JP6811632B2 - 繊維製品 - Google Patents

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本発明は、難燃性だけでなく、冷感、速乾性に優れ、さらには熱収縮率および洗濯収縮率が小さい布帛および繊維製品に関する。
従来、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、難燃ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、軍服などの用途で、難燃性を有する布帛が用いられている。
一方、近年では、難燃性だけでなく着用快適性をも兼備したものが求められている。例えば、特許文献1では、難燃性だけでなく通気性と軽量性をも兼備した布帛が提案されている。
しかしながら、難燃性だけでなく冷感や速乾による快適性、さらには低収縮性を有する布帛はこれまであまり提案されていない。
特開2008−101294号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、難燃性だけでなく、冷感、速乾性に優れ、さらには熱収縮率および洗濯収縮率が小さい布帛および繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、特定種類の難燃性繊維を混紡して紡績糸を得た後、該紡績糸を用いて布帛を構成すると、難燃性だけでなく、冷感、速乾性に優れ、さらには熱収縮率および洗濯収縮率が小さい布帛が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「全芳香族ポリアミド繊維および難燃レーヨン繊維およびビニロンを含む紡績糸を含むことを特徴とする布帛を用いてなる、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品であり、
前記全芳香族ポリアミド繊維がメタ型全芳香族ポリアミド繊維であり、
前記紡績糸に紡績糸重量対比、全芳香族ポリアミド繊維30〜50重量%、難燃レーヨン繊維20〜40重量%、およびビニロン10〜40重量%が均一に混紡されてなり、
前記布帛の目付けが250g/m 以下であり、
前記布帛が織物であり、
前記布帛において、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性測定において残炎時間が2.0秒以下であり、
前記布帛において、ISO5077:2007に規定される方法で5回洗濯を行った後の収縮率が、洗濯前対比、経緯ともに10%以下であり、
前記布帛において、ISO17493:2000に規定される方法で、布帛を260℃5分間加熱した際の乾熱収縮率が経緯ともに10%以下である繊維製品。」が提供される。
その際、JIS L 1907:2010 滴下法により測定した吸水性が10秒以下であることが好ましい。
本発明によれば、、難燃性だけでなく、冷感、速乾性に優れ、さらには熱収縮率および洗濯収縮率が小さい布帛および繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明の布帛に含まれる紡績糸は、全芳香族ポリアミド繊維および難燃レーヨン繊維およびビニロンを含む。
ここで、かかる紡績糸において全芳香族ポリアミド繊維の含有量は紡績糸重量対比30〜50重量%の範囲内であることが好ましい。全芳香族ポリアミド繊維の含有量が該範囲より小さいと、布帛の難燃性が低下するおそれがある。逆に、全芳香族ポリアミド繊維の含有量が該範囲より大きいと、布帛の吸湿性(冷感)が低下するおそれがある。
また、難燃レーヨン繊維の含有量は紡績糸重量対比20〜40重量%の範囲内であることが好ましい。難燃レーヨン繊維の含有量が該範囲より小さいと布帛の吸湿性(冷感)が低下するおそれがある。逆に、難燃レーヨン繊維の含有量が該範囲より大きいと、レーヨン繊維は水を多く含むと収縮する性質があるため、紡績糸が湿潤前後で大きく収縮してしまうおそれがある。
また、ビニロンの含有量は紡績糸重量対比10〜40重量%の範囲内であることが好ましい。ビニロンの含有量が該範囲より小さいと紡績糸の吸湿性(冷感)が低下し、快適性が損なわれるおそれがある。逆に、ビニロンの含有量が該範囲より大きいと、染色堅牢度が低下するだけでなく、火炎・熱曝露した際の熱収縮が大きくなり、生地が肌に張り付くことで火傷率が上がり、人体が危険にさらされるおそれがある。
さらには、紡績糸に制電性繊維が紡績糸重量対比0〜5重量%含まれていることが好ましい。制電性繊維が紡績糸に含まれると紡績糸に制電性が付加される。
これらの繊維は均一に混紡することにより、各々の繊維の欠点が補われ、難燃性、冷感、速乾性、低熱収縮率および低洗濯収縮率全てを兼備した紡績糸(布帛)が得られる。
前記全芳香族ポリアミド繊維としてはメタ型全芳香族ポリアミド繊維が好ましい。パラ型全芳香族ポリアミド繊維では染色に難があり、視認性の高いカラーへの染色が困難になるおそれがある。難燃性衣類が期待されるような現場、例えば消防現場では、視認性の高さは着用者の安全につながるため、重要である。全芳香族ポリアミド繊維の全重量を100重量%として、用途に応じて強度保持のためにパラ型全芳香族ポリアミド繊維を0〜40重量%含ませてもよい。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維とは、その繰返し単位の85モル%以上がm−フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。かかるメタ型全芳香族ポリアミドは、15モル%未満の範囲内で第3成分を含んだ共重合体であっても差しつかえない。
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、従来から公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの濃度のN−メチル−2−ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3〜1.9dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
