JPS6227338B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は冷凍室及び冷蔵室の何れにも選択的に
切換使用し得る兼用貯蔵室を備えた冷蔵庫に関す
る。

冷凍室及び冷蔵室を備えた所謂二温度式の冷蔵
庫では、庫内の有効利用をはかるため、その１部
の室を、冷凍室及び冷蔵室の何れにも選択的に切
換使用し得る兼用貯蔵室をもつ冷蔵庫が供されて
いる。しかし、一般に冷却器で冷却した空気をフ
アンにより庫内へ送風せしめる方式の冷蔵庫で
は、庫内へのフアン送風量をコントロールするだ
けで比較的容易に兼用貯蔵室を形成させることが
できるが、冷凍室及び冷蔵室に夫々設けた冷却器
からの冷気を自然対流させる所謂直冷式の冷蔵庫
においては兼用貯蔵室を備えたものを形成させる
ことは難かしかつた。

そこで、本発明の目的は、所謂直冷式でありな
がら冷凍室及び冷蔵室の何れにも選択的に切換使
用し得る兼用貯蔵室を形成させることができる新
規な冷蔵庫を提供するにある。

以下本発明の第１実施例を第１図乃至第４図に
基づいて説明する。第１図において、１は断熱筐
体で、その内部には断熱仕切壁２，３により上下
に仕切られた冷凍室４、兼用貯蔵室５及び冷蔵室
６を形成する。また、７は冷凍室４の周囲に配設
された箱状の冷凍室用冷却器。８は兼用貯蔵室５
の底面に沿つて配設された第１の冷却器。９は兼
用貯蔵室５の上面、及び奥壁面に沿つて屈曲した
状態で配設された第２の冷却器。１０は冷蔵室４
の奥方上部に後方へ向かうに従つて下降傾斜する
ように配設された冷蔵室用冷却器である。

尚、前記兼用貯蔵室５の上面は、水平方向に対
しθ（＝10゜）の傾斜角を存して後方に下降傾斜
する第２の冷却器９により構成している。１１は
冷蔵室６内の温度を感知すべく冷蔵室用冷却器１
０に取付けた温度スイツチたる冷蔵室用コントロ
ールスイツチ（以下RCSと略称する）で、これ
はその感知温度が所定のオフ温度例えば−８℃以
下になつたときに第４図に示す接点（Ｃ−４）間
が閉成され、且つ感知温度が前記オフ温度より高
いオン温度例えば＋3.5℃以上になつたときに第
４図に示す接点（Ｃ−Ｂ）間が閉成されるという
比較的デイフアレンシヤルの大きな構成である。
１２は冷凍室用コントロールスイツチ（以下
FCSと略称する）で、これは冷凍室４内にその
温度を感知し得るように配設され、その感知温度
が所定のオフ温度以下になつたときに開放され、
且つ該感知温度が所定のオン温度以上になつたと
きに閉成される構成である。１３は断熱筐体１の
下部に設けられた蒸発皿。１４は前記各冷却器
７，８，９及び１０からの除霜水を蒸発皿１３内
に導くためのドレンパイプ。１５は蒸発皿１３の
後方に配設されたコンプレツサ。１６は断熱筐体
１の背面側に配設された主コンデンサ。１７は蒸
発皿１３の下面に沿わせて配設した補助コンデン
サである。

