JP2022061288A - 紡績糸および布帛および繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有し、かつ耐洗濯収縮および風合いにも優れた紡績糸および布帛および繊維製品を提供する。【解決手段】紡績糸でおいて、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を紡績糸重量対比30重量%以上およびレーヨン繊維を紡績糸重量対比10重量%以上とし、該紡績糸を用いて布帛や繊維製品を得る。【選択図】図1

Description

本発明は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有し、かつ耐洗濯収縮および風合いにも優れた紡績糸および布帛および繊維製品に関する。
従来、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、難燃ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、軍服などの用途で、難燃性を有する布帛が用いられている。
一方、近年では、難燃性だけでなく着用快適性をも兼備したものが求められており、例えば、特許文献1~7では、これらの性能を有する布帛が提案されている。
しかしながら、これらの布帛では、耐洗濯収縮および風合いの点でまだ改良の余地があった。
特表2007-529648号公報 特表2009-503278号公報 特表2011-527734号公報 国際公開第2010/141554号パンフレット 国際公開第2011/126999号パンフレット 特表2010-502849号公報 特開2014-210985号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有し、かつ耐洗濯収縮および風合いにも優れた紡績糸および布帛および繊維製品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、布帛を構成する繊維などを巧みに工夫することにより極めて優れた難燃性を有し、かつ耐洗濯収縮および風合いにも優れた布帛が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「紡績糸であって、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を紡績糸重量対比30重量%以上およびレーヨン繊維を紡績糸重量対比10重量%以上含むことを特徴とする紡績糸。」が提供される。
その際、前記レーヨン繊維に難燃剤が練り込まれていることが好ましい。また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維において、残存溶媒量が0.1重量%以下であることが好ましい。また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維において、結晶化度が15~50%の範囲内であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の紡績糸を含む布帛が提供される。その際、布帛の目付けが120~300g/mの範囲内であることが好ましい。また、JISL0843A法で規定される方法で測定して、耐光堅牢度が3級以上であることが好ましい。また、前記レーヨン繊維が反応染料および/またはスレン染料でリングダイに染色されていることが
好ましい。また、ISO15025:2000 A法で規定される方法で測定して、残炎時間が2秒以下であることが好ましい。また、ISO5077に規定される方法で5回洗濯した後の収縮率が5%以下であることが好ましい。また、ISO17493に規定される180℃5分間の熱処理を行った際の熱収縮率が5%以下であることが好ましい。また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維が、有機染料または有機顔料または無機顔料を含むことが好ましい。
また、本発明によれば、前記の布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有し、かつ耐洗濯収縮および風合いにも優れた紡績糸および布帛および繊維製品が得られる。
リングダイを模式的に説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明で用いるメタ型全芳香族ポリアミド繊維とは、その繰返し単位の85モル%以上がm-フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。かかるメタ型全芳香族ポリアミドは、15モル%未満の範囲内で第3成分を含んだ共重合体であっても差しつかえない。
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、従来から公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの濃度のN-メチル-2-ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3~1.9dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
上記メタ型全芳香族ポリアミドにはアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていてもよい。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩等の化合物が好ましく例示される。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、又はドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しやすく、熱的安定性も良好なうえ、N-メチル-2-ピロリドンに対する溶解度も高いため特に好ましく例示される。
上記アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るために、ポリ-m-フェニレンイソフタルアミドに対して2.5モル%以上、好ましくは3.0~7.0モル%の範囲にあるものが好ましい。