上記メタ型全芳香族ポリアミドにはアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていてもよい。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩等の化合物が好ましく例示される。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、又はドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しやすく、熱的安定性も良好なうえ、N−メチル−2−ピロリドンに対する溶解度も高いため特に好ましく例示される。
上記アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るために、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドに対して2.5モル%以上、好ましくは3.0〜7.0モル%の範囲にあるものが好ましい。
また、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法としては、溶媒中にポリ−m−フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用いられそのいずれを用いてもよい。このようにして得られたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成される。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維に用いるポリマーは、染着性や耐変褪色性を向上させる等目的で、下記の式(1)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1〜10mol%となるように共重合させることも可能である。
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位又は平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
また、第3成分として共重合させることも可能であり、式(2)、(3)に示した芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、p−フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、アセチルフェニレンジアミン、アミノアニシジン、ベンジジン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノアゾベンゼン等が挙げられる。式(4)、(5)に示すような芳香族ジカルボン酸ジクロライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライド、5−クロルイソフタル酸クロライド、5−メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテルなどが挙げられる。
N−Ar2−NH ・・・式(2)
N−Ar2−Y−Ar2−NH ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度は、染料の吸尽性がよく、より少ない染料でまたは染色条件が弱くても狙いの色に調整し易いという点で、5〜35%であることが好ましい。さらには、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点および実用上必要な寸法安定性も確保できる点で15〜25%であることがより好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた難燃性能を損なわない点で、0.1重量%以下(好ましくは0.001〜0.1重量%)であることが肝要である。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維は以下の方法により製造することができ、特に後述する方法により、結晶化度や残存溶媒量を上記範囲とすることができる。
メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの重合方法としては、特に限定する必要はなく、例えば特公昭35−14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47−10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
紡糸溶液としては、とくに限定する必要はないが、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒溶液を用いても良いし、上記重合溶液から該ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものを用いてもよい。
ここで用いられるアミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができるが、とくにN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
上記の通り得られた共重合芳香族ポリアミドポリマー溶液は、さらにアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含むことにより安定化され、より高濃度、低温での使用が可能となり好ましい。好ましくはアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩がポリマー溶液の全重量に対して1重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である。
紡糸・凝固工程においては、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
紡糸装置としては特に限定されるものではなく、従来公知の湿式紡糸装置を使用することができる。また、安定して湿式紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状等は特に制限する必要はなく、例えば、孔数が1000〜30000個、紡糸孔径が0.05〜0.2mmのスフ用の多ホール紡糸口金等を用いてもよい。
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)の温度は、20〜90℃の範囲が適当である。
