JP6934226B2 - 衣類用摩耗防止布および衣類 - Google Patents

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本発明は、高い難燃性と耐摩耗性を併せ持つ衣類に関する。
従来、消防服などで難燃性を有する布帛が用いられている(例えば特許文献1、特許文献2)。しかしながら、消防服の中でもとりわけ肘・膝などの関節部分は訓練などで日ごろから摩耗されやすい部位であり、摩耗による穴あきが発生することがあった。
特開2010−242239号公報 特開2014−091307号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、高い難燃性と耐摩耗性を併せ持つ衣類を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、難燃性繊維を含む織物に特定のゴム層を積層することにより高い難燃性と耐摩耗性を併せ持つ衣類用摩耗防止布が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「難燃性繊維を含む織物に、クロロプレンを含むゴム層を積層してなる衣類用摩耗防止布であって、ゴム層表面において、JIS L1096−2010 A−1法(平面摩耗法)により測定した耐摩耗性が5000回以上であることを特徴とする衣類用摩耗防止布を、関節部分に部分的に用いてなる、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの衣類。」が提供される。
その際、前記難燃性繊維が、パラ型全芳香族ポリアミド繊維またはメタ型全芳香族ポリアミド繊維であることが好ましい。また、前記難燃性繊維が、紡績糸、または長繊維、または紡績糸と長繊維を含む複合糸、または牽切加工糸であることが好ましい。また、前記織物において、経糸密度が60本/2.54cm以上、かつ緯糸密度が50本/2.54cm以上であることが好ましい。また、前記ゴム層が難燃剤を含むことが好ましい。
前記衣類用摩耗防止布において、目付けが200〜800g/mの範囲内であることが好ましい。また、厚さが0.2〜3.0mmの範囲内であることが好ましい。また、ISO11999−3:2015で規定される放射熱曝露後の引張強度が、経方向または緯方向で450N以上であることが好ましい。また、ISO11999−3:2015で規定される放射熱曝露前後の引張強度保持率が経方向または緯方向で85%以上であることが好ましい。また、ISO15025−Aに規定される燃焼性測定において残炎時間が2.0秒以下であることが好ましい。
発明によれば、前記の衣類用摩耗防止布を部分的に用いてなる、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの衣類が提供される。
本発明によれば、高い難燃性と耐摩耗性を併せ持つ衣類が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<難燃性繊維>
まず、本発明において、難燃性繊維としては、全芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、ポリベンゾイミダゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリエーテルイミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ノボロイド繊維、ポリクラール繊維、難燃アクリル繊維、難燃レーヨン繊維、ビニロンなど例示される。なかでもメタ型全芳香族ポリアミド繊維やパラ型全芳香族ポリアミド繊維などの全芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)が好ましい。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維とは、その繰返し単位の85モル%以上がm−フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。かかるメタ型全芳香族ポリアミドは、15モル%未満の範囲内で第3成分を含んだ共重合体であっても差しつかえない。メタ型全芳香族ポリアミド繊維の市販品としては、コーネックス(商品名)、コーネックスネオ(商品名)、ノーメックス(商品名)などが例示される。
また、パラ型全芳香族ポリアミド繊維としては、テクノーラ(商品名)、ケブラー(商品名)およびトワロン(商品名)に代表されるものであり、主鎖中に芳香族環を有するポリアミドからなる繊維であり、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(PPTA)でもよいし共重合タイプのコポリパラフェニレン−3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド(PPODPA)であってもよい。
前記難燃性繊維の形状としては特に限定されず、紡績糸、長繊維、紡績糸と長繊維を含む複合糸(例えば、芯部に長繊維が配され、鞘部に短繊維が配された芯鞘型複合紡績糸)、牽切加工糸(例えば、特開2012−102430号公報に記載されたもの)などが例示される。
