JP2022121885A - 布帛および積層布帛および繊維製品 - Google Patents

布帛および積層布帛および繊維製品 Download PDF

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Abstract

【課題】火炎または熱によって暴露された際に生地の裏面に二段階で凸構造が発現し、難燃性と遮熱性とを有する布帛および積層布帛および繊維製品を提供する。【解決手段】布帛の表面に熱収縮特性の異なるメタ系アラミド繊維を含む第1の糸と第2の糸を含み、布帛の裏面にパラ系アラミド繊維を含む第3の糸を配し、好ましくは、第1の温度で第1と第2の糸が収縮し、第1の厚みを形成し、第1の温度よりも高い第2の温度で第2の糸のみが収縮し、第2の厚みを形成する布帛とする。【選択図】なし

Description

本発明は、火炎または熱によって暴露された際に生地の裏面に二段階で凸構造が発現し、難燃性と遮熱性とを有する布帛および積層布帛および繊維製品に関する。
従来、消防服などの防護服に用いられる布帛として種々の布帛が提案されている。例えば、特許文献1では、最外層が難燃性・遮熱機能を有し、中間層が透湿防水機能を有し、最内層が遮熱機能を有する多層構造布帛が提案されている。また、特許文献2では、二重織組織を有する布帛が提案されている。しかしながら、難燃性と遮熱性とを両立させる点でまだ満足とはいえなかった。
また、特許文献3では、火炎または熱によって暴露された際に凹凸構造が発現する難燃生地が提案されているが、まだ十分とは言えなかった。
特開2010-255129号公報 国際公開第2007/018082号パンフレット 国際公開第2017/175632号パンフレット
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、火炎または熱によって曝露された際に生地の裏面に二段階で凸構造が発現し、難燃性と遮熱性とを有する布帛および積層布帛および繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、布帛を構成する糸条および布帛組織を巧みに工夫することにより、火炎または熱によって暴露された際に布帛の裏面に二段階で凸構造が発現することを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、「布帛の表面に、メタ系アラミド繊維を含みかつ熱収縮特性が互いに異なる第1の糸と第2の糸を配し、布帛の裏面にパラ系アラミド繊維を含む第3の糸を配してなることを特徴とする布帛。」が提供される。
その際、第1の温度で第1と第2の糸が収縮し、第1の厚みを形成し、第1の温度よりも高い第2の温度で第2の糸のみが収縮し、第2の厚みを形成することが好ましい。また、第1の糸および第2の糸がメタ系アラミド繊維を糸重量対比60重量%以上含み、第3の糸がパラ系アラミド繊維を糸重量対比50重量%以上含むことが好ましい。また、第1の糸に含まれるメタ系アラミド繊維が難燃剤を含有することが好ましい。また、350℃における第1及び第2の糸と第3の糸の熱収縮率差が0%以上かつ10%未満、400℃における第1の糸と第3の糸の熱収縮率差が0%以上かつ10%未満、かつ第2の糸と第3の糸の熱収縮率差が10%以上かつ20%未満であることが好ましい。また、熱暴露時の第1の収縮で経方向および緯糸のどちらか一方向に収縮し、第2の収縮で他方向が収縮することが好ましい。また、第1の糸と第2の糸が5~50mmの間隔で交互に配されてなることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の布帛に、1層以上の他の布帛を積層してなる積層布帛が提供される。その際、ASTM F 1868 PartCで規定される全熱損失(THL)が300W/m以上であり、かつ、ISO9151に規定される耐対流熱試験においてセンサー温度が24℃上昇するまでの時間HTI24が13秒以上であり、かつ、ISO6942に規定する耐輻射熱試験においてセンサー温度が24℃上昇するまでの時間RHTI24が18秒以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の布帛または積層布帛を用いてなる、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、火炎または熱によって暴露された際に生地の裏面に二段階で凸構造が発現し、難燃性と遮熱性とを有する布帛および積層布帛および繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明の布帛において、布帛の表面(外気側の面)に、メタ系アラミド(以下、メタ系全芳香族ポリアミドと称することがある)繊維を含みかつ熱収縮特性が互いに異なる第1の糸と第2の糸を配し、布帛の裏面(肌側の面)にパラ系アラミド(以下、パラ系全芳香族ポリアミドと称することがある)繊維を含む第3の糸を配してなる。
布帛の裏面側に高温での熱収縮率が低いパラ系アラミドを配することにより、火炎または熱によって暴露された際に布帛の裏面に凸構造が発現し、かつ第1の糸と第2の糸と第3の糸の熱収縮特性がそれぞれ異なることで、火炎または熱によって暴露された際に二段階で凸構造が発現する。
ここで、第1の糸と第2の糸のうち一方が経糸に配され、他方が緯糸に配されていてもよい。また、第1の糸と第2の糸とが、経糸およびまたは緯糸に配されていてもよい。
また、前記糸1および/または糸2および/または糸3において、糸の形状は長繊維でもよいが、糸に含まれる繊維の組成を任意に調整する上で紡績糸が好ましい。その際、紡績手法としては、エアジェット紡績、リング紡績を使用することが好ましい。