繊維を得るために用いる凝固浴としては、実質的に無機塩を含まない、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液を、浴液の温度10〜50℃の範囲で用いる。アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45質量%未満ではスキンが厚い構造となってしまい、洗浄工程における洗浄効率が低下し、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。一方、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が60質量%を超える場合には、繊維内部に至るまで均一な凝固を行うことができず、このためやはり、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。なお、凝固浴中への繊維の浸漬時間は、0.1〜30秒の範囲が適当である。
引続き、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液であり、浴液の温度を10〜50℃の範囲とした可塑延伸浴中にて、3〜4倍の延伸倍率で延伸を行う。延伸後、10〜30℃のNMPの濃度が20〜40質量%の水溶液、続いて50〜70℃の温水浴を通して十分に洗浄を行う。
洗浄後の繊維は、温度270〜290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ型全芳香族ポリアミド繊維を得ることができる。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維において、繊維は、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。特に、他の繊維と混紡する上で繊維長25〜200mm(より好ましくは30〜150mm)の短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1〜5dtexの範囲が好ましい。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維の市販品としては、コーネックス(商品名)、コーネックスネオ(商品名)、ノーメックス(商品名)などが例示される。
また、パラ型全芳香族ポリアミド繊維としては、テクノーラ(商品名)、ケブラー(商品名)およびトワロン(商品名)に代表されるものであり、主鎖中に芳香族環を有するポリアミドからなる繊維であり、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(PPTA)でもよいし共重合タイプのコポリパラフェニレン−3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド(PPODPA)であってもよい
また、難燃レーヨン繊維およびビニロンについては、他の繊維と混紡する上で繊維長25〜200mm(より好ましくは30〜150mm)の短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1〜5dtexの範囲が好ましい。市販品でもよい。
本発明において、布帛の製造方法は特に限定するものではなく、公知のいかなる方法でも用いることができる。例えば、少なくとも全芳香族ポリアミド繊維および難燃レーヨン繊維およびビニロンを混綿して紡績糸を得た後、単糸または双糸にてレピア織機などを用いて、綾織、平織などの組織に製織することが好ましい。編物や不織布でもよい。
その際、前記の布帛のみで布帛を構成することが最も好ましいが、他の糸条と交織・交編してもよい。
次いで、染色加工を施してもよい。かかる染色加工は、前記の混紡工程の前工程で行ってもよい。
さらには、難燃剤、吸水剤、撥水剤、蓄熱剤、紫外線遮蔽剤、制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、防蚊剤、蓄光剤、再帰反射剤等を付与する他の各種加工を付加適用してもよい。
かくして得られた布帛において、布帛の目付けが250g/m以下(より好ましくは80〜180g/m)であることが好ましい。該目付けが250g/mより大きいと布帛の重さで着用快適性が損なわれるおそれがある。
本発明の布帛は、前記の紡績糸を含むので、難燃性だけでなく、冷感、速乾性に優れ、さらには熱収縮率および洗濯収縮率が小さいという優れた効果を奏する。
ここで、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性測定において残炎時間が2.0秒以下であることが好ましい。また、該燃焼性測定において残塵時間が3.0秒以下、炭化長が15cm以下(より好ましくは0.1〜6.0cm)であることが好ましい。
また、ISO5077:2007に規定される方法で5回洗濯を行った後の収縮率が、洗濯前対比、経緯ともに10%以下(より好ましくは0.1〜5.0%)であることが好ましい。消防服などの難燃衣類は、衣類と肌との間にある空気層が火傷率の低減に寄与すると考えられている。洗濯によって10%よりも大きく収縮してしまうと、衣類と肌との間の空気層が減少するため人体が危険にさらされるおそれがある。
また、ISO17493:2000に規定される方法で、布帛を260℃5分間加熱した際の乾熱収縮率が経緯ともに10%以下(より好ましくは0.1〜9.%)であることが好ましい。
また、JIS L 1907:2010 滴下法により測定した吸水性が10秒以下(より好ましくは0.1〜9.5秒)であることが好ましい。吸水に要する時間が10秒よりも大きいと、繊維が汗を吸収しにくく、快適性が低下するおそれがある。難燃レーヨン繊維は吸水性を有するが、吸水性を向上させるために助剤を使用してもよい。
本発明の繊維製品は、前記の難燃布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、難燃ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。
かかる繊維製品は、前記の布帛を用いているので、難燃性だけでなく、冷感、速乾性に優れ、さらには熱収縮率および洗濯収縮率が小さいという優れた効果を奏する。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)燃焼性
JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性(残炎時間・残塵時間・炭化長)を測定した。
(2)目付け
JIS L 1096:2010 A法(JIS法)に規定される方法で単位面積当たりの質量(目付)を測定した。
(3)洗濯収縮率
