JP2017133115A - 蓄熱性難燃布帛およびその製造方法および繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、難燃性および蓄熱性を有する蓄熱性難燃布帛およびその製造方法および繊維製品の提供。【解決手段】メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛に特定の架橋剤とバインダーを用いて蓄熱剤を付着させ、難燃性および洗濯耐久性のある蓄熱性を有する蓄熱性難燃布帛を得る。メタ型全芳香族ポリアミド繊維が、有機染料または有機顔料または無機顔料を含むことが好ましい。また、布帛がさらにポリエステル繊維を含むことが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、難燃性および蓄熱性を有する蓄熱性難燃布帛およびその製造方法および繊維製品に関する。
従来、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛は難燃性に優れるため、作業服や消防服などの防護衣として用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
しかしながら、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、難燃性および蓄熱性を有する蓄熱性難燃布帛はこれまであまり提案されていない。
特開2014−221955号公報 特開2015−94043号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、難燃性および蓄熱性を有する蓄熱性難燃布帛およびその製造方法および繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛に特定の架橋剤を用いて蓄熱剤を付与すると、難燃性および洗濯耐久性のある蓄熱性を有する蓄熱性難燃布帛が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛であって、蓄熱剤が付着してなることを特徴とする蓄熱性難燃布帛。」が提供される。
その際、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維が、有機染料または有機顔料または無機顔料を含むことが好ましい。また、布帛がさらにポリエステル繊維を含むことが好ましい。また、布帛がさらに、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、およびポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含むことが好ましい。また、布帛がさらに、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維およびポリカーボネート繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含むことが好ましい。また、布帛を構成するいずれかの繊維が難燃剤を含むことが好ましい。また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度が15〜25%の範囲内であることが好ましい。また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量が0.1質量%以下であることが好ましい。また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維を形成するメタ型全芳香族ポリアミドが、下記の式(1)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1〜10mol%となるように共重合させた芳香族ポリアミドであることが好ましい。
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位又は平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
その際、第3成分となる芳香族ジアミンが式(2)、(3)、または芳香族ジカルボン酸ハライドが、式(4)、(5)であることが好ましい。
N−Ar2−NH ・・・式(2)
N−Ar2−Y−Ar2−NH ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳
香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、布帛が紫外線吸収剤および/または反射剤を含むことが好ましい。また、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において残炎が2.0秒以下であることが好ましい。また、オキサゾリン基を有する架橋剤を含むことが好ましい。
また、本発明によれば、前記の蓄熱性難燃布帛の製造方法であって、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛に、オキサゾリン基を有する架橋剤と蓄熱剤とバインダーとを含む処理液を付与することを特徴とする蓄熱性難燃布帛の製造方法が提供される。
その際、蓄熱剤がパラフィンを含有することが好ましい。また、前記バインダーがアクリル系樹脂および/またはウレタン系樹脂を含むことが好ましい。また、JIS L0217−1998、103法により10回の洗濯を行った後の布帛の蓄熱性が照射10分後において、前記処理液を付与する前の布帛に対して、2℃以上であることが好ましい。
ただし、蓄熱性の評価は、ボーケン規格BQE A 036に基づき、使用ランプは写真用レフランプPRF500WB/D(パナソニック製)、照射距離は30cm、試験環境は20℃65%RHである。
また、本発明によれば、前記の蓄熱性難燃布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、難燃性および蓄熱性を有する蓄熱性難燃布帛およびその製造方法および繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明で用いるメタ型全芳香族ポリアミド繊維とは、その繰返し単位の85モル%以上がm−フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。かかるメタ型全芳香族ポリアミドは、15モル%未満の範囲内で第3成分を含んだ共重合体であっても差しつかえない。
