JP4690806B2 - 耐熱性布帛、およびこれを用いた耐熱性防護服 - Google Patents

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本発明は、カーボンブラックを含有するパラ型アラミド繊維を含む耐熱性布帛、およびそれからなる耐熱性防護服に関し、さらに詳しくは、パラ型アラミド繊維の摩耗による白ボケを改善したパラ型アラミド繊維を用いて製造され耐熱性布帛、およびこれを用いた耐熱性防護服に関する。
従来、消防士が消火作業時に着用する耐熱性防護服としては、アラミド(全芳香族ポリアミド)、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾールなどの難燃性の有機繊維布帛が使用されている。近年、消防士の作業性や快適性を改良する目的から、軽量で、かつ高強力、耐引裂き特性に優れた布帛の要求特性が高い。これらの要求を満たすために、特許文献1(特開2000-212810号公報)には、高強力であるパラ型アラミド繊維を含む繊維からなる布帛が提案されている。
また、特に、軽量、かつ高強力な布帛として、パラ型アラミド繊維が表地を構成する全繊維に対して40〜60重量%の混合比率で混紡した布帛が市場展開されている。しかしながら、このようにパラ型アラミドを40重量%以上含む布帛では、洗濯や着用時の擦れなどにより、パラ型アラミドがフィブリル化を起こし、それにより白ボケすることが問題となっている。特に、黒色の布帛からなる耐熱性防護服では白ボケが目立つことが問題であった。
特開2000-212810号公報
本発明は、上記従来技術の有する問題点を解決し、パラ型アラミド繊維であるコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフエニレン・テレフタルアミド繊維のフィブリル化による白ボケを防止した糸からなる耐熱性布帛、ならびに該耐熱性布帛を用いて製造された耐熱性防護服を提供することにある。
本発明は、カーボンブラックを2〜15重量%含有するコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフエニレン・テレフタルアミド繊維を40重量%以上含むことを特徴とする耐熱性布帛、および、該布帛を表地層とし、透湿防水性の薄膜フィルムを積層したアラミド繊維布帛を中間層とし、かつ、目付が20〜200g/m の嵩高性不織布を遮熱層とする積層体からなることを特徴とする耐熱性防護に関する。
本発明によれば、上記パラ型アラミド繊維のフィブリル化による白ボケを防止した耐熱性布帛、および耐熱性防護服を提供するができる。
本発明に用いられるパラ型アラミド繊維は下記式(1)に示すコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフエニレン・テレフタルアミドである。
Figure 0004690806
(式中、mおよびnは、正の整数を表す。)
記式(1)で表されるコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドからなる繊維の具体例としては、「テクノーラ」(帝人テクノプロダクツ(株)製)が挙げられる。
(特開平9−143821号公報より)
本発明に用いられるパラ型アラミド繊維は、カーボンブラックを含有するものであるが、該カーボンブラックとしては、公知のものが使用でき、例えば、アセチレンブラック(デンカ社製、「デンカブラック」)、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられる。これらは、通常、微粉末としてマトリックスポリマーに分散して用いることができる。
ここで、カーボンブラックの一次粒径は、好ましくは10〜100nm、ここで、一次粒径とは、粒子が凝集し二次粒子を形成する前の粒子径を言う。
ポリパラフェニレンテレフタルアミドのような異方性溶液の場合はドープ中でポリマーが液晶を形成して緻密な構造となるのでカーボンブラックの如き添加物を取り込むためにはサイズが小さいことが必要である。これに対し、等方性溶液ではドープ中のポリマー構造がルーズなので添加物の取り込みが容易であり、添加剤のサイズの問題は少ない。しかし、以下の理由により、添加すべきカーボンの一次粒径は10〜100nmとすることが好ましい。
一次粒径が10nmの場合は表面エネルギーが高く凝集を起こし易いので、その対策として有機系の分散補助剤との併用が必要となり、その結果熱延伸工程で分散補助剤が熱分解することによる製糸性への悪影響が生ずる。