ISO5077:2007に規定される方法で5回洗濯を行った後の収縮率を測定した。
(4)吸水性試験
JIS L 1907:2010 滴下法により吸水性(秒)を測定した。
(5)接触冷温感
KES−F7サーモラボII試験機(カトーテック(株))を用いて、接触冷温感評価値q−maxを測定した。室温の+20℃に加熱したセンサーと対象布帛を接触させ、瞬間的な熱の移動量(最大熱吸収速度 q−max〈J/cm・sec〉)を測定する手法である。Q−maxが大きいほど触れた時に冷たく感じる。一般的に2種の布帛間に0.02以上の開きがある場合、有意の差と判断される。
(6)乾熱収縮
ISO17493:2000に規定される方法で、対象布帛を260℃5分加熱した際の収縮率を測定した。
[実施例1]
染色したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、染色した難燃レーヨン繊維(Ry)、染色したビニロン(VR)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/Ry/VR=50/33/17の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用し、レピア織機によりタテ密度69本/2.54cm、ヨコ密度53本/2.54cmで1/1の平織の生機を得た。さらに精練・セットを行い、布帛を得た。物性評価結果を表1にまとめた。
[実施例2]
染色したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、染色した難燃レーヨン繊維(Ry)、染色したビニロン(VR)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/Ry/VR=30/33/37の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用し、レピア織機によりタテ密度69本/2.54cm、ヨコ密度53本/2.54cmで1/1の平織の生機を得た。さらに精練・セットを行い、布帛を得た。物性評価結果を表1にまとめた。
[実施例3]
染色したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、染色した難燃レーヨン繊維(Ry)、染色したビニロン(VR)、の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/Ry/VR=50/20/30の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用し、レピア織機によりタテ密度69本/2.54cm、ヨコ密度53本/2.54cmで1/1の平織の生機を得た。さらに精練・セットを行い、布帛を得た。物性評価結果を表1にまとめた。
[比較例1]
染色したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、染色した難燃レーヨン繊維(Ry)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/Ry=30/70の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用し、レピア織機によりタテ密度69本/2.54cm、ヨコ密度53本/2.54cmで1/1の平織の生機を得た。さらに精練・セットを行い、布帛を得た。物性評価結果を表1にまとめた。
[比較例2]
染色したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、染色したビニロン(VR)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/VR=30/70の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用し、レピア織機によりタテ密度69本/2.54cm、ヨコ密度53本/2.54cmで1/1の平織の生機を得た。さらに精練・セットを行い、布帛を得た。物性評価結果を表1にまとめた。
[実施例4]
染色したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、染色した難燃レーヨン繊維(Ry)、染色したビニロン(VR)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/Ry/VR=20/20/60の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用し、レピア織機によりタテ密度69本/2.54cm、ヨコ密度53本/2.54cmで1/1の平織の生機を得た。さらに精練・セットを行い、布帛を得た。物性評価結果を表1にまとめた。
Figure 0006811632
本発明によれば、難燃性だけでなく、冷感、速乾性に優れ、さらには熱収縮率および洗濯収縮率が小さい布帛および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (2)

  1. 全芳香族ポリアミド繊維および難燃レーヨン繊維およびビニロンを含む紡績糸を含むことを特徴とする布帛を用いてなる、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品であり、
    前記全芳香族ポリアミド繊維がメタ型全芳香族ポリアミド繊維であり、
    前記紡績糸に紡績糸重量対比、全芳香族ポリアミド繊維30〜50重量%、難燃レーヨン繊維20〜40重量%、およびビニロン10〜40重量%が均一に混紡されてなり、
    前記布帛の目付けが250g/m 以下であり、
    前記布帛が織物であり、
    前記布帛において、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性測定において残炎時間が2.0秒以下であり、
    前記布帛において、ISO5077:2007に規定される方法で5回洗濯を行った後の収縮率が、洗濯前対比、経緯ともに10%以下であり、
    前記布帛において、ISO17493:2000に規定される方法で、布帛を260℃5分間加熱した際の乾熱収縮率が経緯ともに10%以下である繊維製品。
  2. 前記布帛において、JIS L 1907:2010 滴下法により測定した吸水性が10秒以下である、請求項1に記載の繊維製品。
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