JP2023044052A - 織編物および熱防護衣料 - Google Patents

織編物および熱防護衣料 Download PDF

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Abstract

【課題】難燃性、遮熱性および快適性に優れる織編物および熱防護衣料を提供する。【解決手段】メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミドが混紡された紡績糸を含む織編物であり、目付けが100~200g/m2、かつ7g/cm2荷重下での厚さが0.6~1.1mmである。【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性、遮熱性、および快適性に優れる織編物および熱防護衣料に関する。
編物は伸縮性に優れるためスポーツウエアまたワークウエアとして使用される。熱防護用途においても、難燃繊維を使用し、優れた遮熱性を有する編物が提案されている(例えば特許文献1~4参照)。
しかしながら、これらの技術は優れた遮熱性を持つ反面、保温性が高く、着用時に容易に熱が逃げず快適性に劣るばかりか、熱中症に陥る危険性があった。特に、近年消防士が防火服の下に着用する執務服いわゆるStation Wearにおいて国際規格ISO21942が制定されたが、その要求項目に体からの放熱を評価する熱抵抗、水蒸気透過抵抗が含まれ、この要求項目を満たすためには上記先行技術では十分とは言えなかった。
特開2010-242239号公報 特開2019-090120号公報 特開2019-127657号公報 特開2020-193422号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、難燃性、遮熱性、および快適性に優れる織編物および熱防護衣料を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミドが混紡された紡績糸を含む織編物であり、目付けが100~200g/m、かつ7g/cm荷重下での厚さが0.6~1.1mmであることを特徴とする織編物。」が提供される。
その際、下記(1)~(8)の要件を全て満たすことが好ましい。
(1)ISO 15025 Procedure Aに規定される耐炎性試験において、以下を全て満たす。
a)着炎なし
b)着炎落下物または溶融落下物なし
c)5mmを超える穴あきなし
d)残じんが2秒以下
e)残炎が2秒以下
(2)ISO 17493に規定される耐熱性試験において、260~265℃、5分間暴露条件で以下を全て満たす。
a)溶融しない
b)滴下物なし
c)着炎なし
d)収縮率が10%未満
(3)ISO 9151に規定される炎暴露試験においてHTI24が4秒以上である。
(4)ISO 6942 METHOD Bに規定される20kW/mの熱流束による放射熱暴露試験においてRHTI24が7秒以上である。
(5)ISO 5077に規定される5回洗濯前後の寸法変化が8%以下である。
(6)ISO 13938-1またはISO 13938-2に規定される破裂強さが試験片50cmの場合100kPaを超え、試験片7.3cmの場合200kPaを超える。
(7)ISO 11092に規定される熱抵抗値が0.055mK/W未満である。
(8)ISO 11092に規定される水蒸気透過抵抗値が7mPa/W未満である。
本発明によれば、難燃性、遮熱性、および快適性に優れる織編物および熱防護衣料が提供される。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、紡績糸はメタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミドとを含み、これらが混紡されている。
ここで、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とは、その繰返し単位の85モル%以上がm-フェニレンイソフタルアミドであるポリマーからなる繊維である。かかるメタ型全芳香族ポリアミドは、15モル%未満の範囲内で第3成分を含んだ共重合体であってもよい。
このようなメタ型全芳香族ポリアミドは、従来から公知の界面重合法により製造することができ、そのポリマーの重合度としては、0.5g/100mlの濃度のN-メチル-2-ピロリドン溶液で測定した固有粘度(I.V.)が1.3~1.9dl/gの範囲のものが好ましく用いられる。
上記メタ型全芳香族ポリアミドにはアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩が含有されていてもよい。アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩としては、ヘキシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ヘキシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルテトラデシルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩等の化合物が好ましく例示される。なかでもドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルフォスフォニウム塩、又はドデシルベンゼンスルホン酸トリブチルベンジルアンモニウム塩は、入手しやすく、熱的安定性も良好なうえ、N-メチル-2-ピロリドンに対する溶解度も高いため特に好ましく例示される。
