JP6811632B2 - 繊維製品 - Google Patents
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Description
一方、近年では、難燃性だけでなく着用快適性をも兼備したものが求められている。例えば、特許文献1では、難燃性だけでなく通気性と軽量性をも兼備した布帛が提案されている。
しかしながら、難燃性だけでなく冷感や速乾による快適性、さらには低収縮性を有する布帛はこれまであまり提案されていない。
前記全芳香族ポリアミド繊維がメタ型全芳香族ポリアミド繊維であり、
前記紡績糸に紡績糸重量対比、全芳香族ポリアミド繊維30〜50重量%、難燃レーヨン繊維20〜40重量%、およびビニロン10〜40重量%が均一に混紡されてなり、
前記布帛の目付けが250g/m 2 以下であり、
前記布帛が織物であり、
前記布帛において、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性測定において残炎時間が2.0秒以下であり、
前記布帛において、ISO5077:2007に規定される方法で5回洗濯を行った後の収縮率が、洗濯前対比、経緯ともに10%以下であり、
前記布帛において、ISO17493:2000に規定される方法で、布帛を260℃5分間加熱した際の乾熱収縮率が経緯ともに10%以下である繊維製品。」が提供される。
その際、JIS L 1907:2010 滴下法により測定した吸水性が10秒以下であることが好ましい。
ここで、かかる紡績糸において全芳香族ポリアミド繊維の含有量は紡績糸重量対比30〜50重量%の範囲内であることが好ましい。全芳香族ポリアミド繊維の含有量が該範囲より小さいと、布帛の難燃性が低下するおそれがある。逆に、全芳香族ポリアミド繊維の含有量が該範囲より大きいと、布帛の吸湿性(冷感)が低下するおそれがある。
これらの繊維は均一に混紡することにより、各々の繊維の欠点が補われ、難燃性、冷感、速乾性、低熱収縮率および低洗濯収縮率全てを兼備した紡績糸(布帛)が得られる。
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、従来から公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの濃度のN−メチル−2−ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3〜1.9dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
また、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法としては、溶媒中にポリ−m−フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用いられそのいずれを用いてもよい。このようにして得られたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成される。
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位又は平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
H2N−Ar2−Y−Ar2−NH2 ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた難燃性能を損なわない点で、0.1重量%以下(好ましくは0.001〜0.1重量%)であることが肝要である。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維は以下の方法により製造することができ、特に後述する方法により、結晶化度や残存溶媒量を上記範囲とすることができる。
紡糸溶液としては、とくに限定する必要はないが、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒溶液を用いても良いし、上記重合溶液から該ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものを用いてもよい。
ここで用いられるアミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができるが、とくにN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
紡糸・凝固工程においては、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)の温度は、20〜90℃の範囲が適当である。
洗浄後の繊維は、温度270〜290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ型全芳香族ポリアミド繊維を得ることができる。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維において、繊維は、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。特に、他の繊維と混紡する上で繊維長25〜200mm(より好ましくは30〜150mm)の短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1〜5dtexの範囲が好ましい。
また、パラ型全芳香族ポリアミド繊維としては、テクノーラ(商品名)、ケブラー(商品名)およびトワロン(商品名)に代表されるものであり、主鎖中に芳香族環を有するポリアミドからなる繊維であり、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(PPTA)でもよいし共重合タイプのコポリパラフェニレン−3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド(PPODPA)であってもよい
また、難燃レーヨン繊維およびビニロンについては、他の繊維と混紡する上で繊維長25〜200mm(より好ましくは30〜150mm)の短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1〜5dtexの範囲が好ましい。市販品でもよい。
その際、前記の布帛のみで布帛を構成することが最も好ましいが、他の糸条と交織・交編してもよい。
さらには、難燃剤、吸水剤、撥水剤、蓄熱剤、紫外線遮蔽剤、制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、防蚊剤、蓄光剤、再帰反射剤等を付与する他の各種加工を付加適用してもよい。
かくして得られた布帛において、布帛の目付けが250g/m2以下(より好ましくは80〜180g/m2)であることが好ましい。該目付けが250g/m2より大きいと布帛の重さで着用快適性が損なわれるおそれがある。
