JPS62277378A - カズサマイシンb、その製造法およびその用途 - Google Patents

カズサマイシンb、その製造法およびその用途

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JPS62277378A
JPS62277378A JP61106502A JP10650286A JPS62277378A JP S62277378 A JPS62277378 A JP S62277378A JP 61106502 A JP61106502 A JP 61106502A JP 10650286 A JP10650286 A JP 10650286A JP S62277378 A JPS62277378 A JP S62277378A
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kazusamycin
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梅沢 巖
Hiroki Komiyama
寛機 小宮山
Kotaro Funaishi
船石 興太郎
Kenji Kawamura
健二 河村
Masanori Okanishi
岡西 昌則
Takayoshi Okabe
隆義 岡部
Hajime Morishima
森島 甫
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 3、発明の詳細な説明 〔産業上の利用分野〕 本発明は、抗腫瘍作用および抗真菌作用を有する新規な
カズサマイシンB1その製造法およびそれを含有してな
る抗腫瘍剤又は抗真菌剤に関するものである。
〔従来の技術〕
抗腫瘍作用および抗真菌作用を有する微生物産生の抗生
物質としては、例えば制癌性抗生物質81−484 (
特開昭60−141293号公報、ジャーナル・オプ・
アンティバイオティクス(J−ournal of A
ntibiotics)第37巻、第706頁−第71
1頁(1983年)参照〕が知られている。
またこの抗生物質と類似した構造を有し、かっ抗真菌作
用を有する微生物産生の抗生物質としては、レプトマイ
シン類〔特開昭55−118499号公報;ジャーナル
・オブ・アンティバイオティクス(Journal o
f Antibiotics)第36巻、第639頁−
第650頁(1983年)〕が知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は新規で有用な抗腫瘍性抗生物質を提供すること
を目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、新規な抗生物質の探索を目的として種々
の土壌から菌株を分離し、その生産する代謝産物につい
て研究を続けた結果、千葉具で採取した土壌から分離し
た菌株81−484の培養物中に、一部の真菌類に対し
て抗菌活性を示し、しかもP388マウス白血病および
ザルコーマ180細胞の増殖抑制作用を有する物質が産
生されるごとを見い出した。さらにまた、本発明のカズ
サマイシンBは、抗生物質81−484よりも安全域の
広い抗腫瘍剤であることを見い出した。
その理化学的性質を有する物質は他に報告がないことか
ら、この物質をカズサマイシンBと呼称することにした
。本発明は、かかる知見に基いて完成されたものである
本発明は、後記の理化学的性質を有するカズサマイシン
Bまたはその塩、ストレプトマイセス属に属するカズサ
マイシンB生産菌を栄養培地に培養し、該培養中にカズ
サマイシンBを蓄積せしめ、該培養物からカズサマイシ
ンBを採取することを特徴とするカズサマイシンBまた
はその塩およびカズサマイシンBまたはその塩を有効成
分として含有することを特徴とする抗腫瘍剤または抗真
菌剤に関するものである。
カズサマイシンB生産菌は、ストレプトマイセス属に属
するが、例えば本発明者らが分離したストレプトマイセ
ス属に属する菌株81−484は、本発明に最も有効に
使用される菌株の一例であって、本菌株の菌学的性質を
示すと次ぎの通りである。
(3)、形態的特徴 81−484菌株は多くの寒天平板培地上で菌糸状で豊
富に発育し、その基間菌糸の分断は観察されない、気菌
糸が形成される場合は、その胞子柄が直線状またはいわ
ゆる不完全型のら線状であり、その先端の20個以上の
連鎖状の胞子が観察され、胞子のうは観察されない。そ
の胞子の表面は平滑であり、長径約0.8μm×短径約
0. 4μの楕円径である。
(b)0次の各培地における生育状態 各培地における生育状態(27℃で3週間培養後の各培
地における生育状態)の観察は第1表の通りである。