一次粒径が100nmを超える場合は、二次構造単位であるストラクチャーまたはクラスターともよばれる、二次構造単位が繊維中で粗大凝集物として欠陥異物になり単糸切れによる毛羽や断糸の原因となり好ましくない。
ここで、このようなカーボンブラックを含有するパラ型アラミド繊維を製造するには、パラ型アラミド含有ドープにカーボンブラックを添加し、これを、常法に従い、湿式紡糸、延伸すればよい。
パラ型アラミド繊維中へのカーボンブラックの添加量は、2〜15重量%、好ましくは5〜15重量%である。2重量%未満では、パラ型アラミド繊維のフィブリル化による白ボケを防止を解消することができず、一方、15重量%を超えると、強力、耐引裂き性などの物性が低下する場合がある。
本発明の耐熱性布帛において、以上のカーボンブラック含有パラ型アラミド繊維の含有率は、40重量%以上、好ましくは50〜70重量%である。40重量%未満では、メタ型アラミド繊維と混合する場合には強力が不足する。また、高強力繊維と混合する場合には、高強力繊維自身がフィブリル化を起こし易いため、白ボケが目立つので好ましくない。上記パラ型アラミド繊維100%で構成される布帛であっても構わない。
一方、本発明の耐熱性布帛において、上記パラ型アラミド繊維と混合することのあるその他の耐熱性繊維としては、メタ型アラミド繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ノボロイド繊維(架橋型フェノール繊維)、難燃アクリル繊維、ポリクラール繊維、難燃ポリエステル繊維、難燃綿繊維、難燃ウール繊維の少なくとも1種以上であることが好ましい。混合形態としては、混紡して紡績糸の形態で使用するものが好ましく例示される。
以上のパラ型アラミド繊維と必要に応じて用いられるその他の耐熱性繊維の混合形態は、混紡、交織、交編、混繊のいずれでもよいが、好ましくは強力、耐引裂き性などの物性を維持しつつ白ボケ防止効果を最大限に発揮させる観点から、混紡である。
なお、繊維を均一に混合するには、空気混合法、同時切断法などの通常の繊維混合技術を用いる。紡績工程で混合するときは、捲縮数4〜20ケ/インチ程度の捲縮糸を用いるのが好ましい。
この場合、パラ型アラミド繊維、その他の耐熱性繊維の繊維長は、それぞれ30〜100mmの範囲が好ましい。また、これらの繊維の単糸繊度は、0.5〜3.0dtexが好ましい。
本発明の布帛は、編物や織物として形成されるが、消防服などの耐熱性防護服には、適当な強度を必要とするために織物が好ましく使用され、織物の場合にはその目付けが150〜350g/m2の範囲にあるものを使用することが実用的である。上記目付けが、150g/m2未満の場合には、充分な耐熱性能が得られない恐れがあり、一方、該目付けが、350g/m2を超える場合には、防護服にした場合の着用感が阻害されるので好ましくない。
本発明の耐熱性布帛は、L値(以下「初期L値」ともいう)が、好ましくは30以下、であり、かつJIS Ll0966.17.5E法マーチンデール摩耗試験10,000回後のL値(以下「摩耗試験後のL値」ともいう)が、好ましくは30以下、さらに好ましくは初期L値+1以下である。初期L値、摩耗試験後のL値が30を超えると、充分な着色がなされておらず、一方、摩耗試験後のL値が初期L値+1を越える場合は、白ボケが目立つようになる。
また、本発明の耐熱性布帛は、引張り強度が、経が好ましくは1,960N/5cm以上、さらに好ましくは3,000N/5cm、緯が好ましくは1,600N/5cm以上、さらに好ましくは2,500N/5cmである。経、緯ともに、上記数値範囲を下回るときは、布帛の強度が不足し、防護服として使用できない場合がある。
次に、本発明の耐熱性防護服は、表地層に本発明の耐熱性布帛を用い、これに中間層、遮熱層を組み合わせた三層構造の防護服が好ましいものである。
この表地層に対しては、コーティング法、スプレー法、または浸漬法などの加工法により、フッ素系の撥水樹脂を付与して加工することが、より高い耐水性能や耐薬品性能を有する防護服を得るためには好ましい。
なお、上記表地層には、耐熱性、遮熱性を向上させるために無機化合物が担持されているものが好ましく例示される。上記無機化合物としては、ケイ素、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、鉄、アンチモン、マグネシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物、もしくは、複合酸化物が好ましく例示される。なかでも、酸化アルミニウムのように表面に水酸基を多く有し、化合物当りの結晶水の割合が大きいものが特に好ましく例示される。
