JP3768359B2 - 耐熱性防護服 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性防護服に関し、さらに詳しくは、耐薬品性及び透湿防水性に優れ、且つ軽量で柔軟な耐熱性防護服に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、消防士が消火作業中に着用する耐熱防護服を構成する繊維としては、不燃性のアスベスト繊維、ガラス繊維等が使われていたが、環境問題や、動き易さなどの観点から近年では、アラミド繊維、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリベンズイミダゾールなどの難燃性の有機繊維からなる布帛に輻射熱を防止する目的から金属アルミニウム等をコーティングあるいは蒸着等により、表面加工したものが多く使用されている。
【0003】
また、近年、遮熱性の評価方法の国際標準化がなされ、輻射熱はもとより、伝導熱にも注目した評価方法が確立された(試験法番号:ISO9151)。この評価方法による基準をクリアするに当たっては、熱伝導を遅延させるために、防護服内に大量の空気層を作ることが有用となる。しかしながら、前記のようなアルミニウムを用いて加工された有機繊維布帛を防護服として用いる場合、重量が非常に重くなるので、空気層を作るために最も有用である積層構造を形成することが実質上不可能であった。
【0004】
さらに、このような空気層を形成することは、保温性がよくなり、そのために熱を発散させないことでもあるから、消火作業時のような非常に暑い環境下では、着用感が非常に悪いものとなるという問題も有している。それに加えて、繊維表面にコーティング等の加工を施した場合は、透湿性が全く得られず、その着心地も非常に劣悪なものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のような問題点を解決し、耐薬品性及び防水性に優れ、且つ、重量を大幅に増加させることなく効果的に空気層を形成して遮熱性を向上させ、さらに、透湿性を付与して着用感を向上させた、軽量で柔軟な耐熱性防護服を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表地層、中間層、及び遮熱層からなる複合構造を有する防護服であって、該表地層、中間層、及び遮熱層が下記(a)〜(c)の要件を同時に満足することを特徴とする耐熱性防護服にある。
(a)表地層が、メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維とから構成される。
(b)中間層が、透湿防水性を有する。
(c)遮熱層が、メタ系アラミド繊維の不織布とメタ系アラミド繊維の織布とからなる複合体であり、かつ該遮熱層に、熱により膨張する有機ポリマーで形成された中空子からなる膨張剤が含まれる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の耐熱防護服は、表地層、中間層、遮熱層の3層をこの順序に重ね合わせた構造からなり、これらの層はいずれもアラミド繊維を主成分とする耐熱性繊維の布帛から構成されている。
【0008】
ここにいうアラミド繊維としては、優れたLOI値を有するポリメタフェニレンイソフタルアミドを用いることが有用であるが、織物強度を向上させる目的でパラ系のアラミド繊維、すなわち、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、あるいは、これに第3成分を共重合した繊維を混合させることがより好ましい。ポリパラフェニレンテレフタルアミド共重合体の一例としては、下記式に示すコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミドを挙げることができる。
【0009】
【化1】
Figure 0003768359
【0010】
前記の3層構造の1つを構成する表地層は、メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維からなる布帛により構成され、布帛の種類としては、織編物、及び、不織布が使用されるが、実用的には強度の点で織物を使用するものが好ましい。
【0011】
また、該メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維は、混紡して紡績糸の形態で使用するものが好ましく例示されるが、該パラ系アラミド繊維の混合比率としては、表地を構成する全繊維に対して、5重量%以上を占めることが好ましく、さらに該混合比率は、50重量%以下にすることが好ましい。該パラ系アラミド繊維の混合比率が、5重量%未満では、充分な強力が得られないおそれがあり、また、50重量%を超えると、該パラ系アラミド繊維がフィブリルを起こしやすくなるので好ましくない。
