JP2020026598A - 織物および防護製品 - Google Patents
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Abstract
【課題】遮熱性だけでなく着用快適性にも優れた織物および防護製品を提供する。【解決手段】綿番手0.2〜2sまたは総繊度3000〜20000dtexであり全芳香族ポリアミド繊維を含む糸条Aを含むことを特徴とする織物である。【選択図】なし
Description
本発明は、遮熱性だけでなく着用快適性にも優れた織物および防護製品に関する。
従来、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛は難燃性に優れるため、作業服や消防服などの防護衣として用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
また、特許文献3では、遮熱性を向上させるために、表地、中間層および内層からなる積層構造を有する耐熱性防護服において、最内層に空気層を確保することを目的とした織物を使用することを提案しているが、火炎等に対する遮熱性は十分であるものの、消火活動等の際の着用者の体温上昇や発汗により、衣服内に熱や湿気がこもり易く、着用快適性に改良の余地があった。
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、遮熱性だけでなく着用快適性にも優れた織物および防護製品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、織物の構造などを巧みに工夫することにより、遮熱性だけでなく着用快適性にも優れた織物および防護製品が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「綿番手0.2〜2sまたは総繊度3000〜20000dtexであり全芳香族ポリアミド繊維を含む糸条Aを含むことを特徴とする織物。」が提供される。
その際、前記糸条Aが、紡績糸または牽切加工糸からなることが好ましい。また、前記糸条Aにおいて、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維とがこの順で40:60〜97:3の重量比で含まれることが好ましい。また、前記糸条Aにおいて、撚数1〜10回/2.54cmで撚糸が施されていることが好ましい。また、前記糸条Aが織物の経糸または緯糸として、0.5〜3.0cmの間隔で織り込まれていることが好ましい。また、織物が全芳香族ポリアミド繊維のみからなることが好ましい。また、織物の最大厚みが、1.0〜5.0mmの範囲内であることが好ましい。また、織物の目付けが100〜300g/m2の範囲内であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の織物を用いてなる防護製品が提供される。その際、防護製品が多層構造を有し、かつ前記織物が表地層に配されてなることが好ましい。また、アークフラッシュ防護服、消防防火服、消防執務服、救助服、作業服、法被、警察制服、自衛隊衣服、軍服、レーシングスーツおよびベストからなる群より選択されるいずれかである防護製品であることが好ましい。
本発明によれば、遮熱性だけでなく着用快適性にも優れた織物および防護製品に関する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、糸条Aは全芳香族ポリアミド繊維を含む。全芳香族ポリアミド繊維は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維に代表される繊維である。
ここで、メタ型全芳香族ポリアミド繊維(メタ型アラミド繊維)とは、その繰返し単位の85モル%以上がm−フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。かかるメタ型全芳香族ポリアミドは、15モル%未満の範囲内で第3成分を含んだ共重合体であっても差しつかえない。
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、従来から公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの濃度のN−メチル−2−ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3〜1.9dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
上記メタ型全芳香族ポリアミドにはアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていてもよい。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩等の化合物が好ましく例示される。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、又はドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しやすく、熱的安定性も良好なうえ、N−メチル−2−ピロリドンに対する溶解度も高いため特に好ましく例示される。
上記アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るために、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドに対して2.5モル%以上、好ましくは3.0〜7.0モル%の範囲にあるものが好ましい。