ここで、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性測定において残炎時間が2.0秒以下であることが好ましい。また、該燃焼性測定において残塵時間が3.0秒以下、炭化長が15cm以下(より好ましくは0.1〜6.0cm)であることが好ましい。
また、JIS L 1907:2010 滴下法により測定した吸水性が10秒以下(より好ましくは0.1〜9.5秒)であることが好ましい。吸水に要する時間が10秒よりも大きいと、繊維が汗を吸収しにくく、快適性が低下するおそれがある。難燃レーヨン繊維は吸水性を有するが、吸水性を向上させるために助剤を使用してもよい。
かかる繊維製品は、前記の布帛を用いているので、難燃性だけでなく、冷感、速乾性に優れ、さらには熱収縮率および洗濯収縮率が小さいという優れた効果を奏する。
JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性(残炎時間・残塵時間・炭化長)を測定した。
JIS L 1096:2010 A法(JIS法)に規定される方法で単位面積当たりの質量(目付)を測定した。
ISO5077:2007に規定される方法で5回洗濯を行った後の収縮率を測定した。
JIS L 1907:2010 滴下法により吸水性(秒)を測定した。
KES−F7サーモラボII試験機(カトーテック(株))を用いて、接触冷温感評価値q−maxを測定した。室温の+20℃に加熱したセンサーと対象布帛を接触させ、瞬間的な熱の移動量(最大熱吸収速度 q−max〈J/cm2・sec〉)を測定する手法である。Q−maxが大きいほど触れた時に冷たく感じる。一般的に2種の布帛間に0.02以上の開きがある場合、有意の差と判断される。
ISO17493:2000に規定される方法で、対象布帛を260℃5分加熱した際の収縮率を測定した。
染色したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、染色した難燃レーヨン繊維(Ry)、染色したビニロン(VR)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/Ry/VR=50/33/17の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用し、レピア織機によりタテ密度69本/2.54cm、ヨコ密度53本/2.54cmで1/1の平織の生機を得た。さらに精練・セットを行い、布帛を得た。物性評価結果を表1にまとめた。
染色したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、染色した難燃レーヨン繊維(Ry)、染色したビニロン(VR)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/Ry/VR=30/33/37の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用し、レピア織機によりタテ密度69本/2.54cm、ヨコ密度53本/2.54cmで1/1の平織の生機を得た。さらに精練・セットを行い、布帛を得た。物性評価結果を表1にまとめた。
染色したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、染色した難燃レーヨン繊維(Ry)、染色したビニロン(VR)、の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/Ry/VR=50/20/30の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用し、レピア織機によりタテ密度69本/2.54cm、ヨコ密度53本/2.54cmで1/1の平織の生機を得た。さらに精練・セットを行い、布帛を得た。物性評価結果を表1にまとめた。
染色したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、染色した難燃レーヨン繊維(Ry)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/Ry=30/70の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用し、レピア織機によりタテ密度69本/2.54cm、ヨコ密度53本/2.54cmで1/1の平織の生機を得た。さらに精練・セットを行い、布帛を得た。物性評価結果を表1にまとめた。
染色したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、染色したビニロン(VR)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/VR=30/70の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用し、レピア織機によりタテ密度69本/2.54cm、ヨコ密度53本/2.54cmで1/1の平織の生機を得た。さらに精練・セットを行い、布帛を得た。物性評価結果を表1にまとめた。
染色したメタ型全芳香族ポリアミド繊維(コーネックス(商品名)MA)、染色した難燃レーヨン繊維(Ry)、染色したビニロン(VR)の各ステープルファイバー(いずれも繊維長は51mm)からなるMA/Ry/VR=20/20/60の質量比率で混紡した紡績糸40番手/双糸を使用し、レピア織機によりタテ密度69本/2.54cm、ヨコ密度53本/2.54cmで1/1の平織の生機を得た。さらに精練・セットを行い、布帛を得た。物性評価結果を表1にまとめた。
Claims (2)
- 全芳香族ポリアミド繊維および難燃レーヨン繊維およびビニロンを含む紡績糸を含むことを特徴とする布帛を用いてなる、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品であり、
前記全芳香族ポリアミド繊維がメタ型全芳香族ポリアミド繊維であり、
前記紡績糸に紡績糸重量対比、全芳香族ポリアミド繊維30〜50重量%、難燃レーヨン繊維20〜40重量%、およびビニロン10〜40重量%が均一に混紡されてなり、
前記布帛の目付けが250g/m 2 以下であり、
前記布帛が織物であり、
前記布帛において、JIS L1091−1999 A−4法(12秒加熱法)に規定される燃焼性測定において残炎時間が2.0秒以下であり、
前記布帛において、ISO5077:2007に規定される方法で5回洗濯を行った後の収縮率が、洗濯前対比、経緯ともに10%以下であり、
前記布帛において、ISO17493:2000に規定される方法で、布帛を260℃5分間加熱した際の乾熱収縮率が経緯ともに10%以下である繊維製品。 - 前記布帛において、JIS L 1907:2010 滴下法により測定した吸水性が10秒以下である、請求項1に記載の繊維製品。
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