また、布帛は、第1の温度で第1と第2の糸が収縮し、第1の厚みを形成し、第1の温度よりも高い第2の温度で第2の糸のみが収縮し、第2の厚みを形成することが好ましい。また、第1の糸および第2の糸がメタ系アラミド繊維を60重量%以上含み、第3の糸がパラ系アラミド繊維を50重量%以上含むことが好ましい。
なお、メタ系アラミド繊維は通常、耐熱温度が高く、かつ熱収縮率が大きいという特性を有する。一方、パラ系アラミド繊維は通常、耐熱温度が高く、かつ熱収縮率が小さく、かつ強度が大きいという特性を有する。
また、第1の糸に含まれるメタ系アラミド繊維が難燃剤を含有することが好ましい。第1の糸に含まれるメタ系アラミド繊維が難燃剤を含有することにより、高温での熱暴露時の熱収縮を抑制できる。
ここで、メタ系アラミド繊維は、その繰返し単位の85モル%以上がm-フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。かかるメタ系アラミドは、15モル%未満の範囲内で第3成分を含んだ共重合体であっても差しつかえない。
このようなメタ系アラミドは、従来から公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの濃度のN-メチル-2-ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3~1.9dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
上記メタ系アラミドにはアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていてもよい。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩等の化合物が好ましく例示される。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、またはドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しやすく、熱的安定性も良好なうえ、N-メチル-2-ピロリドンに対する溶解度も高いため特に好ましく例示される。
上記アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るために、ポリ-m-フェニレンイソフタルアミドに対して2.5モル%以上(好ましくは3.0~7.0モル%)であるものが好ましい。
また、ポリ-m-フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法としては、溶媒中にポリ-m-フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用いられ、そのいずれを用いてもよい。このようにして得られたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成される。
メタ系アラミド繊維に用いるポリマーは、染着性や耐変褪色性を向上させる等目的で、下記の式(1)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1~10mol%となるように共重合させることも可能である。
-(NH-Ar1-NH-CO-Ar1-CO)- ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位または平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
また、第3成分として共重合させることも可能であり、式(2)、(3)に示した芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、p-フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、アセチルフェニレンジアミン、アミノアニシジン、ベンジジン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノアゾベンゼン等が挙げられる。式(4)、(5)に示すような芳香族ジカルボン酸ジクロライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸クロライド、1,4-ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6-ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’-ビフェニルジカルボン酸クロライド、5-クロルイソフタル酸クロライド、5-メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテルなどが挙げられる。
N-Ar2-NH ・・・式(2)
N-Ar2-Y-Ar2-NH ・・・式(3)
XOC-Ar3-COX ・・・式(4)
XOC-Ar3-Y-Ar3-COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子または官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ系アラミド繊維の結晶化度は、染料の吸尽性がよく、より少ない染料でまたは染色条件が弱くても狙いの色に調整し易いという点で、5~35%であることが好ましい。さらには、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点および実用上必要な寸法安定性も確保できる点で15~25%であることがより好ましい。
