JP2017197852A - 難燃性布帛および繊維製品 - Google Patents

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博樹 島田
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Abstract

【課題】メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有する難燃性布帛および繊維製品を提供する。【解決手段】残存溶媒量が0.1質量%以下であるメタ型全芳香族ポリアミド繊維を用いて布帛を構成し必要に応じて難燃剤を付与して、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において炭化長が50mm以下である布帛を得る。【選択図】なし

Description

本発明は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有する難燃性布帛および繊維製品に関する。
従来、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛は難燃性に優れるため、作業服や消防服などの防護衣として用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
一方、さらに優れた難燃性や洗濯耐久性が要望されている。
特開2014−221955号公報 特開2015−94043号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有する難燃性布帛および繊維製品を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、特定のメタ型全芳香族ポリアミド繊維を用いて布帛を構成することにより極めて優れた難燃性を有する難燃性布帛が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「残存溶媒量が0.1質量%以下であるメタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛であって、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において炭化長が50mm以下であることを特徴とする難燃性布帛。」が提供される。
その際、JIS L0217−1995 103法により10回の洗濯を行った後において、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において炭化長が50mm以下であることが好ましい。また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維が難燃剤を含むことが好ましい。また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維がさらに、有機染料または有機顔料または無機顔料を含むことが好ましい。また、布帛がさらにポリエステル繊維を含むことが好ましい。また、布帛がさらに、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、およびポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含むことが好ましい。また、布帛がさらに、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維およびポリカーボネート繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含むことが好ましい。また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度が15〜25%の範囲内であることが好ましい。また、前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維を形成するメタ型全芳香族ポリアミドが、下記の式(1)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1〜10mol%となるように共重合させた芳香族ポリアミドであることが好ましい。
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位又は平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
その際、第3成分となる芳香族ジアミンが式(2)、(3)、または芳香族ジカルボン酸ハライドが、式(4)、(5)であることが好ましい。
H2N−Ar2−NH2 ・・・式(2)
H2N−Ar2−Y−Ar2−NH2 ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳
香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
本発明の難燃性布帛において、布帛が紫外線吸収剤および/または反射剤を含むことが好ましい。また、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において残炎が2.0秒以下であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の難燃性布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有する難燃性布帛および繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明で用いるメタ型全芳香族ポリアミド繊維とは、その繰返し単位の85モル%以上がm−フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。かかるメタ型全芳香族ポリアミドは、15モル%未満の範囲内で第3成分を含んだ共重合体であっても差しつかえない。
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、従来から公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの濃度のN−メチル−2−ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3〜1.9dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
上記メタ型全芳香族ポリアミドにはアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていてもよい。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩等の化合物が好ましく例示される。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、又はドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しやすく、熱的安定性も良好なうえ、N−メチル−2−ピロリドンに対する溶解度も高いため特に好ましく例示される。