また、前記難燃性繊維において、単繊維繊度としては1〜5dtexの範囲が好ましい。総繊度としては、長繊維(マルチフィラメント)または牽切加工糸で40〜700dtex、紡績糸で20〜60番手の範囲内であることが好ましい。700dtexより大または20番手よりも小の場合、織物の厚みが増し、活動性が損なわれるおそれがある。逆に、40dtexより小または60番手よりも大の場合、片面に積層されたゴムが織物の反対面側にゴムが浸透し風合いを硬くしてしまうおそれがある。また、短繊維の場合、繊維長25〜200mm(より好ましくは30〜150mm)の範囲内であることが好ましい。
<織物>
本発明において、織物の織物組織は特に限定されないが、平織組織が好ましい。平織組織では、組織点が多いため織物の片面にゴム層を積層した際、織物の反対面側にゴムが浸透しにくく柔らかい風合いを保つことができ好ましい。綾織では生地自体が厚くなり、活動性が損なわれるおそれがある。また、空羽を含む構造では、片面に積層されたゴムが織物の反対面側にゴムが浸透し風合いを硬くしてしまうおそれがある。
また、前記織物において、経糸密度が60本/2.54cm以上(より好ましくは60〜100本/2.54cm)、かつ緯糸密度が50本/2.54cm以上(より好ましくは50〜90本/2.54cm)であることが好ましい。経糸密度または緯糸密度が該範囲よりも小さいと、片面に積層されたゴムが織物の反対面側にゴムが浸透し風合いを硬くしてしまうおそれがあり、さらには、布の引張強度が低下するおそれがある。
なお、前記織物は、前記の難燃性繊維を用いて、レピア織機、エアジェット織機、ウオータージェット織機などを用いて常法により製織することができる。その際、難燃性繊維以外の繊維(例えば、ポリエステル繊維など)を併用してもよいが、織物重量対比50重量%以上が難燃性繊維であることが好ましい。
前記織物は、染色加工(例えば黒色)を施してもよい。かかる染色加工は、糸染めでよい。原着繊維を用いてもよい。さらには、難燃剤、吸水剤、撥水剤、蓄熱剤、紫外線遮蔽剤、制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、防蚊剤、蓄光剤、再帰反射剤等を付与する他の各種加工を付加適用してもよい。
<ゴム層>
本発明において、前記織物の片面または両面にゴム層が積層されている。その際、織物の両面にゴムを積層させると、ゴムが織物を構成する繊維を固定してしまい、風合いが硬くなるおそれがあるため、ゴムは片面積層が好ましい。
かかるゴム層において、クロロプレンを含むことが好ましい。クロロプレンは耐熱性・耐炎性だけでなく、耐油性および耐化学薬品性も有し好ましい。
ゴム層において、原料ゴム成分(ゴム分)の重量割合がゴム層重量対比30〜75重量%の範囲内であることが好ましい。原料ゴム成分(ゴム分)の重量割合が該範囲よりも小さいと耐摩耗性が低下するおそれがある。逆に、原料ゴム成分(ゴム分)の重量割合が該範囲よりも大きいと、表面性が悪くなり、成形が困難になるおそれがある。ゴム層重量に対する原料ゴム成分の重量割合の下限は、好ましくは40重量%、より好ましくは45重量%である。ゴム層重量に対する原料ゴム成分の重量割合の上限は、好ましくは70重量%、より好ましくは68重量%である。
前記ゴム層において、原料ゴム成分(ゴム分)以外の成分としては、フィラー、加硫反応剤、老化防止剤、難燃剤、オイル、顔料(例えば、黒色やゴールド色など)などが例示される。なかでも、ゴム層に難燃剤が含まれているとゴム層の難燃性が向上し好ましい。
なお、前記ゴム層において、中空の無機充填剤を含まないことが好ましい。ゴム層に中空の無機充填剤を加えると中空の無機充填剤によって硬度が上がり、衝撃が加わった際に衝撃を吸収できず、中空の無機充填剤が割れてしまうおそれがある。
本発明において、織物にゴム層を積層する方法としては、例えば、カレンダーやナイフコーターを用いた公知の方法でよい。
<衣類用摩耗防止布>
かくして得られた衣類用摩耗防止布において、目付けが200〜800g/mの範囲内であることが好ましい。該目付けが200g/mより小さいと耐摩耗性が低下するおそれがある。逆に該目付けが800g/mよりも大きいと布の重量が大きくなり衣類着用者の活動性が低下するおそれがある。目付けの下限は、好ましくは250g/m、より好ましくは300g/mである。目付けの上限は、好ましくは750g/m、より好ましくは700g/mである。
また、厚さが0.2〜3.0mmの範囲内であることが好ましい。該厚さが0.2mmより小さいと耐摩耗性が低下するおそれがある。逆に該厚さが3.0mmよりも大きいと衣類着用者の活動性が低下するおそれがある。厚さの下限は、好ましくは0.30mm、より好ましくは0.35mmである。厚さの上限は、好ましくは2.5mm、より好ましくは2.0mmである。
本発明の衣類用摩耗防止布は前記の構成を有するので、高い難燃性と耐摩耗性を併せ持つ。
