JP2022048630A - 耐熱性防護服 - Google Patents

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Abstract

【課題】表地層、中間層、および遮熱層を含み、優れた難燃性、遮熱性、機械的性能、軽量性および着用快適性を兼ね備えた耐熱性防護服を提供する。【解決手段】表地層、中間層、および遮熱層を含む耐熱性防護服であって、表地層が、芳香族アラミド繊維とポリベンズオキサゾール繊維とを含み、目付け150~215g/m2であり、ISO13934-1で規定する引張強さが2000N以上であり、ISO17492で規定される試験装置を用いて熱流束84kW/m2の火炎で10秒間曝露した後の引張強さ保持率が10%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、表地層、中間層、および遮熱層を含み、優れた難燃性、遮熱性、機械的性能、軽量性および着用快適性を兼ね備えた耐熱性防護服に関するものである。
従来から、人体保護用の防護服の分野においては、様々なタイプの織物が使用されており、強度、耐熱性等に関する要求特性を満たすことによって、各衣料着用者に対する必要かつ十分な保護を確保している。
耐熱性防護服においては、着用者の安全と快適性を確保するため、耐熱性防護服を構成する織物が複数の特性を兼備する必要が非常に重要であることを示唆している。一般に、防護服用織物に求められる特性の組み合わせは、機械的性能(引張強度及び引裂強度)、耐熱性能、難燃性能、化学的安定性能、帯電防止性能等である。
例えば、消防士が着用する消防服に使用される難燃性織物では、熱的性質(放射性及び対流性の熱に対する耐性、熱的安定性、難燃性等)だけでなく、機械的性能、防水性、化学的安定性能等も考慮されなければならない。
消防士が着用する消防服を構成する繊維としては、アラミド繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリイミド繊維、ポリベンズイミダゾール繊維などの難燃性の有機繊維からなる布帛に輻射熱を防止する目的から金属アルミニウム等をコーティングあるいは蒸着等により、表面加工したものが多く使用されている。近年、この輻射熱の防止も非常に重要な特性となってきており、消防隊用防護服の最低性能要件を定めた国際基準ISO11999-3のレベル1には、耐火炎試験(ISO9151)、耐輻射熱試験(ISO6942)の要求性能がそれぞれ13秒以上と18秒以上であることと記載されている。
また、消防服は耐熱性だけでなく、消火活動等の際の着用者の体温上昇や発汗により、衣服内に熱や湿気がこもり易く、ヒートストレスによる熱射病等を予防することが求められる。近年では、内層にアイスパックを使用したり、縫製にて通気性を確保するという手段が用いられている。中でも、軽量化はヒートストレスを軽減する一手段であり、従来から種々の検討がなされてきた(例えば特許文献1参照)。近年、このヒートストレス低減も非常に重要な特性となってきており、総務省が消防隊用防護服の最低性能要件を定めた「消防隊員用個人防火装備に係るガイドライン」には、ASTM F 1868 PartCで規定する全熱損失THLが300W/m以上であることと記載されている。
しかしながら、消防服用として現在用いられている布帛は、機械的性能および遮熱性を高めるために、目付の高い織物が使われることが多く、消防服として重量が重くなり、風合いが硬くなり活動にしにくいという問題があった。また、ヒートストレス対策にはまだ改良の余地があった。また、それらの布帛は、消防活動中に火炎や熱に一度でも暴露されると、その暴露を受けた部位が硬化、炭化して脆化してしまい、防護機能を著しく損ねるといった問題を有している。特許文献2および特許文献3では、耐熱性、軽量性、耐候性、および火炎暴露炭化後の布帛柔軟性を兼ね備えた布帛が提案されているが、熱曝露後の強度についてはまだ十分とはいえなかった。
特開2010-255129号公報 特開2015-94043号公報 国際公開第2007/018082号パンフレット
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、表地層、中間層、および遮熱層を含み、優れた難燃性、遮熱性、機械的性能、軽量性および着用快適性を兼ね備えた耐熱性防護服を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、布帛を構成する繊維種類などを巧みに工夫することにより所望の耐熱性防護服が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「表地層、中間層、および遮熱層を含む耐熱性防護服であって、前記表地層が下記(1)~(4)の要件を同時に満たすことを特徴とする耐熱性防護服。」が提供される。
