JP2018096007A - 三層構造織編物および繊維製品 - Google Patents

三層構造織編物および繊維製品 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性および遮熱性に優れる三層構造織編物および繊維製品を提供する。【解決手段】表裏の地組織部1、3と、表裏の地組織部を連結する連結部2とで構成される三層構造織編物であって、全芳香族ポリアミド繊維を含み、好ましくは、連結部2に、見掛けヤング率5000kg/mm2以上の長繊維が配されてなり、前記長繊維がパラ型全芳香族ポリアミド繊維であり、表裏の地組織部にメタ型全芳香族ポリアミド繊維が配されてなる三層構造織編物。全芳香族ポリアミド繊維が織編物重量対比で40重量%以上含有する三層構造織編物。【選択図】図1

Description

本発明は、難燃性および遮熱性に優れる三層構造織編物および繊維製品に関する。
従来、十分なデッドエアを形成する遮熱層を有する耐熱性防護服が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
しかしながら、熱収縮率が異なる2種以上の全芳香族ポリアミド繊維を用いたものでは、厚み保持率が低く、遮熱性が低下しやすいという問題があった。また、生地の幅方向の収縮により厚みを発現しているため、十分な厚みが得られず、遮熱性が十分ではないという問題があった。
特開2002−339122号公報 特開2005−213709号公報 特開2009−280942号公報 特開2011−106070号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、難燃性および遮熱性に優れる三層構造織編物および繊維製品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、表裏の地組織部と、表裏の地組織部を連結する連結部とで構成される三層構造織編物において、全芳香族ポリアミド繊維を巧みに配することにより難燃性および遮熱性に優れる三層構造織編物が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「表裏の地組織部と、表裏の地組織部を連結する連結部とで構成される三層構造織編物であって、全芳香族ポリアミド繊維を含むことを特徴とする三層構造織編物。」が提供される。
その際、前記連結部に、見掛けヤング率5000kg/mm以上の長繊維が配されてなることが好ましい。その際、かかる長繊維がパラ型全芳香族ポリアミド繊維であることが好ましい。また、表裏の地組織部にメタ型全芳香族ポリアミド繊維が配され、かつ連結部にパラ型全芳香族ポリアミド繊維が配されてなることが好ましい。また、三層構造織編物に全芳香族ポリアミド繊維が織編物重量対比40重量%以上含まれることが好ましい。また、織編物がさらに、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、およびポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含むことが好ましい。また、織編物がさらに、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維およびポリカーボネート繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含むことが好ましい。また、織編物の厚さが3〜10mmの範囲内であることが好ましい。また、織編物の厚み保持率が40%以上であることが好ましい。また、JIS L1091−1992 A−4法により測定した残炎時間が2秒以下であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の三層構造織編物を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品が提供される。
本発明によれば、難燃性および遮熱性に優れる三層構造織編物および繊維製品が得られる。
本発明の三層構造織編物を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明において、全芳香族ポリアミド繊維にはメタ型全芳香族ポリアミド繊維およびパラ型全芳香族ポリアミド繊維が含まれる。
ここで、パラ型全芳香族ポリアミド繊維としては、高い繊維強度を有するポリパラフェニレンテレフタルアミド、あるいは、これに第3成分を共重合した繊維などが好ましい。ポリパラフェニレンテレフタルアミド共重合体の一例としては、コポリパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミドを挙げることができる。市販品では、帝人株式会社製「トワロン」(商標名)、東レ・デュポン株式会社製「ケブラー」(商標名)、帝人株式会社製「テクノーラ」(商標名)などが例示される。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とは、その繰返し単位の85モル%以上がm−フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。かかるメタ型全芳香族ポリアミドは、15モル%未満の範囲内で第3成分を含んだ共重合体であってもさしつかえない。
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、従来から公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの濃度のN−メチル−2−ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3〜1.9dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
上記メタ型全芳香族ポリアミドにはアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていてもよい。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩等の化合物が好ましく例示される。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、又はドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しやすく、熱的安定性も良好なうえ、N−メチル−2−ピロリドンに対する溶解度も高いため特に好ましく例示される。