ここで、ゴム層表面において、JIS L1096−2010 A−1法(平面摩耗法)により測定した耐摩耗性が5000回以上(より好ましくは5000〜30000回)であることが肝要である。耐摩耗性が5000回未満の場合、衣類着用者が過酷な訓練を受けた際に孔があいてしまうおそれがある。耐摩耗性の下限は、好ましくは6000回、より好ましくは6500回である。耐摩耗性の上限は、好ましくは25000回、より好ましくは20000回である。
また、ISO11999−3:2015で規定される放射熱曝露後の引張強度が、経方向または緯方向で450N以上(より好ましくは450〜10000N)であることが好ましい。引張強度の下限は、好ましくは800N、より好ましくは1500Nである。引張強度の上限は、好ましくは7000N、より好ましくは5000Nである。
また、ISO11999−3:2015で規定される放射熱曝露前後の引張強度保持率が経方向または緯方向で85%以上であることが好ましい。引張強度保持率の下限は、好ましくは88%、より好ましくは90%である。
また、ISO15025−Aに規定される燃焼性測定において残炎時間が2.0秒以下であることが好ましい。残炎時間の上限は、好ましくは1.5秒、より好ましくは1.0秒である。
本発明の衣類は、前記の衣類用摩耗防止布を部分的に用いてなる、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの衣類である。
かかる衣類において、前記の衣類用摩耗防止布をひざやひじなどの関節部分に部分的に用いることが好ましい。例えば、前記のような難燃性繊維を用いて消防防火服(例えば、最外層、透湿防水性フィルムを積層した中間層、および遮熱層からなる三層構造消防防火服)などの衣類を縫製した後、所定の寸法に裁断した前記の衣類用摩耗防止布をひざ部やひじ部などに縫着するとよい。その際、ゴム層が外気側に位置するよう用いるとよい。
かかる衣類は前記の衣類用摩耗防止布を用いているので高い難燃性と耐摩耗性を併せ持つ。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)目付け
JIS L 1096 A法で規定される方法で測定した。
(2)放射熱曝露後の引張強度
ISO11999−3:2015に規定されるように、ISO6942:2002 A法で10kw/m曝露する前後で、布の経及び緯方向について引張強度ISO13934−1を測定した。引張強度の保持率は(曝露前引張強度/曝露後引張強度)×100で計算した。
(3)耐炎性測定
ISO11999−3:2015に規定されるように、ISO15025−Aに従って表面の耐炎性を測定した。
(4)耐摩耗性測定
JIS L1096−2010 A−1法(平面摩耗法)に規定される方法で、ゴム面を上にして織物に穴が開くまでの回数を測定した。
(5)厚さ
JIS L1096−2010 A法(JIS法)で厚さを測定した。荷重はJISに則り、23.5kPaを使用した。
[実施例1]
<衣類用摩耗防止布>
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(トワロン(商品名))のステープルファイバー(繊維長は51mm)からなる紡績糸60番手/双糸を経方向の糸を用い、レピア織機で目付け170g/m、経糸70本/2.54cm、緯糸60本/2.54cmの平組織織物を製織した。その後、常法の精錬・熱セットし、難燃布帛を得た。
クロロプレンを40重量%含み、フィラー、加硫反応剤、老化防止剤、難燃剤、オイルを60重量%含み、中空の無機充填剤を含まない難燃ゴムを上述の難燃布帛に加圧しながら積層し、加硫を行い、衣類用摩耗防止布を得た。得られた衣類用摩耗防止布の目付けは520g/mであった。物性値を表1に示す。
<消防用防護服>
次いで、特開2014−091307号公報の比較例4に従い、多層構造布帛を得て、さらに消防用防護服の形状に縫製した。
具体的には、最外層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率が90:10となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(番手:40/2)を用いて、平織リップストップ組織を有する織物を製織した。該表地層の目付けは380g/mであった。
中間層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率が95:5となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(番手:40/−)を用いて平織に製織した織物(目付け:80g/m)にポリテトラフルオロエチレン製の透湿防水性フィルム(ジャパンゴアテックス社製)をラミネートしたものを使用した。
遮熱層には、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維ヤーン(帝人社製、商標名:テクノーラ)からなる総繊度1670dtexのフィラメントを用いて、平織組織を有する織物を製織した。該遮熱層(内層)の目付けは210g/mであった。
得られた多層構造布帛を縫製して消防用防護服を得た。
<縫着>
得られた消防用防護服のひじ部に、前記衣類用摩耗防止布をゴム層が外気側になるよう縫着して着用したところ、高い難燃性と耐摩耗性を併せ持つものであった。
[実施例2]
