の微小架橋セルロース粒子の好まし
い製造方法であり、セルロース繊維を架橋剤により架橋
させた後、微粒化させることを特徴とする。尚、以下に
おいて特に詳述しない点については、上述の本発明の微
小架橋セルロース粒子において説明したものと同様であ
る。
【0024】本発明の製造方法において、セルロース繊
維を架橋剤により架橋(架橋反応)させる方法は、一般
には加熱する方法が挙げられる。この際加熱温度として
は、架橋剤の種類により異なり、該架橋剤としてポリカ
ルボン酸やメチロール化合物、エポキシ化合物を用いる
場合には、好ましくは80℃以上、より好ましくは10
0℃以上、最も好ましくは100〜230℃である。
【0025】また、上記セルロース繊維を架橋させるの
に必要な時間としては、特に限定されるものではない
が、架橋剤の種類や触媒の有無により異なり、例えば数
秒の場合から10時間に及ぶ場合もある。
【0026】本発明の製造方法においては、先ず上記セ
ルロース繊維を上記架橋剤により架橋させてセルロース
繊維架橋体を得、次いで該セルロース繊維架橋体を微粒
化させることで、微小架橋セルロース粒子を得る。ここ
で、上記セルロース繊維架橋体を微粒化させる手段とし
ては、特に限定されるものではなく、目的とする微小架
橋セルロース粒子の粒度に合わせた微粒化手段を用いれ
ばよく、一般的に用いられる微粒化手段、即ち乾式法、
湿式法を用いるのが好ましい。
【0027】上記乾式法としては、例えば、予め架橋処
理を施したセルロース繊維架橋体を乾式ボールミルで微
粒化する方法や、コーヒーミルにより粉砕する方法等が
用いられる。また、上記乾式法を用いる場合には、水や
溶剤等の溶媒を用いる必要はない。
【0028】上記湿式法としては、例えば、予め架橋処
理を施したセルロース繊維架橋体をホモミキサー
(登)、ホモミックラインミル(登)、ミクロマイザー
(登)、ナノマイザー(登)〔以上、特殊機化工業
(株)製〕や、パールミル(登)、アジテータミル
(登)、システムゼータ(登)〔以上、アシザワ(株)
製〕等の媒体攪拌湿式微粉砕機により微粒化する方法の
他、高圧ホモジナイザーにより微粒化する方法等が用い
られる。
【0029】また、上記湿式法を用いる場合には、溶媒
として、水や、アルコール、アセトン等の親水性溶剤が
用いられ、中でも好ましくは水が用いられる。該溶媒と
して水を用いた場合には、従来技術として用いられてい
る親水性有機溶媒等を用いないため、取り扱いが容易に
なるばかりでなく、安価に微小架橋セルロース粒子を製
造することが可能となる。
【0030】本発明の製造方法においては、上記微粒化
手段のうちから2種以上を組み合わせた方法、例えば、
ホモミックラインミル(登)で粗粉砕した後、ナノマイ
ザー(登)により微粒化する方法等を用いるのが好まし
い。
【0031】また、本発明の製造方法においては、必要
に応じ、上記セルロース繊維架橋体を微粒化するに先立
ち又は微粒化した後に、水洗、弱アルカリ又は弱酸によ
る洗浄や親水性溶剤等による洗浄を行い、未反応の架橋
剤や触媒を除去することができる。この際、上記の水洗
や洗浄は、洗浄効率等を考慮して行われる。
【0032】また、本発明の製造方法においては、必要
に応じ、上記セルロース繊維の解繊や離解を容易にする
ための添加剤や分散剤等を添加することもできる。
【0033】本発明の微小架橋セルロース粒子は、種々
の物性を有することや安価に製造できることから、種々
の用途に用いられることが期待される。具体的には、食
品分野においては、濃厚感のある非消化性食品ボディー
又はザラツキ感の無い柔らかなクリーム状の食物繊維と
しての展開が期待される。更には、化粧品、医薬品、塗
料、建材、ラテックス、塗工、製紙、繊維等のあらゆる
分野で、クリーム基材、流動性付与剤、形態保持剤、チ
キソトロピー性付与剤、増粘剤、分散安定剤、被膜形成
材料、透湿性付与剤、光沢改良剤、不透明性付与剤等の
用途に用いられることが期待される。
【0034】更に、本発明の微小架橋セルロース粒子
は、粉末として得易いことから、カラム材料や化粧品基
材、バイオ分野での各種担体、研磨剤、剥離剤、ブロッ
キング防止剤等の幅広い分野に用いられることが期待さ
れる。この他、本発明の微小架橋セルロース粒子は、加
熱プレスにより、容易に成形することも可能である。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定される
ものではない。
【0036】〔実施例1〕パルプNBKP(針葉樹)シ
ート100gを10リットルの水と共にミキサーで1分
間離解した後、脱水機にて脱水し含水率100%の離解
パルプとした。別のバットに酒石酸40gを水960g
に溶解せしめた架橋剤水溶液を入れ、これに、上記の含
水率100%の離解パルプ全体を含浸させた。30分間
放置後、脱水機にて脱液し、架橋剤を含むパルプ重量を
400gとした。この架橋剤を含むパルプを熱風乾燥機
にて、150℃、30分間加熱し、乾燥及び架橋を同時
に行い、架橋パルプ(A)105gを得た。この架橋パ
ルプ(A)をコーヒーミル(登)〔MK−51M、松下
電器産業(株)製〕にて、1分間、2分間及び3分間に
わたり微粒化し、それぞれ粒子形状が棒状ないし繊維状
の微小架橋セルロース粒子(a)を得た。得られた微小
架橋セルロース粒子(a)の80メッシュパスの収率
(%)及び平均粒径を測定し、その結果を下記〔表1〕
に示す。尚、平均粒径の測定は、後述の<物性評価方法
>に従って行った。
【0037】〔実施例2〕フラスコに、クエン酸13g
及び次亜リン酸ナトリウム・1水和物1.3gを水8
5.7gに溶解せしめた架橋剤水溶液を入れ、これを、
パルプNBKPシート100g上に添加し、上記架橋剤
水溶液を100%含浸したパルプウェットシートとし