(1)芳香族アラミド繊維とポリベンズオキサゾール繊維とを含む。
(2)目付けが150~215g/mである。
(3)ISO13934-1で規定する引張強さが2000N以上である。
(4)ISO17492で規定される試験装置を用いて熱流束84kW/mの火炎で10秒間曝露した後の引張強さ保持率が10%以上である。
その際、前記表地層において、芳香族アラミド繊維とポリベンズオキサゾール繊維の混合比率が、60:40~90:10であることが好ましい。また、前記表地層に、ポリベンズオキサゾール繊維からなる牽切紡績糸が含まれることが好ましい。その際、前記牽切紡績糸において、英式綿番手30~80の範囲内であることが好ましい。また、前記表地層に、芯成分が牽切紡績されたポリベンズオキサゾール繊維であり、鞘成分が芳香族アラミド繊維である多層構造紡績糸が含まれることが好ましい。その際、前記多層構造紡績糸において、英式綿番手10~20の範囲内であることが好ましい。また、前記表地層が、織物の表面を構成する基布部と、該織物の裏面を構成し該織物全体を補強する補強布部とからなり、かつこれらが一体構造を形成している二層構造織物であることが好ましい。
本発明の耐熱性防護服において、前記中間層が、芳香族アラミド繊維からなる布帛に透湿防水層を積層してなることが好ましい。また、前記遮熱層が、芳香族アラミド繊維からなる布帛であり、目付けが180g/m以下であることが好ましい。また、防護服を構成する表地層、中間層、および遮熱層の合計の目付けが、380~500g/mであることが好ましい。また、防護服において、ISO6942で規定する耐輻射熱試験においてセンサー温度が24℃上昇するまでの時間RHTI24が18秒以上、かつASTM F 1868 PartCで規定する全熱損失THLが300W/m以上であることが好ましい。
本発明によれば、表地層、中間層、および遮熱層を含み、優れた難燃性、遮熱性、機械的性能、軽量性および着用快適性を兼ね備えた耐熱性防護服が得られる。
実施例1で用いた織組織図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明の耐熱性防護服は、表地層、中間層、および遮熱層の3層を外気側からこの順序に含む。
まず表地層について説明する。表地層は、下記(1)~(4)の要件を同時に満たす。(1)芳香族アラミド繊維とポリベンズオキサゾール繊維とを含む。
(2)目付けが150~215g/mである。
(3)ISO13934-1で規定する引張強さが2000N以上である。
(4)ISO17492で規定される試験装置を用いて熱流束84kW/mの火炎で10秒間曝露した後の引張強さ保持率が10%以上である。
ここで、前記芳香族アラミド繊維としては、メタ系アラミド繊維やパラ系アラミド繊維を挙げることができる。その際、メタ系アラミド繊維は、その繰返し単位の85モル%以上がm-フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。市販品では「コーネックス」(商標名)などが例示される。パラ系アラミド繊維、パラフェニレンテレフタラミド繊維またはコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維が好ましく、市販品では「トワロン」(商標名)、「テクノーラ」(商標名)などが例示される。また、ポリベンズオキサゾール繊維は、市販品では「ザイロン」(商標名)などが例示される。
前記表地層は、芳香族アラミド繊維とポリベンズオキサゾール繊維のみで構成されていてもよいし他の繊維を含んでいてもよい。その際、他の繊維としては、ポリベンズイミダゾール繊維、酸化ポリアクリロニトリル繊維、難燃アクリル繊維、難燃レーヨン繊維、難燃ポリエステル繊維などがあげられる。
ここで、前記表地層において、芳香族アラミド繊維とポリベンズオキサゾール繊維の混合比率が、60:40~90:10であることが好ましい。
前記芳香族アラミド繊維とポリベンズオキサゾール繊維とは、フィラメント、混繊糸、紡績糸等の形で使用できるが、混紡して紡績糸の形態で使用するものが好ましい。
例えば、前記表地層に、ポリベンズオキサゾール繊維からなる牽切紡績糸が含まれることが好ましい。その際、前記牽切紡績糸において、英式綿番手30~80の範囲内であることが好ましい。また、前記表地層に、芯成分が牽切紡績されたポリベンズオキサゾール繊維であり、鞘成分が芳香族アラミド繊維である多層構造紡績糸が含まれることが好ましい。その際、前記多層構造紡績糸において、英式綿番手10~20の範囲内であることが好ましい。
前記表地層は、単層でもよいし多層でもよい。また、編物でもよいが織物が好ましい。特に、前記表地層が、織物の表面を構成する基布部と、該織物の裏面を構成し該織物全体を補強する補強布部とからなり、かつこれらが一体構造を形成している二層構造織物であることが好ましい。
