JPS6131786Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、工作機械における加工品の締付治具
に関する。

従来、工作機械に加工品を供給し、位置決め固
定する作業は、人的に加工品をガイド等に押当て
て位置決めしたのしち、複数個所にあるクランパ
ーを１つづつ操作して固定していた。このため、
加工品の位置決め誤差、各クランパー操作時の加
工品の移動、あるいはクランプ力不足によつて生
じる加工荷重による加工品の移動等により不良品
を出すことがあつた。

本考案の目的は、前記した従来技術の欠点をな
くし、加工品の位置決めと締付を確実に行なえる
ようにした加工品締付装置を提供するにある。

上記目的を達成するため、本考案においては、
基準プレート上に載置された加工品の回転方向お
よび水平方向の位置決めを１本のシリンダで行な
うと共に、複数のクランパーを１本のシリンダー
で同時に操作して、位置決め時の誤差、クランプ
時および加工時の加工品の移動を防止するように
したことを特徴とする。

以下、本考案の一実施例を図面にしたがつて説
明する。

第１図ないし第３図は、本考案の一実施例を示
すものである。同図において、１は加工品にし
て、本体１ａから張出したフランジ部１ｂに複数
のリブ１ｃが形成されている。２はベース。３は
ベース２の一側に固定された治具本体で、前記加
工品１の本体１ａが側方より挿入し得るように溝
３ａが形成されている。４は治具本体３に固定さ
れたｕ字状の基準プレートで、その開口部は、前
記溝３ａの開口部に一致している。基準プレート
４には、加工品１の本体１ａの外周に形成された
基準面と接する基準面４ａと、フランジ部１ｂに
形成された基準面に接すると共に加工品１を支持
する基準面４ｂが形成されている。５は前記ベー
ス２の一側に固定されたブラケツト。６は前記治
具本体３とブラケツト５の間に平行に支持された
一対のガイドバー。７は前記ガイドバー６に摺動
自在に嵌合するブツシユ８を固定した位置決めプ
レート。９は前記ブラケツト５に支持されたシリ
ンダで、そのロツド１０は先端に取付けられたジ
ヨイント１１と、位置決めプレート７に取付けら
れたジヨイント１２を介して、ボルト１３で位置
決めプレート７に結合されている。１４は前記ブ
ラケツト５に前記位置決めプレート７と対向する
ように取付けられているストツパー。１５および
１６は前記治具本体３と位置決めプレート７とに
互いに対向するように取付けられたストツパー。
１７および１８は前記位置決めプレート７にねじ
軸１９を介して位置調整可能に支持されたドツ
グ。２０および２１は前記ベース２に固定され、
前記ドツグ１７および１８の位置を検出するリミ
ツトスイツチ。２２は前記ジヨイント１１および
１２の上に固定されたケース。２３は前記ケース
２２に固定されたスリーブ。２４は前記スリーブ
２２の一端に取付けられた蓋。２５は前記蓋２４
内に挿入されたばね。２６は前記スリーブ２３に
摺動自在に嵌合支持された位置決めアームにし
て、後端にストツパ２７が固定され、ばね２５の
押圧力によつてスリーブ２３から脱落するのを防
止している。この位置決めアーム２６の先端は、
前記加工品１のリブ１ｃの間に挿入されて、加工
品１の回転方向の位置決めを行なうようになつて
いる。２８は前記位置決めプレート７に固定され
たスリーブ。２９は前記スリーブ２８の一端に取
付けられた蓋で、スリーブ２８内に挿入されたば
ね３０を支えている。３１は前記スリーブ２８に
摺動自在に嵌合支持された位置決めロツドにし
て、後端にストツパ３２が固定され、ばね３０の
押圧力によつてスリーブ２８から脱落するのを防
止している。この位置決めロツド３１の先端部に
は、前記加工品１のフランジ部１ｂの外周面に接
する傾斜面３１ａが形成され、この傾斜面３１ａ
の終端部の上方に、加工品１の浮上りを防止する
ための押え板３２が固定されている。３３は前記
治具本体３に固定されたケース。３４は前記ケー
ス３３に固定されたガイドで、前記位置決めロツ
ド３１の先端を案内し、加工品１の位置決めの際
の位置決めロツド３１の曲りを防止する。３５は
前記治具本体３にピン３６を介して回動自在に支
持されたクランパー。３７は前記クランパー３５
にピン３８で回動自在に結合され、かつ前記治具
本体３およびベース２に形成された穴を摺動可能
に貫通し、ベース２の下方に突出している操作
桿。３９は前記ベース２の下方に配置され、前記
操作桿３７の一端を一体に結合する操作板。４０
は前記ベース２の下面に前記操作板３９を跨ぐよ
うに固定されたブラケツト、４１は前記ブラケツ
トに支持されたシリンダで、そのロツドは前記操
作板に結合されている。