た。30分間放置後、解繊し、バット上に投入した後、
熱風乾燥機にて、200℃、1分間加熱し、乾燥及び架
橋を同時に行い、架橋パルプ(B)107gを得た。こ
の架橋パルプ(B)をコーヒーミル(登)にて3分間微
粒化し、粒子形状が棒状ないし繊維状の微小架橋セルロ
ース粒子(b)を得た。得られた微小架橋セルロース粒
子(b)の80メッシュパスの収率(%)及び平均粒径
を測定し、その結果を下記〔表1〕に示す。尚、平均粒
径の測定は、後述の<物性評価方法>に従って行った。
【0038】〔比較例1〕実施例1と同様の操作にてパ
ルプNBKPを離解、脱水した後、含水率100%の離
解パルプを、架橋剤を含まない水100gに含浸させ
た。30分間放置後、脱水し含水されたパルプ重量を4
00gとした後、熱風乾燥機にて乾燥して、非架橋パル
プ(C)101gを得た。この非架橋パルプ(C)をコ
ーヒーミル(登)にて1分間、2分間及び3分間微粒化
し、それぞれ粒子形状が棒状ないし繊維状の微小非架橋
セルロース粒子(c)を得た。得られた微小非架橋セル
ロース粒子(c)の80メッシュパスの収率(%)及び
平均粒径を測定し、その結果を下記〔表1〕に示す。
尚、平均粒径の測定は、後述の<物性評価方法>に従っ
て行った。
【0039】
【表1】
【0040】〔実施例3〕実施例2で得られた微小架橋
セルロース粒子(b)を、水を溶媒として0.2%スラ
リーとし、エバラマイルダー(登)〔荏原製作所(株)
製〕にて10回パスし、より微小化された粒子形状が塊
状ないし棒状の微小架橋セルロース粒子(d)の懸濁液
を得た。後述の<物性評価方法>に従って、得られた懸
濁液における微小架橋セルロース粒子(d)の平均粒径
を測定し、またその微細粒子構造を確認した。その結果
を下記〔表2〕に示す。なお、図1は、上記微小架橋セ
ルロース粒子(d)の微細粒子構造を示すマイクロスコ
ープ写真である。
【0041】〔比較例2〕比較例1で得られた微小非架
橋セルロース粒子(c)を、水を溶媒として0.2%ス
ラリーとし、実施例3と同様の操作により、より微小化
された粒子形状が繊維状ないし棒状の微小非架橋セルロ
ース粒子(e)の懸濁液を得た。後述の<物性評価方法
>に従って、得られた懸濁液における微小非架橋セルロ
ース粒子(e)の平均粒径を測定し、またその微細粒子
構造を確認した。その結果を下記〔表2〕に示す。な
お、図2は、上記微小非架橋セルロース粒子(e)の微
細粒子構造を示すマイクロスコープ写真である。
【0042】
【表2】
【0043】<物性評価方法> ・平均粒径 水を分散媒とし、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装
置LA−910(登)〔(株)堀場製作所製〕を用い
て、平均粒径(積算体積50%、単位μm)を求めた。 ・微細粒子構造 微小架橋セルロース粒子の微粒子50ヶを無作為に抽出
し、マイクロスコープ〔CUM−8000、(株)ウイ
ルソン製〕写真(500〜2000倍)にて、微細粒子
構造を確認した。
【0044】
【発明の効果】本発明の微小架橋セルロース粒子は、そ
の一部分が架橋された構造を有することから、高濃度の
スラリーが得られる他、乾式法及び湿式法の何れの方法
でも得られることから、粉末の状態やペーストの状態で
も取り出すことが可能である。また、本発明の微小架橋
セルロース粒子は、その架橋度をコントロールすること
により、流動特性やチキソトロピー性、増粘特性、分散
特性等のコントロールが可能となる他、含水した状態に
おいても膨潤が抑制され、寸法安定性に優れたものとな
る。本発明の微小架橋セルロース粒子の製造方法によれ
ば、通常の微粒化装置を用いた場合においても、平均粒
子径が小さい微小架橋セルロース粒子を容易に且つ安価
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の1実施例の微小架橋セルロー
ス粒子(d)の微細粒子構造を示すマイクロスコープ写
真である。
【図2】図2は、比較例の微小非架橋セルロース粒子
(e)の微細粒子構造を示すマイクロスコープ写真であ
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース繊維から形成され、該セルロ
    ース繊維が架橋剤により架橋されており、且つ微粒化さ
    れていることを特徴とする微小架橋セルロース粒子。
  2. 【請求項2】 平均粒径が300μm以下である請求項
    1記載の微小架橋セルロース粒子。
  3. 【請求項3】 上記セルロース繊維が、パルプからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の微小架橋セルロース粒
    子。
  4. 【請求項4】 セルロース繊維を架橋剤により架橋させ
    た後、微粒化させることを特徴とする微小架橋セルロー
    ス粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記架橋剤が、ポリカルボン酸である請
    求項4記載の微小架橋セルロース粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 微粒化手段が、乾式法である請求項4記
    載の微小架橋セルロース粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】 微粒化手段が、湿式法である請求項4記
    載の微小架橋セルロース粒子の製造方法。
JP8125098A 1996-05-20 1996-05-20 微小架橋セルロース粒子及びその製造方法 Pending JPH09302001A (ja)

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