JPH09253341A - 人形玩具 - Google Patents

人形玩具

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JPH09253341A
JPH09253341A JP9300696A JP9300696A JPH09253341A JP H09253341 A JPH09253341 A JP H09253341A JP 9300696 A JP9300696 A JP 9300696A JP 9300696 A JP9300696 A JP 9300696A JP H09253341 A JPH09253341 A JP H09253341A
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rotation generating
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Yutaka Ajiro
豊 網代
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朝美 浅見
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Sente Creations Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動源を内蔵することなく、且つ外観を損な
う突出部材を取り付けることなく、足を上げたり、手を
上げたり、上半身を回したり、腰を回したりして動作す
る人形玩具を提供する。 【解決手段】 人形玩具は、互いに連動する少なくとも
2つの可動部分(15,17)から成る身体を有し、第
1の可動部分(15)に直線運動をさせる力を加えたと
き、その直線運動を回転運動に変換する変換機構(3
1)を内蔵し、この変換機構(31)により第2の可動
部分(17)に回転運動をさせるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、身体の一部が回転
または回動する人形玩具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ファッションドール(着せ替え人
形)の衣服を脱がせたり着せたりする際、遊戯者がファ
ッションドールの手や足を上げたり下げたりして、衣服
を着せたり脱がせたりすることはできた。しかしなが
ら、遊戯者が手で動かしていないのに、手が上がった
り、足が上がったり、上半身または下半身が回転したり
して動作するファッションドールは知られていない。
【0003】また、体内にモータやゼンマイ等の駆動源
を内蔵し、スイッチ操作で手が上がったり、足が上がっ
たり、上半身または下半身が回転したりして動作する可
動人形は知られている。しかしながら、体内にモータを
内蔵する可動人形は、モータを動かすための電池及びモ
ータの回転を減速するための歯車列などを必要とするの
で高価格になり、かつ、大きく重たい人形である。従っ
て、モータ内蔵の小さな人形は知られていない。一方、
ゼンマイを内蔵する可動人形は、ゼンマイを巻き締める
ための螺子部材を体外に突出して設けなければならない
ので、外観が損なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、駆動
源を内蔵することなく、且つ外観を損なう突出部材を取
り付けることなく、足を上げたり、手を上げたり、上半
身を回したり、腰を回したりして動作する人形玩具を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の人形玩具は、互
いに連動する少なくとも2つの可動部分から成る身体を
有する人形玩具であって、第1の可動部分に直線運動を
させる力を加えたとき、その直線運動を回転運動に変換
する変換機構を内蔵し、該変換機構によって第2の可動
部分に回転運動をさせるように構成したことを特徴とし
ている。
【0006】遊戯者が第1の可動部分に力を加えると、
第1の可動部分は押し下げられたり、押し込まれたりし
て直線運動する。この直線運動は、人形の変化としては
目立たない小さな動きである。この直線運動は、人形の
内部に収納された変換機構により回転運動に変換され
る。この回転運動は第2の可動部分の回転運動を誘発す
る。人形の身体の一部の回転運動は、例えば、足を上げ
る、手を上げる、腰を振る、腰を曲げる、胴を回転させ
る等人形の大きな変化となる。この変化を利用して人形
の自然な動作を実現することができる。
【0007】
【発明の実施の態様】前記第1の可動部分として、上半
身、頭部、足の付根に設けた操作部材、胴体に設けた操
作部材などを挙げることができる。これらの可動部分を
押し下げたり押し込んだりして直線運動を発生させる。
【0008】前記第2の可動部分として、前記第1の可
動部分以外の上半身、腰、足、胴、腕及び頭部から選ば
れた1以上の部分を挙げることができ、これらの部分が
回転または回動する。
【0009】前記変換機構としては、(1) 前記第1の可
動部分と一体に直線運動する回転発生部材と、該回転発
生部材の直線運動により回転する回転部材とからなり、
該回転部材が前記第2の可動部分と一体に動作する構成
を有するもの、(2) 前記第1の可動部分の直線運動に伴
なって直線運動しながら回転する回転発生部材を具備
し、該回転発生部材が前記第2の可動部分と一体に動作
する構成を有するもの、(3) 前記第1の可動部分の直線
運動に伴なって直線運動しながら回転する回転発生部材
と、該回転発生部材の回転を前記第2の可動部分に伝達
する回転伝達機構とを具備するもの、(4) 前記第1の可
動部分の直線運動に伴なって直線運動しながら回転する
回転発生部材と、該回転発生部材の回転を前記第2の可
動部分に伝達する回転伝達機構とを具備し、前記回転発
生部材が身体の第3の可動部分と一体に動作する構成を
有するこもの、(5) 前記第1の可動部分の直線運動に伴
なって回転する回転発生部材を具備し、該回転発生部材
が前記第2の可動部分と一体に動作する構成を有するも
の、(6) 前記第1の可動部分の直線運動に伴なって回転
する回転発生部材と、該回転発生部材の回転を前記第2
の可動部分に伝達する回転伝達機構とを具備するもの、
(7) 前記第1の可動部分の直線運動に伴なって回転する
回転発生部材と、該回転発生部材の回転を前記第2の可
動部分に伝達する回転伝達機構とを具備し、前記回転発
生部材が身体の第3の可動部分と一体に動作する構成を
有するものなどを挙げることができる。上記構成におい
て、前記第2の可動部分は複数個あってもよい。
【0010】
【実施例】
実施例1 先ず、本発明の人形玩具の第1の実施例で、上半身を持
ち、足を床に着け、上半身を押し下げると、腰を左右に
回転させる人形玩具10について説明する。
【0011】図1は人形玩具の外観を示す斜視図であ
り、図2は図1の人形玩具の組立て図である。
【0012】図1に示すように、人形玩具10は、頭部
11及び両腕13を取り付けた上半身15と、両足16
を取り付けた下半身17とからなり、ファッションドー
ルの外観を呈する。
【0013】図2に示すように、下半身17の上部は円
筒18として形成され、円筒18は上端に縁19を有
し、その外周は一回り大きくなっている。円筒18の内
側の空間20の中心には軸21が立設され、円筒18の
上端より更に上方に突出している。足16は下半身17
の下部に前後に回動可能に取り付けられ、手で動かせば
足を上げ下げできるようになっている。
【0014】上半身15は、前ハウジング15Fと後ハ
ウジング15Bとで形成され、前後ハウジング15F、
15Bとで形成された上半身15の内部は空洞で、その
下端面は下半身17の円筒18の縁19を覆う円形であ
る。
【0015】前後各ハウジング15F、15Bの内側に
縦に平行な左右2枚の側壁14L、14Rと、左右側壁
14L、14Rの上端を連結する上壁14Uと、下端を
連結する底壁14Bとが設けられている。左右側壁14
L、14Rには夫々湾曲した切込み21L、21Rが設
けられ、底壁14Bにも湾曲した切込み21Bが設けら
れ軸受けを形成している。
【0016】腕13はその付根から延びた軸23を有
し、軸23には2個の円板25、27が取り付けられて
いる。前記ハウジング15F(15B)の側壁14L、
14Rの湾曲切込み21L、21Rに軸23は夫々配置
され、2個の円板25、27で各側壁14L(14R)
を挟むことにより、各腕13は回転自在に上半身15に
取り付けられる。従って、腕13は回転自在で、洋服を
着せたり脱がしたりする際に自由に上げたり下げたりす
ることができる。頭部11は上半身15の上端の首の位
置に取り付けられる。前記下半身17の軸21の下部に
コイルスプリング29が巻装され、その上方に回転発生
部材31が嵌込まれる。
【0017】回転発生部材31は、図3に示すように、
円柱の中心に軸21が貫通する縦孔33を有する筒部材
で側面に縦孔33に達するV字状貫通孔35が設けられ
ている。筒部材の下端には、コイルスプリング29の当
接する拡大下端部37が設けられ、前記V字状貫通孔3
5の上方には中部拡大部39が設けられ、更にその上方
には上部拡大部41が設けられている。上部拡大部41
は前記ハウジング15F(15B)の左右側壁14L、
14Rの間に回転不可能に納まる形状をしている。軸2
1に嵌込まれた回転発生部材31のV字状貫通孔35に
ピン43が差し込まれ、ピン43は軸21に差し込まれ
て固定されることにより、軸21と一体となる。
【0018】軸21に嵌込まれた回転発生部材31の上
部拡大部41は、前記ハウジング15F(15B)の底
壁14Bの切込み21Bの上方に、中部拡大部39は切
込み21Bの下方に配置される。前記の通り、上部拡大
部41は左右側壁14L、14Rの間に回転不可能に配
置されているので、回転発生部材31は上半身15と一
体となる。
【0019】このような構成を有する人形玩具10の動
作を説明する。
【0020】図4は、図1に示す人形玩具10の内部機
構を示す一部を断面図とした簡略正面図であって、軸2
1に巻装されたコイルスプリング29に押し上げられて
いる回転発生部材31は下半身17の円筒18の上方に
位置し、ピン43はV字状貫通孔35の下端に位置し、
上半身15及び下半身17は正面を向いている。
【0021】図5の斜視図に示すように、人形玩具10
の上半身15を持ち足先を床に押し付けると、人形玩具
10の上半身15は押し下げられ、下半身17はくるっ
と約90°回転する。
【0022】図6は下半身17が90°回転したときの
内部機構の一部を断面図とした簡略正面図である。回転
発生部材31はコイルスプリング29を押し下げて下半
身17の円筒18内部に入り込み、軸21のピン43は
V字状貫通孔35のいずれかの上端にある。軸21の上
端は回転発生部材31の縦孔33から上方へ突き出てい
る。すなわち、上半身15を押し下げることにより、回
転発生部材31が軸21の下部に移動し、その際、軸2
1に取り付けられているピン43がV字状貫通孔35の
上部へ移動するので、軸21と一体の下半身17が約9
0°左右いずれかに回転する。
【0023】上半身15を押し下げる力を弱めると、コ
イルスプリング29の復元力により回転発生部材31は
上方へ押し上げられる。その際、軸21に取り付けられ
ているピン43がV字状貫通孔35の下部へ移動するの
で、軸21と一体の下半身17は約90°回転して正面
を向く。
【0024】人形玩具10の上半身15を持って足先を
床に押し付けたり緩めたりすると、人形玩具10は腰を
左右に振り、下半身17の円筒18にスカートを付けて
いればスカートは翻り、踊っているように見える。
【0025】実施例2 次に、本発明の人形玩具の第2の実施例で、頭を持って
足を床に着け、頭を押し下げると、上半身がくるっと左
右に回転し腕が振り上がる人形玩具50について説明す
る。
【0026】図7は人形玩具50の外観を示す斜視図で
あり、図8は人形玩具50の組立て図である。図9は内
部機構の簡略正面図の一部を断面図とした。図10は内
部機構の断面図である。
【0027】図7に示すように、人形玩具50は、頭部
51、腕53、上半身55と、両足を有する下半身57
