JPS6228366Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はワークを位置決めする時に、ワークの
傾きを防止するワーク傾き防止機能を備えた位置
決め装置に関するものである。

〈従来技術〉 従来は第１図に示すようにシリンダブロツクで
あるワークＷをレール１上で搬送するものにおい
ては、ワークＷを加工ユニツトに対応する位置で
位置決めする場合、ワークＷの側面に形成された
ノツク穴２にノツクピン３がこじりながら入ろう
とするときに、ワークＷが傾いて逃げる恐れがあ
り、このためノツクピン３を差し込む反対側に固
定ストツパ４を設けていた。しかし搬送されるワ
ークＷが２種類ある場合、ワークＷをクランプす
るシリンダ５を２段シリンダにして、このシリン
ダ５の１段目を前進させ、実線で示す高ワーク
Waの場合は、クランプ部材６がワークＷの側面
に当接して１段目の前進端を確認するリミツトス
イツチ７が働かないことにより、今度は１段目を
後退させると同時にノツクピン３を挿入し、ノツ
クピン３の挿入時のワークＷの傾き防止は固定ス
トツパ４で行つていた。２点鎖点で示す低ワーク
Wbの場合は、シリンダ５の１段目の前進端でワ
ークＷの側面にクランプ部材６が当接しなく、リ
ミツトスイツチ７が働くことにより、次にノツク
ピン３を挿入し、ノツクピン３挿入時のワークＷ
の傾き防止はクランプ部材６で行つていた。

この結果、高ワークWa、低ワークWbにかかわ
らずシリンダ５の１段目を作動させるのでワーク
Ｗを位置決めする位置決めサイクルが長くなる。
また高価な２段シリンダを用いなければならず位
置決め装置全体としてコスト高になる問題点があ
つた。

〈考案の目的〉 上述した問題点を解決すべく本考案の目的とす
るところは、ワークを位置決めする位置決めサイ
クルを短縮でき、装置全体のコストを安くするこ
とのできるワーク傾き防止機能を備えた位置決め
装置を提供することである。

〈考案の構成〉 本考案によるワーク傾き防止機能を備えた位置
決め装置は、固定部に固定された作動シリンダの
先端部にワークに形成されたノツク穴と係合する
ノツクピンを固着し、前記作動シリンダの先端部
に固定したロツドにスライダを摺動可能に嵌挿
し、作動シリンダの先端部とスライダ間に押圧ば
ねを介在させ、固定部に揺動可能に軸支される揺
動レバーの一端をスライダに連結して、この他端
をノツクピンと連動してノツクピンによるワーク
の傾きを防止すべくワークを当接させるようにし
たものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第２図に示すように、２０は搬送台であり、
この搬送台２０上にシリンダブロツクであるワー
クを案内支持する２本のレール２１が固定され、
２本のレール２１間に搬送爪２２でひつかけてワ
ークＷを搬送するトランスフアバー２３が設けら
れている。搬送されるワークＷは、実線で示す高
ワークWaと二点鎖点で示す低ワークWbとの２種
類があり、搬送方向に対して直角方向の幅が異な
る。高ワークWa、低ワークWbとも搬送方向と平
行な側面に、平面加工が施されており、他の部分
は鋳物の状態であり、ワークＷによつて外形寸法
に若干のばらつきがある。２４はフレームであ
り、このフレーム２４の上部にはクランプ用シリ
ンダ２５が固定され、クランプ用シリンダ２５の
ピストンロツド２５ａに一端を連結するクランプ
レバー２６がフレーム２４に揺動可能に軸支さ
れ、クランプレバー２６の他端にはワークＷの側
面と当接するクランプ部材２７がフローチングで
きるように軸支されている。フレーム２４のワー
クＷ側の面に、クランプ部材２７と当接するワー
クＷの側面と反対側の側面と当接する複数の基準
当金２８が固着されている。クランプ用シリンダ
２５のピストンロツド２５ａを前進させると、ク
ランプレバー２６、クランプ部材２７を介してワ
ークＷを基準当金２８に押し付け、これによりワ
ークＷの搬送方向に対する直角方向の位置決めが
行われるようになつている。２９は位置決めクラ
ンプされたワークＷに穴加工等の加工を行う加工
機である。

