JP4447476B2 - 洗濯耐久性の改善された織編物 - Google Patents

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Description

本発明は、耐熱性防護服の表地などに用いられる織編物に関する。
消防士が消火活動時に着用する耐熱性防護服である防火服は、たとえば丈夫で耐熱性のある表地、水の浸入を防ぎ、蒸れを起こさないように湿気を通す透湿防水層、外部からの熱を遮断する断熱層を縫製した多層構造で構成されている。高温の熱や炎、水、油などにさらされる表地は、耐熱性、撥水性、撥油性、引裂強さなど高い性能が要求される。表地の素材としては、難燃性繊維であるアラミド繊維が多く用いられている。また、表地には水をはじく撥水加工や種々の油汚れを防ぐための撥油加工が施される。
アラミド繊維には、耐熱性があって木綿などと同程度の引張強度をもつメタ系アラミド繊維と、引張強度が高くかつ耐熱性のあるパラ系アラミド繊維とがある。表地には、メタ系アラミド繊維が多く用いられている。
また、表地の燃焼時の収縮を防ぐ目的で、パラ系アラミド繊維を5〜10%程度混紡することも行われている。しかしながら、パラ系アラミド繊維はメタ系アラミド繊維に比べ撥水撥油加工剤の密着性が低いことや、パラ系アラミド繊維自身が洗濯などで機械的摩擦を受けることにより繊維表面がフィブリル化して剥落することから、撥水撥油剤自身も剥落するために洗濯耐久性が低いという問題があった。そのため、このような問題が生じないように、パラ系アラミド繊維の混紡率を低くする必要があった。
近年においては、ガラス片や鋭利な金属突起などの危険を防ぎ、かつ耐熱性を向上させる目的で、パラ系アラミド繊維の混紡率の高い生地が用いられるようになってきたが、上述したように洗濯耐久性が低いという問題があった。
特許文献1には、耐熱防護服の表地層に織物を用い、その織物の素材としてメタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維とを混紡した紡績糸を使用する旨記載されている。しかしながら、パラ系アラミド繊維の混合比率が全アラミド繊維に対して50重量%を超える場合には、パラ系アラミド繊維自身が洗濯などによって機械的摩擦を受けることで繊維表面がフィブリル化して剥落するため、洗濯耐久性が低いという問題があった。
特開2001−214318号公報
本発明は、耐熱性や防護性などの耐熱防護特性に優れ、かつ洗濯耐久性に優れた織編物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、織編物を構成する全糸重量に占めるメタ系アラミド繊維の重量割合が耐熱性高強度高弾性率繊維の重量割合よりも小さく、かつ織編物の片面の全表面積に占めるメタ系アラミド繊維の表面積割合が耐熱性高強度高弾性率繊維の表面積割合より大きい織編物が、耐熱性や防護性などの耐熱防護特性に優れ、かつ洗濯耐久性に優れていることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
[1] メタ系アラミド繊維と耐熱性高強度高弾性率繊維とからなる織編物であって、該織編物を構成する全糸重量に占めるメタ系アラミド繊維の重量割合が耐熱性高強度高弾性率繊維の重量割合以下であり、かつ該織編物の片面の全表面積に占めるメタ系アラミド繊維の表面積割合が耐熱性高強度高弾性率繊維の表面積割合より大きいことを特徴とする織編物、
[2]耐熱性高強度高弾性率繊維がパラ系アラミド繊維である[1]記載の織編物、
[3] 織編物を構成する全糸重量に占めるメタ系アラミド繊維の重量割合とパラ系アラミド繊維の重量割合が35:65〜45:55である前記[2]記載の織編物、
[4] 織編物の片面の全表面積に占めるメタ系アラミド繊維の表面積割合とパラ系アラミド繊維の表面積割合が60:40〜100:0である前記[2]または[3]に記載の織編物、