(C)0次の各生理学的性質 ■生育温度範囲:20〜30℃で生育が可能であり、2
7℃付近が最適であ る。
■ゼラチンの液化(グルコース・ペプトン・ゼラチン培
地上)  :陰性 ■スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒天培地上)
     :陰性 ■脱脂牛乳の凝固、ペプトン化(10%スキムミルク培
地上)  :凝固は陰性であり、ペプトン化は陽性であ
る。
■メラニン様色素の生成(チロシン寒天培地およびペプ
トン・イースト・鉄寒天培地上):陰性 ■硫化水素の生成(ペプトン・イースト鉄寒天培地上)
     :陰性 ■亜硫酸塩の生成(硫酸塩培地上) :陽性 (d)1次の各炭素源の利用性 炭素源の利用性は、プリドハム・コドリープ寒天培地上
27℃で1ケ月間培養した後に観察した。
なお、→はよく利用する。+は利用する。−は利用しな
い意味をそれぞれ示す。
■L−アラビノース      − ■D−キシロース       − ■D−グルコース       → ■D−フラクトース      − ■シュクロース        − ■イノシトール        + ■L−ラムノース        + ■ラフィノース        − ■D−マンニトール      − (e)、細胞壁の組成 りeckerらの方法[Applied Microb
iology、第13巻、第236頁−第243頁(1
965年)]に基づいて分析した結果、1.c、型のジ
アミノピメリン酸が検出された。
以上の菌学的性質から、零81−484菌株はストレプ
トマイセス属に属する菌株であることは明らかである。
しかしながら、どの種に属するかは明らかにできないの
で、取りあえず本菌株をストレプトマイセス (Str
eptomyces)  81−484と命名すること
にする。なお、本菌株は、通商産業省工業技術院微生物
工業技術研究所に微工研菌条寄第571号(FERM−
BF271)として寄託されている。
以上、カズサマイシンBについて説明したが、放線菌の
一般的性状として蘭学上の性状は極めて変異し易く、一
定したものではなく、自然的にあるいは通常行われる紫
外線照射、X線照射または変異誘導剤、例えばN−メチ
ル−N”−ニトロソグアニジン、エチルメタンスルホネ
ートなどを用いる人工的変異手段により変異することは
周知の事実であり、このような人工的変異株も含め、ス
トレプトマイセス属に属し、カズサマイシンBを生産す
る能力を有する菌株はすべて本発明に使用することがで
きる。
本発明において、先ずストレプトマイセス属に属するカ
ズサマイシンB生産菌が適当な培地に培養される。本菌
の培養においては、通常放線菌の培養に使用される培地
ならばいずれも使用することができる。培地としては、
微生物が同化し得る炭素源、消化し得る窒素源、さらに
必要に応じて無機酸塩等を含有させた栄養培地が使用さ
れる。
同化し得る炭素源としては、プ下つ糖、糖蜜、澱粉、デ
キストリン、セルロース、コーン・ステイープ・リカー
、グリセリン、存機酸などが用いられる。同化し得る窒
素源としては、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾燥
酵母、大豆粉、コーン・ステイープ・リカー、綿実粕、
カゼイン9、大豆、蛍白分解物、アミノ酸、尿素などの
有機窒素源、硝酸塩、アンモニウム塩などの無機窒素化
合物が単独または組み合わせて用いられる。その他、必
要に応じてナトリウム塩、カリウム塩、リン酸塩、カル
シウム塩、マグネシウム塩などの無機塩類が添加される
。さらに、培地には、必要に応じて、木閑の生育やカズ
サマイシンBの生産を促進する微量栄養素、発育促進物
質を適当に添加してもよい。
培養は通常振盪または通気攪拌培養などの好気的条件下
で行うのが好ましい。工業的には深部通気攪拌培養を行
うのが好ましい。培地のpHは中性付近で培養を行うの
が好ましい。培養温度は20〜37℃でも行い得るが、
通常は24〜30℃、好ましくは27℃に保つのがよい
。培養時間、液体培養の場合、通常4〜6時間培養を行
うと、本発明によるカズサマイシンBが生産蓄積される
好ましくは、培養液“中の蓄積量が最大に達した時に培
養を終了すればよい。これらの培地組成、培地の液性、
培養温度、攪拌温度、通気量などの培養条件は使用す之
菌株の種類や外部の条件などに応じて好ましい結果が得
られるように適宜調節、選択されることはいうまでもな
い。液体培養において発泡があるときは、シリコン油、
植物油、界面活性剤などの消泡槽を適宜使用してもよい
このようにして得られた培養物中に蓄積されたカズサマ
イシンBは主として培養濾液中に含有されているので、
