JPS6228503Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は主としてFF車用変速操作機構にお
けるシフトレバーのがたつき防止構造に関するも
のである。

まず、この考案が対象とする変速操作機構の一
例を第１図〜第３図にしたがつて述べる。車両の
ボデイ１に固定されたシフトレバーリテーナ２に
は、同リテーナ２上に形成された直立片３を介し
てシフトレバーサポート４が車両の左右方向（セ
レクト方向）へ回動可能に横軸５で支持されてい
る。このシフトレバーサポート４は、その上方へ
向かつて延出されたアーム部６およびその下方へ
向かつて延出されたレバー部７を有する。同シフ
トレバーサポート４のアーム部６には、シフトレ
バー８が同レバー８下部のボス部９を介して同シ
フトレバー８が車両の前後方向（シフト方向）へ
回動可能に横軸１０で支持されている。シフトレ
バー８のボス部９下方には、変速機のシフト操作
用プツシユケーブル１１が連結されるケーブル連
結部１２が延出されている。また、シフトレバー
サポート４のレバー部７下端には車両の前後方向
に開放する連結溝１３が設けられている。一方、
前記シフトレバーリテーナ２の後部上には、ベル
クランク１４が第３図に示すように水平方向に回
動可能に縦軸１５で支持されている。このベルク
ランク１４の回動により左右方向に揺動する球形
端部１６はその左右にブツシユ１７，１７を介し
て前記シフトレバーサポート４の連結溝１３に前
方より係合されている。したがつて、シフトレバ
ー８のセレクト操作によるシフトレバーサポート
４の回転がベルクランク１４の回転に伝達される
ときに、それらの各回転により生じる上下方向お
よび前後方向への相対的変位が、連結溝１３の対
向内面を各ブツシユ１７，１７の外面が摺動する
ことによつて吸収される。また、ベルクランク１
４の回動により前後方向に揺動するケーブル連結
端部１８には、変速機のセレクト操作用プツシユ
プルケーブル１９が連結される。すなわち、シフ
トレバー８をシフト操作すれば、同シフトレバー
８が横軸１０を中心に回動し、シフト操作用プツ
シユプルケーブル１１を介して変速機のシフト動
作が成されると共に、同シフトレバー８をセレク
ト操作すれば、同シフトレバー８がシフトレバー
サポート４と共に横軸５を中心に回動し、セレク
ト操作用プツシユプルケーブル１９を介して変速
機のセレクト動作が成される。

上記した変速操作機構において、シフトレバー
サポート４とベルクランク１４とのブツシユ１
７，１７を介しての連繋部分における相互部材間
には生産上わずかながら遊隙ができることがあ
り、この遊隙に因りシフトレバー８ががたつきを
生じてシフトフイーリングを悪化させる結果とな
ることがあつた。

そこで、この考案は、上記した従来欠点に鑑
み、シフトレバーサポートとベルクランクとのブ
ツシユを介しての連繋部分における相互部材間の
遊隙に因るシフトレバーのがたつきを防止し、シ
フトフイーリングを向上することのできるシフト
レバーのがたつき防止構造を提供することであ
る。

上記した目的を達成するために、この考案は、
変速操作機構のシフトレバーサポートとベルクラ
ンクとのブツシユを介しての連繋部分において、
前記ブツシユに対し前記シフトレバーサポートと
ベルクランクとの間にて圧縮された状態となるア
ンチラトルラバーを設けたものである。

以下、この考案の一実施例を説明する。前述の
変速操作機構のシフトレバーサポート４とベルク
ランク１４とのブツシユ１７，１７を介しての連
繋部分の平面を拡大して示した第４図において、
本例では左のブツシユ１７軸線上には、貫孔２１
が貫通されており、この貫孔２１に、硬質ウレタ
ンゴムなどで形成されたアンチラトルラバー２０
が埋入れられている。このアンチラトルラバー２
０の右端面はシフトレバーサポート４の連結溝１
３の右内側面に当接され、また、同ラバー２０の
左端面はベルクランク１４の球状端部１６の外側
面に当接され、同アンチラトルラバー２０が圧縮
状態となつている。

上記の構成によれば、シフトレバーサポート４
とベルクランク１４とブツシユ１７，１７との相
互間に遊隙が生じたときには、シフトレバーサポ
ート４の連結溝１３内にはベルクランク１４の球
状端部１６がアンチラトルラバー２０により弾性
的に保持されることになる。

すなわち、この考案は、変速操作機構のシフト
レバーサポートとベルクランクとのブツシユを介
しての連繋部分において、前記ブツシユに対し前
記シフトレバーサポートとベルクランクとの間に
て圧縮された状態となるアンチラトルラバーを設
けたものであるから、各部材相互間に遊隙が生じ
たときにはシフトレバーサポートとベルクランク
との相互間がアンチラトルラバーにより弾性的に
保持されることにより、シフトレバーのがたつき
が防止され、よつて、シフトフイーリングが向上
される。

特に、本考案は、シフトレバーサポートの連結
溝と、ベルクランクの球形端部との間に左右２分
割状態に介在されたブツシユの一方の軸線上に貫
孔を設け、その貫孔内に、一端面が前記連結溝の
内側面に当接されかつ他端面が前記球形端部の外
側面に当接されるアンチラトルラバーを圧縮状態
で組込んだことによつて、アンチラトルラバーと
連結溝あるいは球形端部との摺動による摩擦抵抗
を可及的に小さく設定することができるから、そ
の摩擦抵抗によるシフトレバーの操作抵抗の増大
を少なくして、シフトレバーのがた付きを防止す
ることができるという効果がある。

また、ブツシユに対しアンチラトルラバーが部
分的に組込まれることによつて、アンチラトルラ
バーの撓みによるシフトレバーのストロークロス
も少なくして、前記がた付きを防止しうるという
効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は従来の変速操作機構の一例を
示すもので、第１図は一部破断の側面図、第２図
は第１図の状態を右側から見た一部断面右側面
図、第３図はセレクトベルクランクの平面図、第
４図はこの考案の一実施例を示む要部拡大の平面
図である。 １……ボデイ、２……シフトレバーリテーナ、
４……シフトレバーサポート、８……シフトレバ
ー、１４……ベルクランク、１７……ブツシユ、
２０……アンチラトルラバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車両のボデイに固定されたシフトレバーリテー
   ナにはシフトレバーサポートをセレクト方向へ回
   動可能に軸支し、このシフトレバーサポートには
   シフトレバーをシフト方向へ回動可能に軸支し、
   前記シフトレバーサポートにはシフトレバーリテ
   ーナ上に水平方向へ回動可能に軸支されたベルク
   ランクを同シフトレバーサポートの回転に連動し
   得るようにブツシユを介して連繋してなる変速操
   作機構において、前記ブツシユは、前記シフトレ
   バーサポートの連結溝と、ベルクランクの球形端
   部との間に左右２分割状態に介在され、その一方
   のブツシユの軸線上には貫孔を設け、その貫孔内
   に、一端面が前記連結溝の内側面に当接されかつ
   他端面が前記球形端部の外側面に当接されるアン
   チラトルラバーを圧縮状態で組込んだことを特徴
   とするシフトレバーのがたつき防止構造。