また、メタ系アラミド繊維の残存溶媒量は、メタ系アラミド繊維の優れた難燃性能を損なわない点および染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点で、0.1重量%以下であることが好ましい。
前記メタ系アラミド繊維は以下の方法により製造することができ、特に後述する方法により、結晶化度や残存溶媒量を上記範囲とすることができる。
メタ系アラミドポリマーの重合方法としては、特に限定されず、例えば特公昭35-14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47-10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
紡糸溶液としては、とくに限定する必要はないが、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒溶液を用いてもよいし、上記重合溶液から該ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものを用いてもよい。
ここで用いられるアミド系溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができるが、とくにN,N-ジメチルアセトアミドが好ましい。
上記の通り得られた共重合芳香族ポリアミドポリマー溶液は、さらにアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含むことにより安定化され、より高濃度、低温での使用が可能となり好ましい。好ましくはアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩がポリマー溶液の全重量に対して1重量%以下(より好ましくは0.1重量%以下)である。
紡糸・凝固工程においては、上記で得られた紡糸液(メタ系アラミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
紡糸装置としては特に限定されるものではなく、従来公知の湿式紡糸装置を使用することができる。また、安定して湿式紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状等は特に制限する必要はなく、例えば、孔数が1000~30000個、紡糸孔径が0.05~0.2mmのステイプルファイバー(短繊維)用の多ホール紡糸口金等を用いてもよい。
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸液(メタ系アラミド重合体溶液)の温度は、20~90℃の範囲が適当である。
繊維を得るために用いる凝固浴としては、実質的に無機塩を含まない、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45~60重量%の水溶液を、浴液の温度10~50℃の範囲で用いる。アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45重量%未満ではスキンが厚い構造となってしまい、洗浄工程における洗浄効率が低下し、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となるおそれがある。一方、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が60重量%を超える場合には、繊維内部に至るまで均一な凝固を行うことができず、このためやはり、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となるおそれがある。なお、凝固浴中への繊維の浸漬時間は、0.1~30秒の範囲が適当である。
引続き、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45~60重量%の水溶液であり、浴液の温度を10~50℃の範囲とした可塑延伸浴中にて、3~4倍の延伸倍率で延伸を行う。延伸後、10~30℃のNMPの濃度が20~40重量%の水溶液、続いて50~70℃の温水浴を通して十分に洗浄を行う。
洗浄後の繊維は、温度270~290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ系アラミド繊維を得ることができる。
前記メタ系アラミド繊維において、繊維の形態としては、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。特に、他の繊維と混紡する上で繊維長25~200mmの短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1~5dtexの範囲が好ましい。
メタ系アラミド繊維の市販品としては、コーネックス(商標名)、コーネックス(商標名)ネオ、ノーメックス(商標名)などが例示される。
また、パラ系アラミド繊維としては、主鎖中に芳香族環を有するポリアミドからなる繊維であり、ポリ-p-フェニレンテレフタルアミド(PPTA)でもよいし共重合タイプのコポリパラフェニレン-3,4’オキシジフェニレンテレフタルアミド(PPODPA)であってもよい。パラ系アラミド繊維の市販品としては、テクノーラ(商標名)、ケブラー(商標名)およびトワロン(商標名)などが例示される。
また、350℃における第1及び第2の糸と第3の糸の熱収縮率差が0%以上かつ10%未満、400℃における第1の糸と第3の糸の熱収縮率差が0%以上かつ10%未満、かつ第2の糸と第3の糸の熱収縮率差が10%以上20%未満であることが好ましい。かかる特性を有することで、火炎または熱によって暴露された際に二段階で凸構造が発現しし、かつ布帛の裏面にパラ系アラミド繊維を含むことで、布帛の裏面に二段階で凸構造が発現する。このように二段階で凸構造が発現することにより、各温度帯でより大きなエアポケットを形成することが可能となり優れた遮熱性が得られる。
