JPH0448234Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はゼンマイを駆動源とする駆動ユニツト
の駆動力を利用して歩行させるゼンマイ人形玩具
に関する。

（考案の目的） 本考案は簡単な構造によつて、歩行に変化をも
たせるとともに、意外な遊びを楽しむことができ
るゼンマイ人形玩具を提案することを目的とす
る。

（目的を達成するための手段） 上記目的を達成するための手段として、本考案
に係るゼンマイ人形玩具は、下記要件を備えるこ
とを特徴とする。

(イ) 玩具本体の胴部内にはゼンマイを駆動源とす
る駆動ユニツトが配設され、且つ該駆動ユニツ
トの外側部には該駆動ユニツトの駆動力によつ
て回転する回転体が設けられていること。

(ロ) 上記回転体と連係し、その回転によつて前後
に往復運動する脚部を上記胴部の下部に軸支し
たこと。

(ハ) 上記玩具本体の背部にはバランサーが上下方
向に位置変更可能に設けられていること。

（考案の作用、効果） 前記構成によれば、駆動ユニツトの駆動力によ
つて回転体が回転すると、脚部が前後に揺動背し
ようとするが、脚部と床面との間には接触摩擦が
働いているので、相対的に胴部が前後に揺れる。
このため、全体のバランスが不安定になる。バラ
ンサーが下方にあるときは重心も下方にあるので
比較的安定するが、背部のバランサーを上方に移
動させると、だんだんバランスが悪くなり、つい
には倒れてしまう。したがつて、バランサーの位
置によつていつ倒れるかを競いあつたり、倒れた
ときに物を出したり、物を飛ばしたりして倒れる
ことを利用して遊ぶことができるので、単なる歩
行とは異なる遊びの領域を拡大することができ
る。

（実施例） 以下、図面によつて本考案の実施態様の一例に
ついて説明する。

図において、符号Ａは本考案に係るゼンマイ人
形玩具を示す。このゼンマイ人形玩具Ａはウサギ
を模して玩具本体１が形成されるとともに、該玩
具本体１は内部に駆動ユニツトａが収納された胴
部２と、該胴部２の上部に着脱自在に取付られた
頭部３と、上記駆動ユニツトａのケーシング４に
支軸５を介して前後に往復運動可能に取付られた
脚部６，６とによつて形成されている。そして、
上記胴部２の背部にはビス７，７を介してバラン
サー８が上下方向に位置変更可能に取付られてい
る。また、上記バランサー８はランドセルを模し
て形成されるとともに、その外面部には蓋部材８
ａが支軸９，９を介して開閉可能に取付られてい
る。そして、その内部には、表面に所定の数字が
刻設された表示部１０を有する占い棒部材１１が
取出し可能に収納されている。１２，１２は上記
バランサー８の裏面部の両側寄りに形成された係
合凹凸部を示し、該係合凹凸部１２，１２は上記
胴部２の肩から背にかけて掛止された背負部材１
３の下部表面に形成された係合凹凸部１３ａ，１
３ａと係脱自在に係合されている。これによつ
て、胴部２に対しバランサー８を上方又は下方に
位置変更したときにその状態を確実に維持するこ
とができる。

上記胴部２の内部に収納されている駆動ユニツ
トａはケーシング４の一側より一端が突出された
支軸２０の中央に固定されたピニオン２１を並設
した平歯車２２と、該支軸２０に巻装されている
ゼンマイ２３とによつて主要部が形成されてい
る。そして、上記ピニオン２１には支軸２４に固
定されたピニオン２５を並設した平歯車２６が噛
合されるとともに、上記平歯車２２には該ピニオ
ン２５が噛合されている。上記支軸２４の両端は
ケーシング４の両側に形成された長孔（図示せ
ず）に支持され、上記ゼンマイ２３を巻き上げる
ときには上記長孔の範囲内で移動し、上記平歯車
２６と、一端が上記ケーシング４の一側より突出
した支軸２７の中央部に固定されたピニオン２８
との噛合を解除するように形成されている。３０
は回転体を示し、該回転体３０は上記支軸２７の
ケーシング４の一側より突出した部分に取付られ
ている。そして、その外側面の周縁近傍には支軸
３１が立設されている。