<衣類用摩耗防止布>
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(トワロン(商品名))のステープルファイバー(繊維長は51mm)からなる紡績糸60番手/双糸を経方向の糸を用い、レピア織機で目付け170g/m、経糸70本/2.54cm、緯糸60本/2.54cmの平組織織物を製織した。その後、常法の精錬・熱セットし、難燃布帛を得た。
クロロプレンを50重量%含み、フィラー、加硫反応剤、老化防止剤、難燃剤、オイルを60重量%含み、中空の無機充填剤を含まない難燃ゴムを上述の難燃布帛に加圧しながら積層し、加硫を行い衣類用摩耗防止布を得た。得られた衣類用摩耗防止布の目付けは520g/mであった。物性値を表1に示す。
<消防用防護服>
次いで、特開2014−091307号公報の比較例4に従い、多層構造布帛を得て、さらに消防用防護服の形状に縫製した。
具体的には、最外層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率が90:10となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(番手:40/2)を用いて、平織リップストップ組織を有する織物を製織した。該表地層の目付けは380g/mであった。
中間層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率が95:5となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(番手:40/−)を用いて平織に製織した織物(目付け:80g/m)にポリテトラフルオロエチレン製の透湿防水性フィルム(ジャパンゴアテックス社製)をラミネートしたものを使用した。
遮熱層には、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維ヤーン(帝人社製、商標名:テクノーラ)からなる総繊度1670dtexのフィラメントを用いて、平織組織を有する織物を製織した。該遮熱層(内層)の目付けは210g/mであった。
得られた多層構造布帛を縫製して消防用防護服を得た。
<縫着>
得られた消防用防護服のひじ部に、前記衣類用摩耗防止布をゴム層が外気側になるよう縫着して着用したところ、高い難燃性と耐摩耗性を併せ持つものであった。
[実施例3]
<衣類用摩耗防止布>
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(トワロン(商品名))のステープルファイバー(繊維長は51mm)からなる紡績糸60番手/双糸を経方向の糸を用い、レピア織機で目付け170g/m、経糸70本/2.54cm、緯糸60本/2.54cmの平組織織物を製織した。その後、常法の精錬・熱セットし、難燃布帛を得た。
クロロプレンを70重量%含み、フィラー、加硫反応剤、老化防止剤、難燃剤、オイルを60重量%含み、中空の無機充填剤を含まない難燃ゴムを上述の難燃布帛に加圧しながら積層し、加硫を行い衣類用摩耗防止布を得た。得られた衣類用摩耗防止布の目付けは520g/mであった。物性値を表1に示す。
<消防用防護服>
次いで、特開2014−091307号公報の比較例4に従い、多層構造布帛を得て、さらに消防用防護服の形状に縫製した。
具体的には、最外層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率が90:10となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(番手:40/2)を用いて、平織リップストップ組織を有する織物を製織した。該表地層の目付けは380g/mであった。
中間層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率が95:5となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(番手:40/−)を用いて平織に製織した織物(目付け:80g/m)にポリテトラフルオロエチレン製の透湿防水性フィルム(ジャパンゴアテックス社製)をラミネートしたものを使用した。
遮熱層には、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維ヤーン(帝人社製、商標名:テクノーラ)からなる総繊度1670dtexのフィラメントを用いて、平織組織を有する織物を製織した。該遮熱層(内層)の目付けは210g/mであった。
得られた多層構造布帛を縫製して消防用防護服を得た。
<縫着>
得られた消防用防護服のひじ部に、前記衣類用摩耗防止布をゴム層が外気側になるよう縫着して着用したところ、高い難燃性と耐摩耗性を併せ持つものであった。
[比較例1]
ポリエステル繊維のステープルファイバー(繊維長は51mm)からなる紡績糸60番手/双糸を経方向の糸を用い、レピア織機で目付け170g/m、経糸70本/2.54cm、緯糸60本/2.54cmの平組織織物を製織した。その後、常法の精錬・熱セットし、難燃布帛を得た。