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、従来から公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの濃度のN−メチル−2−ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3〜1.9dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
上記メタ型全芳香族ポリアミドにはアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていてもよい。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩等の化合物が好ましく例示される。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、又はドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しやすく、熱的安定性も良好なうえ、N−メチル−2−ピロリドンに対する溶解度も高いため特に好ましく例示される。
上記アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るために、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドに対して2.5モル%以上、好ましくは3.0〜7.0モル%の範囲にあるものが好ましい。
また、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法としては、溶媒中にポリ−m−フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用いられそのいずれを用いてもよい。このようにして得られたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成される。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維に用いるポリマーは、染着性や耐変褪色性を向上させる等目的で、下記の式(2)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1〜10mol%となるように共重合させることも可能である。
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位又は平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
また、第3成分として共重合させることも可能であり、式(2)、(3)に示した芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、p−フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、アセチルフェニレンジアミン、アミノアニシジン、ベンジジン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノアゾベンゼン等が挙げられる。式(4)、(5)に示すような芳香族ジカルボン酸ジクロライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライド、5−クロルイソフタル酸クロライド、5−メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテルなどが挙げられる。
N−Ar2−NH ・・・式(2)
N−Ar2−Y−Ar2−NH ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度は、染料の吸尽性がよく、より少ない染料でまたは染色条件が弱くても狙いの色に調整し易いという点で、5〜35%であることが好ましい。さらには、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点および実用上必要な寸法安定性も確保できる点で15〜25%であることがより好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた難燃性能を損なわない点および染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点で、0.1重量%以下であることが好ましい。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維は以下の方法により製造することができ、特に後述する方法により、結晶化度や残存溶媒量を上記範囲とすることができる。
メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの重合方法としては、特に限定する必要はなく、例えば特公昭35−14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47−10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
紡糸溶液としては、とくに限定する必要はないが、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒溶液を用いても良いし、上記重合溶液から該ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものを用いても良い。
ここで用いられるアミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができるが、とくにN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
上記の通り得られた共重合芳香族ポリアミドポリマー溶液は、さらにアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含むことにより安定化され、より高濃度、低温での使用が可能となり好ましい。好ましくはアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩がポリマー溶液の全重量に対して1重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である。