本発明の布帛において、布帛組織は限定されず、織物でもよいし経編物や丸編物(緯編物)などの編物でもよい。なかでも織物が好ましい。
布帛の製造方法は特に限定されず、前記の糸1と糸2を用いて常法により製編職することができる。その際、好ましい織機として、シャトル織機、レピア織機、エアジェット織機などが挙げられる。編機としてはトリコット編機や丸編機などが挙げられる。
かくして得られた布帛は、熱暴露時の第1の収縮で経糸または緯糸の一方向に収縮し、第2の収縮でその他方向が収縮することが好ましい。また、熱暴露時の第1の収縮で経糸または緯糸の一方向が収縮し、第2の収縮でさらに一方向に収縮することが好ましい。また、第1の糸と第2の糸が5~50mmの間隔で交互に配された布帛であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の布帛に少なくとも1層以上のその他の難燃生地を積層してなる積層難燃生地が提供される。ここで、積層生地において、ASTM F 1868
PartCで規定される全熱損失(THL)が300W/m以上であり、かつ、ISO9151に規定される耐対流熱試験においてセンサー温度が24℃上昇するまでの時間HTI24が13秒以上であり、かつ、ISO6942に規定する耐輻射熱試験においてセンサー温度が24℃上昇するまでの時間RHTI24が18秒以上であることが好ましい。 かかる遮熱性を有することにより、火炎または熱に晒される可能性のある以下の用途の繊維製品に好適に用いることができる。
次に、本発明の繊維製品は、前記の布帛または積層布帛を用いてなり、防護服、消防防
火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。
かかる繊維製品は、火炎または熱によって曝露された際に生地の裏面に二段階で凸構造が発現し、難燃性と遮熱性とを有する。
次に本発明の実施例および比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(1)熱収縮率
製織に用いる糸を任意の温度の電気炉に5分間入れ、下記式により乾熱収縮率を算出した。
乾熱収縮率(%)=((試験前の長さ―試験後の長さ)/(試験前の長さ)×100
(2)全熱損失
ASTM F 1868 PartCに準拠し、全熱損失を求めた。
(3)遮熱性(耐輻射熱)
ISO6942に基づき熱流束40kW/mにおいて、輻射熱曝露開始から銅製のセンサーが24℃上昇する時間RHTI24を求めた。
(4)遮熱性(耐輻射熱)
ISO9151に基づき熱流束80kW/mにおいて、対流熱曝露開始から銅製のセンサーが24℃上昇する時間HTI24を求めた。
(5)目付け
JIS L1096により目付けを測定した。
[実施例1]
最外層の表面の経糸は紡績糸1(難燃剤を含むポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率90:10の割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(英国式番手:40/2))から構成され、表面の緯糸は紡績糸2(難燃剤を含まないポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率90:10の割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(英国式番手:40/2))から構成され、裏面は紡績糸3(コパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)からなる紡績糸(番手:40/2))を用いて平織に織成した二重織り布帛(目付け:230g/m)を用いた。その際、表面を外気側とした。紡績糸1、紡績糸2、紡績糸3の350℃の熱収縮率は、それぞれ、5.1%、4.5%、0.1%であった。また紡績糸1、紡績糸2、紡績糸3の400℃の熱収縮率は、それぞれ7.0%、12.9%、0.2%であった。
中間層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率が95:5となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(英国式番手:40/1)を用いて平織に織成した。織布(目付は65g/m)に市中のポリテトラフルオロエチレン製の透湿防水性フィルムをラミネートした。
最内層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率が95:5となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(英国式番手:40/1)1と、33dtex/12フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維(THY N301SSD:帝人フロンティア社製)1本と上記1とを合糸し、S方向に500回撚りを掛けた糸条2とを織り密度を経113本/2.54cm、緯80本/2.54cmとして製織した織物を、80℃1分間糊抜きを実施、また最終セットを180℃にて1分間実施して使用した。
上記最外層、中間層、最内層の3層を重ねた耐熱性防護服の評価結果を表1に示す。最外層は二段階で凸部を形成するものであった。
[実施例2]
最外層の表面の経糸および緯糸に実施例1で示した紡績糸1と紡績糸2を交互に配する以外は実施例1と同様に実施した。最外層は二段階で凸部を形成するものであった。
[比較例1]