また、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法としては、溶媒中にポリ−m−フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用いられそのいずれを用いてもよい。このようにして得られたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成される。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維に用いるポリマーは、染着性や耐変褪色性を向上させる等目的で、下記の式(1)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1〜10mol%となるように共重合させることも可能である。
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位又は平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位又は平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
また、第3成分として共重合させることも可能であり、式(2)、(3)に示した芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、p−フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、アセチルフェニレンジアミン、アミノアニシジン、ベンジジン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノアゾベンゼン等が挙げられる。式(4)、(5)に示すような芳香族ジカルボン酸ジクロライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライド、5−クロルイソフタル酸クロライド、5−メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテルなどが挙げられる。
H2N−Ar2−NH2 ・・・式(2)
H2N−Ar2−Y−Ar2−NH2 ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
H2N−Ar2−NH2 ・・・式(2)
H2N−Ar2−Y−Ar2−NH2 ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度は、染料の吸尽性がよく、より少ない染料でまたは染色条件が弱くても狙いの色に調整し易いという点で、5〜35%であることが好ましい。さらには、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点および実用上必要な寸法安定性も確保できる点で15〜25%であることがより好ましい。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維は例えば、以下の方法により製造することができる。
メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの重合方法としては、特に限定する必要はなく、例えば特公昭35−14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47−10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
紡糸溶液としては、とくに限定する必要はないが、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒溶液を用いても良いし、上記重合溶液から該ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものを用いてもよい。
ここで用いられるアミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができるが、とくにN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
上記の通り得られた共重合芳香族ポリアミドポリマー溶液は、さらにアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含むことにより安定化され、より高濃度、低温での使用が可能となり好ましい。好ましくはアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩がポリマー溶液の全重量に対して1重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である。
紡糸・凝固工程においては、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
紡糸装置としては特に限定されるものではなく、従来公知の湿式紡糸装置を使用することができる。また、安定して湿式紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状等は特に制限する必要はなく、例えば、孔数が1000〜30000個、紡糸孔径が0.05〜0.2mmのスフ用の多ホール紡糸口金等を用いてもよい。
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)の温度は、20〜90℃の範囲が適当である。