上記の構成において、加工品１の位置決め、固
定は次のようにして行なう。

位置決めプレート７を左側のストツパー１４に
当接する位置で待機させる。一方、クランパー３
５は、第２図に二点鎖線で示すように、開いた状
態で待機させる。

加工品１を矢印Ａ方向から挿入し、基準プレー
ト４上に仮位置決めして載置する。次に、シリン
ダ９を作動させ、位置決めプレート７を治具本体
３側へ移動させる。すると、まず、位置決めアー
ム２６が加工品１のリブ１ｃの間に入り、加工品
１の回転方向の位置決めをする。ついで、位置決
めロツド３１の傾斜面３１ａが加工品１に接触し
加工品１を水平方向へ移動させ、水平方向の位置
決めを行なう。このとき、位置決めロツド３１の
先端は、ガイド３４に嵌合し案内されて位置決め
ロツド３１の曲りを防止する。

この状態で、シリンダ４１が作動して、操作板
３９を引下げる。すると、操作桿３７が下降して
クランパー３５を回動さ、クランパー３５で加工
品１のフランジ１ｂあるいはリブ１ｃを押えて、
基準プレート４上に加工品１を固定する。

このようにして、加工品１の締付が終つたの
ち、所定の加工を行なう。

加工後、加工品１を解放する場合には、シリン
ダ４１を作動させ、操作板３９を上昇させたの
ち、シリンダ９を作動させ、位置決めプレート７
をストツパ１４に向けて後退させる。

以上述べた如く、本考案によれば、加工品の位
置決め、固定が全て機械的行なわれ、かつ複数の
クランパーが同時に加工品を固定するので、加工
品の横ズレが生じることがなく、確実に固定でき
るので、加工不良が発生する心配がない。また、
作業が容易で能率的であるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す平面部分断
面図、第２図は、第１図の正面部分断面図、第３
図は、加工品の一例を示す斜視図である。 １……加工品、３……治具本体、４……基準プ
レート、７……位置決めプレート、９……シリン
ダ、２６……位置決めアーム、３１……位置決め
ロツド、３５……クランパー、４１……シリン
ダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 治具本体上の基準プレートに仮位決めされた加
   工品を位置決めして固定する加工品締付治具にお
   いて、前記治具本体の側面に対し、近接離間する
   方向に摺動可能に配置された位置決めプレートを
   設け、この位置決めプレートに、加工品に係合し
   て加工品の回転方向の位置決めを行なう位置決め
   アームと、加工品の外周に当接して加工品を基準
   プレートに押付ける位置決めロツドとを、位置決
   めプレートの摺動方向と同じ方向に摺動可能に設
   け、前記治具本体に、基準プレートの外方に位置
   するように配置され、基準プレートの加工品載置
   面に対し垂直方向に摺動可能に支持された複数の
   クランパーを設け、前記位置決めプレートを摺動
   させるシリンダと、前記複数のクランパーを同時
   に揺動させるシリンダとを設けたことを特徴とす
   る加工品締付治具。