JPS6142768Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はクランプした工作物の抜出し装置に関
するものである。

本考案の目的は、クランプされた工作物の寸法
（高さ）の変化にかかわらず抜出しアームの揺動
ストロークを常に一定に維持し、特別な段取替え
なしで寸法の異なる工作物を抜出すようにしたこ
とである。

トランスフアマシン等においては加工位置で工
作物が位置ずれしないように位置決めピンにて位
置決めしてクランプしているため、加工終了後こ
の工作物を次のステーシヨンに搬送するには前記
工作物を位置決めピンより抜出す必要がある。

従来、この工作物の抜出しは工作物を基準金へ
押し付けクランプするクランパに工作物の上面に
係合する抜出しアームを一体に設け、クランパの
アンクランプ動作と連動して工作物を位置決めピ
ンより抜出していた。このような従来装置におい
ては抜出しアームがクランパと一体構成であり、
しかも抜出しアームの工作物への係合部は工作物
の寸法（高さ）に対応させなければならないため
１種類の工作物に対応させると寸法の異なる工作
物の抜出しには対応できない問題があつた。

本考案はこのような従来の問題を解消したもの
で、その特長は、抜出しアームを基準金の近傍に
クランパのクランプ方向と平行な方向に移動可能
に設け、且つ抜出しアームには工作物の寸法差に
応じた複数段の当接部を形成し、クランパ側はア
ンクランプのときのみにクランプした工作物の寸
法と対応する前記当接面に当接して抜出しアーム
を作動させる係合爪を設け、予め設定した各種寸
法の工作物の抜出しを可能としたことである。

以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。
固定台１の上方に基準プレート２が固設され、そ
の下面に工作物Ｗが当接する基準金３と、工作物
Ｗの位置決め穴Whに嵌合する位置決めピン４と
が設けられている。また、固定台１にはクランプ
用シリンダ５が固設され、このクランプ用シリン
ダ５のピストンロツド７に昇降ロツド８が結合さ
れており、昇降ロツド８の上端には工作物Ｗを基
準プレート２側に上昇して押付けクランプするク
ランパ９が設けられてい。６は前記昇降ロツド８
を案内するガイドスリーブである。１０はトラン
スフアバー、１１は搬送爪であり、トランスフア
バー１０の回転によつて搬送爪１１を工作物Ｗに
係合させ、さらにトランスフアバー１０の紙面に
垂直な方向への移動によつてクランパ９上の工作
物Ｗを次工程の支持台（図略）上へと搬送する。

本考案は前記基準プレート２の下面の固定部に
抜出しアーム１２を支持軸１３によつてクランパ
９のクランプ方向と平行な方向に移動可能に支持
する。この抜出しアーム１２には位置決めピン４
が嵌合する位置決め穴Wh近傍の工作物Ｗの上面
に当接する抜出し爪１４と、基準プレート２を貫
通して上面に突出するロツド２３と、このロツド
２３を常に上方に上げる戻しスプリング１５とが
設けられ、さらに重要なことは異なる工作物Ｗの
寸法（高さ）差h₁に応じた間隔h₂で複数段の当接
部１６が設けられていることである。

一方、昇降ロツド８と平行な軸線で昇降動自在
な可動バー１８を固定台１と基準プレート２との
間に設け、この可動バー１８と昇降ロツド８とを
ブラケツト１７にて連結し、可動バー１８をクラ
ンパ９の昇降動と連動させる。また、可動バー１
８には、クランパ９のクランプ方向への移動の際
には前記当接部１６より逃げ、アンクランプ方向
への移動の際には当接部１６に当接する係合爪１
９をピン２０により進退可能に枢支し、且つ当接
部１６の方向へ押動するスプリング２１を介装し
て設ける。２２は係合爪１９のストツプボルトで
ある。

本考案は上記の通りの構造であるから、クラン
パ９上の工作物Ｗはクランプ用シリンダ５の上昇
作動によつて基準プレート２の方向に押し上げら
れ、基準金３に当接し、且つ位置決めピン４に嵌
合してクランプされる。このクランプ動作で可動
バー１８も一体運動し、例えば高さの小なる工作
物Ｗの場合、係合爪１９は下方の当接部１６に係
合し、また高さの大なる工作物Ｗの場合、係合爪
１９は下方の当接部１６を乗越え、工作物Ｗの寸
法に応じた上方の当接部１６に対応位置する。従
つて、工作物Ｗのアンクランプの際に係合爪１９
は工作物寸法に応じた所要の当接部１６に当接し
て搬出アーム１２を支持軸１３を支点にして下降
動し、抜出し爪１４が工作物Ｗの上面を押し下げ
て位置決めピン４より抜出すのである。位置決め
ピン４より抜出された時点までクランパ９並びに
係合爪１９が下降すると、係合爪１９と当接部１
６との当接関係は、抜出しアーム１２の下降旋回
により係合爪１９と当接部１６との位置が離間す
るために解脱し、抜出しアーム１２は戻しスプリ
ング１５によつて速やかに原位置に戻るのであ
る。なお、上記実施例では当接部１６を抜出しア
ーム１２に形成し、係合爪１９を可動バー１８に
取付けているが、これに限定されるものではな
く、当接部１６を可動バー１８に形成し、係合爪
１９を抜出しアーム１２に支持するようにしても
よい。

このように本考案によると、クランプした工作
物の寸法（高さ）に基き、抜出しアームに形成し
た各工作物の寸法差に応じた間隔で設定されてい
る複数段の当接面に係合爪がクランプ動作と連動
して所要の当接部と対応すべく自動的に選択し、
アンクランプ動作と連動して抜出しアームを工作
物の抜出し方向に作動させるものであるため、寸
法（高さ）の異なる工作物に対する位置決めピン
からの抜出しを特別な段取替を行うことなく可能
とした効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考悪装置の縦断面図、第２図は第１
図−線矢視断面図である。 １……固定台、２……基準プレート、３……基
準金、４……位置決めピン、５……クランプ用シ
リンダ、９……クランパ、１２……抜出しアー
ム、１３……支持軸、１５……戻しスプリング、
１６……当接部、１７……ブラケツト、１８……
可動バー、１９……係合爪、２０……ピン、２１
……スプリング、２２……ストツプボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工作物を押付けてクランプする基準面近傍の固
   定部に工作物に当接して位置決めピンより抜出す
   抜出しを有する抜出しアームをクランパのクラン
   プ方向と同じ面内で揺動可能に支持すると共に、
   この抜出しアームもしくはクランパ上の一方に工
   作物の寸法差に応じた間隔で複数段の当接部を形
   成し、クランパもしくは抜出しアームの他方にク
   ランパのクランプ方向の移動では前記当接部より
   逃げ、アンクランプ方向の移動では当接部に当接
   する係合爪を進退可能に設けたことを特徴とする
   工作物抜出し装置。