上記アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るために、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドに対して2.5モル%以上、好ましくは3.0〜7.0モル%の範囲にあるものが好ましい。
また、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法としては、溶媒中にポリ−m−フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用いられそのいずれを用いてもよい。このようにして得られたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成される。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維に用いるポリマーは、染着性や耐変褪色性を向上させる等目的で、下記の式(2)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1〜10mol%となるように共重合させることも可能である。
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位又は平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
また、第3成分として共重合させることも可能であり、式(2)、(3)に示した芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、p−フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、アセチルフェニレンジアミン、アミノアニシジン、ベンジジン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノアゾベンゼン等が挙げられる。式(4)、(5)に示すような芳香族ジカルボン酸ジクロライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライド、5−クロルイソフタル酸クロライド、5−メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテルなどが挙げられる。
N−Ar2−NH ・・・式(2)
N−Ar2−Y−Ar2−NH ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度は、染料の吸尽性がよく、より少ない染料でまたは染色条件が弱くても狙いの色に調整し易いという点で、5〜35%であることが好ましい。さらには、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点および実用上必要な寸法安定性も確保できる点で15〜25%であることがより好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた難燃性能を損なわない点で、0.1重量%以下(好ましくは0.001〜0.1重量%)であることが肝要である。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維は以下の方法により製造することができ、特に後述する方法により、結晶化度や残存溶媒量を上記範囲とすることができる。
メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの重合方法としては、特に限定する必要はなく、例えば特公昭35−14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47−10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
紡糸溶液としては、とくに限定する必要はないが、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒溶液を用いても良いし、上記重合溶液から該ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものを用いても良い。
ここで用いられるアミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができるが、とくにN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
上記の通り得られた共重合芳香族ポリアミドポリマー溶液は、さらにアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含むことにより安定化され、より高濃度、低温での使用が可能となり好ましい。好ましくはアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩がポリマー溶液の全重量に対して1重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である。
紡糸・凝固工程においては、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
紡糸装置としては特に限定されるものではなく、従来公知の湿式紡糸装置を使用することができる。また、安定して湿式紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状等は特に制限する必要はなく、例えば、孔数が1000〜30000個、紡糸孔径が0.05〜0.2mmのスフ用の多ホール紡糸口金等を用いてもよい。
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)の温度は、20〜90℃の範囲が適当である。
繊維を得るために用いる凝固浴としては、実質的に無機塩を含まない、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液を、浴液の温度10〜50℃の範囲で用いる。アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45質量%未満ではスキンが厚い構造となってしまい、洗浄工程における洗浄効率が低下し、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。一方、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が60質量%を超える場合には、繊維内部に至るまで均一な凝固を行うことができず、このためやはり、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。なお、凝固浴中への繊維の浸漬時間は、0.1〜30秒の範囲が適当である。
引続き、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液であり、浴液の温度を10〜50℃の範囲とした可塑延伸浴中にて、3〜4倍の延伸倍率で延伸を行う。延伸後、10〜30℃のNMPの濃度が20〜40質量%の水溶液、続いて50〜70℃の温水浴を通して十分に洗浄を行う。