また、ポリ-m-フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法としては、溶媒中にポリ-m-フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用いられそのいずれを用いてもよい。このようにして得られたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成される。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維に用いるポリマーは、染着性や耐変褪色性を向上させる等目的で、下記の式(2)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1~10mol%となるように共重合させることも可能である。
-(NH-Ar1-NH-CO-Ar1-CO)- ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位又は平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
また、第3成分として共重合させることも可能であり、式(2)、(3)に示した芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、p-フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、アセチルフェニレンジアミン、アミノアニシジン、ベンジジン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノアゾベンゼン等が挙げられる。式(4)、(5)に示すような芳香族ジカルボン酸ジクロライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸クロライド、1,4-ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6-ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’-ビフェニルジカルボン酸クロライド、5-クロルイソフタル酸クロライド、5-メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテルなどが挙げられる。
N-Ar2-NH ・・・式(2)
N-Ar2-Y-Ar2-NH ・・・式(3)
XOC-Ar3-COX ・・・式(4)
XOC-Ar3-Y-Ar3-COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子または官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度は、染料の吸尽性がよく、より少ない染料でまたは染色条件が弱くても狙いの色に調整し易いという点で、5~35%であることが好ましい。さらには、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点および実用上必要な寸法安定性も確保できる点で15~25%であることがより好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた難燃性能を損なわない点で、0.1重量%以下(好ましくは0.001~0.1重量%)であることが好ましい。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維は以下の方法により製造することができ、特に後述する方法により、結晶化度や残存溶媒量を上記範囲とすることができる。
メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの重合方法としては、特に限定する必要はなく、例えば特公昭35-14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47-10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
紡糸溶液としては、とくに限定する必要はないが、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒溶液を用いても良いし、上記重合溶液から該ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものを用いてもよい。
ここで用いられるアミド系溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができるが、とくにN,N-ジメチルアセトアミドが好ましい。
上記の通り得られた共重合芳香族ポリアミドポリマー溶液は、さらにアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含むことにより安定化され、より高濃度、低温での使用が可能となり好ましい。好ましくはアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩がポリマー溶液の全重量に対して1重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である。
紡糸・凝固工程においては、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
紡糸装置としては特に限定されるものではなく、従来公知の湿式紡糸装置を使用することができる。また、安定して湿式紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状等は特に制限する必要はなく、例えば、孔数が1000~30000個、紡糸孔径が0.05~0.2mmのスフ用の多ホール紡糸口金等を用いてもよい。
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)の温度は、20~90℃の範囲が適当である。