【0012】
該表地層に対しては、コーティング法、、スプレー法、又は、浸漬法などの加工法により、フッ素系の撥水樹脂を付与して加工することが、より高い耐水性能や耐薬品性能を有する防護服を得るためには好ましい。
【0013】
また、該表地層には、耐熱性、遮熱性を向上させるために無機化合物が担持されているものが好ましく例示される。該無機化合物としては、ケイ素、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、鉄、アンチモン、マグネシュウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物、若しくは、複合酸化物が好ましく例示される。なかでも、酸化アルミニウムのように表面に水酸基を多く有し、化合物当りの結晶水の割合が大きいものが特に好ましく例示される。
【0014】
該無機化合物の担持量は、表地層の重量当たり、3〜20重量%の範囲で使用したものがよい。該担持量が3重量%未満では、遮熱の効果が少なく、また、20重量%を超えると風合いを損ねるおそれがあるので衣服に使用するには好ましくない。
【0015】
該表地層への無機化合物の担持方法については、コーティング法、浸漬法などの公知の種々の加工方法が使用可能であるが、防炎性への影響を最小限にするために、該表地層の裏面側にコーティングすることが好ましい。特に、メタ系アラミドポリマーをバインダーとして用いる場合には、風合いを阻害しない目的から湿式コーティング法を用いるものが最適である。
【0016】
また、該担持の処理の際に使用するバインダーとしては、難燃性を確保するために、メタ系アラミドポリマーの有機系薬剤への溶解物を用いることが最も好ましい。該有機溶剤としては、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドなどが好ましく使用される。また、臭素、フッ素等のハロゲン系原子が共重合されたアクリル樹脂、ウレタン樹脂などに代表される難燃性樹脂を用いることも可能である。さらに、非難燃タイプの樹脂を使用する場合には、ヘキサブロモシクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドテカンなどに代表されるハロゲン化シクロアルカン化合物や、トリクロロエチルフォスフェート、トリスジクロロプロピルフォスフェートに代表される含ハロゲンリン酸エステル、あるいは、トリメチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェートに代表される非ハロゲン化燐酸エステルなどの難燃剤を添加したものを使用することにより難燃性を確保することができる。
【0017】
次に、中間層は、透湿防水性を有するものであることが重要であり、アラミド繊維からなる布帛に透湿防水性の薄膜フィルムを積層したものが好ましく用いられる。該薄膜フィルム層と積層する布帛は織物や編物、または、不織布が使用可能であるが、強度の点で織物が使用され、特に、難燃性素材であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維からなる織布を用い、該織布に透湿防水性のある薄膜フィルムをラミネート加工したものが最適に例示される。
【0018】
該薄膜フィルムとしては、透湿防水性を有するものであれば公知のもを使用することができるが、耐薬品性を兼ね備えたポリテトラフルオロエチレンからなる薄膜フィルムを使用するものが特に好ましく例示される。このような中間層の挿入により、透湿防水性や耐薬品性が向上し、着用者の汗の蒸散を促進するので、着用者のヒートストレスを減少することができる。
【0019】
次に、3層構造のうちの遮熱層としては、嵩高性の高い不織布構造をした布帛を使用することが有効であり、このような布帛により熱伝導性の低い空気を多く含んだ層を形成することができる。このような布帛には、耐熱性の高いメタ系アラミド繊維からなる不織布を用いるものがよい。該不織布の目付としては、20〜200g/m2の範囲で形成したものが好ましく例示される。不織布の目付が20g/m2未満の場合には、不織布の強度が低く実用に耐えないものとなるおそれがあり、また、該目付が200g/m2を超えると、防護服の重量を増加させ、着用者の動きを阻害するようになる。また、前記のように空気層を効率よく活用するために、35〜50g/m2の範囲の比較的低い目付の不織布シートの複数枚を層状に積層させて用いることが特に有効である。
【0020】
