JPS6227495Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、テイルトキヤブ自動車のトーシヨン
バーロツク装置に関するものである。

テイルトキヤブのテイルト操作力を軽減するた
めのトーシヨンバーに結合されたトーシヨンバー
アームでキヤブを傾倒するように付勢するテイル
トキヤブ自動車はトーシヨンバーの反力に抗して
キヤブをフレームにロツクしている。このため、
キヤブをロツクする場合キヤブはキヤブマウント
ラバーを圧縮しつつフレームに強固に固定してい
る。しかし、この従来技術のテイルトキヤブ自動
車ではトーシヨンバーアームがキヤブに常に接触
しているのでトーシヨンバーから振動を受け、キ
ヤブ内にこもり音が発生し乗心地が悪かつた。

このため、最近、走行中トーシヨンバーからキ
ヤブに振動が伝わることがないようにキヤブのロ
ツク時にトーシヨンバーアームをキヤブから離反
させるようにしたテイルトキヤブ自動車が提案さ
れている（実開昭56−152780号参照）。このテイ
ルトキヤブ自動車は、キヤブのロツク時にトーシ
ヨンバーアームがキヤブから離反するようにトー
シヨンバーアームの先端が係入するアイ付アンカ
ーを有し、このアイ付アンカーは手動又は油圧機
構によつて操作されるリンク手段によつて昇降す
るようにしている。しかし、アイ付アンカーはそ
の上昇でトーシヨンバーアームをキヤブに接触さ
せた後直接手動でこのアイ付アンカーをトーシヨ
ンバーアームの先端から外すように操作する必要
があるので操作が２段階となり、またアイ付アン
カーをトーシヨンバーアームから離反する操作は
狭いキヤブの下で行なうので作業がし難く操作性
が低い欠点があつた。

本考案の目的は、キヤブのロツク時とテイルト
時に駆動手段を操作するだけでアイ付アンカーの
昇降と前進後退とを行なつて１つの操作でアイ付
アンカーをトーシヨンバーアームに係合したりト
ーシヨンバーアームから外すことができ、従つて
操作を便利に行なうことができる。テイルトキヤ
ブ自動車のトーシヨンバーロツク装置を提供する
ことにある。

本考案の実施例を図面を参照して詳細にのべる
と、第１図は本考案に係るトーシヨンバーロツク
装置１０を備えたテイルトキヤブ自動車１２を示
し、テイルトキヤブ自動車１２はフレーム１４の
前端に設けられたブラケツト１６にヒンジ結合し
て支持されたキヤブ１８を備え、このキヤブ１８
は同じくブラケツト１６の取付けられたトーシヨ
ンバー２０の基端に結合されたトーシヨンバーア
ーム２２によつて傾倒するように付勢されている
（第１図Ｂ参照）。第２図から判るように、キヤブ
１８はその主フレーム１８Ａにトーシヨンバーア
ーム２２が係合する受座２４を有する。このキヤ
ブ１８は、通常では、トーシヨンバー２０に抗し
て水平状態にされるが、この場合キヤブ１８はフ
レーム１４に設けられたリヤアーチ２６上のキヤ
ブマテイングラバー２８を圧縮しつつキヤブロツ
ク機構３０によつてリヤアーチ２６にロツクされ
る。

本考案のトーシヨンバーロツク装置１０は、第
２図及び第３図に示すように、キヤブ１８をフレ
ーム１４上のリヤアーチ２６にロツクした時トー
シヨンバーアーム２２の先端が係入しつつ前進し
下降するアイ３２を有するアンカー３４と、この
アンカーの下端に枢支されたＳ字形ブラケツト３
６内に支持されたリンク手段３と、このリンク手
段を揺動する駆動手段４０とを備えている。

リンク手段３８は、第３図から判るように、ブ
ラケツト３６の孔３６ａに揺動自在に支持された
揺動軸４２に固定されたアンカー３４の両側に配
置された１対のアーム４４，４４′から成り、こ
れらのアーム４４，４４′の下端はピン４６によ
つてアイ付アンカー３４の下端に枢支されてい
る。

駆動手段４０は、第２図に示すように、フレー
ム１４に固定されたブラケツト４８に枢支された
ハンドル５０と、フレーム１４上にピン５２で枢
支され連結杆５４によつてハンドル５０に一端が
連結された略三角形状のレバー５６と、リンク手
段３８の揺動軸４２に固定され連結杆５８によつ
てレバー５６の他端に連結された揺動レバー６０
とから成つている。

アイ付アンカー３４は、第３図及び第４図に示
すように、このアンカーを略垂直方向に運動する
垂直軌道とトーシヨンバーアーム２２に対し後退
又は前進する水平軌道とに沿つて案内されるよう
にブラケツト３６の略逆Ｌ字形の案内溝６２に係
合するピン６４を有する。