上記無機化合物の担持量は、表地層の重量当たり、3〜20重量%の範囲で使用したものがよい。上記担持量が3重量%未満では、遮熱の効果が少なく、一方、20重量%を超えると風合いを損ねるおそれがあるので衣服に使用するには好ましくない。
上記表地層への無機化合物の担持方法については、コーティング法、浸漬法などの公知の種々の加工方法が使用可能であるが、防炎性への影響を最小限にするために、該表地層の裏面側にコーティングすることが好ましい。特に、メタ系アラミドポリマーをバインダーとして用いる場合には、風合いを阻害しない目的から湿式コーティング法を用いるものが最適である。
また、上記担持の処理の際に使用するバインダーとしては、難燃性を確保するために、メタ系アラミドポリマーの有機系薬剤への溶解物を用いることが最も好ましい。上記有機溶剤としては、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドなどが好ましく使用される。また、臭素、フッ素などのハロゲン系原子が共重合されたアクリル樹脂、ウレタン樹脂などに代表される難燃性樹脂を用いることも可能である。さらに、非難燃タイプの樹脂を使用する場合には、ヘキサブロモシクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドテカンなどに代表されるハロゲン化シクロアルカン化合物や、トリクロロエチルフォスフェート、トリスジクロロプロピルフォスフェートに代表される含ハロゲンリン酸エステル、あるいは、トリメチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェートに代表される非ハロゲン化燐酸エステルなどの難燃剤を添加したものを使用することにより難燃性を確保することができる。
次に、中間層は、透湿防水性を有するものであることが重要であり、アラミド繊維からなる布帛に透湿防水性の薄膜フィルムを積層したものが好ましく用いられる。上記薄膜フィルム層と積層する布帛は、織物や編物、または不織布が使用可能であるが、強度の点で織物が使用され、特に、難燃性素材であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維からなる織布を用い、該織布に透湿防水性のある薄膜フィルムをラミネート加工したものが最適に例示される。
上記薄膜フィルムとしては、透湿防水性を有するものであれば公知のものを使用することができるが、耐薬品性を兼ね備えたポリテトラフルオロエチレンからなる薄膜フィルムを使用するものが特に好ましく例示される。このような中間層の挿入により、透湿防水性や耐薬品性が向上し、着用者の汗の蒸散を促進するので、着用者のヒートストレスを減少することができる。
次に、3層構造のうちの遮熱層としては、嵩高性の高い不織布構造をした布帛を使用することが有効であり、このような布帛により熱伝導性の低い空気を多く含んだ層を形成することができる。このような布帛には、耐熱性の高いメタ系アラミド繊維からなる不織布を用いるものがよい。上記不織布の目付としては、20〜200g/m2の範囲で形成したものが好ましく例示される。不織布の目付が20g/m2未満の場合には、不織布の強度が低く実用に耐えないものとなるおそれがあり、一方、該目付が200g/m2を超えると、防護服の重量を増加させ、着用者の動きを阻害するようになる。また、空気層を効率よく活用するために、35〜50g/m2の範囲の比較的低い目付の不織布シートの複数枚を層状に積層させて用いることが特に有効である。
このような不織布は、織物などと比較して、嵩高であり空気層を多く含むものであるが、その嵩高性としては、20〜200cm3/gの範囲のものが好ましく使用される。ここにいう嵩高性は、縦15cm×横15cmの大きさに切り取った不織布の0.3g/cm2の荷重下で厚さ(t:mm)を測定し、前記縦横から求めた面積(S:cm2)、質量(W:g)を用いて、以下の式により嵩高性(cm3/g)を算出した。
嵩高性=S×t/W×10
これらの不織布は、乾式ニードルパンチ法やウォーターニードル法などの公知の方法により製造することができるが、不織布の強度を上げるためにウォーターニードル法を用いて製造したものがより好ましく使用される。
また、上記不織布のみを用いて遮熱層を形成したものでは、着用時のよれ、型崩れなどの問題が発生するので、メタ系アラミド繊維の織布との複合材料として使用する必要がある。上記メタ系アラミド繊維からなる不織布、もしくは、その積層体と、該メタ系アラミド繊維からなる織布とを重ね合わせ、これにキルティング加工を施して結合させたものが最適に使用される。このように織布を重ね合わせ、該織布のある面を内側(肌側)に配置して形成することにより、着用時のよれ、型崩れなどのない、着用安定性の優れた遮熱層を形成することができる。