上記アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るために、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドに対して2.5モル%以上、好ましくは3.0〜7.0モル%の範囲にあるものが好ましい。
また、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法としては、溶媒中にポリ−m−フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用いられそのいずれを用いてもよい。このようにして得られたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成される。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維に用いるポリマーは、染着性や耐変褪色性を向上させる等目的で、下記の式(1)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1〜10mol%となるように共重合させることも可能である。
−(NH−Ar1−NH−CO−Ar1−CO)− ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位または平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
また、第3成分として共重合させることも可能であり、式(2)、(3)に示した芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、p−フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、アセチルフェニレンジアミン、アミノアニシジン、ベンジジン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノアゾベンゼン等が挙げられる。式(4)、(5)に示すような芳香族ジカルボン酸ジクロライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸クロライド、1,4−ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライド、5−クロルイソフタル酸クロライド、5−メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテルなどが挙げられる。
N−Ar2−NH ・・・式(2)
N−Ar2−Y−Ar2−NH ・・・式(3)
XOC−Ar3−COX ・・・式(4)
XOC−Ar3−Y−Ar3−COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子又は官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度は、染料の吸尽性がよく、より少ない染料でまたは染色条件が弱くても狙いの色に調整し易いという点で、5〜35%であることが好ましい。さらには、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点および実用上必要な寸法安定性も確保できる点で15〜25%であることがより好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維が難燃剤を含んでいてもよい。用いる難燃剤としては特開平10−251981号公報に記載されたものや、無機系の金属および担体、金属含有担体の表面を被覆したものなどが例示されるが、優れた難燃性を得る上でリン系難燃剤が好ましい。含有量としては繊維重量対比1〜15重量%が好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維が、有機染料または有機顔料または無機顔料を含んでいてもよい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた難燃性能を損なわない点で、0.1重量%以下(好ましくは0.001〜0.1重量%)であることが好ましい。
前記メタ型全芳香族ポリアミド繊維は以下の方法により製造することができ、特に後述する方法により、結晶化度や残存溶媒量を上記範囲とすることができる。
メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの重合方法としては、特に限定する必要はなく、例えば特公昭35−14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47−10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
紡糸溶液としては、とくに限定する必要はないが、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒溶液を用いても良いし、上記重合溶液から該ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものを用いても良い。
ここで用いられるアミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができるが、とくにN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
上記の通り得られた共重合芳香族ポリアミドポリマー溶液は、さらにアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含むことにより安定化され、より高濃度、低温での使用が可能となり好ましい。好ましくはアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩がポリマー溶液の全重量に対して1重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である。その際、前記のような難燃剤を含ませてもよい。
紡糸・凝固工程においては、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
紡糸装置としては特に限定されるものではなく、従来公知の湿式紡糸装置を使用することができる。また、安定して湿式紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状等は特に制限する必要はなく、例えば、孔数が1000〜30000個、紡糸孔径が0.05〜0.2mmのスフ用の多ホール紡糸口金等を用いてもよい。
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)の温度は、20〜90℃の範囲が適当である。