繊維を得るために用いる凝固浴としては、実質的に無機塩を含まない、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液を、浴液の温度10〜50℃の範囲で用いる。アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45質量%未満ではスキンが厚い構造となってしまい、洗浄工程における洗浄効率が低下し、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。一方、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が60質量%を超える場合には、繊維内部に至るまで均一な凝固を行うことができず、このためやはり、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。なお、凝固浴中への繊維の浸漬時間は、0.1〜30秒の範囲が適当である。
引続き、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液であり、浴液の温度を10〜50℃の範囲とした可塑延伸浴中にて、3〜4倍の延伸倍率で延伸を行う。延伸後、10〜30℃のNMPの濃度が20〜40質量%の水溶液、続いて50〜70℃の温水浴を通して十分に洗浄を行う。
洗浄後の繊維は、温度270〜290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度の範囲を満たすメタ型全芳香族ポリアミド繊維を得ることができる。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維において、繊維は、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。特に、他の繊維と混紡する上で繊維長25〜200mm(より好ましくは30〜150mm)の短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1〜5dtexの範囲が好ましい。
一方、パラ型全芳香族ポリアミド繊維としては、テクノーラ(登録商標)、ケブラー(登録商標)およびトワロン(登録商標)に代表されるものであり、主鎖中に芳香族環を有するポリアミドからなる繊維であり、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(PPTA)でもよいし共重合タイプのコポリパラフェニレン−3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド(PPODPA)であってもよい。
前記糸条Aにおいて、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維とがこの順で40:60〜97:3の重量比で含まれることが好ましい。メタ型全芳香族ポリアミド繊維の比率が該範囲よりも小さいと難燃性が低下するおそれがある。逆に、パラ型全芳香族ポリアミド繊維の比率が該範囲よりも小さいと強度が低下するおそれがある。
前記糸条Aは全芳香族ポリアミド繊維のみで構成されることが最も好ましいが、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、ポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維、アクリル繊維、脂肪族ポリアミド繊維、セルロース繊維、羊毛、絹などの繊維が含まれていてもよい。
前記糸条Aの形態としては、糸条Aを集束させて布帛の最大厚みを大きくする上で紡績糸または牽切加工糸からなることが好ましい。
ここで、紡績糸の場合、紡績糸を構成する繊維の繊維長は25〜200mm(より好ましくは30〜150mm)であることが好ましい。なお、各繊維の繊維長は同一でもよいし異なっていてもよい。紡績糸の製法はリング方式、エアージェット方式など特に限定されない。また、牽切加工糸は、特開平4−361636号公報に記載されているよな、長繊維を牽切して加工してなる糸条である。
また、糸条Aを集束させて布帛の最大厚みを大きくする上で、撚数1〜10回/2.54cmで撚糸が施されていることが好ましい。
前記糸条Aにおいて、糸条の太さとして綿番手0.2〜2sまたは総繊度3000〜20000dtexであることが肝要である。該範囲よりも太さが細いと、布帛の最大厚みを大きくすることができず十分な遮熱性が得られないおそれがある。逆に、該範囲よりも太さが太いと、着用快適性が低下するおそれがある。
本発明の織物において、前記糸条Aが織物の経糸または緯糸として、0.5〜3.0cm(より好ましくは0.7〜2.0cm)の間隔で織り込まれている。なお、当該間隔は、図1において、互いに隣り合う糸条Aの端部間距離Wを測定するものとする。
その際、織物を構成する他糸条(糸条A以外の糸条)としては特に限定されないが、糸条の太さが糸条Aよりも細いこと以外は糸条Aと同様の糸条が好ましい。
織物の組織は特に限定されず、斜文織、朱子織等の三原組織、変化組織、変化斜文織等の変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織などが例示される。なお、これらの織組織を有する織物は、レピア織機やエアージェット織機など通常の織機を用いて通常の方法により製織することができる。層数も特に限定されず単層でもよいし2層以上の多層構造を有する織物でもよい。
製織に次いで後加工を施すことが好ましく、具体的な後加工工程としては、精練、乾燥、リラックス、毛焼、染色および機能化処理などの工程を例示できる。精練やリラックス処理としては、拡布処理であってもよいし、液流精練・リラックス処理であってもよい。具体的には、連続精練や連続乾燥において拡布ノンテンション機で処理する方法であり、例えばソフサー精練機や乾絨、シュリンクサーファー、ショートループ、ルシオール乾燥機などを用いた方法になる。また場合によっては、精練やリラックス工程を省く事も可能である。