次にワークＷをクランプ用シリンダ２５、クラ
ンプレバー２６にて位置決めクランプする前に、
ワークＷを搬送方向に位置決めする位置決め装置
４０について説明する。第３図に示すように、４
１は位置決め用シリンダであり、この位置決め用
シリンダ４１はフレーム２４に固定されている。
位置決め用シリンダ４１にピストンロツド４１ａ
がワークＷの搬送方向に対して直角方向に進退可
能に嵌装され、ピストンロツド４１ａの先端に取
付け部材４２が固着され、この取付け部材４２の
下部に位置決め用シリンダ４１のピストンロツド
４１ａと同方向のノツクピン４３が固着され、取
付け部材４２の上部には、ワークＷのフランジ部
をオーバハングするような形でロツド４４がピス
トンロツド４１ａと同方向に固定されている。ロ
ツド４４にスライダ４５が摺動可能に嵌挿され、
取付け部材４２とスライダ４５間には押圧ばね４
６が介在されている。フレーム２４に揺動レバー
４７が揺動可能に軸支され、揺動レバー４７の一
端はスライダ４５に係合されている。ロツド４４
の一端にはノツクピン４３の後退時にスライダ４
５と当接し揺動レバー４７を左回り揺動させるス
トツパ４８が螺着されている。位置決め用シリン
ダ４１のピストンロツド４１ａの前進とともに揺
動レバー４７を押圧ばね４６、スライダ４５を介
して右回りに揺動させ、ワークＷの側面に形成さ
れたノツク穴４９へのノツクピン４３の挿入時は
揺動レバー４７の一端はワークＷに当接してお
り、さらにノツクピン４３がノツク穴４９へこじ
り入ろうとするにつれて押圧ばね４６によつて揺
動レバー４７の押圧力が増してワークＷの傾きが
防止されるようになつている。

つづいて上述した構成に基づいてワークＷの位
置決め動作について説明する。トランスフアバー
２３によつて搬送されてくるワークＷは加工機２
９に対応する所定位置に停止する。次にワークＷ
を搬送方向の位置決めすべく位置決め用シリンダ
４１のピストンロツド４１ａが前進する。ピスト
ンロツド４１ａの前進とともにノツクピン４３が
前進し、ノツクピン４３と連動して揺動レバー４
７が押圧ばね４６、スライダ４５を介して右回り
に揺動する。ノツクピン４３のノツク穴４９への
挿入時は揺動レバー４７の一端はワークＷに当接
し、さらにノツクピン４３が揺動レバー４７へこ
じり入ろうとするときは押圧ばね４６がたわみ揺
動レバー４７のワークＷへの押圧力が増しワーク
Ｗの傾きが防止される。ワークＷを位置決め装置
４０で位置決めした状態でクランプ用シリンダ２
５のピストンロツド２５ａを前進させクランプレ
バー２６、クランプ部材２７を介してワークＷを
基準当金２８に押し付けてワークＷがクランプさ
れる。ワークＷをクランプした状態で加工機２９
による穴加工等の加工が行われる。

揺動レバー４７によつてワークＷを押圧する箇
所は、鋳物の状態であるためワークにより外形寸
法に若干のばらつきがあるが、高ワークWa、低
ワークWbにかかわらずほぼ同形であるので、揺
動レバー４７がワークＷに当接してワークの傾き
防止は可能である。

〈考案の効果〉 以上述べたように本考案においては、固定部に
固定された作動シリンダの先端部にワークに形成
されたノツク穴と係合するノツクピンを固着し、
前記作動シリンダの先端部に固定したロツドにス
ライダを摺動可能に嵌挿し、作動シリンダの先端
部とスライダ間に押圧ばねを介在させ、固定部に
揺動可能に軸支される揺動レバーの一端をスライ
ダに連結して、この他端をノツクピンと連動して
ノツクピンによるワークの傾きを防止すべくワー
クに当接させるようにしたものであるため、ワー
クを位置決めする位置決めサイクルを短縮でき、
ノツクピン挿入時にワークの傾きを防止するのに
特別の駆動源を設ける必要がないので装置全体の
コストを安くすることができる長所がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の位置決め装置を示した図、第
２図は本考案にかかるワーク傾き防止機能を備え
た位置決め装置を示した図、第３図は本考案の要
部を示した図。 ４１……位置決め用シリンダ、４２……取付け
部材、４３……ノツクピン、４４……ロツド、４
５……スライダ、４６……押圧ばね、４７……揺
動レバー、４９……ノツク穴、Ｗ……ワーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークに向けて進退可能な作動シリンダを固定
   部に固定し、この作動シリンダの先端部にワーク
   を位置決めすべくワークに形成されたノツク穴と
   係合するノツクピンを固着し、前記作動シリンダ
   の先端部にワーク側へ突出するようにロツドの一
   端を固定し、このロツドにスライダーを摺動可能
   に嵌挿し、作動シリンダの先端部とスライダー間
   に押圧ばねを介在させ、固定部に揺動可能に軸支
   される揺動レバーの一端をスライダーに連結し
   て、この他端をノツクピンと連動してノツクピン
   によるワークの傾きを防止すべくワークを当接さ
   せるようにしたワーク傾き防止機能を備えた位置
   決め装置。