培養物を必要に応じて濾過補助剤例えばセライト、ハイ
フロス−パーセルなどを加えて濾過するか、又は遠心分
離して培養濾液と菌体とに分離し、その培養濾液からカ
ズサマイシンBを採取するのが有利である。
また、本発明のカズサマイシンBは菌体にも含まれるの
で、菌体からメタノールなどの低級アルコール、アセト
ンなどでカズサマイシンBを抽出し、得られた抽出液を
減圧濃縮して該有機溶媒を除去した後、以下に述べる培
養濾液からの精製を進めることができる。培養濾液から
カズサマイシンBの分離精製を□行うためには、カズサ
マイシンBが後述のようにヘキサンおよび水に不溶であ
り、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、
ジクロルメタン、クロロホルムなどの塩素化メタン系溶
媒、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系
溶媒などの多くの有機溶媒に可溶である酸性物質である
ので、これらの性質を利用した精製法が用いられる。通
常、培養濾液を非親水性有機溶媒、例えばクロロホルム
、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルな
どで抽出することにより、カズサマイシンBが有機溶媒
層に転溶される。上記抽出操作を行う際に、培養濾液を
予め、pH3,0〜5.0の範囲に調節するのが好まし
い。このようにして得られた有機溶媒層は、必要に応じ
て金属イオンなどを除去するために希薄なエチレンジア
ミン四酢酸塩水溶液で洗浄した後、種々の脱水剤例えば
無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、ビーズゲ
ルなどを加えて脱水される。脱水された有機溶媒層を減
圧下で濃縮する。この濃縮操作においてカズサマイシン
Bは安定な物質であるが、通常加熱温度を60℃以下と
なるように行うのが好ましい。残渣にヘキサン、石油エ
ーテルなどの有機溶媒を加えてカズサマイシンBを沈澱
させることができる。得られた沈澱物は数回ヘキサンな
どで洗浄後、吸引濾過または遠心分離によりカズサマイ
シンBを褐色の粗製物として採取することができる。
上記の粗製物をさらに精製するためには、カズサマイシ
ンBと混合物との溶解度の差や、混じり合わない二液層
間の分配率の差や、各種吸着担体に対する吸着力の差を
利用したクロマトグラフィーなど多くの手段が可能であ
るが、特にクロマトグラフィーはカズサマイシンBの精
製には非常に有効な方法である。カズサマイシンBの精
製に有効なりロマトグラフィーとしては、例えばシリカ
ゲル、アルミナ、活性炭、セルロース、ヒドロキシアパ
タイト、HP−20などの吸着剤による吸着クロマトグ
ラフィー、シラン化シリカゲル、オクタデシルシラン化
シリカゲルなどを用いる逆相分配クロマトグラフィー、
セファデックスLH−20、トヨバールなどを用いる分
子篩にもとずくゲル濾過クロマトグラフィー、DEAE
セルロース、DEAEセファデックス、DEAE )ヨ
パールなどを用いるイオン交換クロマトグラフィーなど
があげられる。
カズサマイシンBは、これらのクロマトグラフィーや電
気泳動、向流分配、限外濾過、蒸溜などの手段を単独あ
るいは任意の順序に組み合わせるか、または反復して用
いることにより分離精製することができる。例えば前記
粗製物を少量のクロロホルム、ベンゼンなどに溶かし、
これを予め充填されたシリカゲルのカラムに吸着させ、
ヘキサン−アセトン系混合溶媒を用いてカラムクロマト
グラフィーを行い、その活性画分を集め、減圧濃縮せし
める。これをさらに少量のクロロホルムなどに溶解し、
シリカゲルに吸着させ、クロロホルム−メタノール系混
合溶媒を用いてカラムクロマトグラフィーを行い、その
活性画分を集め、減圧濃縮後、少量のメタノールに溶か
し、これを逆層シリカゲルカラムに吸着させ、メタノー
ル−水系混合溶媒でカラムクロマトグラフィーを行うこ
とによりカズサマイシンBを分離精製することができる
このようにして得られたカズサマイシンBは酸性物質で
あるから、公知の方法により塩に変換し得る。
このような塩としては、医薬的に許容し得る非毒性塩が
あげられ、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアル
カリ金属塩、カルシウム塩、公知の有機アミンとの塩な
どがあげられる。
次に、以上の如くして得られたカズサマイシンBの理化
学的性質について述べる。
■元素組成;C□zHah07(高分解能マススペクト
ルによる) ■分子1  ;542(FDSIマススペクトルによる
〕 ■融点  ;52〜55℃ ■比旋光度: 〔α)28=−86,95℃(c=0.