とからなり、武闘人形の外観を呈する。
【0028】図8に示すように、下半身57の上部は円
筒58として形成されている。円筒58の内側の空間6
0の中心には軸61が立設され、円筒58の上端より更
に上方に突出している。
【0029】上半身55は左右に突出した腕の取付部6
3に軸孔65を有し、上半身内部は中空に形成され、首
の位置に円形貫通孔67が形成されている。
【0030】腕53は付根に切込み68及び軸孔70を
有し、切込み68を前記上半身55の腕の取付部63に
嵌込み、軸孔70及び65を貫通する軸棒52を差し込
む。軸棒52は、腕の軸孔70には固定され、上半身の
軸孔65には回転自在である。従って、上半身55に取
り付けられた腕53は回動自在である。
【0031】上半身55の下部は円筒71として形成さ
れている。円筒71の外周は前記下半身57の円筒58
の内周より小さく、図9に示すように円筒71は円筒5
8の中に嵌る。
【0032】図10に示すように、前記下半身57の軸
61の下部にコイルスプリング69が巻装され、その上
方に首部材73が嵌込まれている。首部材73は図8に
示すように円柱の中心に軸61が嵌る縦孔75を有する
筒部材で側面に縦長孔77が設けられている。縦長孔7
7は中心の縦孔75まで貫通している。
【0033】首部材73の外周を覆って回転発生部材7
9が嵌込まれる。回転発生部材79は、円筒状で首部材
73の外周よりやや大きい内周を有する。側面にV字状
貫通孔81を有する。回転発生部材79の下端には、コ
イルスプリング69の当接する拡大下端部80が設けら
れている。首部材73を覆って嵌込まれた回転発生部材
79は首部材73を支点として回転自在である。回転発
生部材79のV字状貫通孔81にピン83が差し込ま
れ、ピン83は首部材73の縦長孔77を通って軸61
に差し込まれて固定され軸61と一体となっている。
【0034】軸61に嵌込まれた首部材73の上端は上
半身55の首の位置の円形貫通孔67から上方へ突出す
る。突出した首部材73の上端を頭部51の首部分が覆
って固定される。従って、首部材73と頭部51は一体
である。
【0035】回転発生部材79は、上半身55のハウジ
ング内部上方に設けられた支持部85に嵌込まれ固定さ
れているので、上半身79と一体である。
【0036】このような構成を有する人形玩具50の動
作を説明する。
【0037】軸61に巻装されたコイルスプリング69
に押し上げられている回転発生部材79及び首部材73
は下半身57の円筒58の上方に位置し、ピン83はV
字状貫通孔81及び縦長孔77の下端に位置し、上半身
55及び下半身57は正面を向いている。
【0038】図11の斜視図に示すように、人形玩具5
0の頭部51を持って下半身57の足先を床の上に押し
付けると、頭部51と上半身55は押し下げられる。そ
の際形玩具50の上半身55だけがくるっと回転する。
【0039】図12は上半身55が90°回転したとき
の内部機構の簡略正面図で一部を断面図としてある。回
転発生部材79はコイルスプリング69を押し下げて下
半身57の円筒58内部に入り込み、軸61のピン83
は首部材73の縦長孔77の上端及びV字状貫通孔81
のいずれかの上端にある。
【0040】すなわち、頭部51を押し下げることによ
り、回転発生部材79及び首部材73が軸61の下部に
移動し、その際、軸61に取り付けられているピン83
が縦長孔77及びV字状貫通孔81の上部へ移動する。
首部材73は頭部51と一体であり、頭部51は人の手
で押えられているので、回転できない。従って、首部材
73の周面を回転発生部材79が摺動して回転し回転発
生部材79と一体の上半身55が約90°左右いずれか
に回転する。上半身55が勢いよく回転すると、腕53
はその回転の遠心力により振り上がる。
【0041】頭部51を押す力を弱めると、コイルスプ
リング69の復元力により首部材73は押し上げられ、
回転発生部材79も逆方向に回転して上方に押し上げら
れる。回転発生部材79と一体の上半身55は回転して
正面を向く。腕53は遠心力により振り上がる。
【0042】人形玩具50の頭部51を持って足を床に
押し付けたり、押し付ける力を弱めたりすると、上半身
55は左に約90°回ったり右に約90°回ったりして
腕53を振り上げ、武闘者が闘っているように見える。
【0043】実施例3 次に、本発明の人形玩具の第3の実施例で、上半身を持
って足を床に押し付けると、片腕がくるくる回転する人
形玩具90について説明する。
【0044】図13は人形玩具90の外観を示す斜視図
であり、図14は人形玩具90の組立て図である。
【0045】図13に示すように、人形玩具90は、頭
部91と、右腕93と、左腕94と、上半身95と、両
足を有する下半身97と、上半身95と下半身97をつ
なぐ胴部99とからなり、武闘人形の外観を呈する。
【0046】図14に示すように、下半身97の上部は
円筒98として形成されている。円筒98の内側は円柱
形の空間100である。
【0047】上半身95は前ハウジング95Fと後ハウ
ジング95Bとからなり、前ハウジングに頭部91が設
けられている。前ハウジング95Fと後ハウジング95
Bの内部は同一形状で、上部には右腕93及び左腕94
の付根に突出して設けた横軸93A及び94Aを嵌込む
各一対の軸受け101L、101Rが形成されている。
右腕93の横軸93Aには歯車107が設けられてい
る。左腕94の横軸94Aには係止用円板109が設け
られている。
【0048】前後ハウジング95F、95Bの中心には
後述する内部機構を嵌込むための縦溝103が設けら
れ、前後ハウジングで形成される上半身95の下部は開
口し円筒105を形成し、円筒105の内部は円柱状空
間となっている。
【0049】下半身97の空間100及び上半身95の
空間には縦の動きを回転に変換する内部機構が収納され
る。
【0050】内部機構は、中心に円柱111を立設した
底面98を有する円筒状胴部99と、円柱111に巻装
されるコイルスプリング115と、コイルスプリング1
15の上方に嵌込まれるドーナツリング状下部ワッシャ
ー117と、円柱111を覆う円筒部119を下方に有
し、該円筒部119は縦長孔120を有し、上方には円
柱状支柱部121を有し、円筒部119と支柱部121
の境界には拡大円板部122を有する支柱部材123
と、支柱部材123の外側に嵌込まれ、ワッシャー11
7の上に配置される筒部材であって、上端に4個の係合
用突起125を有し、側面に傾斜長孔127を穿った回
転発生部材129と、回転発生部材129と同一直径を
有する筒部材であって、下端に突起125と1回転方向
でのみ係合する突起131を連続して有し、上端に2個
の垂直突起133を設けた回転伝達部材135と、中心
に支柱部材123の支柱部121が貫通する孔137を
有する円板であって、前記回転伝達部材135の垂直突
起133が貫通する2個の孔139を有し、外周縁に上
向きクラウンギア141を有する右腕回転部材143
と、支柱部材123の支柱部121に嵌込まれる上部ワ
ッシャー145と、回転発生部材129の傾斜長孔12
7と支柱部材123の円筒部119の縦長孔120とを
貫通して円柱111に差し込んで固定されるピン147
とからなる。前記円筒状胴部99にはピン147を差し
込むための孔149が設けられている。
【0051】図15及び図16は組立てられた内部機構
の斜視図であるが、胴部99の側壁は省略してある。図
17及び図18は内部機構の正面図であるが、左腕94
は省略し、上半身95及び下半身97は外形のみを線で
示してあり、胴部99の壁面は断面図としてある。
【0052】内部機構において、円筒状胴部99内の円
柱111には下からコイルスプリング115、ワッシャ
ー117が嵌込まれ、その上に支持部材123の円筒部
119が嵌込まれて円柱111を覆っている。支持部材
123は縦長孔120に差し込まれているピン147の
許容範囲で上下動自在である。
【0053】支持部材123の円筒部119の外側に回
転発生部材129が配置されている。回転発生部材12
9は傾斜長孔127に差し込まれたピン147の許容範
囲で回転自在である。回転発生部材129の上方に回転
伝達部材135が配置され、回転伝達部材135の下端
の突起131が回転発生部材129の上端の突起125
と噛み合っている。
【0054】回転伝達部材135の上方に位置する、支
持部材123の拡大部122の上面に右腕回転部材14
3が配置されている。右腕回転部材143の孔139に
は回転伝達部材135の垂直突起133が嵌込まれてい
る。回転伝達部材135は垂直突起133の高さを許容
範囲として上下移動自在である。右腕回転部材143の
円板の上面に接してワッシャー145が配置されてい
る。
【0055】下半身97の上部の空間100に円筒状胴
部99を嵌込み固定する。支持部材123の拡大部12
2の上面に配置されている右腕回転部材143のクラウ
ンギア141は軸受け101Rに配置された右腕93の
軸93Aの歯車107と噛み合う。
【0056】支持部材123の円柱部121の上部はハ
ウジング95Bの縦溝103に配置され固定される。
【0057】上記構成を有する人形玩具90の動作につ
いて説明する。
【0058】人形玩具90の通常状態の内部機構は、図
15及び図17に示すように、回転発生部材129及び
支持部材123はコイルスプリング115によって押し
上げられているので、ピン147は傾斜長孔127及び
縦長孔120の下端に位置している。
【0059】遊戯者が人形玩具90の上半身95を手に
持って足を床に押付けると、図17及び図18に示すよ
うに、上半身95と一体の支持部材123はコイルスプ
リング115を押し縮めて下方へ移動するので、ピン1
47の位置は縦長孔120の上端に移動する。上半身9
5は下方に移動し下半身97に近付く。回転発生部材1
29は正回転して支持部材123と共に下方へ移動する
ので、ピン147の位置は傾斜長孔127の上端に移動
する。
【0060】回転発生部材129の回転は、上端の突起
125と係合している突起131を有する回転伝達部材
135を経由して、回転伝達部材135の上端の垂直突
起133が貫通している孔139を有する右腕回転部材
143に伝達される。右腕回転部材143の回転は、ク
ラウンギア141と噛み合っている歯車107に伝達さ
れ、右腕は回転する。
【0061】手で押す力を弱めると、コイルスプリング
115の復元力により、支持部材123は上方へ押し上
げられる。ピン147の位置は縦長孔120の下端に戻
る。上半身95は上方に移動し下半身97から離れる。
回転発生部材129は負回転して支持部材123と共に
上方へ移動する。ピン147の位置は傾斜長孔127の
下端に移動する。
【0062】回転発生部材129が負回転を開始する前
にはクラウンギア141は正回転している。回転発生部
材129が負回転を開始しても、回転伝達部材135の
突起131は回転発生部材129の突起125と噛み合
わない。回転伝達部材135は、回転発生部材129の
突起125により上へ押し上げられ、右腕回転部材14
3と共に慣性による正回転を継続する。
【0063】再び上半身95を押し下げると、上半身9
5は下半身97に近付き、回転発生部材129は正回転
する。この正回転は回転伝達部材135を介して右腕回
転部材143に伝達され、クラウンギア141は正回転
を継続し右腕93の回転も継続する。すなわち、回転発
生部材129の正回転だけがクラウンギア141に伝達
される。
【0064】このように、上半身95を押し下げたり緩
めたりして上下動させることにより、右腕93は一方向
へ回転し続ける。この状態は武闘家が手を振り回してい
るように見える。
【0065】実施例4 次に、本発明の人形玩具の第4の実施例で、頭部を持っ
て足を床に押し付けると、上がっていた右腕が上半身の
回転と共に振り下ろされる人形玩具150について説明
する。
【0066】図20は人形玩具150の外観を示す斜視
図であり、図21は人形玩具150の組立て図、図22
及び図23は内部機構の簡略斜視図、図24及び図25
は内部機構の一部を上から見た簡略平面図である。
【0067】図20に示すように、人形玩具150は、
頭部151と、振り上げている右腕153と、左腕15
4と、上半身155と、両足を有する下半身157と、
