JP4151759B2 - ワーク位置決め装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンなどのワークに締付作業などを行う際にワークを位置決めする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンなどのワークをナットランナーを用いて締付けるには、一般にワーク毎に専用のパレットを用意し、当該パレットにワークを固定した状態で締付などの作業或いは穴あけなどの加工を行っている。
【0003】
パレットとしては共用化を図るため多数の位置決めピンを設けたものや、特開平7−81643号公報に開示されるように、基端部を揺動自在にパレット上に支持したショックアブソーバの先端部に、ワークの位置決め穴に係合するピンを設けた構造などが知られている。
【0004】
また、位置決めパレットとしては、ライン上に設ける場合にはベルトコンベア上に多数配置し、またライン上で用いない場合には位置決めパレットを作業台に固定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ベルトコンベア上に位置決めパレットを配置し、各パレットにワークを載置固定して搬送する場合には、多数のパレットが必要になりコストアップになる。
また、作業台に位置決めパレットが固定されている場合には、パレットに対してワークを載せたり降ろしたりする作業が大変である。
【0006】
また、ナットランナーと組み合わせて用いる場合、従来にあっては上部にナットランナー装置を吊下げ、作業時にはナットランナー装置を引き下げるようにしているため、上方に大きなスペースを必要とし、更に複数のナットランナー装置を用意しておいてこれを切替えて多機種に応用することが困難であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明に係るワーク位置決め装置は、上下方向に軸部が突出したワークの位置決めを行うことを前提とし、上部位置決めユニットと下部位置決めユニットから構成され、下部位置決めユニットは、装置内に平行に配置される一対のベルトコンベアと、前記一対のベルトコンベア間から下方に突出するワークの軸と嵌合して下方からワークの位置決めを行う第1の位置決め手段と、ワークを水平方向から位置決めする第2の位置決め手段とを備え、これらベルトコンベア及び第1の位置決め手段は昇降動可能とされ、また前記上部位置決めユニットは上方に突出するワークの軸と嵌合して上方からワークの位置決めを行う位置決め手段を備え、この位置決め手段は、ガイド穴の下部を下方に向かって広がるテーパ穴とし、前記ガイド穴内にワークの軸先端に形成されたテーパ穴に係合する突部を臨ませた構成とした。
斯かる構成とすることで、位置決めパレットを用いることなくワークに対し所定の作業を施すことができる。
【0008】
本発明に係るワーク位置決め装置をナットランナー装置と組み合わせる場合には、上部位置決めユニットをナットランナー装置の一部に組み入れる構成とする。また、機種変更などに機敏に対応するためには、ナットランナー装置を複数設け、これらナットランナー装置を水平移動により切替え可能とすることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の態様を添付図面に基づいて説明する。図1は本発明に係るワーク位置決め装置の平面図、図2は図1のA方向矢視図、図3は図1のB方向矢視図であり、ワーク位置決め装置1は搬送ライン100上に配置されている。また搬送ライン100は2本の平行なベルトコンベア101から構成され、2本のベルトコンベア101,101の隙間102にワークWの軸S(図示例では汎用エンジンのクランクシャフト)が入り込んだ状態で搬送される。
【0010】
ワーク位置決め装置1はフレーム2に上部位置決めユニット3と下部位置決めユニット4を設けている。またフレーム2の上部にはシリンダユニット5によって水平動する支持プレート6が設けられ、この支持プレート6に2種類のナットランナー装置7,7が取り付けられ、各ナットランナー装置7の中央に前記上部位置決めユニット3が配置されている。
【0011】