実施例1において、最外層の表面の経糸と緯糸に同じ紡績糸(難燃剤を含むポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率90:10 の割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(英国式番手:40/2))を用いる以外は実施例1と同様に実施した。最外層は一段階で凸部を形成するものであった。
[実施例3]
最外層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率90:10の割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(英国式番手:20/2)を用いて平織に織成した布帛(目付:240g/m)を用いた。
中間層の表面の経糸は、紡績糸1(難燃剤を含むポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率90:10の割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(英国式番手:40/1))から構成され、表面の緯糸は紡績糸2(難燃剤を含まないポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率90:10の割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(英国式番手:40/1))から構成され、裏面は紡績糸3(コパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)からなる紡績糸(英国式番手:40/1))を用いて平織に織成した二重織り布帛(目付け:130g/m)を用いた。紡績糸1、紡績糸2、紡績糸3の350℃の熱収縮率は、それぞれ、5.5%、4.7%、0.2%であった。また紡績糸1、紡績糸2、紡績糸3の400℃の熱収縮率は、それぞれ7.2%、13.3%、0.3%であった。
最内層には、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率95:5 の割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(英国式番手:40/1)を用いて平織に織成した。織布(目付けは65g/m)に市中のポリテトラフルオロエチレン製の透湿防水性フィルムをラミネートした。
上記最外層、中間層、最内層の3層を重ねた耐熱性防護服の評価結果を表1に示す。中間層は二段階で凸部を形成するものであった。
[比較例2]
実施例3において、中間層の表面の経糸と緯糸に同じ紡績糸(難燃剤を含むポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:コーネックス)とコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人社製、商標名:テクノーラ)とを混合比率が90:10 となる割合で混合した耐熱繊維からなる紡績糸(英国式番手:40/1)を用いる以外は実施例3と同様に実施した。中間層は一段階で凸部を形成するものであった。
Figure 2022121885000001
本発明によれば、火炎または熱によって暴露された際に生地の裏面に二段階で凸構造が発現し、難燃性と遮熱性とを有する布帛および積層布帛および繊維製品が得られその工業的価値は極めて大である。

Claims (10)

  1. 布帛の表面に、メタ系アラミド繊維を含みかつ熱収縮特性が互いに異なる第1の糸と第2の糸を配し、布帛の裏面にパラ系アラミド繊維を含む第3の糸を配してなることを特徴とする布帛。
  2. 第1の温度で第1と第2の糸が収縮し、第1の厚みを形成し、第1の温度よりも高い第2の温度で第2の糸のみが収縮し、第2の厚みを形成する、請求項1に記載の布帛。
  3. 第1の糸および第2の糸がメタ系アラミド繊維を糸重量対比60重量%以上含み、第3の糸がパラ系アラミド繊維を糸重量対比50重量%以上含む、請求項1または2に記載の布帛。
  4. 第1の糸に含まれるメタ系アラミド繊維が難燃剤を含有する、請求項1~3のいずれかに記載の布帛。
  5. 350℃における第1及び第2の糸と第3の糸の熱収縮率差が0%以上かつ10%未満、400℃における第1の糸と第3の糸の熱収縮率差が0%以上かつ10%未満、かつ第2の糸と第3の糸の熱収縮率差が10%以上かつ20%未満である、請求項1~4のいずれかに記載の布帛。
  6. 熱暴露時の第1の収縮で経方向および緯糸のどちらか一方向に収縮し、第2の収縮で他方向が収縮する、請求項1~5のいずれかに記載の布帛。
  7. 第1の糸と第2の糸が5~50mmの間隔で交互に配されてなる、請求項1~6のいずれかに記載の布帛。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の布帛に、1層以上の他の布帛を積層してなる積層布帛。
  9. ASTM F 1868 PartCで規定される全熱損失(THL)が300W/m以上であり、かつ、ISO9151に規定される耐対流熱試験においてセンサー温度が24℃上昇するまでの時間HTI24が13秒以上であり、かつ、ISO6942に規定する耐輻射熱試験においてセンサー温度が24℃上昇するまでの時間RHTI24が18秒以上である、請求項8に記載の積層布帛。
  10. 請求項1~9のいずれかに記載された布帛または積層布帛を用いてなる、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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