紡糸・凝固工程においては、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
紡糸装置としては特に限定されるものではなく、従来公知の湿式紡糸装置を使用することができる。また、安定して湿式紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状等は特に制限する必要はなく、例えば、孔数が1000〜30000個、紡糸孔径が0.05〜0.2mmのスフ用の多ホール紡糸口金等を用いてもよい。
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)の温度は、20〜90℃の範囲が適当である。
繊維を得るために用いる凝固浴としては、実質的に無機塩を含まない、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液を、浴液の温度10〜50℃の範囲で用いる。アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45質量%未満ではスキンが厚い構造となってしまい、洗浄工程における洗浄効率が低下し、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。一方、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が60質量%を超える場合には、繊維内部に至るまで均一な凝固を行うことができず、このためやはり、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。なお、凝固浴中への繊維の浸漬時間は、0.1〜30秒の範囲が適当である。
引続き、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液であり、浴液の温度を10〜50℃の範囲とした可塑延伸浴中にて、3〜4倍の延伸倍率で延伸を行う。延伸後、10〜30℃のNMPの濃度が20〜40質量%の水溶液、続いて50〜70℃の温水浴を通して十分に洗浄を行う。
洗浄後の繊維は、温度270〜290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ型全芳香族アラミド繊維を得ることができる。
前記メタ型全芳香族アラミド繊維において、繊維は、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。特に、他の繊維と混紡する上で繊維長25〜200mmの短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1〜5dtexの範囲が好ましい。
本発明において、布帛は前記メタ型全芳香族アラミド繊維だけで構成されていてもよいが、さらにポリエステル繊維が含まれていることが好ましい。布帛にポリエステル繊維が含まれていると、後記のようなオキサゾリン基を有する架橋剤や、アクリル系樹脂および/またはウレタン系樹脂からなるバインダーのSP値(溶解パラメータ)がポリエステル繊維に近くポリエステル繊維に固着しやすいので、蓄熱性の洗濯耐久性を向上させることができ好ましい。その際、布帛に含まれるポリエステル繊維の重量としては布帛重量対比2〜20重量%の範囲内であることが好ましい。ポリエステル繊維の重量が該範囲よりも大きいと難燃性が低下するおそれがある。逆にポリエステル繊維の重量が該範囲よりも小さいと蓄熱性の洗濯耐久性が低下するおそれがある。
また、布帛にさらに、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、ポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維などの難燃繊維が含まれていることが好ましい。
その際、かかる難燃性繊維において限界酸素指数(LOI)が20以上であることが好ましい。
また、布帛にさらに、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維、ポリカーボネート繊維などが含まれていると、吸水性、染色性、着用快適性などが付加され好ましい。
ここで、これらの繊維は混紡されていることが好ましい。その際、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた耐熱性と難燃性を発揮させるために、まずメタ型全芳香族ポリアミド繊維が50質量%以上であることが好ましい。より具体的な例としては、メタ型全芳香族ポリアミド繊維が50〜98質量%、ポリエステル繊維が2〜20質量%、セルロース系質量繊維が0〜50%の混率として蓄熱性の洗濯耐久性を向上させるとともに染色性と快適性を併せ持つようにすることもできる。また、布帛を構成する繊維に、難燃剤、紫外線吸収剤、反射剤などを含ませてもよい。
本発明において、布帛の製造方法は特に限定するものではなく、公知のいかなる方法でも用いる可能である。例えば、上記繊維の紡績糸を混綿して紡績糸を得た後、単糸または双糸にてレピア織機などを用いて、綾織、平織などの組織に製織することが好ましい。
本発明において、かかる布帛に蓄熱剤が付着していることにより、難燃性と蓄熱性とを有する。かかる蓄熱性難燃布帛は例えば、以下の製造方法により製造することができる。すなわち、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛にオキサゾリン基を有する架橋剤と蓄熱剤とバインダーと含む処理液を付与するとよい。
ここで、蓄熱剤としては、特開2006−118075号公報、特開2007−186811号公報、特開2008−184693号公報などに記載されたものが例示される。例えば、カーボンブラック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化ハフニウム、珪化ジルコニウム、珪化チタン、チタンブラック、珪化ハフニウム、パラフィンなどが好ましい。