繊維を得るために用いる凝固浴としては、実質的に無機塩を含まない、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45~60重量%の水溶液を、浴液の温度10~50℃の範囲で用いる。アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45質量%未満ではスキンが厚い構造となってしまい、洗浄工程における洗浄効率が低下し、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。一方、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が60質量%を超える場合には、繊維内部に至るまで均一な凝固を行うことができず、このためやはり、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。なお、凝固浴中への繊維の浸漬時間は、0.1~30秒の範囲が適当である。
引続き、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45~60重量%の水溶液であり、浴液の温度を10~50℃の範囲とした可塑延伸浴中にて、3~4倍の延伸倍率で延伸を行う。延伸後、10~30℃のNMPの濃度が20~40重量%の水溶液、続いて50~70℃の温水浴を通して十分に洗浄を行う。
洗浄後の繊維は、温度270~290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ型全芳香族ポリアミド繊維を得ることができる。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維において、繊維は、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。特に、他の繊維と混紡する上で繊維長25~200mmの短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1~5dtexの範囲が好ましい。
本発明の紡績糸は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とレーヨン繊維を含む。その際、前記紡績糸は、難燃性の点でメタ型全芳香族ポリアミド繊維を紡績糸重量対比30重量%以上(好ましくは30~98重量%、より好ましくは30~90重量%)含むことが重要である。また、前記紡績糸は、耐洗濯収縮および風合いの点でレーヨン繊維を紡績糸重量対比10重量%以上(好ましくは10~70重量%、より好ましくは35~65重量%)含むことが、難燃性と洗濯収縮性を向上させるとともに染色性と快適性を併せ持つようにする上で重要である。
本発明の紡績糸において、紡績糸は前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維とレーヨン繊維だけで構成されていてもよいが、さらにパラ型全芳香族ポリアミド繊維および/または導電性繊維を含んでいてもよく、特にこれらの繊維のみで紡績糸を構成することは好ましいことである。
ここで、導電性繊維は、規格ISO11612にて必須とされており、難燃素材として、生地での静電気を防ぐ上で、導電性繊維を用いることは好ましい。
また、前記レーヨン繊維に難燃剤が練り込まれていることが好ましい。その際、難燃剤は、強酸または弱塩基の塩、とくにアンモニウム塩、アミン塩、珪素とナトリウムを含む珪酸化合物、燐系化合物、ブロム系、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモンおよびホウ酸塩などの無機塩等の難燃剤など周知のものを任意に用いることができる。
前記紡績糸には、さらに、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、ポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維などの難燃繊維が含まれていてもよい。その際、かかる難燃繊維において限界酸素指数(LOI)が20以上であることが好ましい。さらには、ポリエステル繊維、導電性繊維、木綿、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維、ポリカーボネート繊維などが含まれていてもよい。
これらの繊維は混紡されていることが好ましい。また、これらの繊維に、難燃剤、紫外線吸収剤、反射剤などが含まれていてもよい。
また、紡績糸の種類は特に限定されず、エアジェット紡績糸、リング紡績糸、牽切紡績糸などが例示される。また、太さも限定されず、10~80番手が例示される。
本発明の布帛は前記の紡績糸を含む。特に前記の紡績糸のみからなることが好ましい。布帛の製造方法は特に限定するものではなく、公知のいかなる方法でも用いることが可能である。例えば、上記繊維の紡績糸を混綿して紡績糸を得た後、単糸または双糸にてレピア織機などを用いて、綾織、平織などの組織に製織することが好ましい。
かかる布帛は染色加工が施されていることが好ましい。特に、布帛に含まれるレーヨン繊維が、反応染料および/またはスレン染料で染色されていることが好ましい。また、布帛に含まれるメタ型全芳香族ポリアミド繊維が、有機染料または有機顔料または無機顔料で着色されていることが好ましい。
ここで、反応染色は、反応染料、尿素、アルギン酸ソーダ、浸透剤、炭酸ナトリウム水溶液に浸漬、圧搾、乾燥、スチーム、ソーピング、乾燥により反応染色が完了する。また、スレン染色は、スレン染料、ハイドロサルファイト、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬、圧搾、乾燥、ハイドロサルファイトと水酸化ナトリウム水溶液に浸漬、圧搾、水洗、湯洗を連続で繰り返し乾燥によりスレン染色が完了する。
また、布帛の染色方法は連続染色が好ましい。連続染色を行うことで、浸染染色(液流染色)と比較し、表面品位が綺麗となり生地表面に光沢が出る。また拡布状態で染色することで染色時のシワが出にくい。また液流染色と比べて短時間で染色が完了し、液流染色品と同物性、同堅牢度を得ることができる。さらには、連続染色は、レーヨン繊維をリングダイに染色することができるので染料使用量を低減することができ、環境に配慮したものになる。またレーヨン繊維の繊維表面に染料が偏在することで耐光堅牢度が向上し好ましい。
