JP7051397B2 - 樹脂組成物、その製造方法、およびそれからなる動力伝達用成形品 - Google Patents
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Description
(1)熱可塑性樹脂と、カーボンブラックを含有する芳香族ポリアミド繊維を含む樹脂組成物であり、前記の熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂であり、前記樹脂組成物100重量部中に前記芳香族ポリアミド繊維を5~30重量部を含み、前記芳香族ポリアミド繊維が以下の要件を満たすことを特徴とする樹脂組成物。
(I)前記芳香族ポリアミド繊維の繊維長が0.5~5.0mmの範囲であること。
(II)前記芳香族ポリアミド繊維がポリマーと添加物からなる芳香族ポリアミドを繊維としたものであり、芳香族ポリアミド中に5~30重量%のカーボンブラックが添加物として含まれること。
(2)熱可塑性樹脂、および芳香族ポリアミド繊維を溶融混練する工程を含む、上記(1)に記載の樹脂組成物の製造方法。
(3)上記(1)に記載の樹脂組成物からなる動力伝達用成形品。
パラ系芳香族ポリアミド繊維のうち、ポリパラフェニレンテレフタルアミドからなる繊維としては、「トワロン」(帝人トワロン(株)製)、「ケブラー」(デュポン(株)製)などが例示される。
本発明に用いられるパラ系芳香族ポリアミド繊維は、カーボンブラックを含有するものであるが、前記カーボンブラックとしては、公知のものが使用でき、例えば、アセチレンブラック(デンカ社製、「デンカブラック」)、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられる。これらは、通常、微粉末としてマトリックスポリマーに分散して用いることができる。ここで、カーボンブラックの一次粒径は、好ましくは10~100nmである。
ここで、一次粒径とは、粒子が凝集し二次粒子を形成する前の粒子径を言う。
尚、(以下「芳香族ポリアミド繊維」を「アラミド繊維」ということがある。)。
特に、溶融混錬時のせん断による折れ、切断、割れが生じやすい繊維状、層状の原料は、サイドフィーダーによる供給が好ましい。
樹脂組成物1.0gを蟻酸(88%)に入れて、常温で24時間以上放置して、樹脂成分を溶解させた。これを濾過し、ギ酸を水洗、乾燥して、含有率測定用の残渣とした。
上記(1)で得られた濾過後の繊維含有率測定用の残渣について、その残渣をシャーレに入れて、エタノールを加えて超音波で分散後、アラミド繊維の繊維長を、キーエンス社製光学顕微鏡(DEGITAL MICROSCOPE VHX-1000)を用いて、各々400本測定して、各繊維長の平均を求めた。
本発明の摺動性は、摺動面の温度(相手材の焼き)、相手材の表面粗さ(傷つき性)について以下方法にて評価した。
スラストシリンダー式摩耗試験法で実施した。得られた樹脂組成物から作製した試験片と、アルミ製筒とを、接触面圧:9.8MPa、滑り速度:0.5m/s、試験時間:30minの条件にてこすり合わせ、サーモグラフィで摺動面の温度を計測した。
摺動面の実温が80℃未満を◎、80~100℃未満を○、100℃以上を×と評価した。
また、上記試験後に、相手材(アルミ製筒)の表面粗さを、レーザー顕微鏡にて計測した。
表面粗さが8μm未満の場合は◎、8~10μm未満の場合は○、10μm以上の場合は×と評価した。
芳香族ポリアミド繊維として、カーボンブラック(大日精化工業(株)製、MPS-1504B1ack(T)一次粒径:30nm)を前記芳香族ポリアミド100重量%中に5重量%含有するコポリパラフェニレン・3,4’-オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製、繊維径12μm、繊度1,670dtex、繊維本数1000本)を、3本合わせてS方向に35回/mの撚りを加えた。次いで、ポリウレタン樹脂(DIC株式会社製「ボンディック8510」)をイオン交換水で固形分濃度20重量%に希釈した液に、この撚りコードを連続浸漬させて、温度150℃の乾燥機に1分間通し、処理剤付着量が13重量%の芳香族ポリアミド繊維を得た。次いで、この芳香族ポリアミド繊維を、ギロチンカッターで3mm長にカットし、共重合芳香族ポリアミド繊維短繊維を得た。
一方、熱可塑性樹脂としてポリアミド66樹脂(融点265℃)を用意した。
相手材への焼き、傷つき性ともに良好であった。評価結果を表1に示す。
芳香族ポリアミド繊維として、カーボンブラック(大日精化工業(株)製、MPS-1504B1ack(T)一次粒径:30nm)を10重量%含有するコポリパラフェニレン・3,4’-オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維に変更した以外は実施例1と同様にして、成形品(摺動部材)を作製・評価した。
相手材への焼き、傷つき性ともに良好であった。評価結果を表1に示す。
芳香族ポリアミド繊維として、前記カーボンブラックを、各15、18、22重量%含有するコポリパラフェニレン・3,4’-オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維に変更した以外は実施例1と同様にして、成形品(摺動部材)を作製・評価した。
相手材への焼き、傷つき性ともに良好であった。評価結果を表1に示す。
芳香族ポリアミド繊維として、前記カーボンブラックを、各0、40重量%含有するコポリパラフェニレン・3,4’-オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維に変更した以外は実施例1と同様にして、成形品(摺動部材)を作製・評価した。評価結果を表1に示す。
比較例2では、カーボンブラックの量が多すぎて、製糸することができなかった。
芳香族ポリアミド繊維を各5、25、40重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、成形品(摺動部材)を作製・評価した。評価結果を表1に示す。
比較例3は、ポリアミド繊維の含量が多すぎて組成物が作成できなかった。
芳香族ポリアミド繊維の代わりにPAN系炭素繊維を15重量部に変更した以外は実施例1と同様にして、成形品(摺動部材)を作製・評価した。評価結果を表1に示す。
相手材の表面粗さ(傷つき)が良くなかった。
Claims (6)
- 熱可塑性樹脂と、カーボンブラックを含有する芳香族ポリアミド繊維を含む樹脂組成物であり、前記熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂であり、前記樹脂組成物100重量部中に前記芳香族ポリアミド繊維を5~30重量部を含み、前記芳香族ポリアミド繊維が以下の要件を満たすことを特徴とする樹脂組成物。
(1)前記芳香族ポリアミド繊維の繊維長が0.5~5.0mmの範囲であること。
(2)前記芳香族ポリアミド繊維がポリマーと添加物からなる芳香族ポリアミドを繊維としたものであり、芳香族ポリアミド中に5~30重量%のカーボンブラックが添加物として含まれること。 - 前記芳香族ポリアミド繊維が、コポリパラフェニレン3,4’-オキシジフェニレンテ
レフタラアミドを含む繊維である請求項1に記載の樹脂組成物。 - 前記熱可塑性樹脂の融点が200~300℃である請求項1、または2に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリアミド系樹脂が、ナイロン6、またはナイロン66の少なくとも一方である請求項1~3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂およびカーボンブラックを含有する芳香族ポリアミド繊維を溶融混練する工程を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる動力伝達用成形品。
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