1、メタノール) ■紫外線吸収スペクトル ;第1図の通り(メタノール中で測 定) ■赤外線吸収スペクトル ;第2図の通り(KBrディスク法 で測定) ■’ H−NMRスペクトル ;第3図の通り(重クロロホルム中 360MHzで測定) ■13C−NMRスペクトル ;第4図の通り(重クロロホルム中 90.56MHzで測定) ■溶剤に対する溶解性 ;ジエチルエーテル、メタノール、 エタノール、ジクロロメタン、ク ロロホルム、酢酸エチル、酢酸ブ チル、アセトンおよびベンゼンに 可溶、ヘキサン、水に不溶。
[株]塩基性、酸性、中性の区別 ;酸性物質 ■物質の色;淡黄色の粉末 @呈色反応; ヨード発色、三塩化アンチ モン反応に陽性。
ニンヒドリン反応、アントロン− 硫酸反応、塩化第二鉄反応に陰性 0シ一リカゲル薄層クロマトグラフィー: (担体メル
ク社製、シリカゲル60) 、Rf値=0.17 (展開溶媒:ク ロロホルムー メタノール= 10 : 1) ;Rf値=0.23 (展開溶媒:酢 酸エチル−メ タノール=4 0:1) 以上の理化学的性質から、本発明のカズサマイシンBの
化学構造は式(1)の如く推定される。
0    0HCH3 CH−C、CIl −CH−C−CH−CH−CI  
(1)HOOC−C)l = C−CH:+ その名称は、19− (3,6−シヒドロー3−メチル
−6−オキソ−2H−ピラン−2−イル)−6−ヒドロ
キシ−9−ヒドロキシメチル−3゜5.7,11,15
.17−ヘキサメチル−8−オキソ−2,10,12,
16,18−ノナデカペンタン酸である。
上記の通り、本発明のカズサマイシンBは、抗真菌作用
および抗腫瘍作用を有することから、真菌感染症および
腫瘍の治療剤として有用である。
前記の理化学的性質を有するカズサマイシンBと比較的
類似している物質としては抗生物質81−484および
抗生物質レブトマイシン類があげられる。しかしながら
、カズサマイシンBのInおよび”C−NMRスペクト
ルがこれらの物質のものとは明らかに異ることから、本
発明のカズサマイシンBは新規な抗腫瘍性物質であると
認められる。
本発明のカズサマイシンBまたはその塩を有効成分とし
て抗腫瘍剤または抗真菌剤として使用する場合は、相容
性の薬学的に許容し得る担体とともに薬学的組成物とす
ることができる。これらの組成物は、所望の投与方法に
対して適当な薬学的形態のいずれかになし得る。このよ
うな形態の例としては、錠剤、カプセル、ピル、粉剤お
よび顆粒のような経口投与に対する固体形態、溶液、懸
濁液、シロップおよびエリキサ−のような局所または経
口投与に対する液状形態および滅菌溶液、懸濁液または
エマルジョンのような非経口投与に適した形態を包含す
る。
本発明の有効成分を用いて薬学的組成物を調整する場合
に使用される相容性の薬学的に許容し得る担体は、固体
または液体である。固体形態の製剤は、粉剤、錠剤、分
散性顆粒、カプセル、カシェ−および串刺を包含する。
面体の担体は希釈剤、風味剤、可溶化剤、結合剤または
錠剤崩壊剤として作用する1種またはそれ以上の物質で
あり得る。
また、それはカプセル化物質であってもよい。粉剤にお
いては、微細な活性化合物と混合される微細な固体であ
る。錠剤においては、活性化合物を必要な結合性を有す
る担体と適当な割合で混合し、そして所望の形状および
大きさに圧搾する。粉剤および錠剤は、好適な有効成分
5ないし70%を含有する。適当な固体担体は、炭酸マ
グネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、