上部位置決めユニット3は上下方向のシリンダユニット8と、このシリンダユニット8のロッド下端に取り付けられる位置決め冶具9とからなる。位置決め冶具9は図4に示すように、ガイド穴10の下部を下方に向かって広がるテーパ穴10aとし、またガイド穴10内にワークWの軸S先端に形成されたテーパ穴S’に係合する突部11を臨ませている。
【0012】
一方、下部位置決めユニット4はフレーム2に支持プレート12を架設し、この支持プレート12に垂直方向のシリンダユニット13を介して前記ベルトコンベア101,101と連続する一対のベルトコンベア14,14を昇降自在に設けている。
【0013】
一対のベルトコンベア14,14の間には隙間が設けられ、この隙間には下方からワークの位置決めを行う第1の位置決め手段15が配置されている。この位置決め手段15は図5に示すように、前記支持プレート12に固着される垂直方向のシリンダユニット16と、このシリンダユニット16のロッド先端に取り付けられた位置決め冶具17とからなる。位置決め冶具17は図6に示すように、ガイド穴18の上部を上方に向かって広がるテーパ穴19とし、ワークWの軸S下端が進入しやすくしている。
尚、テーパ穴19は傾斜角度の異なるテーパ面19a、19bからなり、傾斜角度がきつい下側のテーパ面19bにてシャフトSのテーパ面とが合致することで位置決めを行うようにしている。
【0014】
また、一対のベルトコンベア14,14の側方には水平方向(XY方向)の位置決めを行う第2の位置決め手段20が配置されている。この位置決め手段20は前記第1の位置決め手段15に設けられた支持プレート21に、水平方向のシリンダユニット22を固定し、このシリンダユニット22のロッド先端にプッシャー23を取り付け、このプッシャー23をワークWの平面部に押し当てることでワークWのXY方向の位置決めを行う。また、第2の位置決め手段20は第1の位置決め手段15に設けられた支持プレート21に設けられているので、第1の位置決め手段15の位置決め冶具17と一体的に昇降動する。
【0015】
また、下部位置決めユニット4はストッパ機構24を備えている。このストッパ機構24は前記支持プレート12にレール25を設け、このレール25にシリンダユニット26にて往復動せしめられるスライダー27を係合し、このスライダー27にシャフト28を介してストッパ片29を取り付けている。
【0016】
以上において、ワークWは搬送ライン100の2本のベルトコンベア101,101の隙間102に軸Sが入り込んだ状態で搬送されてくる。このときワークWは支えるものがないので図2に示すように若干斜めの状態で搬送されてくる。そしてワークWはそのままベルトコンベア14,14上に移載される。このとき軸Sはベルトコンベア14,14の隙間に入り込む。
【0017】
一方、ワークWが装置内に搬入される際、前記ストッパ機構24のストッパ片29は第1の位置決め手段15の位置決め冶具17の位置と重なる位置にある。したがって、ワークWがベルトコンベア14,14にて搬送されてくると、ベルトコンベア14,14の隙間から下方に突出している軸Sがストッパ片29に当接する。このとき軸Sは位置決め冶具17の直上位置にくる。
【0018】
そこでベルトコンベア14,14による移動を停止し、シリンダユニット26を伸ばしてストッパ片29を後退(図2の左方に移動)させ、第1の位置決め手段15のシリンダユニット16を伸ばして位置決め冶具17のガイド穴18をワークWの軸Sに嵌合せしめる。その結果、若干傾いていたワークWは軸Sが垂直状態になる。
【0019】
また、シリンダユニット16によって位置決め冶具17が上昇するにつれて第2の位置決め手段20も上昇し、シリンダユニット22がベルトコンベア14,14よりも高い位置になる。この状態で、シリンダユニット22を伸ばし、プッシャー23をワークWの平面部に押し当ててワークWのXY方向の位置決めを行う。
【0020】
ワークWの軸Sの垂直方向の位置決めとXY方向の位置決めが終了したならば、上部位置決めユニット3のシリンダユニット8を伸ばし、位置決め冶具9を下降せしめて位置決め冶具9のガイド穴10を軸Sの上端部に嵌合せしめる。以上の操作により、ワークWは上下から押え付けられて、垂直方向およびXY方向の位置決めがなされる。
【0021】
この後、位置決め冶具9を軸Sの上端部に嵌合させたままシリンダユニット13を伸ばしてベルトコンベア14,14を上昇せしめ、このベルトコンベア14,14上のワークWをナットランナー装置7の位置まで上昇せしめる。このときシリンダユニット16も同期して伸ばし、ワークWの軸Sの下端に位置決め冶具17を嵌合せしめたままとする。尚、位置決め冶具17から軸Sを引き抜いてワークWを上昇せしめても軸Sの上端が位置決め冶具9に嵌合しているので垂直状態の位置決めが崩れることはない。