第２図には冷凍サイクルの構成が示されてお
り、以下これについて述べる。即ち、コンプレツ
サ１５の吐出口１５ａと吸入口１５ｂとの間に
は、補助コンデンサ１７、主コンデンサ１６、内
径0.8mm×有効長1600mmの主キヤピラリチユーブ
１８、内径0.7mm×有効長1200mmの第１の補助キ
ヤピラリチユーブ１９、内容積180c.c.に設定され
た前記冷蔵室用冷却器１０、内容積120c.c.に設定
された前記第２の冷却器９、内容積750c.c.に設定
された前記冷凍室用冷却器７が直列に接続され
る。また、第１の補助キヤピラリチユーブ１９、
冷蔵室用冷却器１０及び第２の冷却器９をバイパ
スするようにして第１の電磁弁２０、夫々内径
1.2mm×有効長250mmの第２の及び第３の補助キヤ
ピラリチユーブ２１及び２２が直列に接続され、
且つ該第２及び第３の補助キヤピラリチユーブ２
１，２２の共通接続点と冷蔵室用冷却器１０及び
第２の冷却器９の共通接続点との間に、流路制御
装置たる第２の電磁弁２３と内容積180c.c.に設定
された前記第１の冷却器８とが直列に接続され
る。尚、第１の電磁弁２０は通電時のみ閉鎖され
る二方弁から成り、また第２の電磁弁２３は通電
時のみ開放される二方弁から成るもので、第１の
電磁弁２０においては第３図ａに示す如く、その
吸入口体２０ａに主キヤピラリチユーブ１８、第
１の補助キヤピラリチユーブ１９の各一端が連結
されると共に、吐出口体２０ｂに第２の補助キヤ
ピラリチユーブ２１の一端が連結される。また、
第２の電磁弁２３においては第３図ｂに示す如
く、その吸入口体２３ａに第２及び第３のキヤピ
ラリチユーブ２１及び２２の各一端が連結される
と共に、吐出口体２３ｂに第２の冷却器９との間
を結ぶパイプ２４が連結される。そして、斯かる
第１及び第２の電磁弁２０，２３は、夫々前記断
熱筐体１の背部に形成された凹所２５内に配設さ
れる。

さて、電気回路構成を示す第４図において、２
６は押釦形の除霜スイツチであり、これはその押
釦２６ａが押圧操作されると接点（ｃ−ｂ）間を
閉成するように切換り、且つその後冷凍室用冷却
器７の裏面温度が例えば＋10℃以上になつたとき
に接点（ｃ−ａ）間を閉成するように自動復帰す
る構成である。また、27は冷凍室用冷却器７の外
側面に添設された除霜ヒータ、２８は第１及び第
２の冷却器８及び９の各外側面に添設された除霜
ヒータ、２９は冷蔵室用冷却器１０と第２の冷却
器９との間の冷媒通路を加熱するように配設され
た氷結防止ヒータ、３０は手動切換スイツチであ
り、これらを電源プラグ３１の両端子間に前記
RCS１１，FCS１２、コンプレツサ１５、第１
及び第２の電磁弁２０及び２３等と共に図示のよ
うに接続している。

次に上記構成の本実施例の作用について説明す
る。

兼用貯蔵室５を冷蔵室として使用する場合に
は、手動切換スイツチ３０を開放状態になす。従
つてこの場合には、第２の電磁弁２３が断電され
て閉鎖されており、コンプレツサ１５から吐出さ
れた冷媒は以下に述べるように流通する。即ち、
今、冷蔵室６内が所定温度以上にあつてRCS１
１の接点（Ｃ−Ｂ）間が閉成されていたときに
は、第１の電磁弁２０が通電閉鎖しているため、
コンプレツサ１５から吐出された高温高圧のガス
冷媒は、補助コンデンサ１７、主コンデンサ１
６、主キヤピラリチユーブ１８を経た後に第１の
補助キヤピラリチユーブ１９を通過してここで完
全に液化され、斯ように液化された冷媒は冷蔵室
用冷却器１０、第２の冷却器９、冷凍室用冷却器
７を順次通過して各々で蒸発した後にコンプレツ
サ１５へ戻される。このようにして冷凍室４、兼
用貯蔵室５、冷蔵室６が夫々冷却され、特に冷蔵
室６内の温度低下によつてRCS１１の接点（Ｃ
−Ａ）間が閉成されると、第１の電磁弁２０が断
電されてこれが開放するようになる。すると、第
２及び第３の補助キヤピラリチユーブ２１及び２
２の流路抵抗が第１の補助キヤピラリチユーブ１
９の直列流路抵抗に比べて小さいために、主キヤ
ピラリチユーブ１８を経た後の冷媒が第１の電磁
弁２０、第２及び第３の補助キヤピラリチユーブ
２１及び２２を介して冷凍室用冷却器７に流入さ
れるようになり、冷蔵室用冷却器１０、第２の冷
却器９への冷媒供給が行なわれなくなる。従つ
て、冷凍室４内のみの冷却運転が進行され、その
温度低下によつてFCS１２が開放されるとコン
プレツサ１５の運転が停止される。この後は、冷
凍室４内の温度上昇に応じたFCS１２の閉成に
よるコンプレツサ１５の運転再開によつて前述同
様の動作が繰返される。以上のように手動切換ス
イツチ３０を開放した状態では、RCS１１によ
つて、冷蔵室用冷却器１０、第２の冷却器９、冷
凍室用冷却器７に順次冷媒を供給する状態と、冷
媒室用冷却器７のみに冷媒を供給する状態とに切
換制御され、しかも兼用貯蔵室５に設けられた第
１及び第２の冷却器８及び９のうち内容積が小さ
い第２の冷却器９のみが冷蔵室用冷却器１０と同
じモードで冷却運転を行なうようになるから、該
兼用貯蔵室５は冷蔵室６と略同様の温度雰囲気状
態に冷却される。