上半身155と下半身157をつなぐ胴部159とから
なり、武闘人形の外観を呈する。
【0068】図21に示すように、下半身157の上部
は、円筒158として形成されている。円筒158の内
側は、円柱形の空間160である。
【0069】上半身155は、前ハウジング155Fと
後ハウジング155Bとからなる。前ハウジング155
Fと後ハウジング155Bの内部は同一形状で、上部に
は右腕153及び左腕154の付根に突出して設けた横
軸153A及び154Aを嵌込む各一対の軸受け161
L、161Rが形成されている。右腕153の横軸15
3Aには歯車167が設けられている。左腕154の横
軸154Aには係止用円板169が設けられている。
【0070】前後ハウジング155F、155Bの上端
には後述する支持部材183の支柱部181の先端が突
出する縦溝163が設けられ、前後ハウジングで形成さ
れる上半身155の下部は開口し円筒165を形成し、
内部は円柱状空間となっている。
【0071】下半身157の空間160及び上半身15
5の空間には縦の動きを回転に変換する内部機構が収納
される。
【0072】内部機構は、中心に円柱171を立設した
底面159Bを有する円筒状胴部159と、円柱171
に巻装されるコイルスプリング175と、コイルスプリ
ング175の上方に嵌込まれるドーナツリング状下部ワ
ッシャー177と、円柱171を覆う円筒部179を下
方に有し、該円筒部179は縦長孔180を有し、上方
には円柱状支柱部181を有し、円筒部179と支柱部
181の境界には拡大上向きクラウンギア182を有す
る支柱部材183と、支柱部材183の外側に嵌込ま
れ、ワッシャー177の上に配置される筒部材であっ
て、上端側面から2個の突起185が突出し、側面に傾
斜長孔187を穿った回転発生部材189と、回転発生
部材189の傾斜長孔187と支柱部材183の円筒部
179の縦長孔180とを貫通して円柱171に差し込
んで固定されるピン197とからなる。前記円筒状胴部
159にはピン197を差し込むための孔199が設け
られている。
【0073】組立てられた内部機構において、図22に
示すように円筒状胴部159の内部底面159Bに立設
された円柱171には下からコイルスプリング175、
ワッシャー177が嵌込まれ、その上に支持部材183
の円筒部179が嵌込まれて円柱171を覆っている。
支持部材183は縦長孔180に差し込まれているピン
197の許容範囲で上下動自在である。
【0074】支持部材183の円筒部179の外側に回
転発生部材189が配置されている。回転発生部材18
9は傾斜長孔187に差し込まれたピン197の許容範
囲で上下動自在でかつ、回転自在である。支持部材18
3のクラウンギア182の下面は回転発生部材189の
上端面と接している。
【0075】下半身157の上部の空間160に円筒状
胴部159を嵌込み固定する。支持部材183の拡大ク
ラウンギア182は軸受け161Rに配置された右腕1
53の軸153Aの歯車167と噛み合う。回転発生部
材189の2個の突起185は、前ハウジング155F
及び後ハウジング155Bの円筒165にそれぞれ設け
られた凹部195に嵌込まれ固定される。従って、上半
身155は回転発生部材189と一体である。
【0076】支持部材183の円柱部181の上部は上
半身ハウジング155B(155F)の縦溝163に回
転自在に配置されその上端はハウジング155B、15
5Fから上方へ突出し、頭部151の首部が嵌込まれ
る。
【0077】上記構成を有する人形玩具150の動作に
ついて説明する。
【0078】人形玩具150の通常状態の内部機構は、
図22の斜視図に示すように、回転発生部材189及び
支持部材183はコイルスプリング175によって押し
上げられているので、ピン197は傾斜長孔187及び
縦長孔180の下端に位置している。図24はこの状態
の回転発生部材189の突起185の向きと右腕153
の歯車167の位置を示す平面図である。
【0079】遊戯者が右手153を振り上げている人形
玩具150の頭部151を手に持って足を床に押付ける
と、図23の斜視図に示すように、頭部151と一体の
支持部材183はコイルスプリング175を押し縮めて
下方へ移動するので、ピン197の位置は縦長孔180
の上端に移動する。支持部材183のクラウンギア18
2の下面に押されて回転発生部材189も下方へ移動す
るが、ピン197が傾斜長孔187に嵌込まれているの
で回転して支持部材183と共に下方へ移動する。回転
発生部材189と一体の上半身155も約45°回転し
て横方向を向き且つ下方へ移動し、下半身157に近付
く。ピン197の位置は傾斜長孔187の上端に移動す
る。
【0080】頭部151、支持部材183及び下半身1
57は回転しない。回転発生部材189と共に回転する
上半身155に取り付けられている右腕153の付根の
軸153Aの歯車167は回転しないクラウンギア18
2と噛み合っているので回転する。この歯車167の回
転で振り上げられていた右腕153は振り下ろされる。
図25はこの状態の回転発生部材189の突起185の
向きと歯車167の位置を示す平面図である。
【0081】手で押す力を弱めると、コイルスプリング
175の復元力により、支持部材183及び回転発生部
材189は上方へ押し上げられる。ピン197の位置は
縦長孔180の下端に戻る。上半身155は上方に移動
し下半身157から離れる。回転発生部材189は負回
転して支持部材183と共に上方へ移動する。ピン19
7の位置は傾斜長孔187の下端に移動する。回転発生
部材189が負回転すると、これと一体の上半身も回転
して正面に向き直る。回転しないクラウンギア182と
噛み合っている歯車167は回転し、右腕153は持ち
上がる。この動作は、武闘家が力一杯殴りつけて闘って
いるように見える。
【0082】実施例5 次に、本発明の人形玩具の第5の実施例で、頭を持って
足を床に押付けると、上半身が一方向にくるくる回転
し、腕が振り上がる人形玩具200について説明する。
【0083】図26は人形玩具200の外観の斜視図で
あり、図27は人形玩具200の組立て図、図28は内
部機構の簡略正面図、図29はその断面図である。
【0084】図26に示すように、人形玩具200は、
頭部201、腕203、上半身205と、両足を有する
下半身207とからなり、武闘人形の外観を呈する。
【0085】図27に示すように、下半身207の上部
は円筒208として形成されている。円筒208の内側
の空間210の中心には円柱状の軸211が立設され、
円筒208の上端より更に上方に突出している。
【0086】上半身205は左右に突出した腕の取付部
213に軸孔215を有し、上半身205の内部は中空
に形成され、首の位置に円形貫通孔217を有してい
る。
【0087】腕203の付根には切込み218及び軸孔
220が設けられ、切込み218を前記上半身205の
腕の取付部213に嵌込み、軸孔220及び215を貫
通する軸棒202を差し込む。軸棒202は、腕の軸孔
220に固定され、上半身205の軸孔215には回転
自在である。従って、上半身205に取り付けられた腕
203は回動自在である。
【0088】上半身205の下部は円筒221として形
成されている。円筒221の外周は前記下半身207の
円筒208の内周より小さく、図28に示すように円筒
221は円筒208の中に嵌る。
【0089】図29に示すように、前記下半身207の
軸211の下部にコイルスプリング219が巻装され、
その上にドーナツリング状のワッシャー222が嵌込ま
れ、その上方に首部材223が嵌込まれている。首部材
223は円柱の中心に軸211の嵌込まれる縦孔225
を有する筒部材で側面に縦長孔227が設けられてい
る。縦長孔227は中心の縦孔225まで貫通してい
る。
【0090】首部材223の外周を覆って回転発生部材
229が嵌込まれる。回転発生部材229は、円筒状で
首部材223の外周よりやや大きい内周を有する。側面
に傾斜長孔231を有する。首部材223を覆って嵌込
まれた回転発生部材229は首部材223を支点として
回転自在である。回転発生部材229の傾斜長孔231
にピン233が差し込まれ、ピン233は首部材223
の縦長孔227を通って軸211に差し込まれて固定さ
れ軸211と一体となっている。
【0091】軸211に嵌込まれた首部材223の上端
は上半身205の首の位置の円形貫通孔217から上方
へ突出する。突出した首部材223の上端を頭部201
の首部分が覆って固定される。従って、首部材223と
頭部201は一体である。
【0092】回転発生部材229の上部の内周は、拡大
し(図29)、上端から向い合う2個の切欠き235が
設けられている。首部材223にコイルスプリング23
7が巻装され回転発生部材229の拡大内周部に収納さ
れ、その上方に回転伝達部材247が嵌込まれる。回転
伝達部材241は、下端に回転発生部材229の上端の
切欠き235と嵌合する2個の垂直突起243を有し、
上端に複数の突起245を連続して有する筒部材であ
る。回転伝達部材241の上端の突起245は上半身2
05のハウジングの内部上方に設けた下方突起247
(図28)と一回転方向で係合する。
【0093】このような構成を有する人形玩具200の
動作を説明する。
【0094】軸211に巻装されたコイルスプリング2
19に押し上げられている回転発生部材229及び首部
材223は下半身207の円筒208の上方に位置し、
ピン233は傾斜長孔231及び縦長孔227の下端に
位置し、上半身205及び下半身207は正面を向いて
いる。
【0095】遊戯者が人形玩具200の頭部201を手
に持って下半身207の足先を床の上に押し付けると、
人形玩具200の上半身205はくるくる一方向に回転
する。
【0096】図30は上半身205が90°回転したと
きの内部機構の簡略正面図である。回転発生部材229
はコイルスプリング219を押し下げて下半身207の
円筒208内部に入り込み、軸211のピン233は首
部材223の縦長孔227の上端及び傾斜長孔231の
上端にある。
【0097】すなわち、頭部201を押し下げると、回
転発生部材229及び首部材223が軸211の下部に
移動し、その際、軸211に取り付けられているピン2
33が縦長孔227及び傾斜長孔231の上部へ移動す
る。首部材223は頭部201と一体であり、頭部20
1は人の手で押えられているので回転しない。回転発生
部材229は、首部材223を支点として約90°正回
転する。回転発生部材229の切欠き235に回転伝達
部材241の垂直突起243が嵌合しているので、回転
伝達部材241も回転し、上端の突起245が係合して
いる突起247を有する上半身205も回転する。
【0098】図31は、図30に示す状態において、遊
戯者が押す力を緩めた瞬間の人形玩具200の内部機構
の簡略正面図である。回転発生部材229の回転は停止
し、回転伝達部材241も回転を停止する。上半身20
5は慣性により回転し続けようとする。上半身内部の突
起247と回転伝達部材241の突起245の係合は解
除され、突起247の回転により突起145に下方向の
力が加えられ、回転伝達部材241を押し上げているコ
イルスプリング237が縮み回転伝達部材241は下方
に移動するので、上半身205は回転し続ける。
【0099】遊戯者が押す力を緩めると、軸211に嵌
込まれているコイルスプリング219の復元力により、
首部材223及び回転発生部材229は軸211の上方
へ押し戻される。回転発生部材229は負回転し、元の
上方の位置に戻る。回転発生部材229が回転すると回
転伝達部材241も回転するが、上半身の突起247は
回転伝達部材241の負回転とは係合しないので、上半
身205は正回転の慣性により回転し続ける。
【0100】遊戯者が、人形玩具200の頭部201を
押す力を強めたり弱めたりすると、、人形玩具200の
上半身205は一方向へ回転し続け、回転の遠心力によ
り両腕203は回動して持ち上がる。図32及び図33
は、それぞれ上半身205が回転を始めた時及び回転を
継続している時の人形玩具200の外観を示している。
【0101】実施例6 次に、本発明の人形玩具の第6の実施例であって、図1
に示したファッションドールと同様の人形玩具である