このような不織布は、織物等と比較して、嵩高であり空気層を多く含むものであるが、その嵩高性としては、20〜200cm3/gの範囲のものが好ましく使用される。ここにいう嵩高性は、縦15cm×横15cmの大きさに切り取った不織布の0.3g/cm2の荷重下で厚さ(t:mm)を測定し、前記縦横から求めた面積(S:cm2)、質量(W:g)を用いて、以下の式により嵩高性(cm3/g)を算出した。
嵩高性=S×t/W×10
【0021】
これらの不織布は、乾式ニードルパンチ法やウォーターニードル法などの公知の方法により製造することができるが、不織布の強度を上げるためにウォーターニードル法を用いて製造したものがより好ましく使用される。
【0022】
また、該不織布のみを用いて遮熱層を形成したものでは、着用時のよれ、型崩れなどの問題が発生するので、メタ系アラミド繊維の織布との複合材料として使用する必要がある。該メタ系アラミド繊維からなる不織布、若しくは、その積層体と、該メタ系アラミド繊維からなる織布とを重ね合わせ、これにキルティング加工を施して結合させたものが最適に使用される。このように織布を重ね合わせ、該織布のある面を内側(肌側)に配置して形成することにより、着用時のよれ、型崩れなどのない、着用安定性の優れた遮熱層を形成することができる。
【0023】
また、本発明に使用する遮熱層は、遮熱性を向上させるために遮熱層を形成する不織布が膨張剤を含有していることが好ましい。該膨張剤としては、有機ポリマーから形成された中空子を使用することが出来、該有機ポリマーとしては、温度により伸縮するものであれば、いずれでも使用することができる。該有機ポリマーの選定に当たっては、膨張温度、耐熱性、伸度等の関連から慎重に選定する必要があるが、本発明では、アクリルニトリル、あるいは、その共重合体系のものが好ましく使用され、特に耐炎性を要求されるので、アクリルニトリル−塩化ビニリデン共重合体を用いるものが好ましく例示される。また、該膨張剤の中に内包されるガスとしては、体積膨張率の高いイソブタンガスを用いるのが最適である。
【0024】
該膨張剤の担持量は、遮熱層に用いる不織布の重量当り、10〜100重量%の範囲で使用される。該膨張剤の担持量が、10重量%未満では、遮熱の効果が低く、100重量%を超えると、風合いを損ねるようになるので衣服に使用するには好ましくない。
【0025】
遮熱層への該膨張剤の担持方法については、コーティング法、浸漬法などの公知の加工方法が使用可能である。特に、該浸漬法を用いる場合には、空気層と加工液の置換を促進するために、ポリオキシアルキレンエーテルなどに代表される浸透剤を添加することが効果的である。これにより遮熱層として使用する不織布への加工剤の濡れ性を向上させ、固着量を増加させることができるのでより好ましい。
【0026】
また、該担持処理の際に使用するバインダーとしては、難燃性を確保するために、臭素、フッ素等のハロゲン系原子を共重合したアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂のどの公知の難燃性樹脂を用いるものが好ましく例示される。また、非難燃性タイプの樹脂を使用する場合には、ヘキサブロモシクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドテカンなどに代表されるハロゲン化シクロアルカン化合物などの難燃剤を添加したものを使用することにより難燃性を確保することができる。
【0027】
なお、本発明の耐熱防護服は、このような表地層、中間層、遮熱層から構成される複合構造を有するが、各層は相互に接合されている必要はなく、重ね合わして縫合したものでよい。また、該中間層と遮熱層とは、それぞれファスナー等を使用して表地層から取り外し可能なようにし、洗濯が簡単に出来るような構造を有するものが好ましい。
【0028】
【発明の作用】
本発明の耐熱性防護服は、表地層、中間層、遮熱層からなる3層構造の複合布帛で構成され、該表地層が、メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維とから構成されることにより、表地層としての充分な強度と、耐炎性及び熱防護性に優れた性能を得ることができ、また、該中間層が、透湿防水性を有することにより着用者の汗の蒸散を促進してヒートストレスを減少させ、また、耐水性や耐薬品性を向上させることができる。さらに、遮熱層には、メタ系アラミド繊維の不織布、または、その積層体を使用することにより、効率よく空気層を確保して、熱伝導を遅延することが可能である。
【0029】
特に、該表地層に、無機化合物を担持させたものでは、表地層の耐熱性、遮熱性を一層向上せしめることができるので、これにより該表地層と遮熱層に使用する布帛の目付を少なくすることができ、これらの層の重量を軽減することができるので防護服全体としての重量を軽減することができ、より着用感の優れた耐熱性防護服を得ることができる。
【0030】
