JPS6225791B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規人工皮革に関し、特に超高強力を
有し、外観、風合が天然繊維に酷似した人工皮革
に関する。

従来から種々の人工皮革が知られているが、天
然皮革と異なる外観、風合を有するものが多い。
天然皮革に酷似した人工皮革も一部知られている
が、基材の強度等の物理特性が十分でなく、用途
が限定されていた。他方アラミツド繊維は高強力
を有する繊維として知られているが、それから得
られた織物等を他の素材と組合せる試みはほとん
どなされていない。しかしてアラミツド繊維の織
物は高強力を有するが、水や油の透過性が大きす
ぎ、工業的用途等での使用が制限される場合があ
る。

本発明者等はここにアラミツド繊維織物の上記
欠点を改良し、且つその利点を十分に発揮する用
途として特定構成の人工皮革の開発に成功し本発
明に到達した。

即ち本発明はアラミツド繊維の織物の少なくと
も片面に天然皮革の微細繊維状物を植毛してなる
合成皮革を提供するものである。

本発明で用いるアラミツド繊維は芳香族ポリア
ミドからなる繊維であり、特に強度20ｇ／ｄ以
上、モジユラス5000Kg／mm²以上のものが好ましく
用いられる。

本発明ではかかるアラミツド繊維からなる織物
を基布としてその片面又は両面に天然皮革の微細
繊維状物を植毛する。

天然皮革の微細繊維状物は大きさが10〜90メツ
シユ程度のものを使用するのが好ましく、その水
分率が35±５％の状態で用いるのが好ましい。

植毛は基布にウレタン系接着剤、アクリル系接
着剤、合成ゴム系接着剤等の接着剤を塗布し、天
然皮革粉を散布もしくは静電植毛することにより
行なわれる。基布と天然皮革粉とは予め染色して
おくことも、また植毛後に染色することもでき
る。

かくして得られた合成皮革はそれ自体で実用し
うるが、次のような多層、構成にすることも好ま
しい。

その一つは上記のようにして得られた片面を植
毛してなる基布どおしを接着剤を介して積層した
多層積層物であり、今一つは同じく上記のように
して得られた片面を植毛してなる基布の他面に他
の繊維の編織物を接着剤を介して積層した多層積
層物である。

本発明の合成皮革はアラミツド繊維に由来する
高強力を有し、感触、風合、外観共天然皮革に類
似しており、工業用途にも広く実用されうる。

次に本発明の実施例を示す。

アラミツド繊維２デニール51ｍ／ｍ、ステープ
ル100％で20／２の紡績糸を作り、タテ、ヨコに
100％使つた２／１綾織の織物にした。これにバ
インダーを塗布して天然牛皮の粉末を電気植毛し
た。

次にその物理特性を示す。

慣通抵抗 2.7Kg（綿フランネル１Kg、牛皮２
Kg） 熱分解温度 500℃（綿149〜200℃、アスベスト
260〜760℃） 穴あき摩擦回数 255回（綿・1170回）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ アラミツド繊維の織物の少なくとも片面に天
   然皮革の微細繊維状物を植毛してなる合成皮革。