クロロプレンを40重量%含み、フィラー、加硫反応剤、老化防止剤、難燃剤、オイルを60重量%含み、中空の無機充填剤を含まない難燃ゴムを上述の難燃布帛に加圧しながら積層し、加硫を行った。得られたゴム層を積層した布帛の目付けは520g/mであった。物性値を表1に示す。
[比較例2]
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(トワロン(商品名))のステープルファイバー(繊維長は51mm)からなる紡績糸60番手/双糸を経方向の糸を用い、レピア織機で目付け170g/m、経糸70本/2.54cm、緯糸60本/2.54cmの平織物を製織した。その後、常法の精錬・熱セットし、難燃布帛を得た。
クロロプレンを10重量%含み、フィラー、加硫反応剤、老化防止剤、難燃剤、オイルを90重量%含み、中空の無機充填剤を含まない難燃ゴムを上述の難燃布帛に加圧しながら積層し、加硫を行った。得られたゴム層を積層した布帛の目付けは520g/mであった。物性値を表1に示す。
[比較例3]
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(トワロン(商品名))のステープルファイバー(繊維長は51mm)からなる紡績糸60番手/双糸を経方向の糸を用い、レピア織機で目付け170g/m、経糸70本/2.54cm、緯糸60本/2.54cmの平織物を製織した。その後、常法の精錬・熱セットし、難燃布帛を得た。
シリコーンゴムを40重量%含み、フィラー、加硫反応剤、老化防止剤、難燃剤、オイルを60重量%含み、中空の無機充填剤を含まない難燃ゴムを上述の難燃布帛に加圧しながら積層し、加硫を行った。得られたゴム層を積層した布帛の目付けは520g/mであった。物性値を表1に示す。
[比較例4]
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(トワロン(商品名))のステープルファイバー(繊維長は51mm)からなる紡績糸60番手/双糸を経方向の糸を用い、レピア織機で目付け170g/m、経糸70本/2.54cm、緯糸60本/2.54cmの平織物を製織した。その後、常法の精錬・熱セットし、難燃布帛を得た。
クロロプレンゴムを40重量%含み、中空の無機充填剤を含まない難燃ゴムを上述の難燃布帛に加圧しながら積層し、加硫を行った。得られたゴム層を積層した布帛の目付けは180g/mであった。物性値を表1に示す。
Figure 0006934226
Figure 0006934226
本発明によれば、高い難燃性と耐摩耗性を併せ持つ衣類用摩耗防止布および衣類が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (11)

  1. 難燃性繊維を含む織物に、クロロプレンを含むゴム層を積層してなる衣類用摩耗防止布であって、ゴム層表面において、JIS L1096−2010 A−1法(平面摩耗法)により測定した耐摩耗性が5000回以上であることを特徴とする衣類用摩耗防止布を、関節部分に部分的に用いてなる、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの衣類。
  2. 前記難燃性繊維が、パラ型全芳香族ポリアミド繊維またはメタ型全芳香族ポリアミド繊維である、請求項1に記載の衣類
  3. 前記難燃性繊維が、紡績糸、または長繊維、または紡績糸と長繊維を含む複合糸、または牽切加工糸である、請求項1または請求項2に記載の衣類
  4. 前記織物において、経糸密度が60本/2.54cm以上、かつ緯糸密度が50本/2.54cm以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の衣類
  5. 前記織物が平織組織を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の衣類
  6. 前記ゴム層が難燃剤を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の衣類
  7. 前記衣類用摩耗防止布の目付けが200〜800g/mの範囲内である、請求項1〜のいずれか一項に記載の衣類
  8. 前記衣類用摩耗防止布の厚さが0.2〜3.0mmの範囲内である、請求項1〜のいずれか一項に記載の衣類
  9. 前記衣類用摩耗防止布のISO11999−3:2015で規定される放射熱曝露後の引張強度が、経方向または緯方向で450N以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の衣類
  10. 前記衣類用摩耗防止布のISO11999−3:2015で規定される放射熱曝露前後の引張強度保持率が経方向または緯方向で85%以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の衣類
  11. 前記衣類用摩耗防止布のISO15025−Aに規定される燃焼性測定において残炎時間が2.0秒以下である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の衣類
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