また、該中間層に、難燃性素材であるポリメタフェニレンイソフタルアミド製の織布を用い、該織布にポリテトラフルオロエチレンの透湿防水性薄膜フィルムをラミネート加工したものを用いることにより、前記のヒートストレスを一層減少させ、優れた耐水性及び耐薬品性も付与することができる。
【0031】
さらに、遮熱層として、前記のメタ系アラミド繊維の不織布、若しくは、その積層体により空気層を確保することに加え、該遮熱層に膨張剤を担持させることにより、該空気層の制御が可能となる。すなわち、定常時においては、該空気層を少なくし、炎に暴露された場合には、熱により該膨張剤が膨張することにより該空気層を増大せしめるため、定常時は着用快適性に優れ、なおかつ、火災時には、遮熱性が向上する防護服を可能にしたものである。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例において用いた評価項目の測定は、下記の方法によった。
(1)織物引張り強力
JIS L 1096 引張り強さ A法に準拠した方法による。
(2)織物引裂き強力
JIS L 1096 引裂き強さ C法に準拠した方法による。
(3)透湿性
JIS L 1099 B−2法に準拠した方法による。
(4)防炎性
JIS L 1091 A−1法、及び、A−4法に準拠した方法による。
(5)遮熱性
ISO9151 に準拠した方法により、24℃温度上昇試験を行う。
(6)耐薬品性
ISO6530に準拠した方法による。
【0033】
参考例1
表地層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率が90:10となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(番手:20/2)を用いて2/1の綾織に織成した織物(目付:280g/m2)を用いる。
【0034】
中間層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維からなる紡績糸(番手:40/1)からなる織布(目付:105g/m2)にポリテトラフルオロエチレン製の透湿防水性フィルム(日本ゴアテックス製)をラミネートしたものを使用する。
【0035】
また、遮熱層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維の短繊維(1.25デニール、38mmカット長)を用いて、ウォーターニードル法により作成した不織布(目付:35g/m2、嵩高性:55cm3/g)を3層に積層させたものを使用して空気層を形成し、該不織布にポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維からなる紡績糸(番手:60/1)を織成した織布(目付:75g/m2)を裏地として重ね合わせたものをキルティング加工して用いる。これらの表地層、中間層、遮熱層の3層を重ねて用い縫製して耐熱性防護服を得た。得られた耐熱性防護服の評価結果を表1に示す。
【0036】
[比較例1]
参考例1において、中間層として、実施例1で使用したポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維からなる織布(目付:105g/m2)のみを用いる(透湿防水性フィルムをラミネートせずに用いる)以外は、参考例1と同様に実施した。得られた耐熱性防護服の評価結果を表1に併せて示す。
【0037】
[比較例2]
参考例1において、遮熱層として、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維からなる編物(目付:320g/m2)のみを使用した以外は実施例1と同様に実施した。得られた耐熱性防護服の評価結果を表1に併せて示す。
【0038】
[比較例3]
表地層として、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商標名:コーネックス)からなる紡績糸(番手:20/2)を用いて2/1の綾織に織成した織物(目付:270g/m2)を用い、該織物に金属アルミニウム微粒子を難燃ウレタン樹脂にてコーティングし、さらに、ポリテトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂のトップコーティングを行ったもの(目付:560g/m2)を用い、中間層に当たるものは使用せず、遮熱層として、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率が95:5となる割合で混合した紡績糸(番手:20/2)を用いて平織に織成した織物(目付:210g/m2)を用いて2層を重ねて用い縫製して耐熱性防護服を得た。得られた耐熱性防護服の評価結果を表1に併せて示す。
【0039】