該表地層に対しては、コーティング法、スプレー法、または、浸漬法などの加工法により、フッ素系の撥水樹脂を付与して加工することが、より高い耐水性能や耐薬品性能を有する防護服を得るためには好ましい。
本発明において中間層は、透湿防水性を有するものであることが好ましく、メタ系および/またはパラ系アラミド繊維からなる織物に透湿防水性の薄膜フィルムを積層したものが最も好ましく用いられる。特に、最適な中間層として、難燃性素材であるポリメタフェニレンイソフタルアミド等のメタ系アラミド繊維からなる織布を用い、該織布に透湿防水性のあるポリテトラフルオロエチレン等からなる薄膜フィルムをラミネート加工したもの
が例示される。
このような中間層の挿入により、透湿防水性や耐薬品性が向上し、着用者の汗の蒸散を促進するので、着用者のヒートストレスを減少することができる。
該布帛を構成する繊維は紡績糸、フィラメントであってもよく、形態としては織物、ニット、または不織布であってもよい。
本発明において遮熱層はメタ系および/またはパラ系アラミド繊維からなる、織物、不織布、またはニットであることが好ましく、特に織物が好ましい。また、ポリエステル繊維など他の繊維と混用してもよい。
かかる遮熱層において、目付けは軽量性の点で目付けが180g/m以下(好ましくは50~180g/m)であることが好ましい。
本発明は、前記の表地層、中間層、および遮熱層を外気側からこの順に積層してなる。その際、前記の表地層、中間層、および遮熱層の合計の目付けが、380~500g/mであることが好ましい。
本発明の耐熱性防護服は前記の構成を有するので、優れた難燃性、遮熱性、機械的性能、軽量性および着用快適性を有する。ここで、防護服において、ISO6942で規定する耐輻射熱試験においてセンサー温度が24℃上昇するまでの時間RHTI24が18秒以上(より好ましくは18~50秒)であることが好ましい。また、ASTM F 1868 PartCで規定する全熱損失THLが300W/m以上(より好ましくは300~800W/m)であることが好ましい。
本発明の耐熱性防護服は消防服、防火服、作業服などとして好適に使用される。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)織物の目付け
JIS L1096 6.4.2に従って測定した。
(2)織物の引張強さ
ISO13934-1に従って測定した。
(3)熱暴露後の引張強さおよび保持率
ISO17492で規定される試験装置を用いて熱流束84kW/mの火炎で10秒間暴露した後、ISO13934-1に規定される引張試験を行った。引張強さ保持率は次の関係式により求めた。
引張強さ保持率(%)=熱暴露後の引張強さ÷初期引張強さ×100
(4)遮熱性(耐輻射熱)
ISO6942に基づき熱流束40kW/mにおいて、輻射熱暴露開始から銅製のセンサーが24℃上昇するまでの時間RHTI24を求めた。
(5)全熱損失(THL)
ASTM F 1868 PartCに準拠し、全熱損失THLを求めた。
[実施例1]
ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製「コーネックス」(商標名))とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、「テクノーラ」(商標名))とポリベンズオキサゾール繊維(東洋紡社製「ザイロン」(商標名))を混合比率が40:45:15となる割合で混合した紡績糸(英式綿番手30s/2(双糸))を用意した(糸1)。また、コパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、「テクノーラ」(商標名))とポリベンズオキサゾ
ール繊維(東洋紡社製「ザイロン」(商標名))を混合比率が65:35となる割合で混合した紡績糸(英式綿番手30s/2(双糸))を用意した(糸2)。
次いで、経糸は糸1:糸2を3:1、緯糸は糸1:糸2を2:1の割合で配して、織物密度が経74本/インチ(2.54cm)、緯51本/インチ(2.54cm)の図1の部分二重織物を製織し、目付205g/mの二層構造織物を得た。得られた二層構造織物について、評価結果を表1に示す。
得られた二層構造織物を表地層として使用し、その下に、中間層として、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製「コーネックス」(商標名))とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製「テクノーラ」(商標名))とを混合比率が95:5となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(英式綿番手40s)を用いて平織に織成した織布(目付:80g/m)にポリテトラフルオロエチレン製の透湿防水性フィルム(日本ゴアテックス社製)をラミネートしたもの(目付:105g/m)を配し、