ここで、リングダイとは、図1に模式的に示すように、単繊維断面において中心部よりも外周部の方が濃色に、芯鞘型にリング状に染色されることである。レーヨン繊維がリングダイに染色されることで、前述した全芳香族ポリアミド繊維との同色性を達成することができる。
本発明の布帛は前記の構成を有するので、極めて優れた難燃性を有し、かつ耐洗濯収縮および風合いにも優れる。
ここで、布帛の目付けとしては120~300g/mの範囲内であることが好ましい。また、JISL0843A法で規定される方法で測定して、耐光堅牢度が3級以上であることが好ましい。また、ISO15025:2000 A法で規定される方法で測定して、残炎時間が2秒以下であることが好ましい。また、ISO5077に規定される方法で5回洗濯した後の収縮率が5%以下であることが好ましい。また、ISO17493に規定される180℃5分間の熱処理を行った際の熱収縮率が5%以下であることが好ましい。
次に、本発明の繊維製品は前記の布帛を用いてなる、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。かかる繊維製品は前記の布帛を用いているので、極めて優れた難燃性を有し、かつ耐洗濯収縮および風合いにも優れる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)目付け
JIS L 1096 A法で規定される方法で測定した。
(2)燃焼性
ISO15025:2000 A法、JISL1091A-1法で規定される方法で測定した。
(3)洗濯収縮率
ISO5077に規定される方法で5回洗濯した後の収縮率を測定した。n数5で経と緯について測定し両者の平均をとった。
(4)乾熱収縮率
ISO17493に規定される180℃5分間の熱処理を行った際の熱収縮率を測定した。n数5で経と緯について測定し両者の平均をとった。
(5)リングダイ観察
繊維断面をカットし、光学顕微鏡を用いて、表面観察し、染料の繊維への拡散性を確認した。単繊維断面において中心部よりも外周部の方が濃色に、芯鞘型に染色された場合はリングダイ「〇」とした。そうでない場合はリングダイ「×」とした。
(6)残存溶媒量
原繊維を約8.0g採取し、105℃で120分間乾燥させた後にデシケーター内で放冷し、繊維重量(M1)を秤量した。続いて、この繊維について、メタノール中で1.5時間、ソックスレー抽出器を用いて還流抽出を行い、繊維中に含まれるアミド系溶媒の抽出を行った。抽出を終えた繊維を取り出して、150℃で60分間真空乾燥させた後にデシケーター内で放冷し、繊維重量(M2)を秤量した。繊維中に残存する溶媒量(アミド系溶媒重量)は、得られるM1およびM2を用いて、下記式により算出した。
残存溶媒量(%)=[(M1-M2)/M1]×100
(7)結晶化度
X線回折測定装置(リガク社製 RINT TTRIII)を用い、原繊維を約1mm径
の繊維束に引きそろえて繊維試料台に装着して回折プロファイルを測定した。測定条件は、Cu-Kα線源(50kV、300mA)、走査角度範囲10~35°、連続測定0.1°幅計測、1°/分走査でおこなった。実測した回折プロファイルから空気散乱、非干渉性散乱を直線近似で補正して全散乱プロファイルを得た。次に、全散乱プロファイルから非晶質散乱プロファイルを差し引いて結晶散乱プロファイルを得た。結晶化度は、結晶散乱プロファイルの面積強度(結晶散乱強度)と全散乱プロファイルの面積強度(全散乱強度)から、次式により求めた。
結晶化度(%)=[結晶散乱強度/全散乱強度]×100
[メタ型全芳香族ポリアミド繊維の製造]
メタ型全芳香族ポリアミド繊維は、次の方法で作製した。
特公昭47-10863号公報記載の方法に準じた界面重合法により製造した、固有粘度(I.V.)が1.9のポリメタフェニレンイソフタルアミド粉末20.0質量部を、-10℃に冷却したN-メチル-2-ピロリドン(NMP)80.0質量部中に懸濁させ、スラリー状にした。引き続き、懸濁液を60℃まで昇温して溶解させ、透明なポリマー溶液を得た。該ポリマー溶液に、ポリマー対比3.0質量%の2-[2H-ベンゾトリアゾール-2-イル]-4-6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール粉末(水への溶解度:0.01mg/L)およびリン系難燃剤を混合溶解させ、減圧脱法して紡糸液(紡糸ドープ)とした。
[紡糸・凝固工程]
上記紡糸ドープを、孔径0.07mm、孔数500の紡糸口金から、浴温度30℃の凝固浴中に吐出して紡糸した。凝固液の組成は、水/NMP=45/55(質量部)であり、凝固浴中に糸速7m/分で吐出して紡糸した。
[可塑延伸浴延伸工程]
引き続き、温度40℃の水/NMP=45/55の組成の可塑延伸浴中にて、3.7倍の延伸倍率で延伸を行った。
[洗浄工程]
延伸後、20℃の水/NMP=70/30の浴(浸漬長1.8m)、続いて20℃の水浴(浸漬長3.6m)で洗浄し、さらに60℃の温水浴(浸漬長5.4m)に通して十分に洗浄を行った。
[乾熱処理工程]
洗浄後の繊維について、表面温度280℃の熱ローラーにて乾熱処理を施し、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を得た。
[原繊維の物性]
得られたメタ型全芳香族ポリアミド繊維の物性は、繊度1.7dtex、残存溶媒量0.08重量%、結晶化度は19%であった。得られた原繊維を用いて、捲縮加工、カットを行い、長さ51mmのステープルファイバー(原綿)を得た。
その他の繊維原綿は下記の物を用いた。
[後加工]
毛焼、精練、連続染色、ファイナルセットにて後加工を行った。
[実施例1]
メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)(長さ51mm)、難燃レーヨン繊維(FR)(長さ51mm)、導電糸(AS)(長さ51mm)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(