[実施例
参考例1において、遮熱層として、下記のものを使用する。すなわち、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維の短繊維(1.25デニール、38mmカット長)を用いて、ウォーターニードル法により不織布(目付:35g/m2)を作成する。次いで、アクリルニトリル−塩化ビニリデン共重合ポリマーからなる中空子に、イソブタンガスを内包した膨張剤(日本フィライト製、商品名:エクスパンセル092DU−120)を使用し、上記不織布の全重量に対して50重量%となるように、臭素共重合タイプの難燃ウレタンをバインダーとして用いて該不織布に担持させる。該膨張剤を担持した不織布を1層目に使用し、膨張剤を担持させていない不織布を2層目に使用して積層し、さらに、参考例1の遮熱層に使用したポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維からなる織布(目付:75g/m2)を裏地として重ね合わせたものをキルティング加工して遮熱層として用いる。該表地層、中間層、遮熱層を重ねて用い縫製して耐熱性防護服を得た。
【0040】
[実施例
参考例1で表地層として用いた織物の裏面側に、酸化ケイ素と酸化アルミニウムがSiO2/Al23=65/35となるように混合した無機化合物(日本フェライト株式会社製、商品名:フィライト85/7)を10重量%を含むポリメタフェニレンイソフタルアミドポリマーの7重量%N−メチルピロリドン溶液を該無機化合物が表地層重量の4.5%になるように湿式コーティングしたものを表地層として使用する。
【0041】
中間層、及び、遮熱層には、参考例1と同様のものを使用して、以上の3層を組み合せ、参考例1と同様にして耐熱性防護服を得た。得られた耐熱性防護服の評価結果を表1に併せて示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003768359
【0043】
【発明の効果】
このように本発明の耐熱性防護服は、耐薬品性や防水性に優れ、透湿性を付与して着用感を向上させ、軽量で柔軟な耐熱防護服を可能にするために、消防服や高温環境での作業服として有用である。

Claims (10)

  1. 表地層、中間層、及び遮熱層からなる複合構造を有する防護服であって、該表地層、中間層、及び遮熱層が下記(a)〜(c)の要件を同時に満足することを特徴とする耐熱性防護服。
    (a)表地層が、メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維とから構成される。
    (b)中間層が、透湿防水性を有する。
    (c)遮熱層が、メタ系アラミド繊維の不織布とメタ系アラミド繊維の織布とからなる複合体であり、かつ該遮熱層に、熱により膨張する有機ポリマーで形成された中空子からなる膨張剤が含まれる。
  2. 表地層を構成するパラ系アラミド繊維の混率が、該表地を構成する繊維の全重量に対し5〜50重量%の範囲にある請求項1記載の耐熱性防護服。
  3. 表地層に無機化合物が担持されている請求項1又は2記載の耐熱性防護服。
  4. 無機化合物が、ケイ素、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、鉄、アンチモン、マグネシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物、若しくは複合酸化物である請求項3記載の耐熱性防護服。
  5. 表地層が、撥水加工されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐熱性防護服。
  6. 中間層が、メタ系アラミド繊維の織布にポリテトラフルオロエチレンからなるフィルムをラミネートしたものである請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐熱性防護服。
  7. 遮熱層が、メタ系アラミド繊維の不織布とメタ系アラミド繊維の織布とをキルティング加工により結合した複合体から構成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐熱性防護服。
  8. 中空子を形成する有機ポリマーが、アクリルニトリルのポリマー、又はアクリルニトリルと塩化ビニリデンとの共重合ポリマーである請求項1記載の耐熱性防護服。
  9. 中空子に内包されているガスが、イソブタンガスである請求項1記載の耐熱性防護服。
  10. 遮熱層を構成するメタ系アラミド繊維の不織布の目付が、20〜200g/m 2 である請求項1記載の耐熱性防護服。
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