一方、兼用貯蔵室５を冷凍室として使用する場
合には、手動切換スイツチ３０を閉成状態にな
し、以て第２の電磁弁２３を開放させる。斯よう
に第２の電磁弁２３が開放していた場合におい
て、RCS１１によつて第１の電磁弁２０が閉鎖
されていたときには、主キヤピラリチユーブ１８
を経た冷媒が冷蔵室用冷却器１０、第２の冷却器
９、冷凍室用冷却器７に供給され、また、RCS
１１によつて第１の電磁弁２０が開放されたとき
には、上記冷媒が第１の電磁弁２０、第２の補助
キヤピラリチユーブ２１、第２の電磁弁２３を通
過して第１の冷却器８、第２の冷却器９及び冷凍
室用冷却器７に供給されるようになる。従つて、
手動切換スイツチ３０を閉成した状態では、第１
及び第２の冷却器８及び９双方が冷凍室用冷却器
７と同じモードで冷却運転を行なうようになるか
ら、兼用貯蔵室５は冷凍室４と略同様の温度雰囲
気状態に冷却されるようになる。

尚、上記構成において、第１の電磁弁２０が断
電開放された状態、即ちRCS１１の接点（Ｃ−
Ａ）間が閉成された状態では、氷結防止ヒータ２
９が通電発熱されて、冷蔵室用冷却器１０と第２
の冷却器９との間の冷媒通路の周囲に氷結が発生
してしまうのを防止する。また、押釦２６ａによ
り除霜スイツチ２６の接点（ｃ−ｂ）間が閉成さ
れると、コンプレツサ１５の運転が停止された状
態にて除霜ヒータ２７，２８に通電され、以て冷
凍室用冷却器７、第１及び第２の冷却器８及び９
の除霜運転が行なわれると共に、この後、除霜ス
イツチ２６が接点（ｃ−ａ）間閉成状態に自動復
帰すると、上記除霜運転が停止されてコンプレツ
サ１５の駆動が再開される。

第５図は本発明の第２実施例を示すもので、図
示の如く、断熱筐体３２内に冷凍室３３、兼用貯
蔵室３４及び冷蔵室３５を配置する構成としても
良く、また他の配置としても良い。