【0022】
そして、ナットランナー装置7により締付け作業が終了したならば、ベルトコンベア14,14を下降せしめ、ワークWを下流側の搬送ライン100へ払い出す。
【0023】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、上下方向に軸が突出したワークをパレットを用いることなく位置決めできる。したがって、作業台で作業する場合のワークのパレットへの取り付け、取り外し作業が不要になる。また、搬送ラインにあってはワークごとのパレットが不要になり大幅なコストダウンが実現できる。
【0024】
特にワークが汎用エンジンの場合には、上下方向にクランクシャフトが突出しており、エンジンの外側形状に変更が生じても、クランクシャフトを利用して位置決めすることができる。
【0025】
また、ナットランナーと組み合わせた場合、ナットランナーを上部に固定しておけば、上方のスペースが少なくて済み、特に、複数のナットランナーを用意しておき、水平方向動により切替え可能とすれば、多種のワークにも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワーク位置決め装置の平面図
【図2】図1のA方向矢視図
【図3】図1のB方向矢視図
【図4】上部位置決めユニットを構成する位置決め冶具の拡大図
【図5】第1の位置決め手段の全体図
【図6】第1の位置決め手段を構成する位置決め冶具の拡大図
【符号の説明】
1…ワーク位置決め装置、2…フレーム、3…上部位置決めユニット、4…下部位置決めユニット、5…シリンダユニット、6…支持プレート、7…ナットランナー装置、8…シリンダユニット、9…位置決め冶具、10…ガイド穴、10a…テーパ穴、11…突部、12…支持プレート、13…シリンダユニット、14…ベルトコンベア、15…第1の位置決め手段、16…シリンダユニット、17…位置決め冶具、18…ガイド穴、19…テーパ穴、20…第2の位置決め手段、21…支持プレート、22…シリンダユニット、23…プッシャー、24…ストッパ機構、25…レール、26…シリンダユニット、27…スライダー、28…シャフト、29…ストッパ片、100…搬送ライン、101…ベルトコンベア、102…隙間、W…ワーク、S…ワークの軸。

Claims (3)

  1. 上下方向に軸部が突出したワークを位置決めする装置であって、このワーク位置決め装置は上部位置決めユニットと下部位置決めユニットから構成され、下部位置決めユニットは、装置内に平行に配置される一対のベルトコンベアと、前記一対のベルトコンベア間から下方に突出するワークの軸と嵌合して下方からワークの位置決めを行う第1の位置決め手段と、ワークを水平方向から位置決めする第2の位置決め手段とを備え、また前記上部位置決めユニットは上方に突出するワークの軸と嵌合して上方からワークの位置決めを行う位置決め手段を備え、前記第1の位置決め手段と前記第2の位置決め手段とは一体的に昇降動し、前記一対のベルトコンベアは前記第1及び第2の位置決め手段とは独立し
    て昇降動し、前記第1の位置決め手段と前記第2の位置決め手段を上昇させてワークの下部を位置決めするとともに、前記第2の位置決め手段に設けられたプッシャーが、前記一対のベルトコンベアよりも高くなった位置で当該プッシャーをワークに押し当てて水平方向の位置決めを行い、続いて前記上部位置決めユニットに備えられた位置決め手段により上方から位置決めを行った後に、前記一対のベルトコンベアにより、ワークをナットランナー装置の位置まで更に上昇せしめることを特徴とするワーク位置決め装置。
  2. 請求項1に記載のワーク位置決め装置において、前記上部位置決めユニットはナットランナー装置の一部に組み入れられていることを特徴とするワーク位置決め装置。
  3. 請求項2に記載のワーク位置決め装置において、前記ナットランナー装置は複数設けられ、これらナットランナー装置は水平移動により切替え可能とされていることを特徴とするワーク位置決め装置。
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