繊維を得るために用いる凝固浴としては、実質的に無機塩を含まない、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液を、浴液の温度10〜50℃の範囲で用いる。アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45質量%未満ではスキンが厚い構造となってしまい、洗浄工程における洗浄効率が低下し、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。一方、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が60質量%を超える場合には、繊維内部に至るまで均一な凝固を行うことができず、このためやはり、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。なお、凝固浴中への繊維の浸漬時間は、0.1〜30秒の範囲が適当である。
引続き、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45〜60質量%の水溶液であり、浴液の温度を10〜50℃の範囲とした可塑延伸浴中にて、3〜4倍の延伸倍率で延伸を行う。延伸後、10〜30℃のNMPの濃度が20〜40質量%の水溶液、続いて50〜70℃の温水浴を通して十分に洗浄を行う。
洗浄後の繊維は、温度270〜290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ型全芳香族アラミド繊維を得ることができる。
前記メタ型全芳香族アラミド繊維において、繊維は、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。特に、他の繊維と混紡する上で繊維長25〜200mmの短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1〜5dtexの範囲が好ましい。
本発明の三層構造織編物は、表裏の地組織部と、表裏の地組織部を連結する連結部とで構成される三層構造織編物であり、全芳香族ポリアミド繊維を含む。
ここで、優れた難燃性を得る上で、三層構造織編物に全芳香族ポリアミド繊維が三層構造織編物重量対比40重量%以上(より好ましくは70〜100重量%)含まれることが好ましい。
全芳香族ポリアミド繊維以外の繊維としては、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、およびポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維などの難燃繊維が好ましい。かかる難燃性繊維において、限界酸素指数LOI値が20以上であることが好ましい。
また、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維およびポリカーボネート繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上がさらに含まれていてもよい。
本発明の三層構造織編物において、前記連結部に、見掛けヤング率5000kg/mm以上(より好ましくは5000〜15000kg/mm)の長繊維が配されていると、三層構造織編物の厚み保持率が大きくなり(すなわち、つぶれにくい。)、好ましい。
その際、該長繊維としては、パラ型全芳香族ポリアミド繊維からなる長繊維が好ましい。特に、厚み保持率を大きくすることにより遮熱性を向上させ、同時に難燃性を向上させる上で、表裏の地組織部にメタ型全芳香族ポリアミド繊維が配され、かつ連結部にパラ型全芳香族ポリアミド繊維が配されていることが好ましい。
本発明の三層構造織編物は、地組織部用糸条と連結部用糸条を用いて、公知の方法により製造することができる。その際、編織組織に制限はなく、編物、織物いずれでもよい。編物であれば、経編、丸編、横編などが例示される。特に機械上で厚みを任意に設定できるダブルラッシェルが好ましい。例えば、ダンボールニットと称される、特開2002−235264号公報の図2に記載された表面層と裏面層とを結接糸(連結部用糸条)でタックしてなる三層構造編物や特開2004−183128号公報の図1に記載されたようなダンボール状立体織物などが好ましい。
かかる三層構造織編物には、精錬、リラックス、染色処理、セットなどの熱処理を施すことが好ましく、吸水加工、撥水加工、起毛加工、難燃加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
かくして得られた三層構造織編物において、織編物の厚さが3〜10mmの範囲内であることが好ましい。かかる厚さが3mmよりも小さいと、遮熱性が低下するおそれがある。逆に、該厚さが10mmよりも大きいと、三層構造織編物を用いて衣料などを得た場合、着用快適性が損なわれるおそれがある。
また、目付けとしては、軽量性と遮熱性とを両立させる上で50〜500g/m(より好ましくは100〜300g/m)の範囲内であることが好ましい。
また、厚み保持率が40%以上(より好ましくは40〜99%)であることが好ましい。該厚み保持率が40%では、織編物がつぶれやすく(十分なデッドエアを形成できず)遮熱性が低下するおそれがある。
本発明の三層構造織編物は前記の構成を有するので難燃性および遮熱性に優れる。その際、その際、JIS L1091−1992 A−4法に規定される燃焼性測定において残炎時間が2.0秒以下であることが好ましい。また、炭化長が100mm以下(より好ましくは10〜80mm)であることが好ましい。
次に、本発明の繊維製品は前記の三層構造織編物を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。
かかる繊維製品は前記の三層構造織編物を用いているので、難燃性および遮熱性に優れる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の各物性は下記の方法により測定したものである。
(1)厚さ
JIS L 1018に準拠し、普通編物用の条件である0.7kPaの荷重をかけ測定を行なった。
(2)厚み保持率
JIS L 1018に準拠し、普通編物用の荷重条件0.7kPa及び織物用の荷重条件23.5kPaにて測定を行ない、下記式にて厚み保持率を算出した。
厚み保持率(%)=織物用条件による厚さ/普通編物用条件による厚さ×100
(3)布帛の難燃性(垂直燃焼試験)
JIS L1091−1992 A−4法により残炎時間、炭化長を測定した。
(4)見掛けヤング率
JIS L1013−2110 8.10で測定し、下記式により算出した。
見かけヤング率(kg/mm)=繊維密度×初期引張抵抗度×1000
(5)限界酸素指数LOI値