また、上記遮熱層は、遮熱性を向上させるために遮熱層を形成する不織布が膨張剤を含有していることが好ましい。上記膨張剤としては、有機ポリマーから形成された中空子を使用することが出来、該有機ポリマーとしては、温度により伸縮するものであれば、いずれでも使用することができる。上記有機ポリマーの選定に当たっては、膨張温度、耐熱性、伸度などの関連から慎重に選定する必要があるが、本発明では、アクリルニトリル、あるいは、その共重合体系のものが好ましく使用され、特に耐炎性を要求されるので、アクリルニトリル−塩化ビニリデン共重合体を用いるものが好ましく例示される。また、上記膨張剤の中に内包されるガスとしては、体積膨張率の高いイソブタンガスを用いるのが最適である。
上記膨張剤の担持量は、遮熱層に用いる不織布の重量当り、10〜100重量%の範囲で使用される。上記膨張剤の担持量が、10重量%未満では、遮熱の効果が低く、一方、100重量%を超えると、風合いを損ねるようになるので衣服に使用するには好ましくない。
遮熱層への該膨張剤の担持方法については、コーティング法、浸漬法などの公知の加工方法が使用可能である。特に、該浸漬法を用いる場合には、空気層と加工液の置換を促進するために、ポリオキシアルキレンエーテルなどに代表される浸透剤を添加することが効果的である。これにより遮熱層として使用する不織布への加工剤の濡れ性を向上させ、固着量を増加させることができるのでより好ましい。
また、上記担持処理の際に使用するバインダーとしては、難燃性を確保するために、臭素、フッ素などのハロゲン系原子を共重合したアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂のどの公知の難燃性樹脂を用いるものが好ましく例示される。また、非難燃性タイプの樹脂を使用する場合には、ヘキサブロモシクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドテカンなどに代表されるハロゲン化シクロアルカン化合物などの難燃剤を添加したものを使用することにより難燃性を確保することができる。
なお、本発明の耐熱防護服は、このような表地層、中間層、遮熱層から構成される複合構造を有するが、各層は相互に接合されている必要はなく、重ね合わして縫合したものでよい。また、該中間層と遮熱層とは、それぞれファスナー等を使用して表地層から取り外し可能なようにし、洗濯が簡単に出来るような構造を有するものが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定した。
(1)摩耗試験
JIS Ll096 6.17.5E法マーチンデール摩耗試験に準拠した方法により、摩耗試験10,000回を実施した。
(2)色相
マクベス社(株)製、カラー測定装置「Machbeth COLOR-EYE」を用い、2度視野とし、D65光源を使用して波長36〜74nmでL値を測定した。
(3)織物引張強力
JIS L1096引張強さA法に準拠した方法に拠った。
(4)防炎性
JIS Ll091A-1法に準拠した方法に拠った。
(5)遮熱性
IS0 9151に準拠した方法により、24℃温度上昇試験を行った。
実施例1
カーボンブラック(大日精化工業(株)製、MPS−1504B1ack(T)、一次粒径:30nm)を10重量%含有するコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ(株)製、商標名:テクノーラ、繊維長:51mm、単糸繊度:1.7dtex)と黒原着ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ(株)製、商標名:コーネックス、繊維長:51mm、単糸繊度:2.2dtex)とを混合比率(重量比)が60:40となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(30/2)を用いて2/1綾織に織成した織物(目付:240g/m)を用いて、公知の方法で精練処理し、布用表面にある糊剤、油剤を除去した。
得られた布帛の摩耗試験前後の色相および防炎性の評価結果を表1に示す。