なかでも、パラフィンがマイクロカプセルに封入された蓄熱剤が好ましい。かかるマイクロカプセル化法自体は特開平5−156570号公報に開示されているように公知である。マイクロカプセルの壁材は有機ポリマーであることが好ましく、例えば、尿素−ホルマリン樹脂またはメラミン−ホルマリン樹脂が好ましい。マイクロカプセルの粒径および壁厚としてはそれぞれ粒径5〜25μm、壁厚0.5〜6μmの範囲内であることが好ましい。また、封入物質の重量比率は、マイクロカプセル全重量に対して5〜99重量%の範囲内であることが好ましい。市販品では、三木理研工業社製蓄熱蓄冷剤リケンレヂン シリーズ(例えば、PMED−15など)が好ましい。
また、オキサゾリン基を有する架橋剤とは、一般の有機化合物または有機ポリマー、オリゴマーを主骨格とした物質の末端または側鎖にオキサゾリン基(好ましくは2−オキサゾリン基)を含む化合物をいう。オキサゾリン基を有する架橋剤を用いることにより、単繊維間に蓄熱剤が浸透しやすく、より洗濯耐久性を上げた蓄熱性が得られる。オキサゾリン基は、その骨格に1つまたは2つ以上持つことができるが、接着性能の向上のためには反応性官能基であるオキサゾリン基を多く持つ方がより好ましい。オキサゾリン基含有物質の主鎖の骨格としては、炭化水素鎖、エチレングリコ−ル鎖、ビスフェノールA等のビスフェノール類やフェノール樹脂、ノボラック樹脂、レゾール樹脂などの初期重合物が用いられ、それらの分子骨格中には芳香環や複素環を含む物質も使用される。さらに主成分モノマーおよび/またはそれからなるポリマーやオリゴマーの末端や側鎖にオキサゾリン基を含有する物質も有用である。これらのモノマーとしては、スチレン、スチレン誘導体、アクリロニトリル、メタクリル酸エステル、メタクリル酸、エチレン、ブタジエン、アクリルアミドなどが用いられ、これらは単独のポリマーおよび/またはオリゴマーとして、さらに共重合物質としても使用される。また、これらの混合物としても使用できる。
オキサゾリン基含有物質の形態としては、液状、溶融状、固体またはこれらを溶解しうる水や有機溶媒中での溶液状、さらに水などに分散した懸濁液状(エマルジョン粒子、ラテックス粒子状など)で使用される。例えばかかる化合物をそのままあるいは必要に応じて少量の溶媒に溶解したものを、公知の乳化剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸ソ−ダ、ジオクチルスルホサクシネ−トナトリウム塩、ノニルフェノ−ルエチレンオキサイド付加物等を用いて乳化または溶解する方法を用いてもよい。
処理液を布帛に付与する方法としては、処理液を調製し、浸漬、塗布、噴霧等の手段によって処理するとよい。この時の処理液付着量は、布帛重量に対して0.01〜10重量%(より好ましくは0.03〜5重量%)であることが好ましい。処理液付着量が該範囲よりも小さいと蓄熱性が低下するおそれがある。逆に、処理液付着量が該範囲よりも大きいとそれ以上蓄熱性は向上せず、かえって繊維製品の特性を低下させるおそれがある。加工処理の方法としては、処理液を所定量保持するように絞った後に加温・乾燥する方法(パディング法)が好ましい。
なお、処理液を布帛に付与する前および/または後の工程で吸水加工(親水化剤を付与)や染色加工を施してもよい。
ここで、前記親水化剤としては、ポリエチレングリコールジアクリレートまたはポリエチレングリコールジアクリレートの誘導体またはポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体または水溶性ポリウレタンまたはポリエチレングリコール−アミノシリコーン共重合体が好ましい。
布帛に対する親水化剤の付着量は布帛重量対比0.1〜2.0重量%(より好ましくは0.1〜0.7重量%)であることが好ましい。なお、親水化剤の付着量は次式で算出することができる。
親水化剤の付着量(%)=((親水化剤を付着させた後の布帛重量)−(親水化剤を付着させる前の布帛重量))/(親水化剤を付着させる前の布帛重量)×100
ただし、親水化剤を付着させた後の布帛重量は乾燥後の重量である。
布帛に親水化剤を付与する方法としては、パディング処理する方法、染色加工時に染色液と同浴で処理する方法などが例示される。
さらには、難燃剤、紫外線遮蔽剤、制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、防蚊剤、蓄光剤、再帰反射剤等を付与する他の各種加工を付加適用してもよい。
かくして得られた布帛において、目付けは、130〜360g/m(より好ましくは、140〜260g/m)であること好ましい。
かかる布帛は、前記のようにオキサゾリン基を有する架橋剤を用いているので、単繊維間に蓄熱剤が浸透しやすく、より洗濯耐久性を上げた蓄熱性が得られる。また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含むので難燃性にも優れる。
ここで、難燃性としては、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において残炎が2.0秒以下であることが好ましい。
また、蓄熱性としては、JIS L0217−1998、103法により10回の洗濯を行った後の布帛の蓄熱性が照射10分後において、前記処理液を付与する前の布帛に対して2℃以上(より好ましくは両者の差が2〜5℃)であることが好ましい。また、消灯1分後において、両者の差が1℃以上(より好ましくは両者の差が1〜3℃)であることが好ましい。
ただし、蓄熱性の評価は、ボーケン規格BQE A 036に基づき、使用ランプは写真用レフランプPRF500WB/D(パナソニック製)、照射距離は30cm、試験環境は20℃65%RHである。
次に、本発明の繊維製品は前記の布帛を用いてなる、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。かかる繊維製品は前記の布帛を用いているので、難燃性および洗濯耐久性のある防汚性を有する。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)布帛の蓄熱性
蓄熱加工を施した後の布帛と、処理液を付与する前の布帛について蓄熱性を評価した。蓄熱性の評価は、ボーケン規格BQE A 036に基づき、照射10分後および消灯1分後について評価した。使用ランプは写真用レフランプPRF500WB/D(パナソニック製)、照射距離は30cm、試験環境は20℃65%RHである。照射10分後について両者の差が2℃以上を合格とし、消灯1分後について両者の差が1℃以上を合格とする。
(2)布帛の難燃性(垂直燃焼試験)
JIS L1091−1992 A−4法により残炎時間を測定した。