また、その他特性の向上のために、剪毛および/または毛焼、および/または吸汗剤、撥水剤、蓄熱剤、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、防蚊剤、防蚊剤、蓄光剤、再帰反射剤等の機能を付与する他の各種加工を付加適用してもよい。ここで、前記吸汗剤としては、ポリエチレングリコールジアクリレートまたはポリエチレングリコールジアクリレートの誘導体またはポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体または水溶性ポリウレタンが好ましい。布帛に吸汗剤を付与する方法としては、パディング処理する方法、染色加工時に染色液と同浴で処理する方法などが例示される。
かくして得られた織物において、織物の最大厚みが、1.0〜5.0mm(より好ましくは1.5〜4.0mm)の範囲内であることが好ましい。なお、織物の最大厚みは、図1において、織物の最下部から最上部までの距離Tを測定するものとする。
また、織物の目付けが100〜300g/m2の範囲内であることが好ましい。目付けが該範囲よりも大きいと着用快適性が低下するおそれがある。逆に、目付けが該範囲よりも小さいと遮熱性が低下するおそれがある。
本発明の織物は前記の構成を有するので、遮熱性だけでなく着用快適性にも優れた
次に、本発明の防護製品は前記の織物を用いてなる防護製品である。かかる防護製品において、防護製品が多層構造を有し、かつ前記織物が表地層に配されていることが好ましい。例えば、前記織物からなる表地層、織物に透湿防水性フィルムをラミネートした中間層、および内層の3層構造を有することが好ましい。
次に、本発明の防護製品は前記の織物を用いてなる防護製品である。かかる防護製品において、防護製品が多層構造を有し、かつ前記織物が表地層に配されていることが好ましい。例えば、前記織物からなる表地層、織物に透湿防水性フィルムをラミネートした中間層、および内層の3層構造を有することが好ましい。
なお、かかる防護製品には、アークフラッシュ防護服、消防防火服、消防執務服、救助服、作業服、法被、警察制服、自衛隊衣服、軍服、レーシングスーツ、ベストなどが含まれる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)遮熱性
ISO9151に準拠した方法により、24℃温度上昇試験を行い、16秒以上を合格とした。
(2)快適性能
ASTM F 1868に準拠した方法により、全熱損失を測定し、300W/m2以上を合格とした。
(3)最大厚み
JIS L1096 8.4により最大厚みを測定した。
(4)目付け
JIS L1096 8.3により目付けを測定した。
(1)遮熱性
ISO9151に準拠した方法により、24℃温度上昇試験を行い、16秒以上を合格とした。
(2)快適性能
ASTM F 1868に準拠した方法により、全熱損失を測定し、300W/m2以上を合格とした。
(3)最大厚み
JIS L1096 8.4により最大厚みを測定した。
(4)目付け
JIS L1096 8.3により目付けを測定した。
[実施例1]
単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mmのメタ型全芳香族ポリアミド繊維(帝人製、商標名「Teijinconex」)と、単繊維繊度1.7dtex、繊維長51mmのパラ型全芳香族ポリアミド繊維(帝人製、商標名「テクノーラ」)を用いて、メタ型全芳香族ポリアミド繊維:90重量%、パラ型全芳香族ポリアミド繊維:10重量%となるように混綿し、梳綿工程、練条工程にてスライバーを作製し、そのスライバーを粗紡機にて引き伸ばしながら撚り数1.5回/2.54cmの撚りを掛け、綿番手1sの紡績糸を得て、糸条Aとした。
単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mmのメタ型全芳香族ポリアミド繊維(帝人製、商標名「Teijinconex」)と、単繊維繊度1.7dtex、繊維長51mmのパラ型全芳香族ポリアミド繊維(帝人製、商標名「テクノーラ」)を用いて、メタ型全芳香族ポリアミド繊維:90重量%、パラ型全芳香族ポリアミド繊維:10重量%となるように混綿し、梳綿工程、練条工程にてスライバーを作製し、そのスライバーを粗紡機にて引き伸ばしながら撚り数1.5回/2.54cmの撚りを掛け、綿番手1sの紡績糸を得て、糸条Aとした。
一方、同じく、単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mmのメタ型全芳香族ポリアミド繊維(帝人製、商標名「Teijinconex」)と、単繊維繊度1.7dtex、繊維長51mmのパラ型全芳香族ポリアミド繊維(帝人製、商標名「テクノーラ」)を用いて、メタ型全芳香族ポリアミド繊維:90重量%、パラ型全芳香族ポリアミド繊維:10重量%となるように、通常の紡績工程にて綿番手20sの精紡紡績糸を作り、さらに該紡績糸を双糸合撚し、混紡糸Bを得た。
次いで、前記混紡糸Bを経糸および緯糸に用い、前記糸条Aを緯糸の一部に用いて、1.0cm間隔で糸条Aを緯糸に織り込んだ織物を製織した。
得られた未加工織物(生機)を、常法の精練加工を行い、190℃で熱セットし、織物を得た。得られた織物において、最大厚みは2.5mm、目付240g/m2であった。かくして得られた織物を耐熱性防護服の表地層用とした。
また、単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mmのメタ型全芳香族ポリアミド繊維(帝人製、商標名「Teijinconex」)からなる紡績糸(綿番手40s)単糸からなる平織物(目付105g/m2)にポリテトラフルオロエチレン製の透湿防水性フィルム(日本ゴアテックス製)をラミネートしたものを耐熱性防護服の中間層用とした。