が、右手に手鏡を持ち、手鏡を持ち上げると同時に左手
で髪をかきあげ、顔を鏡の方に向ける動作を行う人形玩
具250について説明する。
【0102】図34は、足の下部を省略した人形玩具2
50の斜視図、図35は、後ハウジングを取外して内部
の状態を示す斜視図、図36は内部機構の一部の組立て
図、図37及び38は手の動きと内部機構の動作を示す
背面図である。
【0103】図34に示すように、人形玩具250は豊
かな髪を有する頭部251と、手鏡252を持ちやや湾
曲している右腕253RとV字状に曲げた左腕253L
を取り付けた上半身255と、両足266を取り付けた
下半身257とからなる。図35に示すように、下半身
257の上部は円柱258として形成され、円柱の上端
に係止用縁259を有している。図36に示すように、
円柱258の上面に縦溝260を設けた軸棒261が立
設されている。足266は図1で示した人形玩具10と
同様に下半身257の下部に回転可能に取り付けられ、
手で動かせば足を上げ下げできるようになっている。
【0104】上半身255は前ハウジング255Fと後
ハウジング255B(図示せず)とで形成され、首の部
分254も一体に立上がって形成され、前後ハウジング
255F、255Bとで形成された上半身255の内部
には軸受け及び支持部等が形成され、その下端面は下半
身257の円柱258の縁259を覆う円形である。前
後各ハウジング255F(255B)の腕の取付部付近
に設けられた軸受けに横軸263が配置されている。横
軸263は、両端に腕253R、253Lを取付けた球
体265を具備し、中央に下方突起267を有する円板
である回転発生部材269を具備し、回転発生部材26
9の右にクラウンギア271と一体の円板273、左に
コイルスプリング275の一端を係止するフック277
を設けた円板279を具備し、各円板は横軸263と一
体に回転する。クラウンギア271には歯車281が噛
み合っている。歯車281の軸283は上方へ伸び首の
部分254を貫通してハウジング255F(255B)
の外に突出し、その上端には頭部251が嵌込まれ固定
されている。コイルスプリング275の他端は前ハウジ
ング255F内に形成されたフック284に係止されて
いる。ハウジング255F(255B)の胸の位置に左
右から横板287が突出し、円筒部材285を挟み込ん
で固定している。円筒部材285は前記下半身257の
円柱258の上端の軸棒261をガイドする役割を果た
し、内壁には軸棒261の縦溝260が嵌るガイド用突
条289が縦に走っている。
【0105】前記下半身257の軸棒261の下端には
コイルスプリング291が巻装され、軸棒261の上部
は円筒部材285に摺動自在に嵌り込んでいる。従っ
て、コイルスプリング291によって円筒部材285は
押し上げられ、円筒部材285と一体の上半身255も
押し上げられている。前記回転発生部材269の下方突
起277は円筒部材285の上方に位置する。
【0106】このような内部機構を有する人形玩具25
0の動作について、図37及び図38を用いて説明す
る。
【0107】通常状態において、図34に示すように、
人形玩具250の頭部は正面を向き、右手及び左手は下
がった状態である。図37はこの状態の内部機構を示し
ている。コイルスプリング291の持ち上げる力により
上半身255は持ち上がり、軸棒261の上端は円筒部
材285の内部にある。コイルスプリング275は回転
発生部材269の突起267が下向きになるように付勢
している。
【0108】上半身255を持ち、下半身257の足先
を床に押し付けると、コイルスプリング291を押し縮
めて上半身255は下方へ移動する。図38はこの状態
の内部機構及び腕253R、253Lの位置を示してい
る。上半身255が押し下げられると円筒部材285の
内部に位置していた軸棒261の上端は円筒部材285
から突出し、回転発生部材269の突起267をコイル
スプリング275の力に抗して上方へ押し回す。これに
より横軸263は回転し、両端の球体265と一体の腕
253R、253Lは持ち上がる。クラウンギア271
も回転するので、クラウンギア271と噛み合っている
歯車281も回転し、歯車281の軸283と一体の頭
部251を回転させる。頭部251は回転して顔が手鏡
252の方を向く。
【0109】上半身255を押す力を緩めると、コイル
スプリング291及び275の復元力により、上半身2
55は持ち上がって軸棒261の上端は円筒部材285
内部に戻り、横軸263も逆向きに回転して腕253
R、253Lは下がり、頭部251も元に戻って顔は正
面を向き、回転発生部材269の突起267も下向きに
なる。
【0110】人形玩具250は、上半身を押し下げるだ
けで、右手で手鏡を持ち上げ、左手で髪をかきあげ、顔
が鏡の方を向くという、女性の自然な振る舞いを実現す
ることができる。
【0111】人形玩具250において、球体265に取
付ける腕の位置を変化させ手に持つ小物の種類を選択す
ることにより、フェンシングをする人形、クッキングを
する人形、更にキスする人形等を作成することができ
る。
【0112】実施例7 次に、本発明の人形玩具の第7実施例であって、図1に
示したファッションドールと同様の人形玩具であるが、
右手にタンバリンを持ち、左手でタンバリンを打ち鳴ら
している動作を行なう人形玩具300について説明す
る。
【0113】図39は、足を省略した人形玩具300の
斜視図、図40は、後ハウジングを取外した内部機構の
斜視図であるが一部を組立て図として示し、一部を省略
している。図41は、図40で省略した内部機構の一部
の斜視図である。図42は内部機構の一部の側面から見
た斜視図、図43及び図44は腕及び頭部の動きと内部
機構の動作を示す背面図である。
【0114】図39に示すように、人形玩具300は頭
部301と、タンバリン302を持ちやや湾曲している
右腕303Rとやや湾曲している左腕303Lを取り付
けた上半身305と、両足306を取り付けた下半身3
07とからなる。図40に示すように、下半身307の
上部は円柱308として形成され、円柱の上端に係止用
縁309を有している。円柱308の上面に軸棒311
が立設されている。図41は、図40で省略されている
軸棒311の上方の形状を示している。軸棒311の上
端には横板310が設けられ、横板310の上面右寄り
に左側面にラック312を有する縦長板314が上方へ
伸びている。
【0115】足306は図1で示した人形玩具10と同
様に下半身307の下部に回転可能に取付けられ、手で
動かせば足を上げ下げできるようになっている。
【0116】上半身305は前ハウジング305Fと後
ハウジング305Bとで形成され、首の部分304も一
体に立上がって形成され、前後ハウジング305F、3
05Bとで形成された上半身305の内部には軸受け及
び支持部等が形成され、その下端面は下半身307の円
柱308の縁309を覆う円形である。
【0117】前後各ハウジング305F(305B)の
腕の取付部付近に設けられた軸受けに横軸313が配置
されている。横軸313は、両端に歯車315を具備
し、中央左寄りにも歯車317を具備している。前ハウ
ジングの中央にクラウンギア321が取り付けられてい
る。図42はクラウンギア321の形状を示している。
クラウンギア321の背面には歯車319が一体に形成
され、人形玩具300の回転発生部材を構成している。
クラウンギア321は、歯車317と噛み合っている。
【0118】頭部301は、首の位置に突出した軸棒3
23を有し、その下端に歯車325を有している。軸棒
323はハウジング305の首の部分304を通り、先
端の歯車325はクラウンギア321と噛み合ってい
る。
【0119】腕303L、303Rの付根は円板326
の一部が切り欠かれた形状で、前面の一部にクラウンギ
ア327が形成されている。円板326の中心に軸32
9が嵌込まれ、腕303L、303Rは、軸329を支
点として回転自在である。クラウンギア327は歯車3
15と噛み合っている。
【0120】前記下半身307の軸棒311の下端には
コイルスプリング341が巻装され、コイルスプリング
341の上端はハウジング305Fに形成された横板状
支持部343に係止されている。横板状支持部343の
上方に位置する横板310から上方へ伸びているラック
312は前記クラウンギア321と一体の歯車319と
噛み合っている。前記コイルスプリング341は横板状
支持部343を押し上げるので上半身305も押し上げ
られている。
【0121】このような内部機構を有する人形玩具30
0の動作について図43及び図44を用いて説明する。
【0122】通常状態では、図43に示すように、人形
玩具300の頭部は正面を向き、右手と左手は離れた状
態である。コイルスプリング341の持ち上げる力によ
り上半身305は持ち上がっている。
【0123】上半身305を持ち、下半身307の足先
を床に押し付けると、上半身内部の横板状支持部343
がコイルスプリング341を押し縮めて上半身305は
下方へ移動する。図44はこの状態の内部機構及び腕3
03R、303Lの位置を示している。上半身305が
押し下げられるとラック312と噛み合っている歯車3
19が回転し、歯車319と一体のクラウンギア321
も回転する。クラウンギア321と噛み合っている歯車
317も回転する。歯車317が回転すると横軸313
が回転し、横軸313と一体の歯車315が回転する。
歯車315は腕の付根のクラウンギア327と噛み合っ
ているので、腕303L、303Rは回動して両腕30
3L、303Rは近付き、右手303Rに持っているタ
ンバリン302を左手303Lで打ち鳴らす。頭部30
1の軸323と一体の歯車325もクラウンギア321
の回転に伴なって回転するので頭部301は回転し、顔
は横を向く。
【0124】上半身305を押す力を緩めると、コイル
スプリング341の復元力により、上半身305は持ち
上がり、ラック312と噛み合っている歯車319が逆
向きに回転するので、クラウンギア321も回転し、こ
れと連動して腕303L、303Rは離れ、頭部301
も回転して顔が前を向く。
【0125】人形玩具300において、手に持っている
タンバリンをアコーディオン、太鼓等に変更すること
で、アコーディオンを弾く人形、太鼓を叩く人形などを
作成することができる。
【0126】実施例8 次に、本発明の人形玩具の第8実施例であって、図1に
示したファッションドールと同様の人形玩具であるが、
両手を上げ下げする動作を行なう人形玩具350につい
て説明する。
【0127】図45は、人形玩具350の組立て図であ
るが、後ハウジング及び頭部を省略してある。図46及
び図47は後ハウジングを取外した内部機構の簡略背面
図であって、手の動きと内部機構の動作の関係を示す。
【0128】図45に示すように、下半身357の上部
は円柱358として形成され、円柱の上端に係止用縁3
59を有している。円柱358の上面に背面にラック3
60を設けた軸棒361が立設されている。足356
は、図1で示した人形玩具10と同様に下半身357の
下部に回転可能に取り付けられ、手で動かせば足を上げ
下げできるようになっている。
【0129】上半身355は前ハウジング355Fと後
ハウジング355B(図45では示されていない)とか
らなり、首の部分354も一体に立上がって形成され、
前後ハウジング355F、355Bとで形成された上半
身355の内部には軸受け及び支持部等が形成され、そ
の下端面は下半身357の円柱358の縁359を覆う
円形である。人形の頭部は首の部分354に嵌込まれ
る。
【0130】L字状に湾曲している両腕353は、横軸
363を有する球体365に取付けられている。横軸3
63の先端には歯車367が形成されている。
【0131】ハウジング355Fの内部には左右対象に
横軸363を支持するための各2個の軸受け369、3
71が形成され、内側の軸受け371の内側に歯車36
7が配置される。内側の軸受け371と軸受け371の
間に前記下半身の軸棒361が当接して摺動できるガイ
ド375が形成され、軸棒361の背面のラック360
は2個の歯車367と噛み合う。歯車367が人形玩具
350における回転発生部材を構成している。
【0132】前記下半身357の軸棒361の下端には