上記脚部６，６はその下部で一体に連結される
とともに、一方の脚部６の上部には可動部材１５
が立設されている。そして、該可動部材１５の先
端部は上記回転体３０の支軸３１に当接されてい
る。これによつて、回転体３０の回転に伴なつて
脚部６，６は支軸５を支点に前後に往復運動を行
う。１６は弾性部材を示し、該弾性部材１６の一
端は上記可動部材１５の下端表面に固定されると
ともに、他端は胴部２の内側上部に設けた支軸１
７に固定されている。これによつて、可動部材１
５の先端は常に回転体３０の支軸３１に当接され
た状態が維持される。

ゼンマイ人形玩具Ａは上述のように構成されて
いるので、その使用にあたつては、まず、ゼンマ
イ２３を巻き上げた状態において玩具本体１を離
せば、上記ゼンマイ２３の巻き戻り力によつて駆
動ユニツトａの各歯車が回転するとともに、該駆
動ユニツトａのケーシング４の一側に位置し、支
軸２７に固定された回転体３０も同様に回転す
る。そして、該回転体３０の支軸３１に当接され
ている可動部材１５を立設した脚部６，６は該可
動部材１５の可動に伴なつて支軸５を支点に前後
に揺動しようとするが、脚部６，６と床面との間
には接触摩擦が働いているので、相対的に胴部２
が前後に揺れる。このため、全体のバランスが不
安定になる。バランサー８が下方にあるときは重
心も下方にあるので比較的安定するが、バランサ
ー８を上方に移動させると、だんだんバランスが
悪くなり、ついには倒れてしまう。したがつて、
倒れたときにバランサー８の内部から占い棒材１
１が飛びだし、その表示部１０に記された数字と
占い表（図示せず）の数字を対応させて占い文を
読むとか、バランサー８の位置によつていつ倒れ
るかを競いあつたり、倒れたときに物を出した
り、物を飛ばしたりして倒れることを利用して遊
ぶことができる。

また、玩具本体１の胴部２の背部に設けた位置
変更可能なランドセルを模して形成されたバラン
サー８の位置を変えて、該玩具本体１の重心を移
動変化させることにより、この重心移動に伴なつ
てその歩行を転びやすくすることができる。そし
て、歩行中に転んだときに胴部２に設けたバラン
サー８の内部より占い棒部材１１が飛び出しその
表示部１０に記された数字と占い表（図示せず）
の数字を対応させて占い文を読んで遊びを楽しむ
こともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るゼンマイ人形玩具の実施
態様の一例を示し、同図ａはその斜視図、同図ｂ
は転んだ状態図、同図ｃは同図ａの側面図、第２
図ａ，ｂは駆動ユニツトと脚部との関係を示す斜
視図及び側面図、同図ｃは駆動ユニツトの内部構
造図である。 符号Ａ……ゼンマイ人形玩具、ａ……駆動ユニ
ツト、１……玩具本体、２……胴部、６……脚
部、８……バランサー、３０……回転体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下記要件を備えることを特徴とするゼンマイ人
   形玩具。 (イ) 玩具本体の胴部内にはゼンマイを駆動源とす
   る駆動ユニツトが配設され、且つ該駆動ユニツ
   トの外側部には該駆動ユニツトの駆動力によつ
   て回転する回転体が設けられていること。 (ロ) 上記回転体と連係し、その回転によつて前後
   に往復運動する脚部を上記胴部の下部に軸支し
   たこと。 (ハ) 上記玩具本体の背部にはバランサーが上下方
   向に位置変更可能に設けられていること。