洗浄後の繊維は、温度270〜290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ型全芳香族アラミド繊維を得ることができる。
前記メタ型全芳香族アラミド繊維において、繊維は、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。特に、他の繊維と混紡する上で繊維長25〜200mmの短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1〜5dtexの範囲が好ましい。
本発明において、布帛は前記メタ型全芳香族アラミド繊維だけで構成されていてもよいが、さらにポリエステル繊維が含まれていることが好ましい。布帛にポリエステル繊維が含まれていると、後記のようなオキサゾリン基を有する架橋剤や、アクリル系樹脂および/またはウレタン系樹脂からなるバインダーのSP値(溶解パラメータ)がポリエステル繊維に近くポリエステル繊維に固着しやすいので、抗菌性の洗濯耐久性を向上させることができ好ましい。その際、布帛に含まれるポリエステル繊維の重量としては布帛重量対比2〜20重量%の範囲内であることが好ましい。ポリエステル繊維の重量が該範囲よりも大きいと難燃性が低下するおそれがある。逆にポリエステル繊維の重量が該範囲よりも小さいと抗菌性の洗濯耐久性が低下するおそれがある。
また、布帛にさらに、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、ポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維などの難燃繊維が含まれていることが好ましい。
その際、かかる難燃性繊維において限界酸素指数(LOI)が20以上であることが好ましい。
また、布帛にさらに、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維、ポリカーボネート繊維などが含まれていると、吸水性、染色性、着用快適性などが付加され好ましい。
ここで、これらの繊維は混紡されていることが好ましい。その際、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた耐熱性と難燃性を発揮させるために、まずメタ型全芳香族ポリアミド繊維が50質量%以上であることが好ましい。より具体的な例としては、メタ型全芳香族ポリアミド繊維が50〜98質量%、ポリエステル繊維が2〜20質量%、セルロース系質量繊維が0〜50%の混率として抗菌性の洗濯耐久性を向上させるとともに染色性と快適性を併せ持つようにすることもできる。また、布帛を構成する繊維に、難燃剤、紫外線吸収剤、反射剤などを含ませてもよい。
本発明において、布帛の製造方法は特に限定するものではなく、公知のいかなる方法でも用いる可能である。例えば、上記繊維の紡績糸を混綿して紡績糸を得た後、単糸または双糸にてレピア織機などを用いて、綾織、平織などの組織に製織することが好ましい。
本発明において、JIS L1091A−4法で規定する布帛の炭化長が50mm以下(好ましくは20〜50mm)であることが肝要である。また、JIS L0217−1998、103法により10回(より好ましくは20回、特に好ましくは50回)の洗濯を行った後において、JIS L1091A−4法で規定する布帛の炭化長が50mm以下(好ましくは20〜50mm)であることが好ましい。
このような難燃性を有する布帛は例えば、以下の製造方法により製造することができる。すなわち、前記のようなメタ型全芳香族ポリアミド繊維を用いて布帛を構成する際、難燃剤を繊維を形成するポリマー中または繊維表面に含ませるとよい。ここで、難燃剤としては、無機系の金属および担体、金属含有担体の表面を被覆したものなどが例示される。
ここで、難燃性としては、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において残炎が2.0秒以下、残ジンが2.0秒以下であることが好ましい。
次に、本発明の繊維製品は前記の布帛を用いてなる、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。かかる繊維製品は前記の布帛を用いているので、難燃性および洗濯耐久性のある抗菌性を有する。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)布帛の難燃性(垂直燃焼試験)
JIS L1091−1992 A−4法により残炎時間、残ジン時間、炭化長を測定した。
(2)残存溶媒量
原繊維を約8.0g採取し、105℃で120分間乾燥させた後にデシケーター内で放冷し、繊維質量(M1)を秤量した。続いて、この繊維について、メタノール中で1.5時間、ソックスレー抽出器を用いて還流抽出を行い、繊維中に含まれるアミド系溶媒の抽出を行った。抽出を終えた繊維を取り出して、150℃で60分間真空乾燥させた後にデシケーター内で放冷し、繊維質量(M2)を秤量した。繊維中に残存する溶媒量(アミド系溶媒質量)は、得られるM1およびM2を用いて、下記式により算出した。
残存溶媒量(%)=[(M1−M2)/M1]×100
(3)結晶化度
X線回折測定装置(リガク社製 RINT TTRIII)を用い、原繊維を約1mm径の繊維束に引きそろえて繊維試料台に装着して回折プロファイルを測定した。測定条件は、Cu−Kα線源(50kV、300mA)、走査角度範囲10〜35°、連続測定0.1°幅計測、1°/分走査でおこなった。実測した回折プロファイルから空気散乱、非干渉性散乱を直線近似で補正して全散乱プロファイルを得た。次に、全散乱プロファイルから非晶質散乱プロファイルを差し引いて結晶散乱プロファイルを得た。結晶化度は、結晶散乱プロファイルの面積強度(結晶散乱強度)と全散乱プロファイルの面積強度(全散乱強度)から、次式により求めた。
結晶化度(%)=[結晶散乱強度/全散乱強度]×100
(4)布帛目付
JIS L 1096により測定した。
(5)洗濯
JIS L0217−1995、103法により行った。
[メタ型全芳香族アラミド繊維の製造]
メタ型全芳香族アラミド繊維は、次の方法で作製した。
特公昭47−10863号公報記載の方法に準じた界面重合法により製造した、固有粘度(I.V.)が1.9のポリメタフェニレンイソフタルアミド粉末20.0質量部を、−10℃に冷却したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)80.0質量部中に懸濁させ、スラリー状にした。引き続き、懸濁液を60℃まで昇温して溶解させ、透明なポリマー溶液を得た。該ポリマー溶液に、ポリマー対比3.0質量%の2−[2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール粉末(水への溶解度:0.01mg/L)を混合溶解させ、減圧脱法して紡糸液(紡糸ドープ)とした。
[紡糸・凝固工程]
上記紡糸ドープを、孔径0.07mm、孔数500の紡糸口金から、浴温度30℃の凝固浴中に吐出して紡糸した。凝固液の組成は、水/NMP=45/55(質量部)であり、凝固浴中に糸速7m/分で吐出して紡糸した。