コイルスプリング391が巻装され、コイルスプリング
391の上端は2個の軸受け371の間に形成されてい
るガイド375の下端面に係止されている。
【0133】このような内部機構を有する人形玩具35
0の動作について、図46及び図47を用いて説明す
る。通常状態において、図46に示すように、人形玩具
350の右手及び左手は下がった状態である。コイルス
プリング391の持ち上げる力により上半身355は持
ち上がり、軸棒361の上端はガイド375面に当接し
ラック360は歯車367と噛み合っている。
【0134】上半身355を持ち、下半身357の足先
を床に押し付けると、コイルスプリング391を押し縮
めて上半身355は下方へ移動する。図47はこの状態
の内部機構及び腕353の位置を示している。上半身3
55が押し下げられるとラック360と噛み合っている
歯車367は下方へ移動する。歯車367は回転しこの
回転は横軸363と一体の球体365を回転させ、腕3
53は前方へ回動して持ち上がる。
【0135】上半身355を押す力を緩めると、コイル
スプリング391の復元力により、上半身355は持ち
上がり、ラック360と噛み合っている歯車367は逆
回転するので腕353は下がり元の位置に戻る。
【0136】人形玩具350は、上半身355を押し下
げるだけで、両腕353が持ち上がるので、手に赤ちゃ
んを持たせれば赤ちゃんを高い高いしている動作にな
り、バスケットボールを持たせればシュートしている動
作になりまた釣り竿を持たせれば魚を釣り上げている動
作を実現することができる。
【0137】実施例9 次に、本発明の人形玩具の第9実施例であって、図1に
示したファッションドールと同様の人形玩具であるが、
両手を交互に上げ下げする動作を行なう人形玩具400
について説明する。
【0138】図48は人形玩具400の胴体部分の背面
斜視図、図49は人形玩具の組立て図であるが、後ハウ
ジング及び頭部を省略してある。図50及び図51は、
後ハウジングを取外した内部機構の簡略背面図である。
【0139】図48図に示すように人形玩具400は上
半身405を手に持ち、足先を床に押し付けたり、押し
付ける力を弱めたりすると両腕403L、403Rを交
互に上げ下げする。
【0140】図49に示すように、下半身407の上部
は円柱408として形成され、円柱408の上端に係止
用縁409を有している。円柱408の上面に上部背面
にラック410を設けた軸棒411が立設されている。
足406は図1で示した人形玩具10と同様に下半身4
07の下部に回転可能に取り付けられ、手で動かせば足
を上げ下げできるようになっている。
【0141】上半身405は前ハウジング405Fと後
ハウジング405B(図49では示されていない)とか
らなり、首の部分404も一体に立上がって形成され、
前後ハウジング405F、405Bとで形成された上半
身405の内部には軸受け及び支持部等が形成され、そ
の下端面は下半身407の円柱408の縁409を覆う
円形である。人形の頭部は首の部分404に嵌込まれ
る。
【0142】V字状に湾曲している両腕403L、40
3Rは、夫々横軸413L、413Rを有する球体41
5L、415Rに取付けられている。左腕403Lの横
軸413Lの先端には歯車417Lが取付けられ、右腕
403Rの横軸413Rの中程には歯車417Rが形成
されている。
【0143】前ハウジング405F(後ハウジング40
5B)の内部には左右対象に横軸413L、413Rを
支持するための各2個の軸受け419L、419R、4
21L、421Rが形成されている。内側の軸受け42
1Lと421Rの間に前記下半身407の軸棒411の
上部のラック410が摺動自在に配置される。歯車41
7Lは軸受け421Lの内側に配置されてラック410
と噛み合う。歯車417Rは軸受け419Rと421R
の間に配置される。
【0144】前ハウジング405F(後ハウジング40
5B)の内部に前記軸受けの下方に更に一対の軸受け4
23が設けられ、2個の歯車425、427を軸着した
横軸429が回転自在に配置される。歯車425はラッ
ク410と噛み合い、歯車427は右腕403Rの歯車
417Rと噛み合う。人形玩具400において、軸棒4
11のラック410と噛み合う歯車417L及び425
が回転発生部材を構成している。
【0145】前ハウジング405F(後ハウジング40
5B)には前記軸受け423の下方に軸棒411を挟む
2個の突壁443が設けられている。
【0146】前記下半身407の軸棒411の下端には
コイルスプリング441が巻装され、コイルスプリング
441の上端は前記突壁の下面で係止されている。
【0147】このような内部機構を有する人形玩具40
0の動作について図50及び図51を用いて説明する。
【0148】通常状態において、人形玩具400の右腕
403Rは上り、左腕403Lは下がった状態である。
コイルスプリング441が突壁443を持ち上げている
ので、突壁443と一体の上半身405は持ち上がり、
軸棒411のラック410は歯車417L及び425と
噛み合っている。
【0149】上半身405を持ち、下半身407の足先
を床に押し付けると、コイルスプリング441を押し縮
めて上半身405は下方へ移動する。図51はこの状態
の内部機構の動作を示している。上半身405が押し下
げられるとラック410と噛み合っている歯車417L
及び425は下方へ移動する。この移動により歯車41
7Lは回転し、この回転で横軸413Lと一体の左腕4
03Lは持ち上がる。歯車425も回転する。歯車42
5が回転すると横軸429も回転するのでこれと一体の
歯車427も回転する。歯車427と噛み合っている右
腕403Rの歯車417Rは左腕の歯車417Lと反対
方向に回転する。上がっていた右腕403Rは下がる。
【0150】上半身405を押す力を緩めると、コイル
スプリング441の復元力により、上半身405は持ち
上がり、ラック410と噛み合っている歯車417L及
び425は逆回転するので、右腕413Rは上がり、左
腕413Lは下がる。
【0151】人形玩具400は、上半身を押し下げるだ
けで、両腕を交互に上げ下げするので、キーボードを演
奏する動作、シェイカーを振る動作、ドラムを叩く動作
などを実現することができる。
【0152】実施例10 次に、本発明の人形玩具の第10実施例であって、図1
に示したファッションドールと同様の人形玩具である
が、上半身を左右に約60°交互に回転させる動作を行
なう人形玩具450について説明する。
【0153】図52は、人形玩具450の手足の一部を
省略した斜視図である。図53は、人形玩具450の組
立て図であるが、後ハウジング及び両腕を省略してあ
る。図54は内部機構の簡略断面図、図55、図56及
び図57は上半身の後ハウジングを取外した内部機構の
簡略背面斜視図である。
【0154】人形玩具450は頭部451と、両腕45
3を取り付けた上半身455と、両足456を取り付け
た下半身457とからなる。上半身455は前ハウジン
グ455Fと後ハウジング455B(図示せず)からな
る。
【0155】図53及び図54に示すように、腰を形成
している下半身457の上面から円筒458が突出し、
円筒458の内径は単一直径であるが、円筒458の上
部はやや外径の小さな小径円筒459になっている。円
筒458の中程に上半身455のハウジングの下端を係
止するための拡大外径の係止部460が設けられてい
る。小径円筒459の側面に縦長孔461が設けられ、
内部空間まで貫通している。
【0156】円筒458内部の最下部にコイルスプリン
グ463が配置される。円筒458の内部のコイルスプ
リング463の上方に上下動部材464の下部の小径円
柱部465が上下動自在に嵌込まれる。上下動部材46
4の上部は拡大直径を有する大径円柱部467となって
いる。
【0157】小径円筒459の外周を覆って回転発生部
材469が嵌込まれ、円筒458と小径円筒459の段
差で回転発生部材469の下端面が支持される。回転発
生部材469は筒状で上端に上半身455のハウジング
455F(455B)内の枠471に固定されるための
平行側面を有する枠嵌込み部473を有し、側面に逆V
字形孔475が設けられ、ピン477がこの逆V字形孔
475及び前記小径円筒459の縦長孔461を通って
上下動部材464の小径円柱部465に設けた孔466
に埋込まれ固定される。回転発生部材469は逆V字形
孔475に嵌込まれたピンの許容範囲で回転自在であ
る。
【0158】回転発生部材469の逆V字形孔475の
中央下方に回転方向制御部材479が回動可能に軸48
1で軸支される。回転方向制御部材479は軸孔482
の上方に回転発生部材469の逆V字形孔475に突出
する山形部483を有し、軸孔482の左右両側に翼部
485を有し、軸孔482の下方に半円部487を有し
ている。回転発生部材469は逆V字孔475の下方に
回転方向制御部材479の半円部487を支持し、配転
方向制御部材479の回動範囲を限定する台座部489
が設けてある。
【0159】前記上下動部材464の上部の大径円柱部
467はハウジング455F(455B)の首の部分4
54を貫通してハウジング455F(455B)の上方
へ突出する。突出した拡大円柱部467の中程に係止用
拡大部468が形成されている。ハウジング455F
(455B)は首の先端部分は肉薄に形成され、肉薄部
の外周を覆ってリング491が嵌込まれる。図54に示
す様に、大径円柱部467のハウジング455F(45
5B)から上へ突出した部分を円筒493が覆い、円筒
493はリング491の外周面も覆っている。円筒49
3の上端は大径円柱部467の上端と一致し、円筒49
3上部を覆うキャップ495の上方から大径円柱部46
7に螺子497をねじ込むことにより、大径円柱部46
8、円筒493及びキャップ495は一体となってい
る。
【0160】従って、上下動部材464が上下動する
と、円筒493はリング491の外周面及びハウジング
455F(455B)の首の部分454の外周面に沿っ
て上下動する。
【0161】頭部451は首の下面に開口を有し内部が
中空に形成され、前記円筒493を覆っている。腕45
3及び足456は、人形玩具10と同様に上半身455
及び下半身457に夫々取り付けられている。
【0162】このような内部機構を有する人形玩具45
0の動作について図55、図56及び図57を用いて説
明する。
【0163】通常状態において、図55に示すように、
人形玩具450の上半身は正面を向いている。図55は
この状態の回転発生部材469及びハウジング455F
の向き及びピン477の位置を示している。コイルスプ
リング463の持ち上げる力により上下動部材464は
持ち上がり、上下動部材464の大径円柱部467と一
体の頭部451は上の位置にある。上下動部材464の
小径円柱部465に取り付けられたピン477は下半身
457の小径円筒459の縦長孔461の上端に位置
し、かつ、回転発生部材469の逆V字形孔475の頂
点に位置している。
【0164】頭部451を持ち、下半身457の足先を
床に押し付けると、コイルスプリング463を押し縮め
て上下動部材464は下方へ移動する。図56はこの状
態の回転発生部材469及びハウジング455Fの向き
及びピン477の位置を示している。上下動部材464
が下方に移動するので小径円柱部465のピン477は
下方へ移動する。回転発生部材469はピン477に押
されて(正)回転して、ピン477は逆V字形孔475
の一方の下端に移動する。このときピン477は回転方
向制御部材479の一方(右)の翼部485を押し下げ
るので、回転方向制御部材479は回動し傾く。回転発
生部材469はハウジング455Fと一体なので、上半
身455は約60°(右へ)回転する。頭部451は手
で押えているので回転しない。
【0165】頭部451を押す力を緩めると、コイルス
プリング463の復元力により、上下動部材464は持
ち上がる。頭部451は上方の元の位置に戻る。回動部
材469も(負)回転して元の向きに戻る。ハウジング
455Fも回転して上半身455は正面を向く。回動部
材469の逆V字形孔475に嵌っているピン477は
頂点に戻る。回転方向制御部材479は、図57に示す
