JPS6226271Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、これを病院、老人ホーム、家庭等ま
で運転して行き、そこで身体不自由者や老人に入
浴させることができるようにした自動車に関す
る。

上述自動車において、自動車本体に貯水タン
ク、燃料タンク、給湯ホース、バスタブ、給水ポ
ンプ、湯沸器を具備せしめ、自動車本体外に搬出
したバスタブに給湯し得るように構成したものは
既に本願人において提案している。

上述構成の自動車は、これを随時移動して手軽
に身体不自由者が老人に入浴をさせ得る点で効果
的であるが、前記貯水タンクの上にバスタブを搬
入載置する構成であるため、当該バスタブの出し
入れに多大の労力を要し、また入浴の目的以外に
活用し得ない難点がある。

本考案は上述入浴用自動車につき、貯水タンク
を適所に配設すると共に、バスタブを特設スペー
スに載置できるようにして、その出し入れを容易
にすると共に、当該スペースに担架等をも置換積
載し得るようにして、その用途を多様化しようと
するのが、その目的である。

以下本考案を図示の実施例に基づいて詳述すれ
ば、第１図に示したように、自動車本体１は運転
台２の背後に荷台３が連設され、当該荷台３の左
右両側部には第１，第２貯水タンク４，４′が分
割状態に設けられ、さらに燃料タンク５、給水ポ
ンプ６、湯沸器７、給湯ホース（図示せず）等の
入浴設備機器８，８′も夫々左右両側部に設置
し、これにより当該入浴設備機器８，８′間にあ
つて、荷台３には前後方向に長く収納空間９を形
成し、この収納空間９に第２図，第３図に示した
バスタブ１０又は担架１１を選択的に自動車本体
１の後部乗降口から出し入れし、かつ不動の状態
にて、これを載置できるように構成されている。

上記収納空間９における荷台３の床には、バス
タブ１０または担架を固定するため、固定用具１
２，１３が、夫々前後側に装設してある。

この固定用具１２としては、バスタブ１０の台
枠１０ａ及び担架１１のキヤスター１１ｂ付き支
脚１１ａを所定の位置、向きに係合案内するよう
に設けた左右のレール部１２ａ，１２ａと、該両
レール部１２ａ，１２ａの前後に固定用横部材１
２ｂを架設してなるもの等を用いることができ、
又他方の固定用具１３としては、基台１３ａに掛
止杆１３ｂを起伏自在に取付けると共に、図示し
ないバネにより掛止杆１３ｂを前方へ付勢し、掛
止杆１３ｂを起立させた後バネ力に抗して後方へ
引動した状態で、上記バスタブ１０の台枠１１ａ
又は担架１１のフレーム１１ｃを掛止可能とな
し、この引動を解除することでバネ力により掛止
杆１ｂが前方へ押動され、これによりバスタブ１
０又は担架１１を固定用具１２と相俟つて掛止固
定できるようにするとか、ネジ込み式フツクとす
るなど、バスタブ１０及び担架１１を簡単に脱着
でき、かつ送行時に揺動することのないよう固定
できるものであれば適宜のものを採択することが
可能である。

又、上記収納空間９の床には、上記固定用具１
２，１３の外に、車椅子を載置するための固定用
具を装設しておくのがよく、このようにすること
で車椅子を用いる人々の輸送にも供し得ることゝ
なる。

又、前記給水ポンプは、専用の電源によつて作
動せしめるようにしても、自動車のエンジンを動
力源として利用するようにしてもよい。

また図示のバスタブ１０は洋式のもので、身体
洗槽１０ｂと頭洗槽１０ｃとの間に頭載置用隔壁
１０ｄが形成されており、両槽１０ｂ，１０ｃの
排水口（図示せず）は排水管により所望個所への
放水ができるようになつている。

而して、これを用いるには老人ホームや寝たき
り老人宅等に運転して行き、収納空間９に載置し
てあるバスタブ１０を、固定用具１２，１３によ
る固定から解いて、後部乗降口から搬出し、老人
のベツド側傍等に置き、入浴設備機器８，８′を
稼動せしめて湯水を図示しない給湯ホースにより
バスタブ１０に供給し、ベツドよりバスタブ１０
内に老人を下して入浴させるのであり、貯水タン
ク４，４′には予め、又は使用した後、水を補給
しておくことは、もちろんである。

以上説明したように本考案に係る入浴用自動車
によれば、運動台２背後の荷台３にあつて、その
左右両側部には、分割された第１，第２貯水タン
ク４，４′、そして燃料タンク５、給水ポンプ
６、湯沸器７等の入浴設備機器８，８′を適宜振
り分けて設置することにより荷台外に搬出したバ
スタブ１０に給湯可能なるよう形成すると共に、
当該入浴設備機器８，８′間にあつて、荷台３に
は前後方向に長く収納空間９を設け、該収納空間
９には所望位置に固定用具１２，１３を設置し、
当該固定用具にてバスタブ１０又は担架１１等を
後部乗降口から出し入れ自在なるよう載置固定す
るよう構成したものであるから、これを病院や老
人ホーム等に運転して行き、身体不自由者や老人
ホーム等に運転して行き、身体不自由者や老人に
入浴をさせる際には、バスタブ１０を荷台３から
搬出してベツドの側傍等に置き入浴させ、又入浴
後は荷台３に搬入することになるが、このバスタ
ブ１０は相当に重い為、従来のように貯水タンク
等の上に載置するようにしたものであれば、その
搬出、搬入が重労働となり、かつ多くの人手を要
することになるが、本案によるときは、荷台３上
に専用の収納空間９を前後方向へ長く形成するよ
うにしたので、荷台３に対するバスタブ１０の搬
出、搬入を簡易、迅速に行なうことができ、もつ
てこの種自動車によ入浴作業の省力化をはかるこ
とができる。

又、上記収納空間９には、バスタブ１０に替え
て担架１１や車椅子等を載置可能としたから、緊
急時や、身体不自由者及び老人を病院等まで搬送
する場合にも、担架１１等に乗せたまゝの状態で
上記収納空間９に容易に載置でき、かつ固定用具
１２，１３によつて固定することにより身障者や
老人に動揺を与えることなく安全に輸送すること
ができる等の効果がある。

さらに貯水タンクは左右に振り分けて設置され
ているから、充分な水量を保有できると共に、自
動車の左右重量もバランスを保つことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る入浴用自動車を一部切欠
して示した斜視図、第２図はバスタブの斜視図、
第３図は担架の斜視図である。 ２……運転台、３……荷台、４，４′……第
１，第２貯水タンク、５……燃料タンク、６……
給水ポンプ、７……湯沸器、８，８′……入浴設
備機器、９……収納空間、１０……バスタブ、１
１……担架、１２，１３……固定用具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 運転台背後の荷台にあつて、その左右両側部に
   は、分割された第１，第２貯水タンク、そして燃
   料タンク、給湯ホース、給水ポンプ、湯沸器等の
   入浴設備機器を適宜振り分けて配設することによ
   り、荷台外に搬出したバスタブに給湯可能なるよ
   う形成すると共に、当該入浴設備機器間にあつ
   て、荷台には、前後方向に長く収納空間を設け
   て、その所望位置に固定用具を取着し、バスタブ
   及び担架等を選択的に後部乗降口から出し入れ自
   在なるよう当該収納空間に載置し、かつ上記固定
   用具により固定するよう構成した入浴用自動車。