上記アルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩の含有割合は、十分な染色性の改良効果を得るために、ポリ-m-フェニレンイソフタルアミドに対して2.5モル%以上、好ましくは3.0~7.0モル%の範囲にあるものが好ましい。
また、ポリ-m-フェニレンイソフタルアミドとアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を混合する方法としては、溶媒中にポリ-m-フェニレンイソフタルアミドを混合、溶解し、それにアルキルベンゼンスルホン酸オニウム塩を溶媒に溶解する方法などが用いられそのいずれを用いてもよい。このようにして得られたドープは、従来から公知の方法により繊維に形成される。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維に用いるポリマーは、染着性や耐変褪色性を向上させる等目的で、下記の式(1)で示される反復構造単位を含む芳香族ポリアミド骨格中に、反復構造の主たる構成単位とは異なる芳香族ジアミン成分、または芳香族ジカルボン酸ハライド成分を、第3成分として芳香族ポリアミドの反復構造単位の全量に対し1~10mol%となるように共重合させることも可能である。
-(NH-Ar1-NH-CO-Ar1-CO)- ・・・式(1)
ここで、Ar1はメタ配位または平行軸方向以外に結合基を有する2価の芳香族基である。
また、第3成分として共重合させることも可能であり、式(2)、(3)に示した芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、p-フェニレンジアミン、クロロフェニレンジアミン、メチルフェニレンジアミン、アセチルフェニレンジアミン、アミノアニシジン、ベンジジン、ビス(アミノフェニル)エーテル、ビス(アミノフェニル)スルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノアゾベンゼン等が挙げられる。式(4)、(5)に示すような芳香族ジカルボン酸ジクロライドの具体例としては、例えば、テレフタル酸クロライド、1,4-ナフタレンジカルボン酸クロライド、2,6-ナフタレンジカルボン酸クロライド、4,4’-ビフェニルジカルボン酸クロライド、5-クロルイソフタル酸クロライド、5-メトキシイソフタル酸クロライド、ビス(クロロカルボニルフェニル)エーテルなどが挙げられる。
N-Ar2-NH ・・・式(2)
N-Ar2-Y-Ar2-NH ・・・式(3)
XOC-Ar3-COX ・・・式(4)
XOC-Ar3-Y-Ar3-COX ・・・式(5)
ここで、Ar2はAr1とは異なる2価の芳香族基、Ar3はAr1とは異なる2価の芳香族基、Yは酸素原子、硫黄原子、アルキレン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の原子または官能基であり、Xはハロゲン原子を表す。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の結晶化度は、染料の吸尽性がよく、より少ない染料でまたは染色条件が弱くても狙いの色に調整し易いという点で、5~35%であることが好ましい。さらには、染料の表面偏在が起こり難く耐変褪色性も高い点および実用上必要な寸法安定性も確保できる点で15~25%であることがより好ましい。
また、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の残存溶媒量は、メタ型全芳香族ポリアミド繊維の優れた難燃性能を損なわない点で、0.1質量%以下(より好ましくは0.001~0.1質量%)であることが好ましい。
かかるメタ型全芳香族ポリアミド繊維として、優れた耐光堅牢度を得る上で国際公開公報第2013/061901号パンフレットに記載されているような原着メタ型全芳香族ポリアミド繊維が好ましい。
すなわち、本発明に用いられる顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、ペリノン系、ペリレン系、アンスラキノン系等の有機顔料、あるいは、カーボンブラック、群青、ベンガラ、酸化チタン、酸化鉄等の無機顔料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、メタ型全芳香族ポリアミドと顔料との混合方法は、アミド系溶媒中に顔料を均一分散したアミド系溶媒スラリーを作製し、当該アミド系溶媒スラリーをメタ型全芳香族ポリアミドがアミド系溶媒に溶解した溶液に添加する方法、あるいは顔料粉末を直接、メタ型全芳香族ポリアミドがアミド系溶媒に溶解した溶液に添加する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