ように、ピン477で一方の翼部485が押し下げられ
た状態のままであり、傾いている。
【0166】再び、頭部451を押し下げると、ピン4
77は下方に移動する。回転方向制御部材479は傾い
ているので山の傾斜部がピン477に接触し、ピン47
7はこの傾斜部に沿って回転発生部材469の逆V字形
孔475の下方へ移動する。回転発生部材469はピン
477に押されて(負)回転し、ピン477は逆V字形
孔475の反対側の下端(左端)に移動して回転方向制
御部材479の他方(左)の翼部485を押し下げる。
回転発生部材469はハウジング455Fと一体なの
で、上半身455は約60°(左へ)回転する。
【0167】頭部451を持ち、下半身457の足先を
床に押し付ける度に、人形玩具450は上半身455を
左右に約60°交互に回転させる動作を繰返す。
【0168】人形玩具450の上記の動きを利用して、
手にテニスラッケット、ゴルフクラブ等を持たせて、テ
ニスをする人形、ゴルフをする人形を作成でき、また、
左手にグラブをはめ、腕の向きを調節すれば野球をする
人形を作成でき、また、ギターを持たせれば、ギターを
引く人形、トランペットを両手で掴ませるとトランペッ
トを吹く人形などを作成することができる。
【0169】実施例11 次に、本発明の人形玩具の第11実施例であって、図1
に示したファッションドールと同様の人形玩具である
が、胴(ウエスト)がくるくる一方向へ連続回転する人
形玩具500について説明する。
【0170】図58は人形玩具500の手足の一部を省
略した斜視図である。図59及び図60は内部機構の組
立て図であるが、後ハウジング及び両腕を省略してあ
る。図61及び図62は内部機構の断面図である。
【0171】人形玩具500は頭部501と、両腕50
3を取り付けた上半身505と、両足506を取り付け
た下半身507と、上半身505と下半身507の間の
胴部に位置する回転リング519からなる。回転リング
519には、フラフープ502が取り付けられるように
なっている。上半身505は前ハウジング505Fと後
ハウジング505B(図61)とからなる。
【0172】図59、図60及び図61に示すように、
腰を形成している下半身507の上面から円筒508が
突出し、円筒508の内径は単一直径であるが、円筒5
08の上部はやや外径の小さな小径円筒509になって
いる。小径円筒509の上端付近に上半身の前ハウジン
グ505F及び後ハウジング505Bを円筒508で支
えるために各ハウジング内側に設けた支持部502が嵌
り込むリング状凹部510が形成されている。小径円筒
509の側面に向い合う2個の縦長孔511が設けら
れ、内部空間まで貫通している。
【0173】円筒508内部の最下部にコイルスプリン
グ513が配置される。円筒508の内部のコイルスプ
リング513の上方に円柱形状の上下動部材515が上
下動自在に嵌込まれる。上下動部材515の側面に貫通
孔516が穿たれている。
【0174】円筒508の外側に回転リング519が嵌
込まれる。回転リング519の内周面下部に金属性リン
グ517が一体に配置され、その重量によるフライホイ
ール効果で回転リング519の回転を助勢する。
【0175】回転リング519の上面には、中央の円形
孔に沿って突起521が連続して設けられている。この
突起521は垂直面と傾斜面で形成されている。
【0176】小径円筒509の外周を覆って円筒状の回
転発生部材529が嵌込まれ、円筒508と小径円筒5
09の段差で回転発生部材529の下端面が支持されて
いる。回転発生部材529は筒状で、側面に向い合う2
個の傾斜孔525を有し、側面下部に外方に突出した回
転伝達部527を有している。回転伝達部527は外周
壁と上壁及び左右側壁とで形成され下方は開口してい
る。回転伝達部527には円板526が配置される。図
62は円筒508、円筒508内部のコイルスプリング
513、上下動部材515、小径円筒509の外側の回
転発生部材529、回転発生部材529の回転伝達部5
27、円板526、金属性リング517、回転リング5
19、回転リング519上面の突起521の関係を示す
拡大断面図である。円板526は前記回転リング519
の上面の突起521と一回転方向(正回転)でのみ係合
する。
【0177】ピン523が、回転発生部材529の一方
の傾斜孔525から差し込まれ小径円筒509の一方の
縦長孔511を通って、上下動部材515の貫通孔51
6を貫通して、他方の縦長孔511を通り、他方の傾斜
孔525に到っている。
【0178】上下動部材515の上端に平板状の上下動
伝達部531が螺子533で固定されている。
【0179】上下動伝達部531の上面に当接して頭部
上下動部材535が配置される。頭部上下動部材535
は、円柱状で上部はハウジング505F(505B)の
首の部分504を貫通してハウジング505F(505
B)の上方へ突出する。突出した円柱部535にはコイ
ルスプリング537が巻装される。ハウジング505F
(505B)は首の部分504の先端は肉薄に形成さ
れ、肉薄部の外周を覆ってリング539が嵌込まれる。
図61に示す様に、頭部上下動部材535のハウジング
505F(505B)から上へ突出した部分を円筒54
1が覆い、円筒541はリング539の外周面も覆って
いる。円筒541の上端は頭部上下動部材535の上端
と一致し、円筒541の上部を覆うキャップ543の上
方から頭部上下動部材535の上端に螺子545をねじ
込むことにより、頭部上下動部材535、円筒541及
びキャップ543は一体となっている。コイルスプリン
グ537の下端はハウジング505F(505B)の首
の部分504の先端で係止され、頭部上下動部材535
はコイルスプリング537によって上方へ押し挙げられ
ている。頭部上下動部材535が上下動すると、円筒5
41はリング539の外周面及びハウジング505F
(505B)の首の部分504の外周面に沿って上下動
する。
【0180】頭部501は首の下面に開口を有し内部が
中空で、前記円筒541の外面を覆っている。従って、
頭部501は頭部上下動部材535と一体に上下動す
る。
【0181】腕503及び足506は、人形玩具10と
同様に上半身505及び下半身507に夫々取り付けら
れている。
【0182】このような内部機構を有する人形玩具50
0の動作について図63、図64及び図65を用いて説
明する。通常状態において、図61に示すように、人形
玩具500の頭部上下動部材535は上方の位置にあ
る。上下動部材515もコイルスプリング513に押し
上げられて上方の位置にある。図63は、この状態の上
下動部材515、回転発生部材529、回転伝達部52
7、円板526、回転リング519及び突起521の関
係を示している。
【0183】頭部501を持ち下半身507の足先を床
に押し付けると、頭部上下動部材535が下方に移動
し、上下動部材515の上端の上下動伝達部531を押
し下げるので、上下動部材515はコイルスプリング5
13を押し縮めて下方へ移動する。図64に示すよう
に、上下動部材515が下方へ移動するとピン523が
下方に移動するので回転発生部材529は(正)回転す
る。回転伝達部527の円板526は回転リング519
の上面の突起521の垂直面と係合して回転リング51
9を(正)回転させる。
【0184】頭部501を押す力を緩めると、コイルス
プリング513の復元力により、上下動部材515は持
ち上がる。頭部501は上方の元の位置に戻る。回転発
生部材529も(負)回転して元の向きに戻る。回転伝
達部527の円板526は図65に示すように回転リン
グ519の突起521の傾斜面に接し上方へ押し上げら
れ、回転発生部材529の(負)回転を回転リング51
9に伝達できない。従って、回転リング519は慣性に
より(正)回転を続ける。
【0185】再び、頭部501を押し下げると、ピン5
23は下方に移動する。回転発生部材529はピン52
3に押されて(正)回転する。回転伝達部527の円板
526は回転リング519の突起521の垂直面と係合
して正回転するので、回転リング519も正回転する。
【0186】従って、頭部501を持ち、下半身507
の足先を床に押し付ける操作を繰返している間、人形玩
具500の胴を構成する回転リング519は一方向に回
転し続ける。
【0187】人形玩具500の回転リング519に係合
手段、例えば孔を設け、その孔に嵌込む突起を有するフ
ラフープ(図58)、スカート取付部材等を取り付けて
フラフープを回転させたり、スカートを広げたりするこ
とができる。
【0188】実施例12 次に、本発明の人形玩具の第12実施例であって、図1
に示したファッションドールと同様の人形玩具である
が、片腕(または両腕)片足を上げたり下げたりする人
形玩具550について説明する。
【0189】図66は人形玩具550の斜視図、図67
は人形玩具550の頭部を省略した組立て図、図68は
内部機構の簡略背面図、図69は内部機構の断面図、図
70、図71、図72及び図73は内部機構の簡略側面
図、図74は動作する人形玩具550の斜視図である。
【0190】図66に示すように、人形玩具550は頭
部551と、両腕553L、553Rを取り付けた上半
身555と、両足556L、556Rを取り付けた下半
身557とからなる。
【0191】図67の組立て図に示すように上半身55
5は、上半身前ハウジング555Fと上半身後ハウジン
グ555Bとからなり、上半身ハウジング555Fと5
55Bを合わせると、下端は円形となっている。
【0192】腰を形成している下半身557は下半身前
ハウジング557Fと下半身後ハウジング557Bとか
らなり、下半身ハウジング557Fと557Bを合わせ
ると、上方は円筒558(図68)を形成し、その上端
に拡大部552が形成されている。
【0193】図68に示すように、下半身の円筒558
の外周を上半身555が覆い、下半身の円筒558の拡
大部552で上半身555の下端が係止される。
【0194】上半身ハウジング555F、555Bの内
側に水平軸受け619が設けられている。この軸受け6
19にハウジング内を縦走する上下動部材611が支持
される。上下動部材611は上部に上下2個の円形拡大
部615U、615Lを有し、上方の拡大部615Uと
下方の拡大部615Lで水平軸受け619を挟んでい
る。上方の拡大部615Uと下方の拡大部615Lの間
隔は上下動部材611が多少上下に移動でき且つ前後に
傾斜できる余裕がある。
【0195】上下動部材611は下半身557の内部に
達している。上下動部材611の下部に孔613が設け
られている。この孔613には回転発生部材605の円
柱突起609が嵌込まれる。
【0196】回転発生部材605は上下の動きを回転運
動に変換する部材で、回転中心を有する平板で内側面の
上方の偏心位置に前記円柱突起609を有する。図69
は、回転発生部材605の回転が、右足556Rに伝達
される機構を断面図で示してある。
【0197】図67の組立図及び図69の断面図を用い
て、回転伝達機構について説明する。下半身ハウジング
557F(557B)の右足の取付部には、位置決め突
起597を有する円板601を嵌込む溝603が形成さ
れている。溝603に円板601は嵌込まれる。円板6
01は孔599を有している。
【0198】円板601の孔599を次に説明する回転
伝達部材591の内面から突出した軸595が貫通し、
軸595の先端面は前記回転発生部材605の回転中心
604に螺子607で止められ、回転伝達部材591は
回転発生部材605と一体に回転する。
【0199】回転伝達部材591は円板形状で、内面の
中心に前記軸595を有し、外面かの中心にも軸593
を有している。この軸593には円板状クラッチ部材5
89が嵌込まれる。回転伝達部材591と円板状クラッ
チ部材589の相対する面には互いに噛み合う凹凸58
7が形成されている。
【0200】円板状クラッチ部材589は、右足556
Rの垂直面で形成されている付根573の円形凹部57
5に嵌込まれる。凹部575の中心には更に深い小円形
凹部577が設けてあり、その中心から軸579が突出
している。軸579の中心には螺子608が回転自在に
貫通する螺子孔581が設けられている。この螺子孔5
81は、図69に示されるように、右足556Rの太腿
の外側に設けた凹部に開口している。螺子608は、回