[5] メタ系アラミド繊維がポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維であり、パラ系アラミド繊維がポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維である前記[2]〜[4]のいずれかに記載の織編物、
[6] 織物である前記[2]〜[5]のいずれかに記載の織編物、
[7] 織物が経緯接結二重織物または片二重織物である前記[6]記載の織編物、
[8] 前記[2]〜[7]のいずれかに記載の織編物の少なくともメタ系アラミド繊維の表面積割合が大きい片面に、撥水処理または/および撥油処理が施されていることを特徴とする耐熱性防護服用織編物、
[9] 芯鞘型混紡糸で構成されてなる織編物であって、該芯鞘型混紡糸が、芯部にパラ系アラミド繊維が配置され、鞘部にメタ系アラミド繊維が配置されてなる混紡糸であることを特徴とする織編物、
[10] 前記[9]記載の織編物の少なくとも片面に、撥水処理または/および撥油処理が施されていることを特徴とする耐熱性防護服用織編物、および
[11] 表地が前記[8]または[10]に記載の耐熱性防護服用織編物からなることを特徴とする耐熱性防護服、
に関する。
本発明の織編物は、耐熱性や防護性などの耐熱防護特性に優れ、かつ洗濯耐久性に優れている。
また、本発明の耐熱性防護服用織編物は、耐熱防護特性に優れ、かつ洗濯耐久性(特に撥水性または/および撥油性の洗濯耐久性)に優れている。本発明品は、消防士用の防火服に限定されず、溶接用作業衣などの作業衣、電気工事用作業衣、ガソリンスタンド用作業衣としても用いることができる。
本発明の織編物は、メタ系アラミド繊維と耐熱性高強度高弾性率繊維とからなる織編物であって、該織編物を構成する全糸重量に占めるメタ系アラミド繊維の重量割合が耐熱性高強度高弾性率繊維の重量割合以下であり、かつ該織編物の片面の全表面積に占めるメタ系アラミド繊維の表面積割合が耐熱性高強度高弾性率繊維の表面積割合より大きいことを特徴とする。
(メタ系アラミド繊維)
メタ系アラミド繊維としては、例えば、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維などが挙げられる。メタ系アラミド繊維の市販品としては、例えば米国デュポン株式会社製の商品名ノーメックス(登録商標)、帝人株式会社製の商品名コーネックス(登録商標)などが挙げられる。
(耐熱性高強度高弾性率繊維)
本発明の織編物に用いるメタ系アラミド繊維と組み合わせる相手素材である耐熱性高強度高弾性率繊維としては、限界酸素指数が約25以上の難燃性と示唆走査熱量測定法による熱分解温度が約400℃以上の耐熱性とを有し、かつ引っ張り強度が1.5(ニュートン/Tex)以上、引っ張り弾性率が40(ニュートン/Tex)以上の繊維である。その例としては、パラ系アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維(例えば、株式会社クラレ製、商品名ベクトラン(登録商標))、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維(例えば、東洋紡株式会社製、商品名ザイロン(登録商標))などが挙げられる。これらのうち、とりわけパラ系アラミド繊維が好ましい。
パラ系アラミド繊維としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(例えば、東レ・デュポン株式会社製の商品名ケブラー(登録商標))、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維(例えば、帝人株式会社製の商品名テクノーラ(登録商標))などのパラ系全芳香族ポリアミド繊維が挙げられる。
本発明にかかる織編物に使用する耐熱性高強度高弾性率繊維は、上記した繊維の1種類からなっていてもよいし、任意の2種以上のものからなっていてもよい。また、耐熱性などの性能を損なわない程度の量の他の繊維を混紡、混織、交撚などによる複合糸としても使用することができる。