次に、本考案のトーシヨンバーロツク装置の使
用状態を第２図及び第４図を参照してのべる。第
１図Ａに示すように、キヤブ１８をトーシヨンバ
ー２０に抗して水平状態にし、キヤブロツク機構
３０によつてリヤアーチ２６にキヤブ１８のロツ
クした後、ハンドル５０を第２図の実線位置にす
ると、連結杆５４、レバー５６を介して連結杆５
８が矢印ａ方向に引かれるので揺動レバー６０を
介して揺動軸４２が第４図の時計方向に揺動され
る。このため、リンク手段３８はアイ付アンカー
３４を第４図の実線位置としアイ３２がトーシヨ
ンバーアーム２２を引掛けてキヤブ１８から離反
した状態にロツクされる（第１図Ａ参照）。従つ
て、走行中トーシヨンバー２０の振動はキヤブ１
８の伝達されないので乗心地がよくなり、キヤブ
マウントラバー２８のばね定数はキヤブ１８を支
持するのに最適な値に設定することができる。

キヤブロツク機構３０を解放してキヤブ１８を
テイルトさせるためにはハンドル５０を第１図の
想像線で示すように引く。このようにすると、連
結杆５８は第２図の矢印ｂ方向に押されるので揺
動レバー６０はリンク手段３８を揺動軸４２を中
心に第４図の反時計方向に揺動する。このため、
アンカー３４は、ピン６４が案内溝６２に沿つて
第４図の６４Ａ，６４Ｂに示すように移動するに
つれて同図の点線、一点鎖線で示すように運動す
る。この運動は最初は略垂直方向であるのでアイ
３２を上昇するため先ずトーシヨンバーアーム２
２が受座２４に係合し、アイ３２が更に上昇して
トーシヨンバーアーム２２から係合が外れる（第
４図点線参照）。次に運動は略水平方向となるの
でアイ３２はトーシヨンバーアーム２２の先端２
２ａから外れるように後退する（第４図想像線参
照）。従つて、キヤブロツク機構３０を解放する
と、トーシヨンバー２０の反力がそのアーム２２
を介してキヤブ１８に伝えられ、キヤブ１８は第
１図Ｂに示すように前方にテイルトする。

キヤブ１８をキヤブロツク機構３０でロツクし
た後ハンドル５０を再び第２図の実線位置に戻す
と、連結杆５８が矢印ａ方向に引かれるのでアイ
付アンカー３４は第４図の想像線の位置から点線
位置を経て実線位置に至るのでアイ３２はトーシ
ヨンバーアーム２２の先端２２ａを引掛けつつ下
降しトーシヨンバーアーム２２を受座２４から離
反させる。

本考案によれば、上記のように、キヤブのロツ
ク時にトーシヨンバーアームをキヤブから離反さ
せるアイ付アンカーはブラケツトの案内溝の垂直
軌道と水平軌道とに沿つて移動するピンによつて
昇降と前進後退とを行なうことができるようにし
たので駆動手段を１回操作するだけでアイ付アン
カーはトーシヨンバーアームに自動的に係入した
りトーシヨンバーアームから外れる上に狭いキヤ
ブの下での作業が不要となるので操作を便利に行
なうことができる実益がある。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂは本考案に係るトーシヨンバーロ
ツク装置を備えたテイルトキヤブ自動車のロツク
状態とテイルト状態との概略側面図、第２図は本
考案のトーシヨンバーロツク装置の拡大斜視図、
第３図は本考案の要部の拡大斜視図、第４図は本
考案の動作を示す拡大側面図である。 １０……トーシヨンバーロツク装置、１２……
テイルトキヤブ自動車、１４……フレーム、１６
……ブラケツト、１８……キヤブ、２０……トー
シヨンバー、２２……トーシヨンバーアーム、２
２ａ……トーシヨンバーアームの先端、３２……
アイ、３４……アンカー、３６……ブラケツト、
３８……リンク手段、４０……駆動手段、６２…
…案内溝、６４……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレームの前端にブラケツトを介して枢支され
   たキヤブを傾倒するように付勢し前記ブラケツト
   に取付けられたトーシヨンバーに結合されたトー
   シヨンバーアームと、前記キヤブをフレーム上に
   ロツクした時前記トーシヨンバーアームの先端が
   係入するアイ付アンカーと、前記アイ付アンカー
   の下端に枢支されたリンク手段と、前記リンク手
   段を揺動する駆動手段とから成つているテイルト
   キヤブ自動車において、前記アイ付アンカーはこ
   のアンカーを略垂直方向に運動する垂直軌道と前
   記トーシヨンバーアームに対し後退又は前進する
   水平軌道とに沿つて案内されるようにブラケツト
   の案内溝に係合するピンを有し、前記リンク手段
   は前記アイ付アンカーの前記ピンが前記案内溝の
   垂直軌道と水平軌道とに沿つて移動して前記トー
   シヨンバーアームの先端が係入しつつ前進し下降
   し又は前記トシヨンバーアームの先端が外れつつ
   後退し上昇するように前記アイ付アンカーに連結
   されていることを特徴とするテイルトキヤブ自動
   車のトーシヨンバーロツク装置。