転伝達部材591の外面の軸593の先端面にねじ込ま
れ、螺子608と回転伝達部材591は一体に回転す
る。
【0201】軸579と回転伝達部材591の外面の軸
593の先端は当接し、コイルスプリング583が巻装
される。コイルスプリング583はクラッチ部材589
を回転伝達部材591に押し付ける。右足556Rの太
腿の凹部は封鎖部材610で封鎖され螺子608の螺子
山は外部から見えない。
【0202】クラッチ部材589は外面にリング状凸部
585を有し、前記コイルスプリング583はその内側
に位置する。リング状凸部585は前記右足の小円形凹
部577に嵌る。
【0203】左足556Lは、垂直面で形成されている
付根から突出する円柱状の軸559を有する。下半身ハ
ウジング557F(557B)の左足の取付部には、位
置決め突起560を有し中心に軸559が回転自在に貫
通する孔562を穿った円板状クラッチ部材561を嵌
込む溝563が形成され、溝563の内側には壁565
が設けてある。円板状クラッチ部材561の外側の面に
低い凸部567が設けられている。左足556Rの垂直
面からなる付根には円板状クラッチ部材561の低い凸
部567と嵌合する浅い凹部(図示せず)が形成されて
いる。溝563に嵌込まれた円板状クラッチ部材561
の孔562に軸559は差し込まれコイルスプリング5
69が巻装される。螺子571が壁565の内側から軸
559の先端にねじ込まれる。コイルスプリング569
が円板状クラッチ部材561を左足に押し付け、低い凸
部567と浅い凹部(図示せず)は嵌合し、左足は基本
的に直立状態を維持する。しかし、人の手で足を曲げよ
うとすればコイルスプリング569を押し縮めて浅い嵌
合状態は解除され、足を回動させることは可能である。
【0204】左腕553Lは付根から突出する軸棒62
1Lを有し、その先端に左軸受け623Lに係止される
円形拡大部625Lが設けてあり、軸受け623Lを挟
んで腕寄りに左腕回動部材627が設けられている。
【0205】左腕回動部材627は円板の下方が延びた
形状で、内側面下端に棒状突起629が突出している。
棒状突起629は、左腕553Lを上下させるための縦
長な腕上下動部材631の上部に設けた孔633に回転
自在に嵌込まれる。
【0206】腕上下動部材631の下端は水平部635
を有し、水平部635の下面は下半身ハウジング557
F(557B)の円筒558の拡大部552の上端面と
接触可能に配置される。
【0207】右腕553の付根からも軸棒621Rが突
出し、先端に右軸受け623Rに係止される625Rが
設けてあり、軸受け623Rを挟んで腕寄りに係止用の
円形拡大部637が設けられている。
【0208】頭部551は上半身555の首の位置に取
り付けられ固定される。
【0209】このように構成された人形玩具550の動
作について図70、図71、図72及び図73を用いて
説明する。
【0210】通常状態において、図69に示すように、
人形玩具550の右足556は自重により下がり直立し
ている。上下動部材611の下端は回転発生部材605
の上方の位置の円柱突起609に嵌合し、上端は上半身
555の軸受け619に係止され、この上下動部材61
1で支持され、上半身555の下端は下半身557の円
筒558の上部に位置している。腕上下動部材631の
下端の水平部635は、下半身557の円筒558の拡
大部552の上端面と接触していない。
【0211】図70は、この状態の上下動部材611、
回転発生部材605及び右足556Rの側面図である。
図71はこの上体の腕上下動部材631、下半身557
の円筒558の拡大部552及び左腕553Lの側面図
で、円筒部558及び上半身555の一部を断面図とし
てある。
【0212】上半身555を持ち、下半身557の足先
を床に押し付けると、図72に示すように上下動部材6
11は回転発生部材605を押し回して下方移動する。
上半身555は下半身557の円筒558に沿って下方
に移動する。
【0213】回転発生部材605が回転すると、これと
一体の回転伝達部材591が回転するので、これと一体
の右足556Rは回動して前方に持ち上がる。
【0214】上半身555が下方に移動すると、下半身
557の円筒558の拡大部552の上端面は腕上下動
部材631の水平部635と接触し、これをを押し上げ
るので、腕回転部材627は回転する。腕回転部材62
7が回転すると左腕553Lは回動して前方に持ち上が
る。
【0215】上半身555を押し下げる力を弱めると、
左腕553L及び右足556Rは自重により回動して下
がり元の状態に戻る。
【0216】人形玩具550は、上半身555を押し下
げるだけで、左腕553L及び右足556Rを前方に上
げる。人形玩具550は図74に示すように、踊ってい
るように見える。
【0217】上下動部材611の2個の円形拡大部61
5U、615Lの間隔を加減することにより右足を前及
び後に上げることができるようにすることも可能であ
る。また、人形玩具550において左手553Lと右手
553Rを同軸とするか、連動手段を配置することによ
り両腕を上げる動作にすることもできる。
【0218】上記実施例1〜12においては、人形玩具
の身体を構成する上半身または頭部を押し下げることに
より、人形玩具の腕、足等が回動して上がる動作、又は
腰、胴等が回転する動作を生ずるようにしてある。
【0219】実施例13〜14 次に、人形玩具に直線運動する可動部材を配備し、可動
部分を押圧することにより動作する人形玩具について説
明する。
【0220】図75の斜視図及び図76の組立て図に示
すように、両足656を連結する連結部を一端が閉鎖し
た筒状で側面に対向して2個の傾斜孔669を設けた回
転発生部材661として構成する。回転発生部材661
の筒内部の閉鎖端にコイルスプリング662を配置し、
ついで内部を回転自在に且つ筒内を横移動できる移動部
材663を配置する。貫通孔666を有する操作ボタン
665の貫通孔666を回転自在に貫通したフランジ付
ピン667を移動部材663に一体に結合させる。回転
発生部材661の一方の傾斜孔669からメタルピン6
64を差し込み移動部材663を貫通して他方の傾斜孔
に突出させ固定する。両足656の連結部を覆う下半身
前後ハウジング657F、657Bに夫々横長の凹部6
68を設ける。メタルピン664の各端部を各凹部66
8に嵌込む。
【0221】図77は通常状態の操作ボタン665とピ
ン664の位置を示し、図78は通常状態のピン664
の位置と下半身657F(657B)の向きを示す。
【0222】遊戯者が操作ボタン665を押し込むこと
移動部材663は回転しながら横移動する。
【0223】図79は移動部材663が移動した状態の
操作ボタン665とピン664の位置を示し、図80は
移動部材663が移動したときの下半身657F(65
7B)の向きを示す。両足656を基準にして、下半身
後ハウウジング657F、657Bは前方へ傾斜してい
る。
【0224】図81は上半身655を下半身657と一
体に結合して形成したファッションドール650の略図
であるが、手にマイクを持ち歌っている人形玩具で、操
作ボタン665を押し込むことでお辞儀をする動作が生
ずる。足656を前後に開いた状態にすれば、クラッシ
ックバレーを踊っている動作にすることもできる。操作
ボタン665は目立たないように足から突出しないよう
に形成することもできる。また、操作ボタン665にフ
ァッション性のある小物を取り付け、操作ボタンである
ことをカムフラージュしてもよい(図80)。
【0225】最後に、押しボタンを操作することで、歩
行動作を行なう人形玩具670について説明する。
【0226】図82の内部機構の背面図及び図83の組
立て図に示すように、胴体前後ハウジング671F(6
71B)の脇の下の開口672に押しボタン673が配
置される。
【0227】押しボタン673は、胴体内部に延びた柄
の先に水平板状移動部材675を具備している。移動部
材675は、胴体前ハウジング671Fに水平に設けた
側面逆L字形突条からなるガイド677に当接し摺動可
能な前面679、後部下方に突き出た突起681、及び
平板中央に穿った横長孔683を有している。この横長
孔683には、胴体671の内部を縦に走る棒軸状回転
発生部材685の上端が嵌込まれる。
【0228】回転発生部材685は胴体ハウジング67
1F(671B)の中程に設けた軸受け686と下端に
設けた軸受け688に回転自在に保持される。
【0229】回転発生部材685の前記移動部材675
の横長孔683に嵌込まれる部分のすぐ下に前記移動部
材の突起681と当接する側面を有する蝶形部682が
設けてあり、その前端にコイルスプリング691の一端
を止める止め部693が設けてある。コイルスプリング
691の他端は前ハウジング671Fのガイド677に
近接して設けた止め部695に嵌込まれる。
【0230】回転発生部材685は、足697の付根の
高さに水平に貫通する横孔を有し、その横孔にはメタル
シャフト689が嵌込まれ、左右に突出したメタルシャ
フト689の両端は、両足を動かすための回動部材69
9の縦長孔701にそれぞれ嵌合する。
【0231】回動部材699は、上部に前記メタルシャ
フト689の各端部が嵌る縦長孔701を有し下部に回
動軸703を具備する。回動軸703は胴体ハウジング
671F(671B)に設けた軸受け705に回転自在
に保持され、先端部は足697の付根に取り付けられ固
定されている。
【0232】回動部材699の孔701に先端が嵌込ま
れたメタルシャフト689にコイルスプリング707の
一端が固定され、他端は前ハウジングに固定される。
【0233】人形玩具670は上記構成を有しているの
で、押しボタン673を押し込むと、移動部材675が
移動し、上端が移動部材675の横長孔683に嵌込ま
れている回転発生部材685の蝶形部682を押し回
す。蝶形部682が押し回されると回転発生部材685
は回転し、メタルシャフト689も回転する。メタルシ
ャフト689の端部が嵌合している縦長孔701を有す
る回動部材699は回動する。回動部材699と一体の
両足697は、左右反対に回動する。すなわち、右足は
後ろに左足は前に回動する。
【0234】押しボタン673を押す力を弱めると、コ
イルスプリング691の復元力により蝶形部682は元
の向きに戻り、蝶形部682に押し戻されて移動部材6
75は元の位置に戻り押しボタン673も元の位置に戻
る。メタルシャフト689もコイルスプリング707の
復元力により、回転して元の位置に戻り、両足697も
元も位置に戻る。押しボタン673を押したり緩めたり
するとこの動作が繰返される。
【0235】右足を左足よりやや前に出るように人形を
作成すれば、この動作は歩行動作に見える。足にスケー
ト用装備を付ければ、スケートをしている動作になる。
【0236】
【発明の効果】本発明によれば、遊戯者が人形玩具の一
部を押し下げたり、押し込んだりするだけで、人形は手
を上げたり、足を上げたり、腰を振り動かしたり、首を
回したり、胴を回転させたり等種々の動作を行なう。人
形玩具は外観を損なう突出物を取り付ける必要がないの
で、ファッションドールとして形成でき、洋服を着せ変
えたり、椅子に腰掛けさせたり通常の遊びにも供するこ
とができる。人形玩具は駆動装置を内蔵していないの
で、安価に且つ軽量に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の人形玩具の実施例の斜視図。
【図2】図1の人形玩具の組立図。
【図3】図1の人形玩具の回転発生部材の斜視図。
【図4】図1の人形玩具の内部機構の簡略正面図。
【図5】図1の人形玩具の斜視図。
【図6】図1の人形玩具の内部機構の簡略正面図。
【図7】本発明の人形玩具の実施例の斜視図。
【図8】図7の人形玩具の組立図。
【図9】図7の人形玩具の内部機構の簡略正面図。
【図10】図7の人形玩具の内部機構の断面図。
【図11】図7の人形玩具の斜視図。
【図12】図7の人形玩具の内部機構の簡略正面図。
【図13】本発明の人形玩具の実施例の斜視図。
【図14】図13の人形玩具の組立図。
【図15】図13の人形玩具の内部機構の簡略斜視図。
【図16】図13の人形玩具の内部機構の簡略斜視図。