顔料配合量としては、メタ型全芳香族ポリアミドに対して10.0質量%以下、好ましくは5.0質量%以下である。10.0質量%より多く添加した場合には、得られる繊維の物性が低下するおそれがある。
前記のようなメタ型全芳香族ポリアミド繊維は以下の方法により製造することができ、特に後述する方法により、結晶化度や残存溶媒量を上記範囲とすることができる。
メタ型全芳香族ポリアミドポリマーの重合方法としては、特に限定する必要はなく、例えば特公昭35-14399号公報、米国特許第3360595号公報、特公昭47-10863号公報などに記載された溶液重合法、界面重合法を用いてもよい。
紡糸溶液としては、とくに限定する必要はないが、上記溶液重合や界面重合などで得られた、芳香族コポリアミドポリマーを含むアミド系溶媒溶液を用いてもよいし、上記重合溶液から該ポリマーを単離し、これをアミド系溶媒に溶解したものを用いてもよい。
ここで用いられるアミド系溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを例示することができるが、とくにN,N-ジメチルアセトアミドが好ましい。
上記の通り得られた共重合芳香族ポリアミドポリマー溶液は、さらにアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を含むことにより安定化され、より高濃度、低温での使用が可能となり好ましい。好ましくはアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩がポリマー溶液の全質量に対して1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。その際、前記のような難燃剤を含ませることが好ましい。
紡糸・凝固工程においては、上記で得られた紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液または原着メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)を凝固液中に紡出して凝固させる。
紡糸装置としては特に限定されるものではなく、従来公知の湿式紡糸装置を使用することができる。また、安定して湿式紡糸できるものであれば、紡糸口金の紡糸孔数、配列状態、孔形状等は特に制限する必要はなく、例えば、孔数が1000~30000個、紡糸孔径が0.05~0.2mmのスフ用の多ホール紡糸口金等を用いてもよい。
また、紡糸口金から紡出する際の紡糸液(メタ型全芳香族ポリアミド重合体溶液)の温度は、20~90℃の範囲が適当である。
繊維を得るために用いる凝固浴としては、実質的に無機塩を含まない、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45~60質量%の水溶液を、浴液の温度10~50℃の範囲で用いる。アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が45質量%未満ではスキンが厚い構造となってしまい、洗浄工程における洗浄効率が低下し、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となるおそれがある。一方、アミド系溶媒(好ましくはNMP)の濃度が60質量%を超える場合には、繊維内部に至るまで均一な凝固を行うことができず、このためやはり、繊維の残存溶媒量を低減させることが困難となる。なお、凝固浴中への繊維の浸漬時間は、0.1~30秒の範囲が適当である。
引続き、アミド系溶媒、好ましくはNMPの濃度が45~60質量%の水溶液であり、浴液の温度を10~50℃の範囲とした可塑延伸浴中にて、3~4倍の延伸倍率で延伸を行う。延伸後、10~30℃のNMPの濃度が20~40質量%の水溶液、続いて50~70℃の温水浴を通して十分に洗浄を行う。
洗浄後の繊維は、温度270~290℃にて乾熱処理を施し、上記の結晶化度および残存溶媒量の範囲を満たすメタ型全芳香族アラミド繊維を得ることができる。
前記メタ型全芳香族アラミド繊維において、繊維は、長繊維(マルチフィラメント)でもよいし短繊維でもよい。特に、他の繊維と混紡する上で繊維長25~200mmの短繊維が好ましい。また、単繊維繊度としては1~5dtexの範囲が好ましい。
さらに、パラ型全芳香族ポリアミド繊維としては、パラフェニレンテレフタラミド繊維またはコパラフェニレン・3、4’オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維がより好ましい。
メタ型全芳香族ポリアミドのみではISO 15025 Procedure Aに規定される耐炎性試験において穴あきが発生するおそれがある。またパラ型全芳香族ポリアミドのみでは着炎するおそれがある。
メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維の混紡比としては、メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミド繊維の合計重量を基準として、メタ型全芳香族ポリアミド繊維95~40重量%が好ましい。
前記混紡糸には、さらに導電性繊維など他の合成繊維が含まれていてもよい。その際、導電性繊維としては、導電性繊維の導電部の導電体として、カーボンブラック、導電性酸化チタン、導電性ウィスカー、およびカーボンナノチューブの少なくとも一つを含む繊維が好ましい。
導電性繊維の形態は、繊維全体が導電部からなる構造でもよいし、非導電部と導電部が芯鞘、サンドイッチ、偏芯などの断面形状を有していてもよい。導電部、非導電部を形成する樹脂は、繊維形成性を有していれば、特段限定されるものではない。具体的には、ナイロン樹脂では、6ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、66ナイロンなどが挙げられる。また、ポリエステル樹脂では、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレートおよびこれらの共重合体や酸成分(テレフタル酸)の一部をイソフタル酸で置き換えたものなどが挙げられる。
市販されている導電性繊維としては、帝人社製「メタリアン」(商品名)、ユニチカファイバー製「メガーナ」(商品名)、東レ社製「ルアナ」(商品名)、クラレ社製「クラカーボ」(商品名)などが例示される。特に、導電性成分が鞘部に配された芯鞘型複合繊維が好ましい。かかる芯鞘型複合繊維としては、ソルシア社製「NO SHOCK(登録商標)」が好ましい。
本発明の織編物を構成する糸条において、前記のような繊維が混紡された紡績糸であることが好ましい。その際、目付けと厚さの制約から英式綿番手40番~80番の紡績糸を単独もしくは組み合わせて使用することが好ましい。また紡績糸は単糸で使用しても良いし、撚糸後使用しても良いが、双糸の場合20番相当より太くならないことが好ましい。
また本発明の織編物は上記混紡糸からなることが好ましいが、織編物全体の35%を上限として60~80番手のメタ型全芳香族ポリアミド100%の紡績糸を交編織することは目付を調整する手段として好ましく用いられる。
本発明の織編物において、目付けが100~200g/mであることが重要である。100g/m未満では、十分な破裂強力、ISO 9151、ISO 6942 Method Bに代表される遮熱性、耐炎性が得られないおそれがあり、200g/mを超えると熱抵抗値、水蒸気透過抵抗値に代表される放熱性が損なわれるおそれがある。
また本発明の織編物は7g/cm荷重下での厚さが0.6~1.1mmであることが重要である。0.6mm未満では前記遮熱性が損なわれるおそれがあり、1.1mmを超えると前記放熱性が損なわれるおそれがある。なお、遮熱性と放熱性を両立させる上で、通気性が160~350cm/cm/sec(より好ましくは200~260cm/cm・sec)の範囲内であることが好ましい。
本発明の織編物は常法により製編織することができる。その際、丸編組織、経編組織いずれでもよいが、丸編の場合、天竺、パール編、リブ編などのシングルニット、スムースなどのダブルニット経編の場合、デンビ、ダブルデンビ、ハーフ、逆ハーフが好ましく用いられる。特に熱伝導性を上げるため、極力空気層すなわち隙間または凹凸のない編物がより好ましい。組織中にタックを含まない編組織が好ましい。ゲージ数は目付と厚さの制約から22G(ゲージ)以下が好ましい。
かかる布帛は、着色を施すことが好ましい。その際、着色手段としては公知の手段が可能である。すなわち全芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)は原着であってもよいし、キャリア剤を用いて染色してもよい。
本発明の織編物は、前記の構成を有するので、難燃性、遮熱性、および放熱性などの快適性に優れる。その際、ISO 15025 Procedure Aに規定される耐炎性試験において、以下を全て満たすことが好ましい。
a)着炎なし
b)着炎落下物または溶融落下物なし
c)5mmを超える穴あきなし
d)残じんが2秒以下
e)残炎が2秒以下
また、ISO 17493に規定される耐熱性試験において、260~265℃、5分間暴露条件で以下を全て満たすことが好ましい。
a)溶融しない
b)滴下物なし
c)着炎なし
d)収縮率が10%未満
また、ISO 9151に規定される炎暴露試験においてHTI24が4秒以上であることが好ましい。また、ISO 6942 METHOD Bに規定される20kW/mの熱流束による放射熱暴露試験においてRHTI24が7秒以上であることが好ましい。また、ISO 5077に規定される5回洗濯前後の寸法変化が8%以下であることが好ましい。また、ISO 13938-1またはISO 13938-2に規定される破裂強さが試験片50cmの場合100kPaを超え、試験片7.3cmの場合200kPaを超えることが好ましい。また、ISO 11092に規定される熱抵抗値が0.055mK/W未満であることが好ましい。また、ISO 11092に規定される水蒸気透過抵抗値が7mPa/W未満であることが好ましい。