さらにその下に、遮熱層として、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製「コーネックス」(商標名))とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製「テクノーラ」(商標名))とを混合比率が95:5となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(英式綿番手40s)からなる織布において緯糸の一部にコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製「テクノーラ」(商標名))からなる紡績糸(英式綿番手:5sの5本撚糸)を1cmの間隔で織り込んだ織物(目付:170g/m)を配置した。
上記の表地層、中間層および遮熱層を重ね合わせて縫製し、目付480g/mの耐熱性防護服用布帛を得た。得られた耐熱性防護服用布帛について、評価結果を表2に示す。
[実施例2]
ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製「コーネックス」(商標名))とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、「テクノーラ」(商標名))とポリベンズオキサゾール繊維(東洋紡社製「ザイロン」(商標名)))を混合比率が40:45:15となる割合で混合した紡績糸(番手:30s/2(双糸))を用意した(糸1)。また、繊度1670dtex/996フィラメントのポリベンズオキサゾール繊維マルチフィラメント(東洋紡社製「ザイロン」(商標名))を8本引き揃え、牽切、精紡工程を経て、英式綿番手30sの牽切紡糸を得た(糸2)。
次いで、糸1および糸2を実施例1と同様に配置し、同じ織物密度、同じ織物組織で、目付175g/mの二層構造織物を得た。得られた二層構造織物について、評価結果を表1に併せて示す。
得られた二層構造織物を表地層として、中間層及び遮熱層にはそれぞれ実施例1と同様の物を使用し、実施例1と同様に重ね合わせて縫製し、目付450g/mの耐熱性防護服用布帛を得た。得られた耐熱性防護服用布帛の評価結果を表2に併せて示す。
[実施例3]
表地層および中間層は実施例1と同様に得た。遮熱層として、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製「コーネックス」(商標名))とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製「テクノーラ」(商標名))とを混合比率が95:5となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(英式綿番手40s)を用いて蜂巣組織に製織した織物(目付:150g/m)を得た。
上記の表地層、中間層および遮熱層を重ね合わせて縫製し、目付460g/mの耐熱性防護服用布帛を得た。得られた耐熱性防護服用布帛の評価結果を表2に併せて示す。
[実施例4]
ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製「コーネックス」(商標名))とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、「テクノーラ」(商標名))とポリベンズオキサゾール繊維(東洋紡社製「ザイロン」(商標名)))を混合比率が40:45:15となる割合で混合した紡績糸(番手:30s/2(双糸))を用意した(糸1)。また、繊度555dtex/332フィラメントのポリベンズオキサゾール繊維マルチフィラメント(東洋紡社製「ザイロン」(商標名))を8本引き揃え、牽切、精紡工程を経て、英式綿番手80sの牽切紡糸を得た。次いで、得られたポリベンズオキサゾール繊維牽切紡糸を芯糸とし、実質無撚のポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製「コーネックス」(商標名))束をその周辺に実質的に無撚りの状態で配置させ、さらにポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製「コーネックス」(商標名))からなる英式綿番手50sの紡績糸をS撚でラップさせて、トータル英式綿番手15sの多層構造紡績糸を得た(糸2)。
次いで、糸1および糸2を実施例1と同様に配置し、同じ織物密度、同じ織物組織で、目付210g/mの二層構造織物を得た。得られた二層構造織物について、評価結果を表1に併せて示す。
得られた二層構造織物を表地層として、中間層及び遮熱層にはそれぞれ実施例1と同様の物を使用し、実施例1と同様に重ね合わせて縫製し、目付485g/mの耐熱性防護服用布帛を得た。得られた耐熱性防護服用布帛の評価結果を表2に併せて示す。
[実施例5]
ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製「コーネックス」(商標名))とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、「テクノーラ」(商標名))とポリベンズオキサゾール繊維(東洋紡社製「ザイロン」(商標名)))を混合比率が40:45:15となる割合で混合した紡績糸(番手:30s/2(双糸))を用意した(糸1)。また、繊度278dtex/166フィラメントのポリベンズオキサゾール繊維マルチフィラメント(東洋紡社製「ザイロン」(商標名))を用意した(糸2)。
次いで、糸1および糸2を実施例1と同様に配置し、同じ織物密度、同じ織物組織で、目付192g/mの二層構造織物を得た。得られた二層構造織物について、評価結果を表1に併せて示す。
得られた二層構造織物を表地層として、中間層及び遮熱層にはそれぞれ実施例1と同様の物を使用し、実施例1と同様に重ね合わせて縫製し、目付467g/mの耐熱性防護服用布帛を得た。得られた耐熱性防護服用布帛の評価結果を表2に併せて示す。
[比較例1]
実施例1において、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製「コーネックス」(商標名))とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)を混合比率が90:10となる割合で混合した紡績糸(英式綿番手:30s/2(双糸))を糸1として用い、また、コパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、「テクノーラ」(商標名))からなる紡績糸(英式綿番手30s/2(双糸))を糸2として用いる以外は実施例1と同様に実施した。
[比較例2]
実施例1において、織物密度を経85本/インチ(2.54cm)、緯58本/インチ(2.54cm)とし、目付235g/mの二層構造織物を得た以外は実施例1と同様に実施した。
Figure 2022048630000002
Figure 2022048630000003
本発明によれば、表地層、中間層、および遮熱層を含み、優れた難燃性、遮熱性、機械的性能、軽量性および着用快適性を兼ね備えた耐熱性防護服が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (11)

  1. 表地層、中間層、および遮熱層を含む耐熱性防護服であって、前記表地層が下記(1)~(4)の要件を同時に満たすことを特徴とする耐熱性防護服。
    (1)芳香族アラミド繊維とポリベンズオキサゾール繊維とを含む。
    (2)目付けが150~215g/mである。
    (3)ISO13934-1で規定する引張強さが2000N以上である。
    (4)ISO17492で規定される試験装置を用いて熱流束84kW/mの火炎で10秒間曝露した後の引張強さ保持率が10%以上である。
  2. 前記表地層において、芳香族アラミド繊維とポリベンズオキサゾール繊維の混合比率が、60:40~90:10である、請求項1に記載の耐熱性防護服。
  3. 前記表地層に、ポリベンズオキサゾール繊維からなる牽切紡績糸が含まれる、請求項1または請求項2に記載の耐熱性防護服。
  4. 前記牽切紡績糸において、英式綿番手30~80の範囲内である、請求項3に記載の耐熱性防護服。
  5. 前記表地層に、芯成分が牽切紡績されたポリベンズオキサゾール繊維であり、鞘成分が芳香族アラミド繊維である多層構造紡績糸が含まれる、請求項1または請求項2に記載の耐熱性防護服。
  6. 前記多層構造紡績糸において、英式綿番手10~20の範囲内である、請求項5に記載の耐熱性防護服。
  7. 前記表地層が、織物の表面を構成する基布部と、該織物の裏面を構成し該織物全体を補強する補強布部とからなり、かつこれらが一体構造を形成している二層構造織物である、請求項1~6のいずれかに記載の耐熱性防護服。
  8. 前記中間層が、芳香族アラミド繊維からなる布帛に透湿防水層を積層してなる、請求項1~7のいずれかに記載の耐熱性防護服。
  9. 前記遮熱層が、芳香族アラミド繊維からなる布帛であり、目付けが180g/m以下である、請求項1~8のいずれかに記載の耐熱性防護服。
  10. 防護服を構成する表地層、中間層、および遮熱層の合計の目付けが、380~500g/mである、請求項1~9のいずれかに記載の耐熱性防護服。
  11. 防護服において、ISO6942で規定する耐輻射熱試験においてセンサー温度が24℃上昇するまでの時間RHTI24が18秒以上、かつASTM F 1868 PartCで規定する全熱損失THLが300W/m以上である、請求項1~10のいずれかに記載の耐熱性防護服。
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