さらに、単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mmのメタ型全芳香族ポリアミド繊維(帝人製、商標名「Teijinconex」)からなる紡績糸(綿番手40s)の双糸合撚糸からなる綾織物(目付180g/m2、2/1綾組織)を耐熱性防護服の内層用とした。
これらの表地層用織物、中間層用織物、内層用織物の3層を重ねて用い縫製して耐熱性防護服を得た。得られた耐熱性防護服の遮熱性は18.1秒、全熱損失は310W/m2で、遮熱性と快適性を両立するものであった。
[実施例2]
単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mmのメタ型全芳香族ポリアミド繊維(帝人製、商標名「Teijinconex」)からなる長繊維を用いて総繊度1,100dtex長繊維牽切加工糸を作製し、該長繊維牽切加工糸8本を合糸し、撚り数8回/2.54cmで撚糸し、8,800dtexの長繊維牽切加工糸を得て、糸条Aとした。また、実施例1と同様にして、混紡糸Bを得た。
単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mmのメタ型全芳香族ポリアミド繊維(帝人製、商標名「Teijinconex」)からなる長繊維を用いて総繊度1,100dtex長繊維牽切加工糸を作製し、該長繊維牽切加工糸8本を合糸し、撚り数8回/2.54cmで撚糸し、8,800dtexの長繊維牽切加工糸を得て、糸条Aとした。また、実施例1と同様にして、混紡糸Bを得た。
次いで、前記混紡糸Bを経糸および緯糸に用い、前記糸条Aを緯糸の一部に用いて、1.0cm間隔で糸条Aを緯糸に織り込んだ織物を製織した。
得られた未加工織物(生機)を、常法の精練加工を行い、190℃で熱セットし、織物を得た。得られた織物において、最大厚みは1.5mm、目付240g/m2であった。かくして得られた織物を耐熱性防護服の表地層用とした。
実施例1と同様に、中間層用織物および内層用織物を準備した。これらの表地層用織物、中間層用織物、内層用織物の3層を重ねて用い縫製して耐熱性防護服を得た。得られた耐熱性防護服の遮熱性は17.5秒、全熱抵抗値は324W/m2で、遮熱性と快適性を両立するものであった。
[実施例3]
実施例1において、同様に糸条Aおよび混紡糸Bを得た。次いで、前記混紡糸Bを経糸および緯糸に用い、前記糸条Aを緯糸の一部に用いて、1.0cm間隔で糸条Aを緯糸に織り込んだ織物を製織した。
実施例1において、同様に糸条Aおよび混紡糸Bを得た。次いで、前記混紡糸Bを経糸および緯糸に用い、前記糸条Aを緯糸の一部に用いて、1.0cm間隔で糸条Aを緯糸に織り込んだ織物を製織した。
得られた未加工織物(生機)を、常法の精練加工を行い、190℃で熱セットし、織物を得た。得られた織物において、最大厚みは2.3mm、目付170g/m2であった。かくして得られた織物を耐熱性防護服の内層用とした。
また、単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mmのメタ型全芳香族ポリアミド繊維(帝人製、商標名「Teijinconex」)からなる紡績糸(綿番手40s)の双糸合撚糸からなる綾織物(目付245g/m2、2/1綾組織)を耐熱性防護服の表地層用とした。
さらに、単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mmのメタ型全芳香族ポリアミド繊維(帝人製、商標名「Teijinconex」)からなる紡績糸(綿番手40s)単糸からなる平織物(目付105g/m2)にポリテトラフルオロエチレン製の透湿防水性フィルム(日本ゴアテックス製)をラミネートしたものを耐熱性防護服の中間層用とした。
これらの表地層用織物、中間層用織物、内層用織物の3層を重ねて用い縫製して耐熱性防護服を得た。得られた耐熱性防護服の遮熱性は18.0秒、全熱抵抗値は282W/m2で、遮熱性は優れるものの、快適性に劣るものであった。
本発明によれば、遮熱性だけでなく着用快適性にも優れた織物および防護製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。
Claims (11)
- 綿番手0.2〜2sまたは総繊度3000〜20000dtexであり全芳香族ポリアミド繊維を含む糸条Aを含むことを特徴とする織物。
- 前記糸条Aが、紡績糸または牽切加工糸からなる、請求項1に記載の織物。
- 前記糸条Aにおいて、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維とがこの順で40:60〜97:3の重量比で含まれる、請求項1または請求項2に記載の織物。
- 前記糸条Aにおいて、撚数1〜10回/2.54cmで撚糸が施されている、請求項1〜3のいずれかに記載の織物。
- 前記糸条Aが織物の経糸または緯糸として、0.5〜3.0cmの間隔で織り込まれている、請求項1〜4のいずれかに記載の織物。
- 織物が全芳香族ポリアミド繊維のみからなる、請求項1〜5のいずれかに記載の織物。
- 織物の最大厚みが、1.0〜5.0mmの範囲内である、請求項1〜5のいずれかに記載の織物。
- 織物の目付けが100〜300g/m2の範囲内である、請求項1〜7のいずれかに記載の織物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の織物を用いてなる防護製品。
- 防護製品が多層構造を有し、かつ前記織物が表地層に配されてなる、請求項9に記載の防護製品。
- アークフラッシュ防護服、消防防火服、消防執務服、救助服、作業服、法被、警察制服、自衛隊衣服、軍服、レーシングスーツおよびベストからなる群より選択されるいずれかである、請求項9または請求項10に記載の防護製品。
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