JPS6229030Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は動物玩具に関し、とくにゼンマイを駆
動源として手に持つた楽器を吹奏する動作を行い
ながら歩行するユーモラスな動物玩具に関する。

本考案に係る動物玩具は動物形状に構成された
中空のボデイ内にゼンマイ機構を内蔵したゼンマ
イユニツトを固定し、ボデイに対して可動自在に
設けた左右脚から立上がつている各支持板の長孔
をゼンマイユニツトの側部に突出しているピンに
遊嵌し、ゼンマイユニツトの側部に突出している
歩行駆動用のクランク軸を左右脚の各支持板に設
けた小孔に嵌合し、前記ボデイの前側に設けた吹
奏楽器形状の揺動部材の吹口部分を動物玩具の口
部分に形成された透孔に嵌合し、中間部を一方の
腕の手先部に係合して左右方向に揺動自在に設
け、該腕の基端には支軸とピンを立設したレバー
を形成し、腕部は腕部の基端に設けた回転軸がボ
デイの軸受板に回転可能に支持されていると共に
前記ゼンマイユニツトの側壁には前記クランク軸
の回転に連動して揺動するように揺動板を枢支
し、該揺動板に設けた折曲部に形成された孔に前
記レバーに突設したピンを遊嵌したことを特徴と
する。

以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

本考案に係る動物玩具１は、頭部２ａを有する
中空のボデイ２と、水平方向に揺動できる左右の
腕３，４と、ボデイ２の底部から下方にあらわれ
ている左右の脚５，６とを備え、左腕４の先端に
はサキソホンとして例示する吹奏楽器形状の揺動
部材７が取付けられており、ボデイ２の側部から
は、ボデイ内に収容したゼンマイユニツトの巻込
軸が突出している。８ａはその摘みである。

動物玩具１は、本実施例の場合、ライオンの形
状をなしており、前後に二分割された枠体を合体
させて中空のボデイとしている。このボデイ２内
には、第３図、第５図に示すようにゼンマイユニ
ツト９が固定されている。このゼンマイユニツト
９は、そのケース内に前記巻込軸８によつて巻込
まれるゼンマイと、ゼンマイ軸に固定された歯車
と、この歯車と噛合つている複数の歯車列とを収
容しており、その中の一つの歯車の回転軸を出力
軸としてケースの外部に突出させ、適当な減速比
を有する回転力を得ることができるように構成さ
れている。

ゼンマイユニツト９の上端部には軸１０がゼン
マイケースの端縁を貫通して設けられており、こ
の軸１０の両端に、脚５，６から一体に立上がつ
ている支持片１１の上端に形成して長孔１１ａが
嵌合されている。支持片１１は、ゼンマイユニツ
ト９の左右両側に配設されており、その途中に形
成された孔１１ｂにはゼンマイユニツト９の歯車
軸から取出された出力軸であるクランク軸１２が
回転自在に嵌合されている。クランク軸１２は、
180゜位相を異にしていて、左右の脚５，６に対
して、前記長孔１１ａに嵌合した軸１０を支軸と
した回転運動を与えることができる。

１３はゼンマイユニツト９の一方の側（図示例
において左側）に配設した揺動板である。この揺
動板１３の中間部には、ゼンマイの巻込軸８が貫
通しており、揺動板１３はゼンマイの巻込軸を支
点として所定の角度揺動自在に枢支されている。
そして、揺動板１３は第５図に示すように一方の
脚６の支持片１１とゼンマイユニツト９の間に配
置されている。

揺動板１３の上端部近傍には、ボデイ２の前後
方向に長い長孔１３ａが形成されており、前記軸
１０が長孔１３ａ中に嵌合されている。そして、
揺動板１３の上端はゼンマイユニツト９側に向か
つた折曲部１３ｂとなつており、これにはゼンマ
イユニツト９の端面を横断する方向に長孔１３ｃ
が形成されている。そして、揺動板１３の中間部
はゼンマイ巻込軸８に軸承されており、揺動板１
３は長孔１３ａと軸１０によつてガイドされて上
部がボデイ２の前後方向に所定の角度範囲内で揺
動できるようになつている。

また、脚５，６の支持片１１の中間部には比較
的大径の開口部１１ｃが開設されており、この開
口部１１ｃには巻込み軸８が遊嵌している。この
開口部１１ｃは支持片１１が揺動作動するとき、
巻込み軸８によつて揺動作動が妨げられないよう
に設けたものである。そして、前記クランク軸１
２の先端は揺動板１３の下部に形成した長孔１３
ｄ内に遊嵌している。

一方、左側の腕４の基部からは連結杆１４が突
出している。連結杆１４はボデイ２の側壁を貫通
して内部に進入しており、その端部には回転軸１
５が垂直方向に取付けてある。この回転軸１５の
上部には水平方向にレバー１６が突設されてお
り、その先端下面からピン１７が突出している。
ピン１７は、前記揺動板１３の上端部に形成され
た折曲部１３ｂの長孔１３ｃ中に嵌合されてい
る。