PA)(長さ51mm)の各ステープルファイバーを、MA/FR/AS/PA=45/48/2/5の比率で混紡した紡績糸40番手/双糸とし、織密度 経100本/25.4mm、緯55本/25.4mmで製織し、目付200g/mの綾織物を得た。これを用いて、上記の方法で加工した。結果を表1に示す。
[実施例2]
メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)(長さ51mm)、難燃レーヨン繊維(FR)(長さ51mm)、導電糸(AS)(長さ51mm)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)(長さ51mm)の各ステープルファイバーを、MA/FR/AS/PA=35/58/2/5の比率で混紡した紡績糸40番手/双糸とし、織密度 経100本/25.4mm、緯55本/25.4mmで製織し、目付200g/mの綾織物を得た。これを用いて、上記の方法で加工した。結果を表1に示す。
[実施例3]
メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)(長さ51mm)、難燃レーヨン繊維(FR)(長さ51mm)、導電糸(AS)(長さ51mm)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)(長さ51mm)の各ステープルファイバーを、MA/FR/AS/PA=58/35/2/5の比率で混紡した紡績糸40番手/双糸とし、織密度 経100本/25.4mm、緯55本/25.4mmで製織し、目付200g/mの綾織物を得た。これを用いて、上記の方法で加工した。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1において、染色方法を連続染色から液流染色へ変更した以外は、実施例1と同様とした。液流染色条件は、染色温度70℃、30分、浴比1:15で実施した。結果を表1に示す。
[実施例5]
メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)、難燃レーヨン繊維(FR)、コットン(CO)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)からなるMA/FR/CO/PA=35/35/25/5の比率で混紡した紡績糸40番手/双糸とし、織密度 経100本/25.4mm、緯55本/25.4mmで製織し、目付200g/mの綾織物を得た。これを用いて、上記の方法で加工した。結果を表1に示す。
[実施例6]
メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)、難燃レーヨン繊維(FR)、コットン繊維(CO)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)、導電糸(AS)からなるMA/FR/CO/PA/AS=35/35/23/5/2の比率で混紡した紡績糸40番手/双糸とし、織密度 経100本/25.4mm、緯55本/25.4mmで製織し、目付200g/mの綾織物を得た。これを用いて、上記の方法で加工した。結果を表1に示す。
Figure 2022061288000002
本発明によれば、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有し、かつ耐洗濯収縮および風合いにも優れた紡績糸および布帛および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (13)

  1. 紡績糸であって、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を紡績糸重量対比30重量%以上およびレーヨン繊維を紡績糸重量対比10重量%以上含むことを特徴とする紡績糸。
  2. 前記レーヨン繊維に難燃剤が練り込まれている、請求項1に記載の紡績糸。
  3. 前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維において、残存溶媒量が0.1重量%以下である、請求項1または請求項2に記載の紡績糸。
  4. 前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維において、結晶化度が15~50%の範囲内である、請求項1~3のいずれかに記載の紡績糸。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の紡績糸を含む布帛。
  6. 布帛の目付けが120~300g/mの範囲内である、請求項5に記載の布帛。
  7. JISL0843A法で規定される方法で測定して、耐光堅牢度が3級以上である、請求項5または請求項6に記載の布帛。
  8. 前記レーヨン繊維が反応染料および/またはスレン染料でリングダイに染色されている、請求項5~7のいずれかに記載の布帛。
  9. ISO15025:2000 A法で規定される方法で測定して、残炎時間が2秒以下である、請求項5~8のいずれかに記載の布帛。
  10. ISO5077に規定される方法で5回洗濯した後の収縮率が5%以下である、請求項5~9のいずれかに記載の布帛。
  11. ISO17493に規定される180℃5分間の熱処理を行った際の熱収縮率が5%以下である、請求項5~10のいずれかに記載の布帛。
  12. 前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維が、有機染料または有機顔料または無機顔料を含む、請求項5~11のいずれかに記載の布帛。
  13. 請求項5~12のいずれかに記載された布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115287798A (zh) * 2022-08-29 2022-11-04 烟台华维特防新材料有限公司 一种海藻纤维与聚对苯撑苯并双噁唑纤维混纺的方法

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