ラクトース、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン
、トラガントゴム、メチルセルロース、ナトリウム、カ
ルボキシメチルセルロース、低融点ワックス、ココアバ
ターなどである。
串刺の製造に対しては、脂肪酸グリセライドまたはココ
アバターの混合物のような低融点ワックスを始めに融解
し、そして活性成分を撹拌によってその中に均等に分散
させる。次に融解した均質な混合物を所定の大きさの型
に注入し、冷却し、固化させる。
非経口または経口投与に使用される液状形態の製剤とし
ては、例えば溶液、懸濁液およびエマルジョンがあげら
れる。より具体的にはこの非経口投与に使用される液状
製剤としては、水また水−プロビレングリコールリン容
液をあげることができ、一方経口使用に適した液状製剤
としては、所望に応じて適当な着色剤、風味剤、安定剤
および濃化剤を加えることのある、水溶液、並びに微細
な活性成分を粘稠な物質、例えば天然または合成ゴム、
樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチル
セルロースおよび他の公知の懸濁剤とともに水に分散し
た水性懸濁液があげられる。これらの液状形態の製剤は
、適当な溶剤に分散または溶解させることにより容易に
調整される。
製剤の単位使用における有効成分の量は、約0゜1〜5
03mg、好適には1〜100mgである。
なお。これらの製剤は、必要ならば、他の相容性の治療
剤、例えば他の抗腫瘍剤、抗薗剤または抗真菌剤を含有
することもできる。
治療に供する場合における使用量の範囲は、経口投与の
場合における1日あたり体重1kgに付1〜500mg
であり、一方経口投与の場合には1日あたり体重1kg
に付0.1〜100mgである。しかしながら、この使
用量は患者の年齢、性別、体重、症状などにより適宜増
減させることができる。
〔発明の効果〕
次に本発明のカズサマイシンBの生物学的性質について
述べる。
(1)抗菌スペクトル 試験化合物のMICは寒天希釈法により決定された。即
ち、順次希釈された試験化合物の水溶液1.0mgをシ
ャーレに注ぎ、次に試験菌が細菌である場合にはミュー
ラ・ヒントン寒天培地9.0mj!を、一方試験菌が真
菌である場合には、サブロー寒天培地9.0mgを注い
で混ぜる。その混合寒天プレート上に、試験菌の混濁液
(約10”CFU/mAりを塗抹する。37℃で一夜培
養した後、試験菌の増殖を完全に■害する試験化合物の
濃度を、最小生育阻止濃度(M I C)とする。その
測定結果を第2表に示す。なお、(*)印を付した試験
菌については、栄養寒天培地(日本製)を用いて、28
℃で2日間培養して測定した。
第2表 力ズサマイシンBの抗菌スペクトル上記の第2
表から明らか 如く、カズサマイシンBは、一部の真菌
類に対して抗菌活性を示すが、細菌に対しては抗菌活性
を示さない。
(2)P388マウス白血病に対する治療効果BDF、
マウス(雌、6週令)の腹腔内P388細胞1×10s
個を移植後、1日、5日および9日目に1日1回所定の
投与蓋の試験化合物を腹腔内に注射し、移植後の生存日
数を指標に試験化合物の抗腫瘍効果を検討した。なお、
延命率は下記の計算式により求め、その結果を第3表に
示す。
延命率(%)= テスト群の平−生存日数一対照群の平均生存日数対照群
の平均生存日数 ×100 (3)急性毒性試験 ICRマウス(雌、5週令)に試験化合物を種々の投与
量で腹腔内に注射後、1週間観察し、急性毒性について
検討した。Litchf 1eld−Wi 1coxo
n法により50%敗死濃度(LDs。)を求めた。その
結果を第4表に示す。