(3)残存溶媒量
原繊維を約8.0g採取し、105℃で120分間乾燥させた後にデシケーター内で放冷し、繊維質量(M1)を秤量した。続いて、この繊維について、メタノール中で1.5時間、ソックスレー抽出器を用いて還流抽出を行い、繊維中に含まれるアミド系溶媒の抽出を行った。抽出を終えた繊維を取り出して、150℃で60分間真空乾燥させた後にデシケーター内で放冷し、繊維質量(M2)を秤量した。繊維中に残存する溶媒量(アミド系溶媒質量)は、得られるM1およびM2を用いて、下記式により算出した。
残存溶媒量(%)=[(M1−M2)/M1]×100
(4)結晶化度
X線回折測定装置(リガク社製 RINT TTRIII)を用い、原繊維を約1mm径の繊維束に引きそろえて繊維試料台に装着して回折プロファイルを測定した。測定条件は、Cu−Kα線源(50kV、300mA)、走査角度範囲10〜35°、連続測定0.1°幅計測、1°/分走査でおこなった。実測した回折プロファイルから空気散乱、非干渉性散乱を直線近似で補正して全散乱プロファイルを得た。次に、全散乱プロファイルから非晶質散乱プロファイルを差し引いて結晶散乱プロファイルを得た。結晶化度は、結晶散乱プロファイルの面積強度(結晶散乱強度)と全散乱プロファイルの面積強度(全散乱強度)から、次式により求めた。
結晶化度(%)=[結晶散乱強度/全散乱強度]×100
(5)布帛目付
JIS L 1096により測定した。
[メタ型全芳香族アラミド繊維の製造]
メタ型全芳香族アラミド繊維は、次の方法で作製した。
特公昭47−10863号公報記載の方法に準じた界面重合法により製造した、固有粘度(I.V.)が1.9のポリメタフェニレンイソフタルアミド粉末20.0質量部を、−10℃に冷却したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)80.0質量部中に懸濁させ、スラリー状にした。引き続き、懸濁液を60℃まで昇温して溶解させ、透明なポリマー溶液を得た。該ポリマー溶液に、ポリマー対比3.0質量%の2−[2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール粉末(水への溶解度:0.01mg/L)を混合溶解させ、減圧脱法して紡糸液(紡糸ドープ)とした。
[紡糸・凝固工程]
上記紡糸ドープを、孔径0.07mm、孔数500の紡糸口金から、浴温度30℃の凝固浴中に吐出して紡糸した。凝固液の組成は、水/NMP=45/55(質量部)であり、凝固浴中に糸速7m/分で吐出して紡糸した。
[可塑延伸浴延伸工程]
引き続き、温度40℃の水/NMP=45/55の組成の可塑延伸浴中にて、3.7倍の延伸倍率で延伸を行った。
[洗浄工程]
延伸後、20℃の水/NMP=70/30の浴(浸漬長1.8m)、続いて20℃の水浴(浸漬長3.6m)で洗浄し、さらに60℃の温水浴(浸漬長5.4m)に通して十分に洗浄を行った。
[乾熱処理工程]
洗浄後の繊維について、表面温度280℃の熱ローラーにて乾熱処理を施し、メタ型全芳香族アラミド繊維を得た。
[原繊維の物性]
得られたメタ型全芳香族アラミド繊維の物性は、繊度1.7dtex、残存溶媒量0.08質量%、結晶化度は19%であった。得られた原繊維を用いて、捲縮加工、カットを行い、長さ51mmのステープルファイバー(原綿)を得た。
その他の繊維原綿は下記の物を用いた。
ポリエステル繊維;帝人ファイバー製ポリエチレンテレフタレート繊維
難燃レーヨン繊維;レンチング社製「LenzingFR(登録商標)」
パラ型全芳香族ポリアミド繊維;テイジンアラミド社製「トワロン(登録商標)」
導電糸(ナイロン):ソルシア社製「NO SHOCK(登録商標)」
(導電性カーボン微粒子を練り込みナイロン導電糸)
[布帛の染色加工方法]
染色の方法は、下記の条件で実施した。
(染色条件)
カチオン染料:日本化薬社製、商品名:Kayacryl Red GL−ED
得られた染色物を下記の還元浴中(pH5.5)で洗浄した。
浴比;1:20
温度×時間;120℃×30分間
還元浴組成および洗浄条件:
還元浴;二酸化チオ尿素 1g/リットル
浴比;1:20
温度×時間;70℃×15分間
次いで、温度110℃で10分間乾燥した後に温度130℃、2分間の乾熱セットを施した。
[蓄熱加工条件]
パラフィンを有する蓄熱剤(三木理研工業社製、商品名「PMED−15」)100g/Lにアクリル・ウレタンバインダーDYF−30を100g/L、架橋剤(オキサゾリン基を有するエポクロスWS−500)を50g/Lの混合液を浸漬、圧搾(ピックアップ率:100%)し乾燥(105℃×3分)、キュア(160℃×1分)処理を行った。
[実施例1]
メタ型全芳香族アラミド繊維(MA)(長さ51mm)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)(長さ51mm)、ポリエステル繊維(長さ51mm)(PE)、難燃レーヨン(Ry)(長さ51mm)の各ステープルファイバーを、MA/PA/PE/RY=65/5/15/15の比率で混紡した紡績糸36番手/双糸とし、織密度 経100本/25.4mm、緯56本/25.4mmで製織し、目付230g/mのツイル織物を得た。これを用いて、上記の方法で染色し、蓄熱加工を施した後、JIS L0217−1998、103法により10回の洗濯を行った。結果を表1に示す。
[実施例2、3]
紡績糸を、メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)、ナイロン導電糸(AS)を表1の混率で混紡した紡績糸に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
紡績糸を、メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)、ポリエステル繊維(PE)を表1の混率で混紡した紡績糸に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
[実施例5]
紡績糸を、メタ型全芳香族ポリアミド繊維(MA)、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(PA)、難燃レーヨン繊維(RY)を表1の混率で混紡した紡績糸に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
[実施例6〜10]
