JPH0116732Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は作業服に関し、特に断熱性にすぐれた
高強力作業服に関する。

溶鉱炉その他の高温作業場等危険を伴なう作業
用の作業服としては従来から種々のものが実用さ
れているが、断熱性や強度等の物理特性にすぐれ
た作業服は重く、柔軟性に欠け作業性に劣り、他
方作業性にすぐれた作業服は断熱性や強度等に劣
るのが実情であり、両特性を満足し、且つ経済性
にすぐれた作業服の開発が強く望まれている。

かかる実情に鑑み、本考案者等は上記要求を満
足する作業服を開発すべく鋭意検討した結果、こ
こに効果の顕著な本考案に到達した。

即ち本考案は、上衣の前身頃及びズボン前身頃
がアラミツド繊維からなり、上衣の後身頃及びズ
ボン後身頃が天然皮革の微細繊維状物を植毛した
布帛からなる作業服を提供するものである。

アラミツド繊維は芳香族ポリアミドからなる繊
維であり、特に強度20ｇ／ｄ以上、モジユラス
5000Kg／mm²以上のものが好ましく用いられる。

アラミツド繊維は編物又は織物として本考案に
用いられる。

第１図は本考案に係る作業服の斜視図であり、
上衣の前身頃１及びズボン前身頃２がアラミツド
繊維からなる編、織物でまた上衣後身頃３及びズ
ボン後身頃４が天然皮革の微細繊維状物を植毛し
た布帛で縫製されている。

天然皮革の微細繊維状物を植毛した布帛は、表
面を起毛した編、織物又は不織布等の上に天然皮
革粉を電気植毛するという公知の方法で製造する
ことができる。

上記構成を有する本考案の作業服は断熱性や強
度等の物理的特性にすぐれていると共に軽量且つ
柔軟で作業性にも優れており、過酷な作業環境に
おいて高い安全性を示す。アラミド繊維は耐熱、
断熱、難燃性に優れ、しかも強度が大であり、ま
た軽量であるという利点を有するが、コストが高
く、しかも繊維が硬く、柔軟性に欠けるという欠
点を有している。一方、天然皮革の微細繊維状物
を植毛した布帛は上記アラミド繊維よりは劣る
が、天然皮革と同程度の耐熱、断熱、難燃性に優
れ、また、軽量でコストが安く、しかも柔軟性に
優れているという利点を有する。したがつて、上
衣の後身頃、ズボンの後身頃に上記天然皮革の微
細繊維状物を植毛した布帛を使用すれば、耐熱、
断熱、難燃性、軽量性を疎外すること無く、柔軟
で作業性に優れた作業服とすることができる。そ
して、上衣の前身頃、ズボンの前身頃にアラミド
繊維からなる編物もしくは織物としたため、過酷
な作業環境で高い安全性を示す作業服とすること
ができる。

本考案に係る作業服は上記基本構成のみからな
つていても十分すぐれた効果を発揮するが、次の
ような構成にすることによりその効果が一層顕著
に発揮される。

その一は上記のアラミツド繊維からなる編、織
物の表又は裏にアルミニウム等の金属を蒸着する
態様である。

また金属蒸着した布帛又はフイルムを金属蒸着
面がアラミツド繊維からなる編、織物側に向くよ
う内側に積層付着させる態様も好ましい。このよ
うに金属蒸着層を設けることにより断熱性、防水
性等が増し安全性が顕著に向上する。

次に実施例を示す。

アラミツド繊維２デニール51m／ｍステーブル
100％で20／２の紡積糸を作り、その糸をタテ、
ヨコに100％使つて２／１綾織の織にした。

一方ポリエステル２デニール51m／ｍ、ステー
ブル100％で20／２の紡積糸を作り、その糸を、
タテ、ヨコ100％使つて２／１綾織の織物にした。
これにバインダーを塗布し、天然牛皮の粉末65メ
ツシユを電気植毛した。上記２種の織物を作つて
本考案の作業服を作つて実用に供した所安全上効
果があがつた。

次に作業上前面になるアラミツド繊維織物の物
理特性を示す。

熱分解温度 420〜485℃ （綿150〜205℃、アスベスト260〜750℃） 穴あき摩擦回数 2230回（綿1210回、アスベス
ト1150回）

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に作る作業服の斜視図である。 １，２……アラミツド繊維からなる編織物、
３，４……天然皮革の微細繊維状物を植毛した布
帛。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上衣の前身頃及びズボン前身頃がアラミツド繊
   維からなる編物もしくは織物からなり、上衣の後
   身頃及びズボン後身頃が天然皮革の微細繊維状物
   を植毛した布帛からなる作業服。