第4表 急性毒性 以上第3表および第4表の結果から、P388白血病マ
ウスの治療効果において、本発明のカズサマイシンBは
抗生物質81−484よりもすぐれ、さらに、抗生物質
81−484投与群においてマウスの毒性列が観察され
る投与量と同じ投与量の本発明のカズサマイシンBの投
与群ではマウスの毒性列が観察されないことおよび急性
毒性においても本発明のカズサマイシンBは抗生物質8
1−484よりも低いことから、本発明のカズサマイシ
ンBは抗生物f81−484よりも広い投与量の安全域
を有する。
上記の通り、本発明のカズサマイシンBは、抗真菌作用
および抗腫瘍作用を有することから、真菌感染症および
腫瘍の治療剤として有用である。
実施例 次に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、こ
れにより本発明を限定するものではない。
実施例 1 81−484菌の培養 500mf容坂ロフラスコにグルコース2.0%、ペプ
トン0.5%、肉エキス0.5%、乾燥酵母0.3%、
食塩065%、炭酸カルシウム0゜3%を含む液体培地
(pH7,0)100mj!を滅菌し、これにグルーコ
ース0.4%、麦芽エキス1.0%、イーストエキス0
.4%、寒天1゜5%を含む寒天斜面培地(pH7,0
)上で、27℃で6日間培養したストレプ、トマイセス
81−484の斜面培養から一白金耳を接種し、振幅1
7am毎分120回往復するレシプロシェーカーにより
27℃で72時間振盪培養して種母を得た。
次に2001容ジャーファーメンタ−にグルコース3.
0%、肉エキス0.75%、乾燥酵母0゜3%、硫酸マ
グネシウム0.2%を含む液体培地(pH7,0)12
01を仕込み、滅菌した後、前記方法で得られた種母2
.51を無菌的に接種し、通気量1307!/分、攪拌
238rpm、28℃で146時間培養し、培養液約1
101を得た。
実施例 2 培 物からのカズサマイシンBの抽出 実施例1で得た培養液1101に濾過補助剤4゜5kg
を加え濾過し、菌体ケーキ約12kgと濾液および洗液
12(H!を得た。
この濾液および洗液を52容のアンバーライトXAD−
7カラムに通過させ、活性成分を吸着させた。このカラ
ムを水1(lおよび20%メタノール−水101にて洗
浄した後、60%メタノール−水で活性成分を溶出させ
た。得られた溶出液252を約31まで減圧濃縮し、溶
出:a!gi液を得た。
他方、該菌体ケーキをメタノール451に懸濁し、約1
時間攪拌した後、濾過し、さらに得られたケーキをメタ
ノール51で洗浄した。得られた濾液および洗液501
を31まで減圧濃縮し、菌体抽出濃縮液を得た。
前記の如くして得られた溶出濃縮液と菌体抽出濃縮液を
合わせて、30%硫酸を加えてpH6゜8に調節し、次
いで酢酸エチル121を加え、充分に攪拌した。生成し
た沈澱物を濾去した後、酢酸エチル層を分取し、無水硫
酸ナトリウムで脱水後減圧濃縮し、カズサマイシンBを
含む茶褐色の油状物31.3gを得た。
実施例 3 シリカゲルクロマトグラフィーによるカズサマイシンB
の精製 実施例2で得られた油状物を予めヘキサンで充填された
シリカゲルC−200(和光紬薬製)カラム(306X
50cm)に吸着せしめ、ヘキサン1.52とヘキサン
−アセトン(1: 1)混液によるグラジェント溶出ク
ロマトグラフィーを行った。得られた活性画分1.31
を減圧濃縮し、茶褐色の油状残渣4.49gを得た。 
これを予め、酢酸エチルで充填されたシリカゲル(和光
紬薬製。
C−200))のカラム(5,OX51cm)に吸着さ
せ、展開液として酢酸エチルを用い、クロマトグラフィ