左側の腕４の先端部には吹奏楽器形状の揺動部
材７の把手部分が係止されており、この吹口はボ
デイ２と一体の頭部２ａの口に相当する部分に形
成された透孔１８中に遊嵌されている。また、腕
４を支持している回転軸１５の上下端は、ボデイ
２の内側に突設された上下一対の軸受板２ａ間に
回転自在に軸承されている。

他方、右側の腕３の基端には支軸１９が突設し
てあり、これはボデイ２側壁を貫通して内部にの
び、その先端には回転軸２０が固定されている。
回転軸２０は支軸１９に対して直交して設けてあ
るが、第３図に示すようにこの回転軸２０はボデ
イ２の内側に突設された上下一対の突片２ｂ，２
ｂ間に所定角度内方に傾斜した状態で回転自在に
軸承されている。したがつて、右腕３は、それ自
身の自重により腕の先端が常に吹奏楽器７側へ接
近する方向へ回動力を与えられている。

次に、以上のように構成された本実施例の動作
について説明する。

まず、巻込軸８のつまみ８ａをつまんでゼンマ
イユニツト９内のゼンマイを充分に巻込んだ後、
床面上に動物玩具を置けば、ゼンマイの解旋に応
じてクランク軸１２が回転を始め、左右の脚５，
６の支持板１１は、支軸１０を中心として回転運
動を与えられ、その結果、左右の脚は交互に着地
しつつ歩行する。

同時に、クランク軸１２の回転に伴い揺動板１
３が巻込み軸８を支点として前後に揺動を開始
し、この結果、揺動板１３の長孔１３ｃに嵌合し
ているピン１７を介してレバー１６が揺動され、
これと一体に形成した回転軸１５が回転し、連結
杆１４を介して腕４が左右方向に揺動される。腕
４の左右方向の揺動に伴つて吹奏楽器７は口の部
分にあけられた透孔１８中に嵌合された吹口部分
を支点として、左右に揺動される。そして、吹奏
楽器７が右腕３側に回動されたとき、腕３は吹奏
楽器７に押されて右に回動されるが、吹奏楽器７
が左方向に回動されたときには、自重により吹奏
楽器７に追従して戻る。このように動物玩具１は
吹奏楽器７を左右に揺らしながらユーモラスな動
作をしながら歩行する。

なお、この実施例では、右腕３の回転軸２０を
傾斜させて設け、右に振られた腕が自重により戻
るように構成したことにより、戻りのためのバネ
等の手段が不要となるので、動物玩具１を小型化
し、小物のゼンマイを使用するような場合にとく
に有利である。

以上説明したように、本考案によると動物玩具
が吹奏楽器を左右に揺り動かしながら歩行する動
作が、あたかもブラスバンドとして歩行している
感を呈し、ユーモラスで子供を楽しませるととも
に、そのための構成として脚の歩行動作に伴つて
前後に揺動する揺動板を設け、この揺動板によつ
て吹奏楽器を揺動させる腕を回動させるようにし
ていてその構成が簡潔であり、限られたスペース
内に組込むうえで便利であつて、小型の動物玩具
に今までにない動作を与えることができ、コンパ
クトで子供の興味をひく動物玩具を得ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
斜視図、第２図は側面図、第３図は内部構造を示
す背面図、第４図は右脚の取付状態を示す側面
図、第５図は駆動機構の分解斜視図である。 １……動物玩具、２……ボデイ、３，４……
腕、５，６……脚、７……吹奏楽器形状の揺動部
材、８……巻込軸、９……ゼンマイユニツト、１
１……支持板、１２……クランク軸、１３……揺
動板、１４……支軸、１５，２０……回転軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 動物形状に構成された中空のボデイ内にゼンマ
   イ機構を内蔵したゼンマイユニツトを固定し、ボ
   デイに対して回動自在に設けた左右脚から立上が
   つている各支持板の長孔をゼンマイユニツトの側
   部に突出しているピンに遊嵌し、ゼンマイユニツ
   トの側部に突出している歩行駆動用のクランク軸
   を左右脚の各支持板に設けた小孔に嵌合し、 前記ボデイの前側に設けた吹奏楽器形状の揺動
   部材の吹口部分を動物玩具の口部分に形成された
   透孔に嵌合し、中間部を一方の腕の手先部に係合
   して左右方向に揺動自在に設け、該腕の基端には
   支軸とピンを立設したレバーを形成し、腕部は腕
   部の基端に設けた回転軸がボデイの軸受板に回転
   可能に支持されていると共に前記ゼンマイユニツ
   トの側壁には前記クランク軸の回転に連動して揺
   動するように揺動板を枢支し、該揺動板に設けた
   折曲部に形成された孔に前記レバーに突設したピ
   ンを遊嵌したことを特徴とする動物玩具。