JIS L1091−1999 E法で限界酸素指数LOI値を測定した。
[実施例1]
6枚筬を装備し、釜間5mmの22ゲージのダブルラッシェル機を使用して表面層および裏面層を構成する筬(L1、L2、L5、L6)に単繊維繊度1.9dtex、カット長(繊維長)51mm、LOI値が33であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人株式会社製「コーネックス」(商標名))からなる短繊維からなる撚数20.87T/2.54cm(撚係数=3.3)、英式綿番手で60番単糸を配置し、表裏層を連結する連結糸を構成するL4筬に見かけヤング率7500kg/mmを示すLOI値が25であるコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人株式会社製「テクノーラ」(商標名))からなる210dtex/65フィラメントの長繊維を配置し、編機上の密度を26コース/2.54cmにて製編し、全芳香族ポリアミド繊維の混率が100%の生機を得た。該生機を常法の加工条件で毛焼、精錬を実施した後、190℃でヒートセットを実施し、厚さ4.6mm、厚み保持率48%、目付けが238g/mの、図1に示すような立体編物(三層構造織編物)を得た。得られた立体編物は、JIS L1091 A−4法に規定する残炎時間が0.0秒であり、良好な厚み有し、耐熱性にも大変優れるものであった。
[実施例2]
実施例1において、L4筬を見かけヤング率1300kg/mmを示すポリエステルモノフィラメント220dtexに置き換えた以外は同様に製編、加工を実施した。得られた立体編物(三層構造織編物)は、全芳香族ポリアミド繊維の混率が65.6%、厚さが4.4mm、厚み圧縮率51%、重量が252g/m、JIS L1091 A−4法に規定する残炎時間は全焼となり、良好な厚みは有するが、耐熱性に劣るものであった。
[実施例3]
実施例1において、L4筬に見かけヤング率700kg/mm、単繊維繊度2.2dtex、カット長(繊維長)51mm、LOI値が33であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人株式会社製「コーネックス」(商標名))からなる短繊維からなる撚数15.34T/2.54cm、を英式綿番手で20番単糸に置き換えた以外は同様に製編、加工を実施した。得られた立体編物(三層構造織編物)は、全芳香族ポリアミド繊維の混率が100%、厚さが2.4mm、厚み保持率49%、重量が244g/m、JIS L1091 A−4法に規定する残炎時間は0.0秒となり、耐熱性は優れるものであったが、厚みが不足するものであった。
[比較例1]
単繊維繊度2.2dtex、カット長(繊維長)51mm、LOI値が33であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維(帝人株式会社製「コーネックス」(商標名))からなる短繊維からなる撚数15.34T/2.54cm、を英式綿番手で40番単糸をワッフル組織として製織、加工を実施した。得られた織物は全芳香族ポリアミド繊維の混率が100%、厚さが1.4mm、厚み保持率34%、目付けが150g/m、JIS L1091 A−4法に規定する残炎時間は0.2秒となり、耐熱性は優れるものであったが、厚み及び厚み保持率が不足するものであった。
本発明によれば、難燃性および遮熱性に優れる三層構造織編物および繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。
1:地組織部
2:連結部
3:地組織部

Claims (11)

  1. 表裏の地組織部と、表裏の地組織部を連結する連結部とで構成される三層構造織編物であって、全芳香族ポリアミド繊維を含むことを特徴とする三層構造織編物。
  2. 前記連結部に、見掛けヤング率5000kg/mm以上の長繊維が配されてなる、請求項1に記載の三層構造織編物。
  3. 前記長繊維がパラ型全芳香族ポリアミド繊維である、請求項2に記載の三層構造織編物。
  4. 表裏の地組織部にメタ型全芳香族ポリアミド繊維が配され、かつ連結部にパラ型全芳香族ポリアミド繊維が配されてなる、請求項1〜3のいずれかに記載の三層構造織編物。
  5. 三層構造織編物に全芳香族ポリアミド繊維が織編物重量対比40重量%以上含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の三層構造織編物。
  6. 織編物がさらに、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリベンズイミダゾール(PBI)繊維、ポリベンズチアゾール(PBTZ)繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリスルホンアミド(PSA)繊維、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)繊維、ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリアリレート(PAr)繊維、メラミン繊維、フェノール繊維、フッ素系繊維、およびポリフェニレンスルフィド(PPS)繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の三層構造織編物。
  7. 織編物がさらに、セルロース繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、コットン繊維、獣毛繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、アセテート繊維およびポリカーボネート繊維からなる群より選択されるいずれか1種以上を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の三層構造織編物。
  8. 織編物の厚さが3〜10mmの範囲内である、請求項1〜7のいずれかに記載の三層構造織編物。
  9. 織編物の厚み保持率が40%以上である、請求項1〜8のいずれかに記載の三層構造織編物。
  10. JIS L1091−1992 A−4法により測定した残炎時間が2秒以下である、請求項1〜9のいずれかに記載の三層構造織編物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載された三層構造織編物を用いてなり、防護服、消防防火服、消防活動服、救助服、ワークウェア、警察制服、自衛隊衣服、および軍服からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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