[可塑延伸浴延伸工程]
引き続き、温度40℃の水/NMP=45/55の組成の可塑延伸浴中にて、3.7倍の延伸倍率で延伸を行った。
[洗浄工程]
延伸後、20℃の水/NMP=70/30の浴(浸漬長1.8m)、続いて20℃の水浴(浸漬長3.6m)で洗浄し、さらに60℃の温水浴(浸漬長5.4m)に通して十分に洗浄を行った。
[乾熱処理工程]
洗浄後の繊維について、表面温度280℃の熱ローラーにて乾熱処理を施し、メタ型全芳香族アラミド繊維を得た。
[原繊維の物性]
得られたメタ型全芳香族アラミド繊維(メタアラミド)の物性は、繊度1.7dtex、残存溶媒量0.08質量%、結晶化度は19%であった。得られた原繊維を用いて、捲縮加工、カットを行い、長さ51mmのステープルファイバー(原綿)を得た。
その他の繊維原綿は下記の物を用いた。
パラ型全芳香族ポリアミド繊維(パラアラミド);テイジンアラミド社製「トワロン(登録商標)」
導電糸(ナイロン):ソルシア社製「NO SHOCK(登録商標)」
(導電性カーボン微粒子を練り込みナイロン導電糸)
[実施例1]
40番手のメタアラミド(MA)93%パラアラミド(PA)5%導電糸(AS)2%が混綿された紡績糸(難燃剤含有しない帝人製)を製織して、目付け150g/mの平織物を得て、これから織物10kgをサンプルとして準備した。さらに該織物100重量部(10kg)に対し、トータル1kgの難燃剤(リン系)を、40℃温湯に溶解し総量200リットルの染色浴を調整した。この後加工浴に上記の織物10kgを液流染色機に投入し、130℃で60分間処理した。以上の後加工は、織物を、それぞれ上記後加工浴に投入し、液流染色機(日阪製作所(株)製高温サーキュラー)にセットし、攪拌しながら上記温度条件にて行った。結果を表1に示す。
[実施例2]
布帛100重量部に対して難燃剤を1kgから2kgに変更した以外は実施例1と同様にした。
[実施例3]
布帛100重量部に対して難燃剤を1kgから0.5kgに変更した以外は実施例1と同様にした。
[実施例4〜6]
布帛を洗濯50回した以外は、実施例1〜3と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において残存溶媒を0.1質量%超に変更したこと以外は実施例1と同様とした。
[比較例2]
実施例1において難燃剤の含有量をゼロに変更したこと以外は実施例1と同様とした。
Figure 2017197852
本発明によれば、メタ型全芳香族ポリアミド繊維を含み、極めて優れた難燃性を有する難燃性布帛および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (13)

  1. 残存溶媒量が0.1質量%以下であるメタ型全芳香族ポリアミド繊維を含む布帛であって、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において炭化長が50mm以下であることを特徴とする難燃性布帛。
  2. JIS L0217−1995 103法により10回の洗濯を行った後において、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において炭化長が50mm以下である、請求項1に記載の難燃性布帛。
  3. 前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維が難燃剤を含む、請求項1または請求項2に記載の難燃性布帛。
  4. 前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維がさらに、有機染料または有機顔料または無機顔料を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性布帛。
  5. 布帛がさらにポリエステル繊維を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性布帛。
  6. 布帛がさらに、パラ型全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、およびポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性布帛。
  7. 布帛がさらに、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維およびポリカーボネート繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性布帛。
  8. 前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度が15〜25%の範囲内である、請求項1〜7のいずれかに記載の難燃性布帛。
  9. 前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維を形成するメタ型全芳香族ポリアミドが、下記の式(1)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1〜10mol%となるように共重合させた芳香族ポリアミドである、請求項1〜8のいずれかに記載の難燃性布帛。
    −(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
    ここで、Ar1はメタ配位又は平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
  10. 第3成分となる芳香族ジアミンが式(2)、(3)、または芳香族ジカルボン酸ハライドが、式(4)、(5)である、請求項9に記載の難燃性布帛。
    N−Ar2−NH ・・・式(2)
    N−Ar2−Y−Ar2−NH ・・・式(3)
    XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
    XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
    ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳
    香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
  11. 布帛が紫外線吸収剤および/または反射剤を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の難燃性布帛。
  12. JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において残炎が2.0秒以下である、請求項1〜11のいずれかに記載の難燃性布帛。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載された難燃性布帛を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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