防火服は炎に接して生地が燃焼して炭化することがある。メタ系アラミド繊維は燃焼時に収縮するので炭化部分に亀裂が生じ、外生地からの炎の進入を許すことになり、人体のやけどの危険がある。耐熱性高強度高弾性率繊維(例えば、パラ系アラミド繊維、特にポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維)は燃焼時に収縮しないので、耐熱性高強度高弾性率繊維が多く含まれる織物は炭化部分に亀裂が生じることがない。したがって、万一生地が燃焼により炭化したとしても、炭化物が炎の進入を許さず、本発明品は安全である。
(アラミド繊維の重量割合)
本発明の織編物を構成する全糸重量に占めるメタ系アラミド繊維の重量割合は、耐熱性高強度高弾性率繊維の重量割合以下であれば特に限定されないが、該メタ系アラミド繊維の重量割合(%)と該耐熱性高強度高弾性率繊維の重量割合(%)が、30:70〜50:50、とりわけ35:65〜45:55であるのが好ましい。
(アラミド繊維の表面積割合)
本発明の織編物の片面の全表面積に占めるメタ系アラミド繊維の表面積割合は、耐熱性高強度高弾性率繊維の表面積割合より大きければ特に限定されないが、メタ系アラミド繊維の表面積の割合が大きいほど撥水撥油性の耐久性が向上するので、該メタ系アラミド繊維の表面積割合(%)と該耐熱性高強度高弾性率繊維の表面積割合(%)が、50:50〜100:0、とりわけ60:40〜100:0であるのが好ましい。
なお、表面積割合は、下式に従って求めた。
Figure 0004447476
Figure 0004447476
本発明の織編物の種類としては、織物および編み物のいずれもが包含されるが、外衣としての強度、耐久性の面から織物であるのが好ましい。織物の種類は、一重織物、二重織物および多重織物のいずれであってもよい。織物の引き裂き強さや、引っ張り強さなどのたてよこバランスの上で、経緯接結二重織物、または経二重織物、緯二重織物などの片二重織物が望ましい。経緯接結二重織物、または経二重織物、緯二重織物などの片二重織物において、織物の織組織は特に限定されないが、外衣としての磨耗性や耐久性を考慮すると、平織り、1/2、1/3、2/2などの綾織、4枚朱子などが望ましい。
(織編物の製造方法)
本発明の織編物は、織編物を構成する全糸重量に占めるメタ系アラミド繊維の重量割合が耐熱性高強度高弾性率繊維の重量割合以下、かつ織編物の片面の全表面積に占めるメタ系アラミド繊維の表面積割合が耐熱性高強度高弾性率繊維の表面積割合よりも大きくなるようにして、メタ系アラミド繊維および耐熱性高強度高弾性率繊維から常法に従い製造される。
製造方法は、織編物の種類によって公知の方法が適宜に採用されるので特に限定されないが、例えば本発明の織編物が経緯接結二重織物である場合には、メタ系アラミド繊維からなる平織の生地と耐熱性高強度高弾性率繊維からなる平織の生地とを、一方の生地の経糸または緯糸を他方の生地に交錯させて接結することにより、本発明の織編物を製造することができる。
また、例えば本発明の織編物が一重織物の場合は、経糸にメタ系アラミド繊維、緯糸に耐熱性高強度高弾性率繊維を配置し、4枚朱子、5枚朱子などの朱子織や、3/1綾織、4/1綾織などの織物組織とすることにより、片側にメタ系アラミド繊維が、他の面に耐熱性高強度高弾性率繊維がそれぞれ多く現れる織物が得られる。また、片二重織物である経二重織物である場合には、経糸および緯糸に耐熱性高強度高弾性率繊維を、表経糸にメタ系アラミド繊維を用いて、織編物の片面の組織をメタ系アラミド繊維の浮きが多い組織(例えば朱子織など)にして製織することにより、本発明の織編物を製造することができる。
さらに本発明の織編物は、たて編みやよこ編みなどの編み物(ニット生地)であってもよい。例えば、両面編み(インターロック生地)は、表面にメタ系アラミド繊維を、裏面に耐熱性高強度高弾性率繊維を配置することができる。本発明の織編物に使用する糸は、紡績糸であってもよいし、フィラメント糸やフィラメント加工糸であってもよい。
また、本発明の織編物は芯鞘型混紡糸で構成されてなる織編物であってもよく、このような織編物の場合には、芯部に耐熱性高強度高弾性率繊維が配置され、鞘部にメタ系アラミド繊維が配置されてなる芯鞘型混紡糸を用いて製織または製編することにより本発明の織編物を製造することができる。