ーを行い、得られた活性画分1.81を減圧濃縮して、
純度50%程度の淡黄色のカズサマイシンBの粗製固形
物945mgを得た。
実施例 4 実施例3で得たカズサマイシンBの粗製固形物をさらに
精製して、その純品を得るために、高速液体クロマトグ
ラフィー(日本分光TRl1?0TAR−V。
UVIDEC−100−V)を行った。その際、使用し
たカラムはステンレス製パンクドカラムYMC−A−3
43(ODS−5,内径20mmx長さ250mm、山
村化学研究所型)を用いた。
実施例3で得たカズサマイシンBの粗製品120mgを
メタノール1.mβに溶解した試料を注入し、展開溶媒
として0.05Mリン酸−メタノール混液(1: 3.
高速液体クロマトグラフィー用溶媒)を用いて分画を行
った。220nmの紫外部吸収でカズサマイシンBに該
当するピークを集め、これを減圧下メタノールを留去し
た。残渣に酢酸エチルを加え、5%水酸化ナトリウム水
溶液でpH6,5に調節し酢酸エチル層に転溶させた。
酢酸エチル層を精製水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
脱水した後、濃縮乾固して淡黄色のカズサマイシンBの
純品44 m gを得た。
【図面の簡単な説明】
第1図はメタノール中で測定したカズサマイシンBの紫
外線吸収スペクトルを、第2図は該物質のKBrディス
ク法で測定した赤外線吸収スペクトルを、第3図は該物
質の重クロロホルム中36OMHzで測定した’)l−
NMRスペクトルを、第4図は該物質の重クロロホルム
中90.56MHzで測定した”C−NMRスペクトル
をそれぞれ示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)次の理化学的性質を有するカズサマイシンBまた
    はその塩。 [1]元素組成;C_3_2H_4_6O_7(高分解
    能マススペクトルによる) [2]分子量;542〔FDSIマススペクトルによる
    〕 [3]融点;52〜55℃ [4]比旋光度;〔α〕=−86.95°(c=0.1
    、メタノール) [5]紫外線吸収スペクトル ;第1図の通り(メタノール中で測 定) [6]赤外線吸収スペクトル ;第2図の通り(KBrディスク法 で測定) [7]溶剤に対する溶解性 ;ヘキサンおよび水に不溶であり、 ジエチルエーテル、メタノール、 エタノール、ジクロロメタン、ク ロロホルム、酢酸エチル、酢酸ブ チル、アセトンおよびベンゼンに 可溶である。 [8]呈色反応; ヨード発色、三塩化アンチモン反 応に陽性。 ニンヒドリン反応、アントロン− 硫酸反応、塩化第二鉄反応に陰性 [9]塩基性、酸性、中性の区別 ;酸性物質 [10]物質の色;淡黄色の粉末
  2. (2)ストレプトマイセス属に属するカズサマイシンB
    生産菌を栄養培地に培養し、培養物中にカズサマイシン
    Bを蓄積せしめ、該培養物中からカズサマイシンBを採
    取することを特徴とするカズサマイシンB、またはその
    塩の製造法。
  3. (3)ストレプトマイセス属に属するカズサマイシンB
    生産菌がストレプトマイセス81−484株(FERM
    −BP571)である特許請求の範囲第2項記載の製造
    法。
  4. (4)カズサマイシンBまたはその塩を有効成分として
    含有することを特徴とする抗腫瘍剤。
  5. (5)カズサマイシンBまたはその塩を有効成分として
    含有することを特徴とする抗真菌剤。
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