次に、本発明の熱防護衣料は前記の織編物を用いてなる熱防護衣料である。具体的には、消防士が防火服の下に着用する執務服いわゆるStation wear、または作業服、などが例示される。かかる熱防護衣料は前記の織編物を用いているため、難燃性、遮熱性、および放熱性などの快適性に優れる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(1)目付け
JIS L 1096 A法により測定した。
(2)厚さ
7g/cmの荷重をかけ測定を行なった。
(3)通気性
JIS L1096-1990 通気性A法(フラジール法)で測定した。
(4)耐炎性試験
ISO 15025 Procedure Aに基づき測定した。
(5)耐熱性試験
ISO 17493に規定される耐熱性試験において、260~265℃、5分間暴露条件で測定した。
(6)炎暴露試験
ISO9151に基づき測定した。
(7)放射熱暴露試験
ISO 6942 Method Bに基づき20kW/mの熱流束で測定した。
(8)洗濯後寸法変化
ISO 5077に基づき5回洗濯前後で測定した。
(9)破裂強さ
ISO 13938-1に基づき試験片7.3cmで測定した。
(10)熱抵抗値
ISO 11092に基づき測定した。
(11)水蒸気透過抵抗値
ISO 11092に基づき測定した。
実施例、比較例の素材として、以下の素材を用いた。
(メタ型全芳香族ポリアミド原着短繊維)
帝人株式会社社製、「コーネックス」(登録商標)、平均単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mm
(メタ型全芳香族ポリアミド生成短繊維)
帝人株式会社社製、「コーネックス」(登録商標)、平均単繊維繊度2.2dtex、繊維長51mm
(パラ型全芳香族ポリアミド短繊維)
帝人株式会社製、「テクノーラ」(登録商標)、平均単繊維繊度1.7dtex、繊維長51mm
(40番原着混紡短繊維)
メタ型全芳香族ポリアミド原着短繊維95%、パラ型全芳香族ポリアミド短繊維5%をリング紡績により常法に従い英式綿番手40番の単糸を得た。
(40番生成短繊維)
メタ型全芳香族ポリアミド生成短繊維100%をリング紡績により常法に従い英式綿番手40番の単糸を得た。
(60番生成短繊維)
メタ型全芳香族ポリアミド生成短繊維100%をリング紡績により常法に従い英式綿番手60番の単糸を得た。
(40番双糸原着混紡短繊維)
英式綿番手40番原着短繊維を双糸でS方向に19.8T/2,54cm撚糸し、100℃30分でスチームセットを行った。
(丸編機)
20、22、28ゲージ、釜径33インチの丸編機を使用した。
(経編機)
28ゲージ、2barのトリコット機を使用した。
[実施例1~3、比較例1~7]
表1に示した編種類、編組織、糸使い、ゲージで編物を得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2023044052000001
本発明によれば、難燃性、遮熱性、および放熱性などの快適性に優れる織編物および熱防護衣料が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (3)

  1. メタ型全芳香族ポリアミド繊維とパラ型全芳香族ポリアミドが混紡された紡績糸を含む織編物であり、目付けが100~200g/m、かつ7g/cm荷重下での厚さが0.6~1.1mmであることを特徴とする織編物。
  2. 下記(1)~(8)の要件を全て満たす、請求項1に記載の織編物。
    (1)ISO 15025 Procedure Aに規定される耐炎性試験において、以下を全て満たす。
    a)着炎なし
    b)着炎落下物または溶融落下物なし
    c)5mmを超える穴あきなし
    d)残じんが2秒以下
    e)残炎が2秒以下
    (2)ISO 17493に規定される耐熱性試験において、260~265℃、5分間暴露条件で以下を全て満たす。
    a)溶融しない
    b)滴下物なし
    c)着炎なし
    d)収縮率が10%未満
    (3)ISO 9151に規定される炎暴露試験においてHTI24が4秒以上である。
    (4)ISO 6942 METHOD Bに規定される20kW/mの熱流束による放射熱暴露試験においてRHTI24が7秒以上である。
    (5)ISO 5077に規定される5回洗濯前後の寸法変化が8%以下である。
    (6)ISO 13938-1またはISO 13938-2に規定される破裂強さが試験片50cmの場合100kPaを超え、試験片7.3cmの場合200kPaを超える。
    (7)ISO 11092に規定される熱抵抗値が0.055mK/W未満である。
    (8)ISO 11092に規定される水蒸気透過抵抗値が7mPa/W未満である。
  3. 請求項1または請求項2に記載の織編物を含む熱防護衣料。
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