第６図及び第７図は本発明の第３実施例を示す
ものであり、以下これについて述べる。即ち、第
６図において、３６は断熱筐体で、この内部には
兼用貯蔵室３７及び冷蔵室３８が上下に区分して
形成されている。３９は兼用貯蔵室３７の底面に
沿つて配設された第１の冷却器、４０は兼用貯蔵
室３７の上面及び奥壁面に沿つて屈曲した状態で
配設された第２の冷却器、４１は冷蔵室用冷却
器、４２は冷蔵室３８内の温度を感知する温度ス
イツチたる冷蔵室用コントロールスイツチ
（RCS）、４３はコンプレツサ、４４は主コンデ
ンサ、４５は蒸発皿４６の下面に沿つて配設され
た補助コンデンサである。また、冷凍サイクルの
構成を示す第７図において、コンプレツサ４３の
吐出口４３ａ及び吸入口４３ｂ間には、補助コン
デンサ４５、主コンデンサ４４、主キヤピラリチ
ユーブ４７、冷蔵室用冷却器４１、第１の冷却器
３９、補助キヤピラリチユーブ４８、第２の冷却
器４０が直列に接続され、且つ、第１の冷却器３
９、補助キヤピラリチユーブ４８をバイパスする
ようにして流路制御装置たる電磁弁４９が設けら
れている。そして二方弁から成る上記電磁弁４９
は、図示しない手動切換スイツチにより開閉され
るようになつており、従つて手動切換スイツチを
操作することによつて、第１及び第２の冷却器３
９，４０双方に冷媒を供給する場合と、第２の冷
却器４０のみに冷媒を供給する場合とに切換える
ことができ、以て兼用貯蔵室３７を冷凍室及び冷
蔵室の何れにも選択的に使用することができる。
尚、図示はしないが、この実施例ではRCS４２
によつてコンプレツサ４３の通断電を制御する構
成になつている。

本発明は以上説明したように、冷蔵室用冷却器
を有した冷蔵室と、第１及び第２の冷却器を有し
た兼用貯蔵室とを設けると共に、手動切換スイツ
チによつて前記第１及び第２の冷却器双方へ冷媒
供給可能な状態と該第１及び第２の冷却器のうち
少なくとも一方への冷媒供給を停止させる状態と
に切換動作される流路制御装置と、前記冷蔵室の
温度を感知するように設けられその感知温度に応
じて少なくとも前記冷蔵室用冷却器へ冷媒を供給
し若しくは供給停止させるように制御する温度ス
イツチとを設けたことに特徴を有し、この特徴の
結果、冷却器からの冷気を自然対流させる所謂直
冷式の冷蔵庫でありながら、冷凍室及び冷蔵室の
何れにも選択的に切換使用し得る兼用貯蔵室を設
けることができるものである。しかも上記のよう
な兼用貯蔵室の使用態様の選択は、手動切換スイ
ツチを操作するだけで良いから極めて簡単に行な
い得る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明の第１実施例に関す
るものであり、第１図は縦断側面図、第２図は冷
凍サイクルを示す図、第３図は電磁弁の斜視図、
第４図は電気回路図である。また、第５図は本発
明の第２実施例を示す斜視図、第６図及び第７図
は夫々本発明の第３実施例を示す第１図及び第２
図相当図である。 図中、５，３４，３７は兼用貯蔵室、６，３
５，３８は冷蔵室、８，３９は第１の冷却器、
９，４０は第２の冷却器、１０，４１は冷蔵室用
冷却器、１１，４２は冷蔵室用コントロールスイ
ツチ（温度スイツチ）、２０は第１の電磁弁、２
３は第２の電磁弁（流路制御装置）、３０は手動
切換スイツチ、４９は電磁弁（流路制御装置）で
ある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 冷蔵室用冷却器を有した冷蔵室と、第１及び
   第２の冷却器を有した兼用貯蔵室と、手動切換ス
   イツチによつて前記第１及び第２の冷却器双方へ
   冷媒供給可能な状態と該第１及び第２の冷却器の
   うち少なくとも一方への冷媒供給を停止させる状
   態とに切換動作される流路制御装置と、前記冷蔵
   室の温度を感知するように設けられその感知温度
   に応じて少なくとも前記冷蔵室用冷却器へ冷媒を
   供給し若しくは供給停止させるように制御する温
   度スイツチとを具備して成る冷蔵庫。