また、上記布帛を表地層とし、中問層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ(株)製、商標名:コーネックス、繊維長:51mm、単糸繊度:2.2dtex)からなる紡績糸(番手:40/−)からなる織布(目付:75g/m)にポリテトラフルオロエチレン製の透湿防水性フィルム(ジャパンゴアテックス社製、目付:35g/m)をラミネートしたものを使用した。さらに、遮熱層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維の短繊維(1.39dtex、38mmカット長)を用いて、ウォーターニードル法により作成した不織布(目付:35g/m)を2層に積層させたものを使用し、該不織布にポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ(株)製、商標名:コーネックス、繊維長:51mm、単糸繊度:2.2dtex)からなる紡績糸(番手:60/1)を織成した織布(目付:75g/m)を裏地として重ね合わせたものをキルティング加工して用いた。これらの表地層、中間層、遮熱層の3層を重ねて用い縫製して耐熱性防護服を得た。得られた耐熱性防護服の遮熱性の評価結果を表1に併せて示す。
実施例2
実施例1において、カーボンブラックを10重量%含有するコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ(株)製、商標名:テクノーラ)のみかならなる紡績糸(30/2)を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。得られた布帛および耐熱性防護服の評価結果を表1に併せて示す。
比較例1
実施例1において、カーボンブラックを1.5重量%含有するコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ(株)製、商標名:テクノーラ、繊維長:51mm、単糸繊度:1.7dtex)を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。得られた耐熱性防護服の評価結果を表1に併せて示す。
比較例2
実施例1において、カーボンブラックを10重量%含有するコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ(株)製、商標名:テクノーラ)と黒原着ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維とを混合比率(重量比)が10:90となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(30/2)を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。得られた布帛および耐熱性防護服の評価結果を表1に併せて示す。
Figure 0004690806
本発明の耐熱性布帛は、カーボンブラックを2〜15重量%含有するパラ型アラミド繊維を用いた布帛であって、パラ型アラミド繊維の摩耗による白ボケを改善することができるので、消防士、飛行士、レースドライバー、電力会社、化学会社の作業者など火炎に曝される可能性のある作業に従事する人々が着用するのに適した耐熱性防護服の用途に有用である。

Claims (6)

  1. カーボンブラックを2〜15重量%含有するコポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維を40重量%以上含むことを特徴とする耐熱性布帛。
  2. 布帛中に、メタ型アラミド繊維、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ノボロイド繊維、難燃アクリル繊維、ポリクラール繊維、難燃ポリエステル繊維、難燃綿繊維、および難燃ウール繊維の群から選ばれた少なくとも1種の繊維を60重量%以下含む請求項1記載の耐熱性布帛。
  3. 布帛中に含まれるカーボンブラックの一次粒径が10〜100nmである請求項1記載の耐熱性布帛。
  4. 布帛のL値が30以下であり、かつJIS Ll0966.17.5E法マーチンデール摩耗試験10,000回後のL値が30以下である請求項1〜3いずれかに記載の耐熱性布帛。
  5. 布帛の引張り強度が経:1,960N/5cm以上、緯:1,600N/5cm以上である請求項1〜4いずれかに記載の耐熱性布帛。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱性布帛を表地層とし、透湿防水性の薄膜フィルムを積層したアラミド繊維布帛を中間層とし、かつ、目付が20〜200g/m の嵩高性不織布を遮熱層とする積層体からなることを特徴とする耐熱性防護服
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