上記のようにして製造された本発明の織編物は、耐熱性や防護性などの耐熱防護特性に優れ、かつ洗濯耐久性に優れている。また、本発明の織編物は、メタ系アラミド繊維の表面積割合の大きい片面に撥水処理または/および撥油処理が施された場合、撥水処理または/および撥油処理によって付与された撥水性または/および撥油性についても洗濯耐久性が向上する。このような撥水処理または/および撥油処理が施された織編物は、特に耐熱性防護服用織編物として有用であり、このような耐熱性防護服用織編物も本発明の一つである。
以下、耐熱性防護服用織編物について説明する。
(耐熱性防護服用織編物)
本発明の耐熱性防護服用織編物は、前記の織編物のメタ系アラミド繊維の表面積割合が大きい片面に、撥水処理または/および撥油処理が施されていることを特徴とする。
(撥水処理または/および撥油処理)
撥水処理または/および撥油処理は、通常、撥水性樹脂または/および撥油性樹脂を、常法に従い前記織編物のメタ系アラミド繊維の表面積割合が大きい片面に付与することにより行われる。
撥水性樹脂または/および撥油性樹脂としては、撥水性や撥油性を有する各種の樹脂が適用可能であるが、具体的にはフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、パラフィン系樹脂などが好ましく用いられる。また、これらの樹脂に加え、架橋剤としてメラミン系樹脂などが用いられてもよい。
撥水性樹脂または/および撥水性樹脂の付与方法としては、公知の方法が適用可能であり、具体的には、例えばスプレー法、パディング法、ディッピング法などが好ましく用いられる。なお、ディッピング法による場合は、織編物の両面が撥水処理または/および撥油処理されるが、両面が処理されたものも本発明に包含される。
上記のようにして撥水処理または/および撥油処理が施された耐熱性防護服用織編物は、耐熱防護性に優れ、かつ撥水性または/および撥油性の洗濯耐久性に優れており、耐熱性防護服に好適に用いられる。
なお、耐熱性防護服用織編物が、消防服などの耐熱性防護服に用いられた場合には、通常、耐熱性防護服の表地に用いられ、この表地を常法に従い透湿防水層や断熱層などと縫製することによって耐熱性防護服が製造され得る。
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、表面積割合は前記式で求められるが、具体的な算出方法を後記の実施例および比較例を例に挙げて説明すると次の通りである。
糸の繊度をT(テックス)、繊維の比重をρ(g/cm)、kをかさ高性なども含めた係数とすると、糸の直径はk√(T/ρ)となる。ここで、紡績方法が同じであれば素材が異なってもkはほぼ一定であると考えられる。メタ系アラミド繊維の比重は1.38、パラ系アラミド繊維(ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維)の比重は1.44であるから、それぞれの糸の直径は次のように表される。
メタ系アラミド繊維:
綿番手30/1(19.7テックス):3.78k
パラ系アラミド繊維(ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維):
綿番手30/1(19.7テックス):3.70k
綿番手20/1(29.5テックス):4.53k
一方、織物組織は、経糸緯糸の交点で表され、経糸が緯糸に対して浮いた部分にXマークなどを印して種々の織物組織を表現する。織物組織の最小繰り返し単位を完全組織という。
図1は、後記する実施例1、実施例3の織物組織である経緯結節二重織の完全組織図である。白抜き部分は表組織、斜線部分は裏組織である。w1、w2、・・・w8は経糸を、f1、f2、・・・f8は緯糸を示す。経糸緯糸の交点をf1w1のように表すと、メタ系アラミド繊維が表側に占める部分の交点は、f1w1、f3w1、f5w1、f7w1、f1w3、f3w3、f5w3、f7w3、f1w5、f3w5、f5w5、f7w5、f1w7、f3w7、f5w7、f7w7の計16箇所である。