【図17】図13の人形玩具の内部機構の一部の簡略正
面図。
【図18】図13の人形玩具の内部機構の一部の簡略正
面図。
【図19】図13の人形玩具の内部機構の一部の簡略正
面図。
【図20】本発明の人形玩具の実施例の斜視図。
【図21】図20の人形玩具の組立図。
【図22】図20の人形玩具の内部機構の簡略斜視図。
【図23】図20の人形玩具の内部機構の簡略斜視図。
【図24】図20の人形玩具の内部機構の一部を上から
見た簡略平面図。
【図25】図20の人形玩具の内部機構の一部を上から
見た簡略平面図。
【図26】本発明の人形玩具の実施例の斜視図。
【図27】図26の人形玩具の組立図。
【図28】図26の人形玩具の内部機構の簡略正面図。
【図29】図26の人形玩具の内部機構の断面図。
【図30】図26の人形玩具の内部機構の簡略正面図。
【図31】図26の人形玩具の内部機構の簡略正面図。
【図32】図26の人形玩具の斜視図。
【図33】図26の人形玩具の斜視図。
【図34】本発明の人形玩具の実施例の斜視図。
【図35】図34の人形玩具の内部の斜視図。
【図36】図34の人形玩具の内部機構の一部の組立
図。
【図37】図34の人形玩具の内部機構の背面図。
【図38】図34の人形玩具の内部機構の背面図。
【図39】本発明の人形玩具の実施例の斜視図。
【図40】図39の人形玩具の内部機構の斜視図。
【図41】図39の人形玩具の内部機構の一部の斜視
図。
【図42】図39の人形玩具の内部機構の一部の斜視
図。
【図43】図39の人形玩具の内部機構の背面図。
【図44】図39の人形玩具の内部機構の背面図。
【図45】本発明の人形玩具の実施例の組立図。
【図46】図45の人形玩具の内部機構の背面図。
【図47】図45の人形玩具の内部機構の背面図。
【図48】本発明の人形玩具の実施例の胴体部分の背面
斜視図。
【図49】図48の人形玩具の組立図。
【図50】図48の人形玩具の簡略背面図。
【図51】図48の人形玩具の簡略背面図。
【図52】本発明の人形玩具の実施例の斜視図。
【図53】図52の人形玩具の組立図。
【図54】図52の人形玩具の内部機構の簡略断面図。
【図55】図52の人形玩具の内部機構の簡略背面斜視
図。
【図56】図52の人形玩具の内部機構の簡略背面斜視
図。
【図57】図52の人形玩具の内部機構の簡略背面斜視
図。
【図58】本発明の人形玩具の実施例の斜視図。
【図59】図59の人形玩具の組立図。
【図60】図59の人形玩具の組立図。
【図61】図59の人形玩具の内部機構の断面図。
【図62】図59の人形玩具の内部機構の断面図。
【図63】図59の人形玩具の内部機構の斜視図。
【図64】図59の人形玩具の内部機構の斜視図。
【図65】図59の人形玩具の内部機構の斜視図。
【図66】本発明の人形玩具の実施例の斜視図。
【図67】図66の人形玩具の組立図。
【図68】図66の人形玩具の内部機構の簡略背面図。
【図69】図66の人形玩具の内部機構の断面図。
【図70】図66の人形玩具の内部機構の簡略側面図。
【図71】図66の人形玩具の内部機構の簡略側面図。
【図72】図66の人形玩具の内部機構の簡略側面図。
【図73】図66の人形玩具の内部機構の簡略側面図。
【図74】図66の人形玩具の斜視図。
【図75】本発明の人形玩具の実施例の要部の斜視図。
【図76】図75の人形玩具の要部の組立図。
【図77】図75の人形玩具の要部の正面図。
【図78】図75の人形玩具の要部の側面図。
【図79】図75の人形玩具の要部の正面図。
【図80】図75の人形玩具の要部の側面図。
【図81】図75の要部を具備する人形玩具の略図。
【図82】本発明の人形玩具の実施例の内部機構の背面
図。
【図83】図82の内部機構の要部の斜視図。
【符号の説明】
10,50,90,150,200,250,300,
350,400,450,500,550,670…人
形玩具、11,51,91,151,201,251,
301,451,501,551…頭部、13,53,
203,353,453,503…腕、15,55,9
5,205,255,305,355,405,45
5,505,555…上半身、16,306,356,
456,506,656…足,17,57,97,15
7,207,257,307,357,457,507
…下半身、18,58,71,98,105,158,
208,221,458,508,558…円筒、19
…縁、21,23,61,211,283…軸、25,
27…円板、29,69,115,175,275,2
91,341,391,441,463,513,53
7,569,583…コイルスプリング,31,79,
129,189,229,269,469,529,6
05,661…回転発生部材、33,75,225…縦
孔、35,81…V字状貫通孔、37…拡大下端部、3
9…中部拡大部、41…上部拡大部、43,83,14
7,197,233,477,523…ピン、63,2
13…腕の取付部、65,70,215,220,48
2…軸孔、67,217…円形貫通孔、68,218…
切込み、73,223…首部材、77,180,22
7,460,511…縦長孔、85…支持部、93,1
53,253R,303R,403R,553R…右
腕、94,154,253L,303L,403L,5
53L…左腕、99,159…胴部、93A,94A,
153A,154A,263,313,363,429
…横軸、98…底部、101L,101R,161L,
161R,369,371…軸受け、107,167,
281,315,317,319,325,367,4
17L,417R…歯車,109,169…係止用円
板、111,258,308,358…円柱、117,
145,177…ワッシャ、119…円筒部、121,
181…支柱部、123,183…支柱部材、125…
係合用突起、127,187,231…傾斜長孔、13
1,245…突起、133,243…垂直突起、13
5,241,591…回転伝達部材、137,139,
149…孔、141,182,271,321…クラウ
ンギア、143…右腕回転部材、163…縦溝、179
…円筒部、181…支柱部材、235…切欠き、252
…手鏡、254,304,354,504…首の部分、
259,359…係止用縁、260…縦溝、261,3
11…軸棒、265,365…球体、267…突起、2
75…円板、277,284…フック,285…円筒部
材、287…横板、289…ガイド用突条、302…タ
ンバリン,310…横板、312,360,410…ラ
ック,314…縦長板、343…横板状支持部、375
…ガイド,459,509…小径円筒、460…係止
部、464,515,611…上下動部材、465…小
径円柱部、467…大径円柱部、471…枠、473…
枠嵌込み部、475…逆V字形孔、479…回転方向制
御部材、483…山形部、485…翼部、487…半円
部、491…リング,493,541…円筒、495,
543…キャップ、497,545,608…螺子,5
02…フラフープ、504…胴、516…貫通孔、51
7…金属性リング、519…回転リング、521…突
起、525,669…傾斜孔、527…回転伝達部、5
35…頭部上下動伝達部材、552…拡大部、556R
…右足、556L…左足、575…凹部、577…小円
形凹部、561,589…クラッチ部材、559,57
9,593,595…軸、560…位置決め突起、56
2,599,613…孔、563…溝、565…壁、5
67…凸部、585…リング状凸部、601…円板、6
09…円柱突起、610…封鎖部材、615U,615
L…円形拡大部、619…水平軸受け、621…軸棒、
623…左軸受け、627…左腕回動部材、629…棒
状突起、631…腕上下動部材、650…ファッション
ドール、657F,657B…下半身前後ハウジング、
663…移動部材、664…メタルピン、665…操作
ボタン、667…フリンジ付ピン、668…凹部、67
3…押しボタン、675…水平板状移動部材、671…
胴体前ハウジング、679…前面、681…突起、68
5…棒軸状回転発生部材、689…メタルシャフト、6
91,707…コイルスプリング、705…軸受け。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに連動する少なくとも2つの可動部分
    から成る身体を有する人形玩具であって、第1の可動部
    分に直線運動をさせる力を加えたとき、その直線運動を
    回転運動に変換する変換機構を内蔵し、該変換機構によ
    って第2の可動部分に回転運動をさせるように構成した
    ことを特徴とする人形玩具。
  2. 【請求項2】前記変換機構は、前記第1の可動部分と一
    体に直線運動する回転発生部材と、該回転発生部材の直
    線運動により回転する回転部材とからなり、該回転部材
    が前記第2の可動部分と一体に動作する構成を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の人形玩具。
  3. 【請求項3】前記変換機構は、前記第1の可動部分の直
    線運動に伴なって直線運動しながら回転する回転発生部
    材を具備し、該回転発生部材が前記第2の可動部分と一
    体に動作する構成を有することを特徴とする請求項1記
    載の人形玩具。
  4. 【請求項4】前記変換機構は、前記第1の可動部分の直
    線運動に伴なって直線運動しながら回転する回転発生部
    材と、該回転発生部材の回転を前記第2の可動部分に伝
    達する回転伝達機構とを具備することを特徴とする請求
    項1記載の人形玩具。
  5. 【請求項5】前記変換機構は、前記第1の可動部分の直
    線運動に伴なって直線運動しながら回転する回転発生部
    材と、該回転発生部材の回転を前記第2の可動部分に伝
    達する回転伝達機構とを具備し、前記回転発生部材が身
    体の第3の可動部分と一体に動作する構成を有すること
    を特徴とする請求項1記載の人形玩具。
  6. 【請求項6】前記変換機構は、前記第1の可動部分の直
    線運動に伴なって回転する回転発生部材を具備し、該回
    転発生部材が前記第2の可動部分と一体に動作する構成
    を有することを特徴とする請求項1記載の人形玩具。
  7. 【請求項7】前記変換機構は、前記第1の可動部分の直
    線運動に伴なって回転する回転発生部材と、該回転発生
    部材の回転を前記第2の可動部分に伝達する回転伝達機
    構とを具備することを特徴とする請求項1記載の人形玩
    具。
  8. 【請求項8】前記変換機構は、前記第1の可動部分の直
    線運動に伴なって回転する回転発生部材と、該回転発生
    部材の回転を前記第2の可動部分に伝達する回転伝達機
    構とを具備し、前記回転発生部材が身体の第3の可動部
    分と一体に動作する構成を有することを特徴とする請求
    項1記載の人形玩具。
  9. 【請求項9】前記第2の可動部分を複数個有することを
    特徴とする請求項2乃至8記載の人形玩具。
  10. 【請求項10】前記第1の可動部分が上半身であって、
    前記直線運動が上半身の下方移動であり、前記第2の可
    動部分が腰、足、胴、腕及び頭部から選ばれた1以上の
    部分である請求項1記載の人形玩具。
  11. 【請求項11】前記第1の可動部分が頭部であって、前
    記直線運動が頭部の下方移動であり、前記第2の可動部
    分が腰、足、胴、腕及び上半身から選ばれた1以上の部
    分である請求項1記載の人形玩具。
  12. 【請求項12】前記第1の可動部分が足の付根に設けた
    操作部材であって、前記直線運動が該操作部材の横移動
    であり、前記第2の可動部分が腰、胴、腕、上半身及び
    頭部から選ばれた1以上の部分である請求項1記載の人
    形玩具。
  13. 【請求項13】前記第1の可動部分が胴体に設けた操作
    部材であって、前記直線運動が該操作部材の横移動であ
    り、前記第2の可動部分が足、腕及び頭部から選ばれた
    1以上の部分である請求項1記載の人形玩具。
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