布帛を洗濯50回した以外は、実施例1〜5と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
[実施例11〜15]
使用架橋剤の量を50g/Lから30g/Lに低減した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
[実施例16、17]
架橋剤をグリオキザール系のフィクサー(林化学製)に変更し、素材を表1の混率で混紡した紡績糸に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
Figure 2017133115
本発明によれば、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、難燃性および蓄熱性を有する蓄熱性難燃布帛およびその製造方法および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (18)

  1. メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛であって、蓄熱剤が付着してなることを特徴とする蓄熱性難燃布帛。
  2. 前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維が、有機染料または有機顔料または無機顔料を含む、請求項1に記載の蓄熱性難燃布帛。
  3. 布帛がさらにポリエステル繊維を含む、請求項1または請求項2に記載の蓄熱性難燃布帛。
  4. 布帛がさらに、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、およびポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の蓄熱性難燃布帛。
  5. 布帛がさらに、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維およびポリカーボネート繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の蓄熱性難燃布帛。
  6. 布帛を構成するいずれかの繊維が難燃剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の蓄熱性難燃布帛。
  7. 前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度が15〜25%の範囲内である、請求項1〜6のいずれかに記載の蓄熱性難燃布帛。
  8. 前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量が0.1質量%以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の蓄熱性難燃布帛。
  9. 前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維を形成するメタ型全芳香族ポリアミドが、下記の式(1)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1〜10mol%となるように共重合させた芳香族ポリアミドである、請求項1〜8のいずれかに記載の蓄熱性難燃布帛。
    −(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
    ここで、Ar1はメタ配位又は平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
  10. 第3成分となる芳香族ジアミンが式(2)、(3)、または芳香族ジカルボン酸ハライドが、式(4)、(5)である、請求項9に記載の蓄熱性難燃布帛。
    N−Ar2−NH ・・・式(2)
    N−Ar2−Y−Ar2−NH ・・・式(3)
    XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
    XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
    ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳
    香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
  11. 布帛が紫外線吸収剤および/または反射剤を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の蓄熱性難燃布帛。
  12. JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において残炎が2.0秒以下である、請求項1〜11のいずれかに記載の蓄熱性難燃布帛。
  13. オキサゾリン基を有する架橋剤を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の蓄熱性難燃布帛。
  14. 請求項1に記載の蓄熱性難燃布帛の製造方法であって、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛に、オキサゾリン基を有する架橋剤と蓄熱剤とバインダーとを含む処理液を付与することを特徴とする蓄熱性難燃布帛の製造方法。
  15. 蓄熱剤がパラフィンを含有する、請求項14に記載の蓄熱性難燃布帛の製造方法。
  16. 前記バインダーがアクリル系樹脂および/またはウレタン系樹脂を含む、請求項14または請求項15に記載の蓄熱性難燃布帛の製造方法。
  17. JIS L0217−1998、103法により10回の洗濯を行った後の布帛の蓄熱性が照射10分後において、前記処理液を付与する前の布帛に対して2℃以上である、請求項14〜16のいずれかに記載の蓄熱性難燃布帛の製造方法。
    ただし、蓄熱性の評価は、ボーケン規格BQE A 036に基づき、使用ランプは写真用レフランプPRF500WB/D(パナソニック製)、照射距離は30cm、試験環境は20℃65%RHである。
  18. 請求項1〜13のいずれかに記載された蓄熱性難燃布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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