これらは、経糸緯糸共にメタ系アラミド繊維綿番手30/1であるから、表側に現れる面積は、(3.78k)×(3.78k)×16=228.61kである。
他方、裏経糸パラ系アラミド繊維30/1と表緯糸メタ系アラミド繊維の交点で、裏経糸のパラ系アラミド繊維が浮きとなった箇所は結節部分となって表側に現れるが、その交点はf3w2、f5w4、f1w6、f7w8の4箇所である。従って、パラ系アラミド繊維の表側に現れる面積は、(3.70k)×(3.78k)×4=55.94kである。
よって、表側におけるメタ系アラミド繊維の面積割合は、[(228.61k)/(55.94k+228.61k)]×100=80.3%となる。
図2は、後記する実施例2および実施例4の経二重織物の完全組織である。この図2からわかるように、メタ系アラミド繊維が表側に現れる交点は、f2w1、f3w1、f4w1、f1w3、f3w3、f4w3、f1w5、f2w5、f3w5、f1w7、f2w7、f4w7の計12箇所あり、これらは表経糸(メタ系アラミド繊維30/1)が緯糸(パラ系アラミド繊維20/1)に対して浮く部分で、その面積は(3.78k)×(4.53k)×12=205.49kとなる。
他方、パラ系アラミド繊維は、表経糸(メタ系アラミド繊維30/1)が緯糸(パラ系アラミド繊維20/1)に対して沈む、f1w1、f2w3、f4w5、f3w7の計4箇所の交点で表側に出る。そして、その面積は(3.78k)×(4.53k)×4=68.49kとなる。
また、裏経糸パラ系アラミド繊維30/1が緯糸パラ系アラミド繊維20/1に対して浮く、結節点、f3w2、f1w4、f2w6、f4w8の4箇所で表側に出る。その面積は、(3.70k)×(4.53k)×4=67.04kとなる。
よって、表側におけるメタ系アラミド繊維の面積割合は、[(205.49k)/(205.49k+68.49k+67.04k)]×100=60.3%となる。
後記の比較例1、2、3、4、5、6は、メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維の混紡糸織物であるから、メタ系アラミド繊維が表側に出る面積割合は、これらの繊維の混紡率に等しい。例えば、比較例1では、メタ系パラミド繊維の混紡率が40%であるので、表面積割合も40%である。
(実施例1〜2)
メタ系アラミド繊維として米国デュポン株式会社製の商品名ノーメックス(登録商標)(以下、NXともいう)を、耐熱性高強度高弾性率繊維として東レ・デュポン株式会社製のパラ系アラミド繊維である商品名ケブラー(登録商標)(以下、KVともいう)を用いて常法に従い表1に示す構成の織物をそれぞれ実施例1〜2の織物として製造した。なお、表1中、「30/1」は、綿番手30番単糸(19.7テックス)を、「20/1」は、綿番手20番単糸(29.5テックス)を示す。
(比較例1〜3)
メタ系アラミド繊維とパラ系アラミド繊維との混紡糸を用いて常法に従い表1に示す構成の織物をそれぞれ比較例1〜3の織物として製造した。なお、表1中、「30/2」は、綿番手30番双糸(合計39.4テックス)を示す。
Figure 0004447476
(実施例3)
実施例1の織物のNXの表面積割合が大きい片面に、フッ素系撥水撥油剤を用いて常法に従い撥水処理および撥油処理を施し、耐熱性防護服用織物を製造した。
(実施例4)
実施例1の織物に代えて実施例2の織物を用いたこと以外、実施例3と同様にして耐熱性防護服用織物を製造した。
(比較例4)
実施例1の織物に代えて比較例1の織物を用いたこと以外、実施例3と同様にして耐熱性防護服用織物を製造した。
(比較例5)
実施例1の織物に代えて比較例2の織物を用いたこと以外、実施例3と同様にして耐熱性防護服用織物を製造した。
(比較例6)
実施例1の織物に代えて比較例3の織物を用いたこと以外、実施例3と同様にして耐熱性防護服用織物を製造した。
(試験例)
実施例3〜4および比較例4〜6で得られた耐熱性防護服用織物それぞれの撥水性、撥油性、難燃性および炭化物の亀裂の有無を下記試験法に従い測定した。結果を表2に示す。なお、撥水性および撥油性は、洗濯前後の撥水性および撥油性である。洗濯後の撥水性および撥油性は、該耐熱性防護服用織物それぞれのJIS L0217の103法に基づく洗濯10回後の撥水性および撥油性であり、該洗濯における乾燥は室温によるつり吊しである。
(撥水性)
JIS L1092スプレー法に従い撥水性を求め、3点以上のものを良好、3点未満のものを不良とした。
(撥油性)
AATCC TM118に従い撥油性を求め、4級以上のものを良好、4級未満のものを不良とした。
(難燃性)
JIS L1091(A−1)45度法に従い難燃性を求め、残炎・残ジン1秒未満でかつ炭化面積10cm未満のものを良好とし、残炎・残ジン1秒以上かまたは炭化面積10cm以上のものを不良とした。
(炭化物の亀裂)
ISO9151に従い、試験片を80KW/mの熱流束の炎に20秒間暴露した後、炭化物の亀裂の有無を観察した。亀裂無しを良好、亀裂ありを不良とした。
Figure 0004447476
上記表2から、本発明に係る耐熱性防護服用織物は撥水性、撥油性、難燃性、炭化物の亀裂のいずれも良好であることがわかる。これに対し、比較例4の耐熱性防護服用織物は難燃性、炭化物の亀裂は良好であったが、撥水性、撥油性が洗濯することによって不良となった。また、比較例5および6の耐熱性防護服用織物は、撥水性、撥油性は良好であったが、炭化物の亀裂が不良であった。
(実施例5)
実施例3の耐熱性防護服用織物を消防服の表地として用いて常法に従い縫製することで消防服を製造する。
(実施例6)
実施例4の耐熱性防護服用織物を消防服の表地として用いて常法に従い縫製することで消防服を製造する。
本発明の織編物は撥水処理または/および撥油処理に有用な織編物であり、撥水または/および撥油処理された織編物は耐熱性防護服の表地として有用である。
実施例1および3の織物組織である経緯結節二重織の完全組織図であり、白抜き部分は表組織、斜線部分は裏組織である。 実施例2および4の経二重織物の完全組織図であり、白抜き部分は表組織、斜線部分は裏組織である。

Claims (7)

  1. メタ系アラミド繊維と耐熱性高強度高弾性率繊維とからなる経緯接結二重織物または経二重織物であって、経糸がメタ系アラミド繊維および耐熱性高強度高弾性率繊維であり、緯糸がメタ系アラミド繊維および/または耐熱性高強度高弾性率繊維であり、織物を構成する全糸重量に占めるメタ系アラミド繊維の重量割合が耐熱性高強度高弾性率繊維の重量割合以下であり、かつ該織物の片面の全表面積に占めるメタ系アラミド繊維の表面積割合が耐熱性高強度高弾性率繊維の表面積割合より大きいことを特徴とする経緯接結二重織物または経二重織物。
  2. 耐熱性高強度高弾性率繊維がパラ系アラミド繊維である請求項1記載の二重織物。
  3. 織物を構成する全糸重量に占めるメタ系アラミド繊維の重量割合とパラ系アラミド繊維の重量割合が35:65〜45:55である請求項2記載の二重織物。
  4. 織物の片面の全表面積に占めるメタ系アラミド繊維の表面積割合とパラ系アラミド繊維の表面積割合が60:40〜100:0である請求項2または3に記載の二重織物。
  5. メタ系アラミド繊維がポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維であり、パラ系アラミド繊維がポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維である請求項2〜4のいずれかに記載の二重織物。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載の織物の少なくともメタ系アラミド繊維の表面積割合が大きい片面に、撥水処理または/および撥油処理が施されていることを特徴とする耐熱性防護服用経緯接結二重織物または経二重織物。
  7. 表地が請求項記載の耐熱性防護服用緯接結二重織物または経二重織物からなることを特徴とする耐熱性防護服。
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